ユニークスキルのせいでモテない俺は、酔っ払った勢いで奴隷を買いました。

練太郎

文字の大きさ
90 / 108

報告

しおりを挟む
 十分後。
 なんとかミラさんに足蹴りを止めてもらった俺は、色々なことを落ち着いて話すために二人がけのソファに四人で腰がけ――

「――って狭い! なんでこんなバカみたいに窮屈な座り方してんだ! 特にメリッサ! 座るところがないからって俺の太ももに腰を下ろすな! 前が見えんだろうが!」
「え!? わたくしだけ名指し!? いやですわ! わたくしもエリックと一緒に座るんですの!」
「こら! 俺の太ももの上で暴れるな! 色々と危ないだろうが!」

 これでは話が進まないということで、無理やりメリッサをどかせてソファから立ち、一人がけの椅子へと座り直す。
 ……はぁ……人目があるのに駄々をこねるなんて……よくは見えなかったがミラさんが鬼の形相で、しかし羨ましそうな目でこっちを見ていただろうが。あの人がブチギレたときに八つ当たりの対象になるのは俺なんだからな? 
 
 結局、俺が居なくなったからか、先程のソファにはシエナとメリッサ、その隣にあるもう一つのソファにはスズナとソフィアが腰かけるという感じで落ち着いた。
(最初からこうしておけば良かったな。俺が変に二人席に座ったからああなったんだ。今度からは気をつけよう。)
 して。いよいよ俺は本題に入ることにする。

「ミラさん、ソフィア。長ったらしいのは良くないので単刀直入に伝えますね。……俺達はドラゴンを発見しました。あと、追跡魔術も掛けておいたので、俺であれば今何処にドラゴンがいるのか分かります」
「おお! 流石はエリックさん。やることはちゃんとやってるじゃないですか!」
「それは嬉しい知らせね! よくやったわ、エリック。で、早速で悪いのだけど、ドラゴンは今何処にいるのか教えてくれるかしら?」
「ちょっと待ってくださいね……」

 俺は地面においていた荷物袋から地図を取り出し、『トレース』と言って魔術を起動する。
 すると……地図上にピコン! とマーカーが現れた。

「ドラゴンはここに今いるらしいですね。俺達が発見したときは……この洞窟にいたので、結構そこから移動したみたいです」

 ミラさんに地図を渡しながら説明する。
 良かったぁ……。もし、あのとき追跡魔術を掛けていなかったら見失っていたところだ。偉いぞ、俺!
 ミラさんは地図をふむふむと見た後、それをソフィアに渡し『至急マーカーの座標を書き出して、その情報を他の街に送りなさい』と言う。
 ドラゴンがずっと今の場所にいる保障はないが……その周辺にいる、もしくはいた、という情報があるなしでは大分状況が変わってくるだろう。
 本当はこの地図のマーカーをずっと出せたら良いんだが……この魔術の持続時間は五分。そして、一回トレースするとその後二十四時間は再使用出来ないという、なんとも不便な魔術なのだ。まあ、それでも一日に一回、目標の位置が分かるのは大きいと思うが。

 ミラさんに指示を出されたソフィアは『了解です!』と言って部屋を出ていく。
 野次馬としてついて来たのかと思っていたが……もしかしてこういうことを予想していたのかな? あいつ、意外と優秀だからなぁ……。んー、でも、さっきまでまじの野次馬だったし……分からん。
 ソフィアについてもう少し考えていたかったのだが、次の話をしなくてはいけないので思考を切り替える。

「これで、ドラゴンの現在位置は伝えられられましたね。で、次の話をしてもいいですか?」
「ええ、いいわよ。というか、十中八九報酬金の話でしょ? ほら、エリックの席の後ろを見て頂戴。袋が積んであるでしょ? あれがあなた達のお金よ。約束通り金貨四千枚。きっちりあるから、心配なら確認してくれてもいいわよ」
「ありがとうございます! 確認は面倒なんでしないでおきます。ミラさんのことなんで、枚数が少ない、もしくは多いというのはありえないでしょうし」

 俺はいそいそと荷物袋に金貨の入った袋を入れる。
 流石は四千枚の金貨。スカスカだった大きな荷物袋が一気に破裂しそうなくらいパンパンになった。
 ……うへ、うへへへ……俺の底をつきそうな財産が一気に増えたぞ……! そう考えたら、なんだかテンション上がってきたぁあああああ!
 心の中でひとしきり嬉しさを噛み締めた後、落ち着きを払った顔で席に着く。

「じゃあ、次の話にいきますか」
「……努めて冷静な顔にしているんでしょうけど、口元がにやけているわよ? なんだかこのエリック、金に目がない感じがして嫌だわ」
「――んな! 俺は、シエナ、メリッサ、それとこれからはスズナを加えた三人に何不自由なく生活してもらうためにお金を使っているんですよ!? そんなことを言われる筋合いはないです! 金に目が無いのは事実かもしれませんが!」

 俺はミラさんの発言に即訂正を加える。俺の言葉を聞いてシエナ達は嬉しそうな顔をしてくるが……ミラさんはなんだか悔しさと羨望が混じったような表情だ。

「……ふんっ! 勝手にすればいいわ!」

 彼女はプイッと他所を向いてしまう。
 ふむ。なぜかキレられてしまったが、まったく原因が分からない。分からないということはどうしようもないということなので、このまま話を続け――

「で、エリック。そこの巨乳の女は誰かしら? 私の知らない間に現地妻でも作ったの? そうなの? だったら今からあんたをタコ殴りにしないと気が済まないのだけど。いいかしら?」
「いやおかしいでしょ! なんで俺が殴られなきゃならないんですか! 彼女はスズナです。色々訳あって俺のパーティーメンバーに加わったんです!」

 『ふーん』と言ってミラさんがスズナのことを見る。
 なんというか、目つきからして機嫌が悪いですな。このままだと二人の仲が険悪なものになってしまう。
 ……仕方ない。色々長くなりそうだから省いたスズナに関する説明を一からするか。それを聞いたらミラさんの機嫌も直って、スズナに対する態度も変わるだろう。
 というわけで、彼女のことについて俺と、そして本人であるスズナからミラさんに説明をすることにした。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

痩せる為に不人気のゴブリン狩りを始めたら人生が変わりすぎた件~痩せたらお金もハーレムも色々手に入りました~

ぐうのすけ
ファンタジー
主人公(太田太志)は高校デビューと同時に体重130キロに到達した。 食事制限とハザマ(ダンジョン)ダイエットを勧めれるが、太志は食事制限を後回しにし、ハザマダイエットを開始する。 最初は甘えていた大志だったが、人とのかかわりによって徐々に考えや行動を変えていく。 それによりスキルや人間関係が変化していき、ヒロインとの関係も変わっていくのだった。 ※最初は成長メインで描かれますが、徐々にヒロインの展開が多めになっていく……予定です。 カクヨムで先行投稿中!

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?

音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。 役に立たないから出ていけ? わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます! さようなら! 5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります

内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品] 冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた! 物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。 職人ギルドから追放された美少女ソフィア。 逃亡中の魔法使いノエル。 騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。 彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。 カクヨムにて完結済み。 ( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )

至れり尽くせり!僕専用メイドの全員が溺愛してくる件

こうたろ
青春
普通の大学生・佐藤健太は目覚めると、自宅が豪華な洋館に変わり10人の美人メイドたちに「お目覚めですか、ご主人様?」と一斉に迎えられる。いつの間にか彼らの“専属主人”になっていた健太は戸惑う間もなく、朝から晩までメイドたちの超至れり尽くせりな奉仕を受け始める。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

処理中です...