ある日、私の頭に耳が生えました

巻乃

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異界渡り(ワーオランドーラ国)編

ジャンヌ様の結婚式

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 ジャンヌ様の結婚式は王城内にある大聖堂で行われます。王城からルー家へ、国賓である私達を迎える馬車が来るそうです。

 ここで、私の家の事と祥さん達の家と役職が判明致しましたーーー!!!

 加奈さんは、今はご兄弟が当主となっている公爵家出身で、一郎さんが次期公爵なので、次期公爵夫人。

 一郎さんは、祥さんの従兄で公爵家の嫡男、次期公爵で宰相補佐。

 陽太郎さんは、祥さんや一郎さんとは従兄弟で、侯爵家の次男。で、近衛騎士!なるほどね、と思った。

 そして、私は公爵家次女で、兄と姉がいる3人兄妹でした。うん、ロックさんが装飾品店で教えてくれてたから、驚きはしなかったけど。それで、祥さんが私の番で婚約者。

 一番驚いたのは、祥さんが次期王様で、王太子だったことです!本物の王子様でした!!!うわー!!となりましたよ。そうすると、私が次期王妃?!え、王太子妃なの?!!って。

 ふーっと息を吐き出して、冷静になるんだと自分に言い聞かせる。まだ家や役職を感情では飲み込めてないけど、私が良いとこのお嬢様なのが分かったんだから、みっともない姿をさらさないように、それだけは気を付けないと!でも、後で思い出して、慌てる自分を想像してました……。

 辛うじて、耳が出る事態を避けられましたが、頭の上に手を当てていたので、祥さんがニヤニヤしてました。うう、意地悪なんだから!

「百面相が面白かったよ。」って、祥さんに言われましたけどね。不貞腐れてやる!

 あーー、でもだから、ワーオランドーラの王妃であるジャンヌ様とは純粋に友人になっておいて良かったなー。お互いが双方の身分に左右されないうちでーと、思っていました。日本では出来なかった友人の結婚式に出席出来るんだもん、今日はドレス位、我慢しようという気持ちになりました。

 馬車に乗って、大聖堂へ案内されて、私と加奈さんは、ジャンヌ様の控室へ案内されました。祥さんと一郎さんに、陽太郎さんは、王様の控室へ案内されていきました。

 ウエディングドレス姿のジャンヌ様は、白いレースも刺繍も、縫い込んである宝石みたいなモノが光って、とっても綺麗な、ドレスとお揃いのレースと刺繍で出来ていたベールも素敵で、幸せな姿でした。

 友人2人とその番からのお祝いです。と、ブーケを渡しました。色とりどりの薔薇を使ったブーケなんですよ。祥さん達は、ブートニアを王様にプレゼントしていると思います。

 ジャンヌ様がブーケを凄く喜んでくれたので、渡せて良かったです。

 王様とジャンヌ様からは、「ワーオランドーラの方から出向いてお詫びをしなくてはならない所なのに、国賓として訪問してくれるだけで、とっても有り難いので、お気遣いなく。」と言われてましたんで。

 でもね、友達にはお祝いをしてあげたかったんです。宰相補佐のロックさんには内緒にして下さいと口止めand相談をして、ブーケとブートニアのデザインを加奈さんと私で急いでした後、超特急料金で仕上げてもらうように手配しました。それで、ブーケとブートニアが馬車に乗る前ギリギリに届いたんですよ、大丈夫かどうかハラハラして、結構、焦りましたけど。

「おめでとう、ジャンヌ様。番が来たので、本当の名を名乗れますわ。私はカーナ・ビューンと申します。これからも友人としてお願いしますわ。一応、宰相補佐の公爵夫人ですの。」

「ありがとう。」

「ジャンヌ様、結婚おめでとうございます。これからもただの友人として、お願いします。それから、私、まだこちらでの名前を知らないんです。カーナ様、教えて頂けますか?」
「彼女は、ナーオ・ロウ国王太子の婚約者で番の、ユーイ・チタント公爵令嬢ですわ。長らく国から連れ出されており、異界渡りして戻る途中で、獅子国の宰相白角の策略により、ワーオランドーラの王の術式を改悪されてこの国へ来ましたの。」

「祝いの言葉をありがとう。わたくしも昨夜の寝物語で王、クロードから詳細を聞いておりますわ。」

「それにしても初々しくて、綺麗ねー。」「え、そんな…。」「本当に素敵。」
「凄ーく綺麗で、可愛いし、いいなぁ。」「幸せ一杯ねー。」「ふ、2人共、あ、ありがとうですわ!」

 きゃぴきゃぴ(?!)キャー!キャー!と騒いでいたら、私達の番の男性と花婿の3人とその護衛がやって来ました。

「今日はおめでとうございます。結依の番として、今日までのお礼を告げます。番を助けて頂き、ありがとうございました。」
「ご結婚おめでとうございます。私も番の加奈を助けて頂き、ありがとうございました。」

「私は、近衛でこの4人を騎士として守りに来ました。今日は、ご結婚おめでとうございます。私も番との結婚を控えておりますので。」

 3人がそれぞれジャンヌ様に挨拶すると、ワーオランドーラの王様が私達の前に出て来た。

「ワーオランドーラの王、クロード・ワーオランドーラだ。お2人方がジャンヌのであることに感謝しております。ユーイ殿には、差し入れを頂いた事にも感謝しています。ありがとうございます。カーナ殿には、色々とご助言や差し入れの手伝い他、細かい気配りをありがとうございます。これからもジャンヌを宜しくお願い致します。」

 あーぁ、ジャンヌ様が感激して泣いてしまいました。「…クロード、好き…。」

 ジャンヌ様の呟きを聞いた王様がニヤッと笑った気がした。ああ、ジャンヌ様は今夜も…。お疲れ様です…。

 その後、お化粧直しをされたジャンヌ様は、さっきよりも笑顔が輝いて見えました。

「ジャンヌ、綺麗で可愛くて、美味しそう。」とか、「クロードがカッコ良過ぎるから、くらくらします。」とか聞こえて来たのを私達は聞こえなかった振りをして、控室から大聖堂の最前列へ案内されて座っていました。

 祥さんから、他の国からはお祝いの使者や宰相、宰相補佐が出席していると聞きました。私達が最前列の席なのは、招待客の中では上の方だからなのかと納得。

「これよりワーオランドーラの王の結婚式を執り行います。今から王と王妃が入場致します。」

 2人が大聖堂のステンドグラスの光を受けて、その光が2人の衣装に反射して、キラキラ輝いて幸せそうにしながら入場してきました。すすり泣きも聞こえてきます。「やっとお世継ぎが」とか、「長い春が終わって良かった」とか、「ヘタレが結婚出来たんだ、私だって」「やっとくっついた」なんて聞こえてきましたが、無視しましたよ。でも、陽太郎さんは小刻みに肩を震わせています。多分、笑いをこらえているんでしょうね。

 2人の宣誓と署名が何事もなく終わって、誓いのキスをしたんですけど、長ーーーーいキスでした。キスが終わった途端、ジャンヌ様が座り込みそうになって、王様がお姫様抱っこで退場していきました。

 加奈さんから、長いキスは寵愛を示すバロメーターなので、2,3分するのは普通なのだと解説があったけど、私なら、羞恥心で意識が焼き切れそうです。

 5時間後にルー公爵家の屋敷へ2人が来るそうです。それまでは、パレードや王城での貴族へのお披露目等々、予定が詰まっているのだと、私達の近くに来たロックさんから聞かされました。

 結婚式を済ませた娘は婚家へ馴染む様にと、1年は生家へ帰れなくなるので、結婚式の後は嫁の実家でお祝いをするのだそうです。その後は最低半月、種族によってその期間の違いがあるのですが、蜜月で、花嫁は寝室から出て来ない(体力的に出て来れない…)のが当たり前なのだと聞きました。

 ひー!!ここにも男性からの女性を逃がさない罠がー!!

 ちなみに、狼である2人は2ヵ月間が蜜月。人間(10か月)と狼(60日位)の妊娠期間の真ん中が狼の獣人の妊娠期間で、妊娠したら約半年で産まれるのだと聞きました。但し、1人が普通で、多胎で双子や三つ子は珍しいのだとか。

 帰りの馬車の中で、祥さんがそう解説してくれました。

 加奈さんも1人しかお腹にいなかったら、半年から7カ月で出産する予定なのだそうですが、多胎なので妊娠期間が延びて、人間並みになる可能性があるんだと、一郎さんが丁寧に解説してくれました。
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