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衝動が抑えきれず……
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「一先ず皆座っているし、冷めてしまう前にいただこう」
「だな」
ワイアットも賛同してきたところで、『いただきます』と皆で言ってからありがたく食事をいただく。
ちなみに、俺の右隣にシエナ、左隣にメリッサが座っており、ワイアットは対面にポツリと一人で座っているという配置だ。
可愛そうだが、彼女たちが自分で勝手に決めたもんだから俺からは何も言わない。
俺はさっそくメリッサのフォローをするために、彼女の料理を小皿にとって……パクリと食べる。
ジャリジャリジャリ……
…………ほう。
「……無理に食べてもらわなくても結構ですの……見た目からして不味そうですし、健康に悪そうですから」
メリッサが悲しそうな顔をする。
……そういう顔をしたら全部食ってやらねば、という気持ちになるだろうが。ったく、ズルいぞ。
俺は小皿に分けた料理を全部食べ終わった後、残りの黒焦げになったメリッサの料理も全て……平らげた。
水を飲み、一息ついてからメリッサに料理の感想を言う。
「メリッサはどっちがいい? 気を使った感想か、直球な感想か。選んでくれ」
「……直球のほうでいいですわ」
「じゃあ、そっちの感想を。はっきり言って不味い。味付けはしっかりとしていたのかも知れないけど、黒焦げになってしまったから全てが台無しだ。あれだな、炭を食っているみたいだった」
メリッサは涙目になってしまった。
まあ、そうなるわな。
俺はメリッサの頭を撫でてやる。
「失敗は誰にでもあるもんだ。俺も料理をするが、こんな感じで大失敗したことだってある。ワイアットもそうだろ? なあ?」
「……おうだとも! 黒焦げにした回数は数え切れないぞ! もうそれはそれはたくさんだ!」
彼も空気を読んで同調してくれた。おそらく嘘ではあるだろうが。
「そう……ですの……? じゃあ、わたくしもいつかはワイアットさんみたいに料理が上手になって……エリックの胃袋を掴むことができますの?」
「もちろんだ! なあエリック?」
「ああ、そのとおりさワイアット」
ニコニコと笑って彼女の意見を肯定してあげる。
すると……
「なら気持ちを切り替えますわ! エリック、覚悟しておいてくださいまし! いずれめちゃくちゃ美味しいお料理を振る舞って差し上げて、必ずや落として見せますわ! オホホホ!」
メリッサはめちゃくちゃ元気になった。
……よかったよかった。
彼女のテンションも戻ったところで、ワイアットに今日の料理を紹介してもらうことにした。
「ワイアット、今日の献立を教えてくれないか?」
「おう! 今日は豪華だぞ~! まずは野菜の盛り合わせに、豚の丸焼き、それに鳥の丸焼きに……貴重なコメ! いつもの特製シチューに今日はビーフシチューも作ってみた。あとは、メリッサさんの牛肉の炒め物にシエナさんのお手製ソーセージだ!」
なるほどなるほど。この美味しそうなのがシエナが作ったソーセージか。一つもらおう。
自分の皿にシエナの作ってくれたソーセージを分けながら、彼にいちばん大事なことを聞く。
「して、今日の料理のコース名は?」
「そうだな……ワイアットのメリッサさん、ご加入おめでとう! コースかな」
……なるほど。
「そうか。じゃあシエナのソーセージを早速いただこうか」
「おい! 聞いてきたんだから感想を言え!」
……俺がスルーしているんだから分かるだろう。まあ、いい。教えてやるか。
「じゃあ、気を使った感想か、直球な感想か。どちらかを選んでくれ」
「直球で!」
「微妙。以上。よし、じゃあいただきまーす」
ワイアットが『微妙……』と若干落胆したような顔をしたが、一切フォローはせずにソーセージを頂く。
パキッ……ジュワァ……もぐもぐもぐ。
「どう……でしょうか……?」
シエナが不安そうに聞いてくる。
「……美味い。気を使った感想とかじゃなくて、本当に美味いぞ。凄いな、シエナ!」
「――ありがとうございます! ソーセージに使う肉ダネを作って、羊腸にそれを詰める作業しかやっていないのですが、それでも嬉しいです!」
天使のような笑顔でシエナが話してくる。
くそっ、ワイアットがいなかったら今すぐキスしたいくらいだ!
いや、ちょっと待て。彼には目をつぶってもらえれば別に良いんじゃないか。
よし、そうしよう。この胸から湧き上がってくる感情を今すぐにでもどうにかしたいし。
「ワイアット、しばらく目をつぶっていてくれないか?」
「……ん? なんでだ? 何をしようとーー」
「――《サンダーボルト》!」
「ほげぇぇえええええええ……ぇ……」
説明するのが面倒くさくなったので、ソフィアにも使った魔術を放ちワイアットを気絶させる。今回はちゃんと力加減をしたから二分ぐらいで目が覚めるはずだ。
「エリック様? なぜその魔術を……?」
「シエナとキスがしたい。いいか……?」
「…………んっ……」
彼女は何も聞かず目を閉じてキス待ち顔になってくれた。
俺はゆっくりの彼女に近づいていき……唇を重ねる。
「んっ……んちゅっ……」
シエナは甘い甘い声を出して……俺を少しでも感じようと舌を口の中に入れてくる。
俺は拒否すること無く彼女の舌を迎い入れて、自分の舌と絡める。
たっぷり一分間キスをした後……口を離す。
「その……我慢できなくて……ごめん」
「謝らないで下さい。私は、エリック様からキスを求めてくださって……嬉しいのです。でも……この続きは……家に帰ってから、ですからね?」
これ以上はここでは駄目ですよ、と俺の唇に人差し指を当ててくる。
いや、そんなことされたらむしろ息子が満場総立ち(スタンディングオベーション)するわ!
『分かったよ』と言いながらシエナとイチャイチャしていると、
「ちょっと! わたくしは!? わたくしにはシエナさんのようなキッスはしてくれないんですの!?」
メリッサがぐいぐいと俺の服を引っ張ってきて抗議の声を上げてきた。
シエナの頭をポンポンとしてから彼女に向き直る。
「いや、俺達まだそこまでの関係じゃないじゃん? 過去に会ったことがあるとは言え、まともに話したのは今日が初めてだし」
「でもでも! あんなものを見せつけてきておいて、エリックのことを好きだと言っているわたくしには何もないってひどいですわ! あそこまで激しいものではなくても、唇と唇を合わせるキッスくらいはしてくださいまし!」
なおも引き下がらないメリッサ。
ワイアットが目覚めるまで残り約三十秒。決断をするなら早くしないと……でも……こういう行為はちゃんとした気持ちがある人同士でやるものだろうし、やっぱりーー
「エリック様。メリッサ様にもキスをしていただけませんか? 私が同じ状況なら、自分だけしてもらえないなんて凄く悲しいです。それに、その……メリッサ様のエリック様を想う気持ちは本物だと……思います」
シエナ……お前……そこまで……
メリッサを見ると……コクコクと高速で首を縦に振っていた。
いや、お前はお前で……別の意味で凄いな。
まあ、シエナの言っていることにも一理あるし、正直言ってメリッサもめちゃくちゃ美人だからキスしたいと言えばしたい。好きかどうかは別だが。
ワイアットが目覚めるまで十秒を切ったであろうタイミングで、俺はメリッサに口づけをする。
シエナとしたようなキスではなかったが、今の俺の誠意を込めたキスだ。
まあ、誠意があるなら流されずにキスをするな、と言われそうではあるが……二人にこうまで言われたら仕方ないよね。
「ん……あれ……?」
ワイアットの意識が戻った瞬間、メリッサから唇を離して近くにあった野菜の盛り合わせを口に入れてこの状況をごまかす。
「ワイアット、大丈夫か? いきなり意識を失ったからびっくりしたぞ。最近休んでないんじゃないか?」
「……そう……だったっけ? なにかエリックにされたような気もするが……まあいいか。確かに最近出稼ぎ出ていて大変だったからな、それが原因なんだろう。すまんすまん。じゃあ食事を再開……ってメリッサさん、顔が赤いがどうしたんだ?」
「あ……いえ……気になさらないでくださいまし……」
メリッサは水をごくごくと飲んでごまかす。
……顔に出やすいタイプか。俺と一緒だな。
シエナの方を見てみると、彼女は一瞬妖艶な表情を俺に見せて……すぐにいつもどおりのにっこり笑顔でご飯をモグモグと食べ始めた。
エッッッッッッ!
その後はみんなで楽しく食事を頂いた。
「本当に美味かったよ。はい、これ食事代だ」
ご飯をたらふく食べた後、ワイアットに今日の食事代を渡す。
「……いつも済まないな」
彼は申し訳無さそうな顔をしてそれを受け取る。
まあ、色つけて渡さないとこの店潰れるからな。さっきも出稼ぎうんぬんって言っていたし。
『次も宜しく頼む』と言い残し、お腹をパンパンに膨らませた俺達は帰路に着いた。
「だな」
ワイアットも賛同してきたところで、『いただきます』と皆で言ってからありがたく食事をいただく。
ちなみに、俺の右隣にシエナ、左隣にメリッサが座っており、ワイアットは対面にポツリと一人で座っているという配置だ。
可愛そうだが、彼女たちが自分で勝手に決めたもんだから俺からは何も言わない。
俺はさっそくメリッサのフォローをするために、彼女の料理を小皿にとって……パクリと食べる。
ジャリジャリジャリ……
…………ほう。
「……無理に食べてもらわなくても結構ですの……見た目からして不味そうですし、健康に悪そうですから」
メリッサが悲しそうな顔をする。
……そういう顔をしたら全部食ってやらねば、という気持ちになるだろうが。ったく、ズルいぞ。
俺は小皿に分けた料理を全部食べ終わった後、残りの黒焦げになったメリッサの料理も全て……平らげた。
水を飲み、一息ついてからメリッサに料理の感想を言う。
「メリッサはどっちがいい? 気を使った感想か、直球な感想か。選んでくれ」
「……直球のほうでいいですわ」
「じゃあ、そっちの感想を。はっきり言って不味い。味付けはしっかりとしていたのかも知れないけど、黒焦げになってしまったから全てが台無しだ。あれだな、炭を食っているみたいだった」
メリッサは涙目になってしまった。
まあ、そうなるわな。
俺はメリッサの頭を撫でてやる。
「失敗は誰にでもあるもんだ。俺も料理をするが、こんな感じで大失敗したことだってある。ワイアットもそうだろ? なあ?」
「……おうだとも! 黒焦げにした回数は数え切れないぞ! もうそれはそれはたくさんだ!」
彼も空気を読んで同調してくれた。おそらく嘘ではあるだろうが。
「そう……ですの……? じゃあ、わたくしもいつかはワイアットさんみたいに料理が上手になって……エリックの胃袋を掴むことができますの?」
「もちろんだ! なあエリック?」
「ああ、そのとおりさワイアット」
ニコニコと笑って彼女の意見を肯定してあげる。
すると……
「なら気持ちを切り替えますわ! エリック、覚悟しておいてくださいまし! いずれめちゃくちゃ美味しいお料理を振る舞って差し上げて、必ずや落として見せますわ! オホホホ!」
メリッサはめちゃくちゃ元気になった。
……よかったよかった。
彼女のテンションも戻ったところで、ワイアットに今日の料理を紹介してもらうことにした。
「ワイアット、今日の献立を教えてくれないか?」
「おう! 今日は豪華だぞ~! まずは野菜の盛り合わせに、豚の丸焼き、それに鳥の丸焼きに……貴重なコメ! いつもの特製シチューに今日はビーフシチューも作ってみた。あとは、メリッサさんの牛肉の炒め物にシエナさんのお手製ソーセージだ!」
なるほどなるほど。この美味しそうなのがシエナが作ったソーセージか。一つもらおう。
自分の皿にシエナの作ってくれたソーセージを分けながら、彼にいちばん大事なことを聞く。
「して、今日の料理のコース名は?」
「そうだな……ワイアットのメリッサさん、ご加入おめでとう! コースかな」
……なるほど。
「そうか。じゃあシエナのソーセージを早速いただこうか」
「おい! 聞いてきたんだから感想を言え!」
……俺がスルーしているんだから分かるだろう。まあ、いい。教えてやるか。
「じゃあ、気を使った感想か、直球な感想か。どちらかを選んでくれ」
「直球で!」
「微妙。以上。よし、じゃあいただきまーす」
ワイアットが『微妙……』と若干落胆したような顔をしたが、一切フォローはせずにソーセージを頂く。
パキッ……ジュワァ……もぐもぐもぐ。
「どう……でしょうか……?」
シエナが不安そうに聞いてくる。
「……美味い。気を使った感想とかじゃなくて、本当に美味いぞ。凄いな、シエナ!」
「――ありがとうございます! ソーセージに使う肉ダネを作って、羊腸にそれを詰める作業しかやっていないのですが、それでも嬉しいです!」
天使のような笑顔でシエナが話してくる。
くそっ、ワイアットがいなかったら今すぐキスしたいくらいだ!
いや、ちょっと待て。彼には目をつぶってもらえれば別に良いんじゃないか。
よし、そうしよう。この胸から湧き上がってくる感情を今すぐにでもどうにかしたいし。
「ワイアット、しばらく目をつぶっていてくれないか?」
「……ん? なんでだ? 何をしようとーー」
「――《サンダーボルト》!」
「ほげぇぇえええええええ……ぇ……」
説明するのが面倒くさくなったので、ソフィアにも使った魔術を放ちワイアットを気絶させる。今回はちゃんと力加減をしたから二分ぐらいで目が覚めるはずだ。
「エリック様? なぜその魔術を……?」
「シエナとキスがしたい。いいか……?」
「…………んっ……」
彼女は何も聞かず目を閉じてキス待ち顔になってくれた。
俺はゆっくりの彼女に近づいていき……唇を重ねる。
「んっ……んちゅっ……」
シエナは甘い甘い声を出して……俺を少しでも感じようと舌を口の中に入れてくる。
俺は拒否すること無く彼女の舌を迎い入れて、自分の舌と絡める。
たっぷり一分間キスをした後……口を離す。
「その……我慢できなくて……ごめん」
「謝らないで下さい。私は、エリック様からキスを求めてくださって……嬉しいのです。でも……この続きは……家に帰ってから、ですからね?」
これ以上はここでは駄目ですよ、と俺の唇に人差し指を当ててくる。
いや、そんなことされたらむしろ息子が満場総立ち(スタンディングオベーション)するわ!
『分かったよ』と言いながらシエナとイチャイチャしていると、
「ちょっと! わたくしは!? わたくしにはシエナさんのようなキッスはしてくれないんですの!?」
メリッサがぐいぐいと俺の服を引っ張ってきて抗議の声を上げてきた。
シエナの頭をポンポンとしてから彼女に向き直る。
「いや、俺達まだそこまでの関係じゃないじゃん? 過去に会ったことがあるとは言え、まともに話したのは今日が初めてだし」
「でもでも! あんなものを見せつけてきておいて、エリックのことを好きだと言っているわたくしには何もないってひどいですわ! あそこまで激しいものではなくても、唇と唇を合わせるキッスくらいはしてくださいまし!」
なおも引き下がらないメリッサ。
ワイアットが目覚めるまで残り約三十秒。決断をするなら早くしないと……でも……こういう行為はちゃんとした気持ちがある人同士でやるものだろうし、やっぱりーー
「エリック様。メリッサ様にもキスをしていただけませんか? 私が同じ状況なら、自分だけしてもらえないなんて凄く悲しいです。それに、その……メリッサ様のエリック様を想う気持ちは本物だと……思います」
シエナ……お前……そこまで……
メリッサを見ると……コクコクと高速で首を縦に振っていた。
いや、お前はお前で……別の意味で凄いな。
まあ、シエナの言っていることにも一理あるし、正直言ってメリッサもめちゃくちゃ美人だからキスしたいと言えばしたい。好きかどうかは別だが。
ワイアットが目覚めるまで十秒を切ったであろうタイミングで、俺はメリッサに口づけをする。
シエナとしたようなキスではなかったが、今の俺の誠意を込めたキスだ。
まあ、誠意があるなら流されずにキスをするな、と言われそうではあるが……二人にこうまで言われたら仕方ないよね。
「ん……あれ……?」
ワイアットの意識が戻った瞬間、メリッサから唇を離して近くにあった野菜の盛り合わせを口に入れてこの状況をごまかす。
「ワイアット、大丈夫か? いきなり意識を失ったからびっくりしたぞ。最近休んでないんじゃないか?」
「……そう……だったっけ? なにかエリックにされたような気もするが……まあいいか。確かに最近出稼ぎ出ていて大変だったからな、それが原因なんだろう。すまんすまん。じゃあ食事を再開……ってメリッサさん、顔が赤いがどうしたんだ?」
「あ……いえ……気になさらないでくださいまし……」
メリッサは水をごくごくと飲んでごまかす。
……顔に出やすいタイプか。俺と一緒だな。
シエナの方を見てみると、彼女は一瞬妖艶な表情を俺に見せて……すぐにいつもどおりのにっこり笑顔でご飯をモグモグと食べ始めた。
エッッッッッッ!
その後はみんなで楽しく食事を頂いた。
「本当に美味かったよ。はい、これ食事代だ」
ご飯をたらふく食べた後、ワイアットに今日の食事代を渡す。
「……いつも済まないな」
彼は申し訳無さそうな顔をしてそれを受け取る。
まあ、色つけて渡さないとこの店潰れるからな。さっきも出稼ぎうんぬんって言っていたし。
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