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第二部 復興編
30.発見?
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俺は小学生の時から近所にあった道場で空手を習い始めて、今までずっと週5日の稽古を休んだことがなかった。
身体を動かすのは大好きだったし、楽しくて仕方なかった。
他にも色々とやっていたが、その資本となっていたのは健康な身体だ。
風邪らしい風邪もひいたこともなく健康優良児。
それを支えていたのは、食生活だった。
食べるのも大好きで、肉も魚も野菜も果物も好き嫌い無くしっかりと食べた。
中でも、手軽に食べれてすぐにエネルギーに変換される握り飯は大好物だった。
学校の部活前や、部活が終わってから道場に行くまでの間に都度2.3個食べてエネルギーチャージしていた。
「絶対にあると思う!」
「…えっ……」
「は……?」
思わず声に出てしまった俺の心の叫びに、前を歩いていたルルガとスザールは振り返った。
「あ、ごめん。つい魂の叫びが…」
二人して、そんな白い目で見ないでくれ。
「…まあいいさ。また何か面白そうなことだろ?」
スザールは察しがいいから、目をギラリと光らせている。
おう、当たりならな?
街道沿いの立っている倉庫のひとつに着くと、ルルガが扉を開いた。
「ここがナムールの保管場所です」
「うわ、スゲー量だな」
山のように積み重なった藁のような山にビビる。
「とにかくすぐに生えるんで、麦の収穫よりこちらの方が多いくらいです。捨てるのも勿体ないので、動物の肥料や煮炊き用の燃料にしてます」
細長い倉庫の手前側から奥に向かって、緑色の山が徐々に茶色くなっていってる。
乾燥が進んだ辺りの草に近づくと、確かに白いものがチラチラと見えた。
ルルガが適当な束ごと引き抜いて、見せてくれる。
「この先端の花の形をした所が、乾燥すると皮が縮んで中の実が出てくるんです」
「ほお~…」
いわゆる米の穂とは全然違うが、白い実は米に似ていなくもない。
白米というより、もち米みたいだな。
「あ、ドロリとした液体にしたのは、どうやったんだ?」
「普通に水で煮ましたけど…」
ほうほう、煮たのか。
それなら溶けるわな。
「よし、さっそく実験だ!」
まずは農民達に大きめの蓋つき鍋を何個か用意してもらい、水を入れる。
兵士達には、乾燥したナムールから白い実を振り落としてもらう。
手で握ればポロポロ取れるので、それを潤沢な水で濯いで皮や汚れを落とす。
塩も欲しいしナムールの茎だけじゃ火力が足りないので、リルの枝が登場。
農民達はニョキーっと伸びるリルに腰を抜かしてたけど、ごめんな。
小さい鍋に白い実と水を入れて、片手を入れて水の分量を量る。
おにぎりは自分で作ってたから、炊飯の水の分量は分かるんだ。
あ~でも、もち米はどうだったかな?少し違ったよなぁ。
そこはちょい適当に、芯が残らないように多めにしておこう。
実と水の分量が分かると、それを大鍋に10倍に増やしてセット。
まずは弱めの火力で炊き始めた。
「いいか?絶対に蓋を開けるなよ?」
少しして火力を強くして、吹きこぼれる寸前をキープだ。
始めチョロチョロ、中パッパだもんな。
炊いてる間に、リルの葉を乾燥させて塩をとり、マルルの実も作っておく。
他にもう一つ、ニラに似た青い葉のザザという植物も用意してもらった。
これは刻んでから塩を入れて揉むと、野沢菜に近い味が出る。
白米には絶対に合うヤツな?
鍋の縁がグツグツしてくると、もうワクワクが止まらない。
匂いがさ~、米に近いんだよな。
米より少し甘い感じはするけど、あの独特な匂いは近い。
皆は嗅ぎ慣れない香りで、不思議そうな顔してるけどな。
「……これ、またドロドロになってるんじゃ…」
ルルガも鍋の縁を微妙な顔で眺めている。
「俺の予想が当たってるんなら、その時は多分水が多かったんだと思う」
「水の量……ですか」
そうそう、米は水分が多いとおかゆや重湯になるからな。
「それでも、味付け次第じゃ美味いんだけどな」
食べたことがなければ、調理方法も分からんよな。
スザールに、こんな感じでと絵を描いてリルの枝と一緒に渡したら、サクっと大きなしゃもじが出来てきた。
ほんと、器用な貴族様だよ。
そろそろ良い感じかなと、タイミングを見計らって蓋を一気に取る。
「……おお~!」
湯気の向こうにあったものは。
身体を動かすのは大好きだったし、楽しくて仕方なかった。
他にも色々とやっていたが、その資本となっていたのは健康な身体だ。
風邪らしい風邪もひいたこともなく健康優良児。
それを支えていたのは、食生活だった。
食べるのも大好きで、肉も魚も野菜も果物も好き嫌い無くしっかりと食べた。
中でも、手軽に食べれてすぐにエネルギーに変換される握り飯は大好物だった。
学校の部活前や、部活が終わってから道場に行くまでの間に都度2.3個食べてエネルギーチャージしていた。
「絶対にあると思う!」
「…えっ……」
「は……?」
思わず声に出てしまった俺の心の叫びに、前を歩いていたルルガとスザールは振り返った。
「あ、ごめん。つい魂の叫びが…」
二人して、そんな白い目で見ないでくれ。
「…まあいいさ。また何か面白そうなことだろ?」
スザールは察しがいいから、目をギラリと光らせている。
おう、当たりならな?
街道沿いの立っている倉庫のひとつに着くと、ルルガが扉を開いた。
「ここがナムールの保管場所です」
「うわ、スゲー量だな」
山のように積み重なった藁のような山にビビる。
「とにかくすぐに生えるんで、麦の収穫よりこちらの方が多いくらいです。捨てるのも勿体ないので、動物の肥料や煮炊き用の燃料にしてます」
細長い倉庫の手前側から奥に向かって、緑色の山が徐々に茶色くなっていってる。
乾燥が進んだ辺りの草に近づくと、確かに白いものがチラチラと見えた。
ルルガが適当な束ごと引き抜いて、見せてくれる。
「この先端の花の形をした所が、乾燥すると皮が縮んで中の実が出てくるんです」
「ほお~…」
いわゆる米の穂とは全然違うが、白い実は米に似ていなくもない。
白米というより、もち米みたいだな。
「あ、ドロリとした液体にしたのは、どうやったんだ?」
「普通に水で煮ましたけど…」
ほうほう、煮たのか。
それなら溶けるわな。
「よし、さっそく実験だ!」
まずは農民達に大きめの蓋つき鍋を何個か用意してもらい、水を入れる。
兵士達には、乾燥したナムールから白い実を振り落としてもらう。
手で握ればポロポロ取れるので、それを潤沢な水で濯いで皮や汚れを落とす。
塩も欲しいしナムールの茎だけじゃ火力が足りないので、リルの枝が登場。
農民達はニョキーっと伸びるリルに腰を抜かしてたけど、ごめんな。
小さい鍋に白い実と水を入れて、片手を入れて水の分量を量る。
おにぎりは自分で作ってたから、炊飯の水の分量は分かるんだ。
あ~でも、もち米はどうだったかな?少し違ったよなぁ。
そこはちょい適当に、芯が残らないように多めにしておこう。
実と水の分量が分かると、それを大鍋に10倍に増やしてセット。
まずは弱めの火力で炊き始めた。
「いいか?絶対に蓋を開けるなよ?」
少しして火力を強くして、吹きこぼれる寸前をキープだ。
始めチョロチョロ、中パッパだもんな。
炊いてる間に、リルの葉を乾燥させて塩をとり、マルルの実も作っておく。
他にもう一つ、ニラに似た青い葉のザザという植物も用意してもらった。
これは刻んでから塩を入れて揉むと、野沢菜に近い味が出る。
白米には絶対に合うヤツな?
鍋の縁がグツグツしてくると、もうワクワクが止まらない。
匂いがさ~、米に近いんだよな。
米より少し甘い感じはするけど、あの独特な匂いは近い。
皆は嗅ぎ慣れない香りで、不思議そうな顔してるけどな。
「……これ、またドロドロになってるんじゃ…」
ルルガも鍋の縁を微妙な顔で眺めている。
「俺の予想が当たってるんなら、その時は多分水が多かったんだと思う」
「水の量……ですか」
そうそう、米は水分が多いとおかゆや重湯になるからな。
「それでも、味付け次第じゃ美味いんだけどな」
食べたことがなければ、調理方法も分からんよな。
スザールに、こんな感じでと絵を描いてリルの枝と一緒に渡したら、サクっと大きなしゃもじが出来てきた。
ほんと、器用な貴族様だよ。
そろそろ良い感じかなと、タイミングを見計らって蓋を一気に取る。
「……おお~!」
湯気の向こうにあったものは。
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