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ラーン・ビット国編
王子達と母の茶会
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わらわにはまだ聖獣だけをしていた頃は、朝も昼も夜も大した違いはなかった。
ただ、明るいだけか暗いかだけ。
女神さまや王に呼ばれたりするだけ。
次代が何かを聞いてきたり、判断に迷う事をどうしたらいいか教えたりするだけで、国を管理するので、国境の出入りを見張り、疫病や飢饉、災害に気を配るだけでよかった。他にする心配事もなかった。要するに、暇だった。
それが今はどうだ。人である夫と息子に娘がいる。やりがいのある仕事も2つ、次代も私の跡を継ぐのにも安心出来る程、聖獣の仕事を8割もしている。次代の弟子となる娘もあと少しで成人するし、心配する事もない筈なのに、胸騒ぎが治まらない。
女神さまに話してみたが、それもまだ、調べている最中であるらしい。それに、女神さまはこの世界の他の国の聖獣からも頼まれごとや相談事をされているのだから、すぐには結果が出ない事も解っているのに、わらわの野性の勘が、何かを止める様に訴えてきている。
もう1万年も聖獣を務めているのだから、女神さまの友人として、扱われているわらわが何を恐れているのかが分からなくて、友人である女神の手を煩わせたくない気持ちもあるのだ。
その不安な気持ちが強く出ていたからであろうか、事もあろうに、息子のアルとライ、ベルとの茶会で、双子の子に死相を、ベルには凶相を視てしまった。これは何かの間違いであろうと、茶会を何とか終わらせて、急いで女神さまに話をする事にして、女神さまに声をかけたのだった。
『今代の兎よ。私へ詳しく話してくれ。』そう女神さまに問いかけられたので、少しだけ、冷静になれた。
女神さまに詳しく、どのようにしてそうなったのかを話すのに、今日の昼から開いた息子との茶会の様子を細かく語る事にして、物事を客観的に見る事にしたのだった。
「今朝は早くから、昼からの茶会に備えて、総侍女長の仕事を部下である部署を担当する各侍女長に割り振ってから、湯浴みと着替えをして、化粧を終えた所で、第1王子であるアインハルトが私を茶会の場である部屋までエスコートするのだと迎えに来ました。
茶会の場は、王子達のいる西の王城の一角で、王子達の集まる応接間でした。その場所を選んだのは、私と王時の私的な茶会なので、王子達が寛げる所だと思ったからです。
応接間にあるのエスコートで入ると、第2王子のライと第3王子のベルが待っていました。
私が入っていくと、挨拶をされましたが、私的な茶会なので、小難しい挨拶はなくて、「妹のシルビアだけ贔屓にしないで下さい。」と3人にヤキモチを妬かれただけでした。
色々な話をした所で、肉親の女性以外は苦手なベルが見合い相手を探している話になって、ライが各国に書簡を送った話をしていたので、アルとライを何気なく視たら、2人の大分後ろの方に近付いて来る死相が浮かんでいました。
ベルは大丈夫なのかと視ると、2人の死相へ糸を出している凶相がベルの足元に蹲って、ベルの両足首を掴んでいました。
そこで、慌てずに、もう一度3人を視たのですが、視えなくなりましたが、またベルの見合い話になると、同じモノが視えたのです。
神力で浄化をしたのですが、消えませんし、これはすぐにでも女神さまに相談しなければと、何とか茶会を終わらせて、与えられた部屋に戻ったのです。そこから、女神さまへ呼びかけました。これで全部です。」
そこまで話すと、気が抜けたのでしょうか、いつの間にか床に座り込んで女神さまに祈る格好でいました。
『白輝を汚していた穢れがベルナール王子に纏わり憑いているのだろう。どうしてそうなったかは今はまだ分からない。
原因の一つには、今代の兎の血をひいているからだろうと予想出来るが、残りの原因は今の所、不明だ。
今代の兎の浄化の力でも消えないのだとすると、地球の神の力を借りなければならないかもしれん。
不安だろうが、兎は、上2人の守りを固めるが良い。娘にも次代にも話しておくように、な。
私は相談に向かう。何かあれば、ナーオ・ロウの大猫経由で王太后に話すが良い。いや、前もって話しておいた方が良いだろう。その辺りは兎に任せる。但し、話すなら、早い方がいい。』
「分かりました。上の息子2人の守りを固めてから、四方へ話します。王には話してもいいでしょうか?」
『何がどうなるのか予測が立たん。万が一に備え、王にも話してよいぞ。』
「では、わらわもすぐに動きます。」
女神さまの気配が消えたので、上の息子2人へ神力と魔力で守りを固めた。
次代とその弟子になる予定の娘を部屋へ呼んで、話をした後、王の私室へ向かった。
王にも女神さまに話した事を話し、女神さまから聞いた事を話した。その上で、ベルを切り捨てる覚悟をしなければならないと話した。
王太子であるアルとライを亡くす訳にはいかない。その為になら、ベルを切り捨てる決断をしないとならないと王と私で決めたのだった。だが、ギリギリまで、あの子を殺さないで済むようにと、母として、私が耐えると話し、もしもの場合は、私がベルを道連れに消滅する事もあると話した。
だから、もしそうなったら、あなたとの約束を守れなくなるわ。ごめんなさい。と言う私を抱きしめて、アマデウス様が言う。
「そうしたら、私も息子に王位を譲ってから、ファネスの後を追うからと女神さまに伝えておいてくれ。次も一緒に居れるようにと。」
「嬉しいわ、アマデウス。愛しています。」
「私もファネスを愛しているよ。だから、一緒に居るんだ。」
その夜はアマデウスの部屋から出ずに、翌朝、ナーオ・ロウの大猫経由で、王太后と話をする約束を取り付けて、その日の夕方に、ナーオ・ロウの大猫経由で王太后の離宮を訪れたのだった。
ただ、明るいだけか暗いかだけ。
女神さまや王に呼ばれたりするだけ。
次代が何かを聞いてきたり、判断に迷う事をどうしたらいいか教えたりするだけで、国を管理するので、国境の出入りを見張り、疫病や飢饉、災害に気を配るだけでよかった。他にする心配事もなかった。要するに、暇だった。
それが今はどうだ。人である夫と息子に娘がいる。やりがいのある仕事も2つ、次代も私の跡を継ぐのにも安心出来る程、聖獣の仕事を8割もしている。次代の弟子となる娘もあと少しで成人するし、心配する事もない筈なのに、胸騒ぎが治まらない。
女神さまに話してみたが、それもまだ、調べている最中であるらしい。それに、女神さまはこの世界の他の国の聖獣からも頼まれごとや相談事をされているのだから、すぐには結果が出ない事も解っているのに、わらわの野性の勘が、何かを止める様に訴えてきている。
もう1万年も聖獣を務めているのだから、女神さまの友人として、扱われているわらわが何を恐れているのかが分からなくて、友人である女神の手を煩わせたくない気持ちもあるのだ。
その不安な気持ちが強く出ていたからであろうか、事もあろうに、息子のアルとライ、ベルとの茶会で、双子の子に死相を、ベルには凶相を視てしまった。これは何かの間違いであろうと、茶会を何とか終わらせて、急いで女神さまに話をする事にして、女神さまに声をかけたのだった。
『今代の兎よ。私へ詳しく話してくれ。』そう女神さまに問いかけられたので、少しだけ、冷静になれた。
女神さまに詳しく、どのようにしてそうなったのかを話すのに、今日の昼から開いた息子との茶会の様子を細かく語る事にして、物事を客観的に見る事にしたのだった。
「今朝は早くから、昼からの茶会に備えて、総侍女長の仕事を部下である部署を担当する各侍女長に割り振ってから、湯浴みと着替えをして、化粧を終えた所で、第1王子であるアインハルトが私を茶会の場である部屋までエスコートするのだと迎えに来ました。
茶会の場は、王子達のいる西の王城の一角で、王子達の集まる応接間でした。その場所を選んだのは、私と王時の私的な茶会なので、王子達が寛げる所だと思ったからです。
応接間にあるのエスコートで入ると、第2王子のライと第3王子のベルが待っていました。
私が入っていくと、挨拶をされましたが、私的な茶会なので、小難しい挨拶はなくて、「妹のシルビアだけ贔屓にしないで下さい。」と3人にヤキモチを妬かれただけでした。
色々な話をした所で、肉親の女性以外は苦手なベルが見合い相手を探している話になって、ライが各国に書簡を送った話をしていたので、アルとライを何気なく視たら、2人の大分後ろの方に近付いて来る死相が浮かんでいました。
ベルは大丈夫なのかと視ると、2人の死相へ糸を出している凶相がベルの足元に蹲って、ベルの両足首を掴んでいました。
そこで、慌てずに、もう一度3人を視たのですが、視えなくなりましたが、またベルの見合い話になると、同じモノが視えたのです。
神力で浄化をしたのですが、消えませんし、これはすぐにでも女神さまに相談しなければと、何とか茶会を終わらせて、与えられた部屋に戻ったのです。そこから、女神さまへ呼びかけました。これで全部です。」
そこまで話すと、気が抜けたのでしょうか、いつの間にか床に座り込んで女神さまに祈る格好でいました。
『白輝を汚していた穢れがベルナール王子に纏わり憑いているのだろう。どうしてそうなったかは今はまだ分からない。
原因の一つには、今代の兎の血をひいているからだろうと予想出来るが、残りの原因は今の所、不明だ。
今代の兎の浄化の力でも消えないのだとすると、地球の神の力を借りなければならないかもしれん。
不安だろうが、兎は、上2人の守りを固めるが良い。娘にも次代にも話しておくように、な。
私は相談に向かう。何かあれば、ナーオ・ロウの大猫経由で王太后に話すが良い。いや、前もって話しておいた方が良いだろう。その辺りは兎に任せる。但し、話すなら、早い方がいい。』
「分かりました。上の息子2人の守りを固めてから、四方へ話します。王には話してもいいでしょうか?」
『何がどうなるのか予測が立たん。万が一に備え、王にも話してよいぞ。』
「では、わらわもすぐに動きます。」
女神さまの気配が消えたので、上の息子2人へ神力と魔力で守りを固めた。
次代とその弟子になる予定の娘を部屋へ呼んで、話をした後、王の私室へ向かった。
王にも女神さまに話した事を話し、女神さまから聞いた事を話した。その上で、ベルを切り捨てる覚悟をしなければならないと話した。
王太子であるアルとライを亡くす訳にはいかない。その為になら、ベルを切り捨てる決断をしないとならないと王と私で決めたのだった。だが、ギリギリまで、あの子を殺さないで済むようにと、母として、私が耐えると話し、もしもの場合は、私がベルを道連れに消滅する事もあると話した。
だから、もしそうなったら、あなたとの約束を守れなくなるわ。ごめんなさい。と言う私を抱きしめて、アマデウス様が言う。
「そうしたら、私も息子に王位を譲ってから、ファネスの後を追うからと女神さまに伝えておいてくれ。次も一緒に居れるようにと。」
「嬉しいわ、アマデウス。愛しています。」
「私もファネスを愛しているよ。だから、一緒に居るんだ。」
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