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第一章 喜んで婚約破棄させて頂きますわ
本当にお世話になりましたわ
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あぁーやらかしやがりましたわね…この愚妹は…
初対面の挨拶は本来立場が上の者からするものだとマナー講習で習わなかったのかしら?
しかも、相手は王族…ありえませんわ…
まぁ、愚妹が不敬罪になろうとも私には関係ありませんが。
お父様は真っ青なお顔をされ、ゴルダナ夫人は誇った顔をされています。
ゴルダナ夫人もマナー講習受けた方がよろしいかと思われますわ。
同じ貴族として品位を疑われます。
第二王子はと言うと驚いた表情をされて少し引いていましたが直ぐにいつもの元の硬い表情に戻り、何も無かったかの様に「あぁ」と一言だけ呟きました。
それ以外言葉が思いつきませんものね。
呆れてものも言えない私を置いて愚妹は話し出しました。
「お姉様とロシナンテ王子殿下が御知り合いだなんて知りませんでしたわ!!お会いできたか光栄ですわ!!」
「あぁ、ありがとう。では、ルーティーよ、早く荷物を纏めて降りてくる様に。馬車で」
嬉しそうな笑顔を見せながら快活に話す愚妹を他所に第二王子は愚妹をさらりとスルーして話を進めてきました。
流石第二王子、私以外の扱いが恐ろしくクールですわ。
「荷物はいつでも迎える様にインベントリに全て閉まっておりますのでいつでも出れますが、流石に今までお世話になった使用人達には挨拶をしたいですわ」
「うむ、それはそうだな。一部使用人は王宮に来て貰う事にはなっているが諸事情で残らざる負えない者達にはキッチリ挨拶をしてこい。それが筋というものだ。」
「有り難きお言葉です」
「これから義兄妹になるのだからもっとフランクに話しても良いのだぞ?」
「そうですわね。これから少しずつ気をつけていきたいと存じますわ。」
「あぁ、そうしてくれ。私はここで待っているから挨拶が終わり次第戻ってくる様に。」
「畏まりましたわ、お義兄様。では失礼致します。」
私が席を立ち、使用人の所に向かおうとするとお父様が私を止めようとしましたが、第二王子に止められ、「これから支度金について話をしよう。」と言って足止めしてくれました。
ゴルダナ夫人は鼻から私の事を追い出したいと思って居たから止める事無く放置、愚妹は第二王子をキラキラとした目で見つめ、恐らく理解出来て無いにも関わらず「凄いですわぁー」と謎の相打ちを入れて居た。
これで気兼ねなく今までお世話になった使用人達にお別れを告げにいけました。
皆いつも蔑ろにされていた私をコッソリと慰めてくれて優しくしてくれた人達で本当に感謝しかありません。
本当は全員連れて行っても良いとは言われたのですが、家庭の事情でスパニッシュ公爵家から離れない人達が居るので離れたくは無いのですが仕方ない事です。
皆さんが私の向こうでの幸せを願ってくれました。
中には私が生まれる前からこの公爵家に仕えて居た者も居て、実の家族より深い縁を感じる方も居ます。
それが執事のノイゼンです。
もう老齢のお爺ちゃん執事のですが現役でこの公爵家を支えている素晴らしい御仁ですわ。
いつも優しく時に厳しく私を叱ってくれる尊敬出来るお爺ちゃんの様な存在で本当は一緒に来て欲しかったのですが、ノイゼンはお母様の忠臣でお母様が護りたかったこの公爵家の為に残ると仰りました。
この公爵家の行く末を最後まで見守るそうです。
見守った後は、執事業も引退して隠居生活をしようと話していました。
ノイゼンらしい考え方だと思い、私は引き留める事はしませんでした。
もし、困った事があれば義母子の事以外ならお手伝いしますのでお声がけくださいと伝えると「ありがとうございますお嬢様」と、いつもの優しい笑顔で微笑んでくれました。
今まで本当にお世話になりましたわ。
初対面の挨拶は本来立場が上の者からするものだとマナー講習で習わなかったのかしら?
しかも、相手は王族…ありえませんわ…
まぁ、愚妹が不敬罪になろうとも私には関係ありませんが。
お父様は真っ青なお顔をされ、ゴルダナ夫人は誇った顔をされています。
ゴルダナ夫人もマナー講習受けた方がよろしいかと思われますわ。
同じ貴族として品位を疑われます。
第二王子はと言うと驚いた表情をされて少し引いていましたが直ぐにいつもの元の硬い表情に戻り、何も無かったかの様に「あぁ」と一言だけ呟きました。
それ以外言葉が思いつきませんものね。
呆れてものも言えない私を置いて愚妹は話し出しました。
「お姉様とロシナンテ王子殿下が御知り合いだなんて知りませんでしたわ!!お会いできたか光栄ですわ!!」
「あぁ、ありがとう。では、ルーティーよ、早く荷物を纏めて降りてくる様に。馬車で」
嬉しそうな笑顔を見せながら快活に話す愚妹を他所に第二王子は愚妹をさらりとスルーして話を進めてきました。
流石第二王子、私以外の扱いが恐ろしくクールですわ。
「荷物はいつでも迎える様にインベントリに全て閉まっておりますのでいつでも出れますが、流石に今までお世話になった使用人達には挨拶をしたいですわ」
「うむ、それはそうだな。一部使用人は王宮に来て貰う事にはなっているが諸事情で残らざる負えない者達にはキッチリ挨拶をしてこい。それが筋というものだ。」
「有り難きお言葉です」
「これから義兄妹になるのだからもっとフランクに話しても良いのだぞ?」
「そうですわね。これから少しずつ気をつけていきたいと存じますわ。」
「あぁ、そうしてくれ。私はここで待っているから挨拶が終わり次第戻ってくる様に。」
「畏まりましたわ、お義兄様。では失礼致します。」
私が席を立ち、使用人の所に向かおうとするとお父様が私を止めようとしましたが、第二王子に止められ、「これから支度金について話をしよう。」と言って足止めしてくれました。
ゴルダナ夫人は鼻から私の事を追い出したいと思って居たから止める事無く放置、愚妹は第二王子をキラキラとした目で見つめ、恐らく理解出来て無いにも関わらず「凄いですわぁー」と謎の相打ちを入れて居た。
これで気兼ねなく今までお世話になった使用人達にお別れを告げにいけました。
皆いつも蔑ろにされていた私をコッソリと慰めてくれて優しくしてくれた人達で本当に感謝しかありません。
本当は全員連れて行っても良いとは言われたのですが、家庭の事情でスパニッシュ公爵家から離れない人達が居るので離れたくは無いのですが仕方ない事です。
皆さんが私の向こうでの幸せを願ってくれました。
中には私が生まれる前からこの公爵家に仕えて居た者も居て、実の家族より深い縁を感じる方も居ます。
それが執事のノイゼンです。
もう老齢のお爺ちゃん執事のですが現役でこの公爵家を支えている素晴らしい御仁ですわ。
いつも優しく時に厳しく私を叱ってくれる尊敬出来るお爺ちゃんの様な存在で本当は一緒に来て欲しかったのですが、ノイゼンはお母様の忠臣でお母様が護りたかったこの公爵家の為に残ると仰りました。
この公爵家の行く末を最後まで見守るそうです。
見守った後は、執事業も引退して隠居生活をしようと話していました。
ノイゼンらしい考え方だと思い、私は引き留める事はしませんでした。
もし、困った事があれば義母子の事以外ならお手伝いしますのでお声がけくださいと伝えると「ありがとうございますお嬢様」と、いつもの優しい笑顔で微笑んでくれました。
今まで本当にお世話になりましたわ。
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