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ナーオ・ロウ国編Ⅰ
王様と王妃様との晩餐
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私がウトウトし始めた頃、祥さんが居間まで来て、私を迎えに来ました。
「済まない。一兄の書類がまとまらなかったので手伝っていたんだ。待たせたね。」
「ん?祥さん?」
んー!と伸びをして、目を覚ました。
「晩餐に行くけど、部屋から出たら、ここは日本ではないので「さん付け呼び」は使わないで欲しいんだ。」
リアルに王子様だもんね。身分に伴う義務や責任もあるだろうし、私もここの生活に慣れないといけない。
「では、ショウ様呼びでいいですか?」
「もちろん。」
「ショウ様、晩餐へ行く時間なのですか?」
「早めに出て、ゆっくり王城を案内がてら行くつもりだよ。ロートも知らない城の中だと警備上、困るだろうから。」
「王太子様のお気遣いに感謝致します。」
ロートが会釈をしていた。うわー、正装だと「ザ・護衛の騎士様!」に見える。
「では、ユーイ、行こうか。」
「はい。ショウ様。」
部屋から出ると、すれ違う人達の目線が私をジロジロと観察している様に感じました。身の置き所がないと言うか、こんなに注目を浴びた事がないので、緊張しています。
「皆、ユーイがどんな人か知りたいだけだから、あんまり緊張しないで。そのままでいいんだよ。」
祥さんはそう言ってくれるけど、一般人で育ったから、こんな沢山の注目を集める中だと緊張が解けないし、沢山の視線で動けないんだってば!祥さんみたいに、王子様で生まれて育った人には、分かってもらえないかもしれないけど!
緊張のあまり、食事をする部屋までの道順が覚えられなかった…。今日はいいけど、明日の朝ご飯からは、どうしたらいいの?!内心、焦っていた。すると、食事をする部屋へ入る直前に、「明日以降は、道順をわいが覚えとりますから、安心したって下さい。」と、ロートが囁いていったので、安心出来た。
祥さんは、ワーオランドーラへ行っていた間の、王太子としての仕事が溜まっているんだろうし、出来るだけ、私の事で迷惑を掛けたくないと思っているから、ロートの一言でホッとしたのも確かで…。
祥さんのエスコートで私も席に着き、その後に王様と王妃様が席に着いたので、晩餐が始まった。でも、王妃様からの質問が凄くて、答えているだけで、食事が進められない。
「母上、食事中だと言うのに、そんなに色々と聞かれては、ユーイが食べられないではありませんか。」
「ミュン、相手の緊張が増してしまうではないか。」
「あら、ごめんなさいね。」
「王太后の母上に、ミュンが質問攻めにされたら、ミュンもそのまま答えずに食事が出来るのか?」
「………。」王妃様がしまった!って顔をした。
「今だってミュンが無理なのに、今日初めて会ったユーイ嬢の方は、もっと無理なんだ。ユーイ嬢の方が、ミュンに緊張を強いられる立場なんだぞ。身体に大事な食事も出来なくしてどうする。」
「…本当に申し訳ないわ。気を付けようとは思っているんだけど、興味があると口が止まらなくて。」
「だからユーイ嬢も、妃の無理な質問攻めに一々答えなくてもいいのだよ。」
王様が諫めてくれたので、食べられます。
「母上は、これさえなければ…。」祥さん、お母さんには辛辣なんですね。
その間に、食事を食べる私。
私はお腹も空いていたし、コース料理だったようで、話している間に食べ終わった王様やシュンさんを待たせているしで、必死に食べていました。
その様子を周りから見ていた人達に、お腹が空いていたのに、食事を我慢させてしまわれて可哀想。と、生温かい視線を受けていたのにも気付かずにいました。
「ユーイ、美味しい?」
「はい!とても美味しいです。材料も香辛料も、凄く上手く活かしてあって、とっても美味しいです。」
「料理長には、ユーイの言葉を伝えておいてくれ。」祥さんがニコニコですね。
あれ?周りもニコニコしているなぁ。美味しいから笑顔になるんだな、きっと。
「ユーイ、明日から早速だが、王妃教育が始まるんだ。その前に、この世界での言葉の習得の為の語学教師をつけなければならないと、父上と話していたんだ。」
「はい。」
「ヌイン語を話すのは大丈夫そうだけど、グルミン語にサンビット語も話せて、その上、読み書きも出来ないとならないんだよ。王妃はね。」
「それは、カーナ様から聞いていました。」
「マナーに歴史から楽器演奏、ダンスに帝王学、地理に法律と、他にも色々学ばなくてはならないんだ。」
「…はい。」
「私も時間を見つけて、語学を手伝うから頑張って欲しいんだ。」祥さんがそう言うと、
「王太子妃として、学ぶ事は多いと思うが、頑張ってくれ。」王様からも言われてしまいました。
王妃になるという重圧を2人から感じて、食事が味気なくなってきてしまいました。分かっていたけど、足りない物だらけ。泣かないでいるだけで一杯一杯だ。笑顔が出て来ない。
何とかデザートの皿を食べきって、まだ王様や王妃様と話があると言う祥さん達に挨拶をして、ロートのエスコートで部屋まで戻りました。
*****(晩餐後、ユーイが部屋を出た直後)*****
「あの娘、王太子妃には向いていないんじゃない?」
「ミュン!お前がそれを言うのか!お前は、3つの言語も話せないのにか。勉強は、未だにどれも終えていないのに?」
「母上!何を言っているのかお判りですか!まったく、話にもなりませんね。ユーイの日本での成績を見たくせに。母上は、留年を繰り返して、大学側から退学させられたのに?」
「…だって、私の質問に半分しか答えてくれなかったわ。」
「ミュン、いい加減にしてくれ。女神の加護がなければ、私はおまえを後妻になどしなかった。女神が加護をしている間の時間だけは、王妃をしていられるからと、お告げで女神に押し切られたから、仕方なく迎えたのに。」
「…いくら、亡き母上と双子で、母上の替え玉をしていたからと主張されても、尊敬出来ません。その立場を女神も理解していて利用しただけで、父である王の後妻に納まっただけでしょう。正当な女神の加護のあるユーイを排除しようとでもしたら、私があなたを排除致します。」
「あら、2人共、怖いわねぇ。女神さまがついている私を排除なんて出来ないわ。小娘一人で、ガタガタと五月蠅いですわ。」
inそのやり取りがされている天井裏。
何人かが手を上げて、陽さんへ挨拶してはるわ。ああ、王様と王妃様付きの護衛の方々なんや。面通しっちゅうやつやね。あ、どぅも。どぅも。宜しゅう。
陽さん、わい、こないな事になっとるとは知らんかったわ。いやぁ、こっちも問題がぎょうさんありますなぁ。わいにこんなん見させてどーするつもりなんや?
え?護衛だから?抜け道やら、緊急避難用脱出路やら教えてくれはるのは助かるから良いんやけど。
ユーイお嬢はんには美味いもん食わさせてもらったから、そのお礼やて?また食べたいんやな。なるほど。
ああ、はいはい。そろそろ祥さんが気付きはるから引き揚げるんやね。ええで、また付き合いまひょ。
わいの代わりをお嬢はんにつけとるんか。変装の得意な部下やから、まだ平気やと思うって言わはるけどなぁ。ああ、庭の抜け道がまだやったですか。しゃーない。案内お願い致しますわ。宮仕えの仕事ちゅうんは、ツラいですな。
「済まない。一兄の書類がまとまらなかったので手伝っていたんだ。待たせたね。」
「ん?祥さん?」
んー!と伸びをして、目を覚ました。
「晩餐に行くけど、部屋から出たら、ここは日本ではないので「さん付け呼び」は使わないで欲しいんだ。」
リアルに王子様だもんね。身分に伴う義務や責任もあるだろうし、私もここの生活に慣れないといけない。
「では、ショウ様呼びでいいですか?」
「もちろん。」
「ショウ様、晩餐へ行く時間なのですか?」
「早めに出て、ゆっくり王城を案内がてら行くつもりだよ。ロートも知らない城の中だと警備上、困るだろうから。」
「王太子様のお気遣いに感謝致します。」
ロートが会釈をしていた。うわー、正装だと「ザ・護衛の騎士様!」に見える。
「では、ユーイ、行こうか。」
「はい。ショウ様。」
部屋から出ると、すれ違う人達の目線が私をジロジロと観察している様に感じました。身の置き所がないと言うか、こんなに注目を浴びた事がないので、緊張しています。
「皆、ユーイがどんな人か知りたいだけだから、あんまり緊張しないで。そのままでいいんだよ。」
祥さんはそう言ってくれるけど、一般人で育ったから、こんな沢山の注目を集める中だと緊張が解けないし、沢山の視線で動けないんだってば!祥さんみたいに、王子様で生まれて育った人には、分かってもらえないかもしれないけど!
緊張のあまり、食事をする部屋までの道順が覚えられなかった…。今日はいいけど、明日の朝ご飯からは、どうしたらいいの?!内心、焦っていた。すると、食事をする部屋へ入る直前に、「明日以降は、道順をわいが覚えとりますから、安心したって下さい。」と、ロートが囁いていったので、安心出来た。
祥さんは、ワーオランドーラへ行っていた間の、王太子としての仕事が溜まっているんだろうし、出来るだけ、私の事で迷惑を掛けたくないと思っているから、ロートの一言でホッとしたのも確かで…。
祥さんのエスコートで私も席に着き、その後に王様と王妃様が席に着いたので、晩餐が始まった。でも、王妃様からの質問が凄くて、答えているだけで、食事が進められない。
「母上、食事中だと言うのに、そんなに色々と聞かれては、ユーイが食べられないではありませんか。」
「ミュン、相手の緊張が増してしまうではないか。」
「あら、ごめんなさいね。」
「王太后の母上に、ミュンが質問攻めにされたら、ミュンもそのまま答えずに食事が出来るのか?」
「………。」王妃様がしまった!って顔をした。
「今だってミュンが無理なのに、今日初めて会ったユーイ嬢の方は、もっと無理なんだ。ユーイ嬢の方が、ミュンに緊張を強いられる立場なんだぞ。身体に大事な食事も出来なくしてどうする。」
「…本当に申し訳ないわ。気を付けようとは思っているんだけど、興味があると口が止まらなくて。」
「だからユーイ嬢も、妃の無理な質問攻めに一々答えなくてもいいのだよ。」
王様が諫めてくれたので、食べられます。
「母上は、これさえなければ…。」祥さん、お母さんには辛辣なんですね。
その間に、食事を食べる私。
私はお腹も空いていたし、コース料理だったようで、話している間に食べ終わった王様やシュンさんを待たせているしで、必死に食べていました。
その様子を周りから見ていた人達に、お腹が空いていたのに、食事を我慢させてしまわれて可哀想。と、生温かい視線を受けていたのにも気付かずにいました。
「ユーイ、美味しい?」
「はい!とても美味しいです。材料も香辛料も、凄く上手く活かしてあって、とっても美味しいです。」
「料理長には、ユーイの言葉を伝えておいてくれ。」祥さんがニコニコですね。
あれ?周りもニコニコしているなぁ。美味しいから笑顔になるんだな、きっと。
「ユーイ、明日から早速だが、王妃教育が始まるんだ。その前に、この世界での言葉の習得の為の語学教師をつけなければならないと、父上と話していたんだ。」
「はい。」
「ヌイン語を話すのは大丈夫そうだけど、グルミン語にサンビット語も話せて、その上、読み書きも出来ないとならないんだよ。王妃はね。」
「それは、カーナ様から聞いていました。」
「マナーに歴史から楽器演奏、ダンスに帝王学、地理に法律と、他にも色々学ばなくてはならないんだ。」
「…はい。」
「私も時間を見つけて、語学を手伝うから頑張って欲しいんだ。」祥さんがそう言うと、
「王太子妃として、学ぶ事は多いと思うが、頑張ってくれ。」王様からも言われてしまいました。
王妃になるという重圧を2人から感じて、食事が味気なくなってきてしまいました。分かっていたけど、足りない物だらけ。泣かないでいるだけで一杯一杯だ。笑顔が出て来ない。
何とかデザートの皿を食べきって、まだ王様や王妃様と話があると言う祥さん達に挨拶をして、ロートのエスコートで部屋まで戻りました。
*****(晩餐後、ユーイが部屋を出た直後)*****
「あの娘、王太子妃には向いていないんじゃない?」
「ミュン!お前がそれを言うのか!お前は、3つの言語も話せないのにか。勉強は、未だにどれも終えていないのに?」
「母上!何を言っているのかお判りですか!まったく、話にもなりませんね。ユーイの日本での成績を見たくせに。母上は、留年を繰り返して、大学側から退学させられたのに?」
「…だって、私の質問に半分しか答えてくれなかったわ。」
「ミュン、いい加減にしてくれ。女神の加護がなければ、私はおまえを後妻になどしなかった。女神が加護をしている間の時間だけは、王妃をしていられるからと、お告げで女神に押し切られたから、仕方なく迎えたのに。」
「…いくら、亡き母上と双子で、母上の替え玉をしていたからと主張されても、尊敬出来ません。その立場を女神も理解していて利用しただけで、父である王の後妻に納まっただけでしょう。正当な女神の加護のあるユーイを排除しようとでもしたら、私があなたを排除致します。」
「あら、2人共、怖いわねぇ。女神さまがついている私を排除なんて出来ないわ。小娘一人で、ガタガタと五月蠅いですわ。」
inそのやり取りがされている天井裏。
何人かが手を上げて、陽さんへ挨拶してはるわ。ああ、王様と王妃様付きの護衛の方々なんや。面通しっちゅうやつやね。あ、どぅも。どぅも。宜しゅう。
陽さん、わい、こないな事になっとるとは知らんかったわ。いやぁ、こっちも問題がぎょうさんありますなぁ。わいにこんなん見させてどーするつもりなんや?
え?護衛だから?抜け道やら、緊急避難用脱出路やら教えてくれはるのは助かるから良いんやけど。
ユーイお嬢はんには美味いもん食わさせてもらったから、そのお礼やて?また食べたいんやな。なるほど。
ああ、はいはい。そろそろ祥さんが気付きはるから引き揚げるんやね。ええで、また付き合いまひょ。
わいの代わりをお嬢はんにつけとるんか。変装の得意な部下やから、まだ平気やと思うって言わはるけどなぁ。ああ、庭の抜け道がまだやったですか。しゃーない。案内お願い致しますわ。宮仕えの仕事ちゅうんは、ツラいですな。
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