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一枚の封筒
しおりを挟む一瞬にして全身の血が騒いだ。誰かが上から封筒を落としたのだろうか。それも意図的に。例え人が住んでいたとしても,こんな時間に封筒が届くはずない。つまり,ここにいる二人に気付いて何者かが知らせてきたということになる。
正弥は深呼吸して上の様子を伺った。不気味なほどに動きも気配もなく,ただ暗闇が奥へとつながっているばかりだった。
少しほっとして,封筒を拾い上げた。表には何も書かれていない。裏返すと,癖のある文字で「天使の部屋」と書いてあった。
それを持って達也に見せた。達也は眠そうな顔のまま特に気にしていない様子だ。
「何だ。封筒か? 気にするなよ。もともとは人が住んでいたんだろうから,手紙の一つや二つが届いてもおかしくないだろ」
「いや,今落ちてきたんだ。部屋に入ってきた時にはなかった。それにこの耳で落ちてきた音も聞いたんだから間違いない。ほら,封筒も新しいものだ。前から落ちていたのなら他の冷蔵庫やこの床のように埃だらけになっているはずだ」
「管理人か? それとも・・・・・・警察?」
「いや,それは違うと思う。管理人なんて近くにいるはずもないし,警察ならこんな回りくどいことはしない」
それもそうか,と達也は眠たいような不安そうな顔をしている。
正弥は改めて封筒を見た。中身は便せんが何枚も入っているような厚さだ。この中には何が記されているのだろう。見るのは危険なような気もしたが,見ずにはいられない。投入者は何を考えていたのだろう。
意を決してその封をされたところに指をあてた。
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