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秘密基地
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埃のニオイはするが,息苦しいほどではない。キッチンが壁際にキッチンが取り付けられたその部屋の隅には,かなり古そうな洗濯機と冷蔵庫が置いてあった。土を整地したようにしてできてある玄関で一応靴を脱ぎ,中へ上がりこんだ。
正弥はリュックを置いて,部屋の真ん中にあるテーブルに向かって歩き,そこにある椅子に腰かけた。
「腹減った~」
達也は緊張感の欠片もない間抜けな声を出すと,さっそく冷蔵庫のドアを開けて中を物色しだした。何もないじゃないか,と肩を落として言う達也に正弥は,あったら何か食うのかよ,と馬鹿にして言った。達也は何も言葉を返さない。どうやら本気で何かを食うつもりだったらしい。
疲れたなあ,と言って部屋を物色するのに飽きた達也はフローリングに寝そべった。埃だらけの
床で寝るのは気分も良くないだろう。何か敷けるものでもないかと部屋の中を漁ろうとすると,あっ,と達也が呟いた。
「屋根,なんか空につながってねえか?」
そんなわけないだろうと思って天井を見上げると,そこにはぽっかりと井戸のような穴が開いているように見えた。星や月が見えるわけではないので直接空につながっているとは断定しがたいが,穴のように見えた。その先は丘の上になっているのだろうか。それとも丘の途中でふさがっているのだろうか。
もういい,考えるのはやめて明日に備えて寝よう。明日は朝早くにここを出て,人目のつかないうちに帰宅しなければならない。
これからに思案を巡らしていると,背後でかすかな物音がした。
ぎくりとして振り返った。何か白いものが視界に入った。目を凝らして見つめると,それは封筒だった。
正弥はリュックを置いて,部屋の真ん中にあるテーブルに向かって歩き,そこにある椅子に腰かけた。
「腹減った~」
達也は緊張感の欠片もない間抜けな声を出すと,さっそく冷蔵庫のドアを開けて中を物色しだした。何もないじゃないか,と肩を落として言う達也に正弥は,あったら何か食うのかよ,と馬鹿にして言った。達也は何も言葉を返さない。どうやら本気で何かを食うつもりだったらしい。
疲れたなあ,と言って部屋を物色するのに飽きた達也はフローリングに寝そべった。埃だらけの
床で寝るのは気分も良くないだろう。何か敷けるものでもないかと部屋の中を漁ろうとすると,あっ,と達也が呟いた。
「屋根,なんか空につながってねえか?」
そんなわけないだろうと思って天井を見上げると,そこにはぽっかりと井戸のような穴が開いているように見えた。星や月が見えるわけではないので直接空につながっているとは断定しがたいが,穴のように見えた。その先は丘の上になっているのだろうか。それとも丘の途中でふさがっているのだろうか。
もういい,考えるのはやめて明日に備えて寝よう。明日は朝早くにここを出て,人目のつかないうちに帰宅しなければならない。
これからに思案を巡らしていると,背後でかすかな物音がした。
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