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ラーン・ビット国編
虎の国では1
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***この話は、グレイルが白花を虎の国へ連れ帰っている時の話である。***
私はグレイル様の帰国と共に、虎の国へとお嫁入りの準備をして同行しました。
虎の国の王家の紋の入った6頭立ての魔馬車が虎の国へ入国した途端、沿道から歓声が聞こえました。まだ入国したばかりなのにと思ったけれど、「王太子様、ご婚約とご結婚おめでとうございます!」とか「王太子妃様、ありがとうございます!」って、聞こえて来たのです。
「え?え?」と内心で焦っている事を顔に出さないようにする淑女の皮を被ってはいますが、驚いた私の内心を表すように、背中には冷汗をかいています…。
私が驚いているのに、私の向かいに座っているグレイル様が何にも驚いていないので、あれ?っと思いました。これは、グレイル様が何か知ってらっしゃるのでは?と、(王太子様を追い詰めるのに良い手段だとユーイ様から聞いていた)上目遣いをして、太ももをツネって痛くして、痛さを我慢した涙目で見つめてみました。
涙目の私を見て慌てているグレイル様に、ダメ押しを(これもユーイ様直伝ですの。)する為に、甘えた声で聞いてみました。あくまで、男性をたてながら、こちらの聞きたい事、言いたい事を柔らかい表現で言うのですわ。
「グレイル様?私、グレイル様と婚約出来た事だけで幸せなのに、結婚していると言われてしまいまして、ビックリしましたの。どうしてでしょう?グレイル様なら、私の分からない事を分かっていらっしゃるのですよね。教えて下さいますか?」
ここで、涙を1粒、2粒ほど零すんでしたわね。
私がグレイル様を見ながら、涙をポロリと零すと、グレイル様から「うわああっ!」とか言う声が聞こえてきました。
「泣かないで!今、話すから!」
「はい。」
私の涙をグレイル様のハンカチで拭かれながら、説明を待ちました。
「ええと、父である陛下には、白花が私の番だと見合いをする前に連絡をしたんだ。
白花と婚約した翌日にすぐ、父には婚約をした事を話したんだけど、ね、その場に、母もいて、子が出来ていたらどうするんだって言われてしまって…。
あ!私の口からは何も言ってないよ!親族を紹介された事と婚約した事だけしか言ってないっ!」
「どうして、王妃様には判ったんでしょうか?」
「私もどうしてそんな事を言うのかと聞いたら、「母親の勘!」と言い切られてしまってね。父にも、「ニヤけ過ぎだ。締まりのない顔をしている。」と言われたんで、婚約して幸せなんです。と言ったんだけどなぁ。」
「そこからどうして結婚なんですか?」
「私達虎の国では、ね、王族の婚姻の手続きを王自らが代行出来るんだよ。
王妃でも王太子でも出来ないんだけど。
何代か前の王族の王子がね、経緯は省くけれど、命の危険を伴う怪我を負ったんだ。そこで、その王子の婚約者がその看護をしたいと言った事もあって、その王子の婚約者が王城で暮らしながら、王子の看護をする為にと、王が代理で王子とその婚約者の婚姻の手続きを代行したんだ。
多分だけど、その権限を使って、私の婚約届と婚姻届を父が手続きしたんだろうと思う。長年、私の婚姻に頭を悩ませていたのだろうから。
それに、私が帰国をする際に白花を一緒に連れ帰る。嫁入り支度も終わっていると言ったので、沿道の声を聞いてから、婚姻の手続きを私達が帰国する前にしたんだろうって。
婚約と結婚した事を国内で先に発表したんだろうと予想していた部分もあるんだ。だからかな、沿道からの声を聞いて、焦ったって思うよりも、嬉しいと思ったんだ。
白花と結婚したんだって、ね。」
「!」
「だから、私の膝の上に白花を乗せて、抱き合いたいんだけどな。いいかな?」
「はい。私もビックリしましたけど、嬉しかったです。私、この先ずっとグレイルと一緒なんですね。」
「嫌だって言っても、放してやらないけどね。私の愛は重いからね。凄い重量があるから、覚悟して。」
グレイル様の膝の上に乗せられて、グレイル様に抱き締められていますが、私は幸せを感じながら、違う事も考えていました。
ユーイ様、必殺技伝授、ありがとうございました!また今度、何かないか、聞かなくちゃ!って。
そう言えば、ジャコウネコの番って言われていたような気がする…。グレイル様に聞いてみよう。
「グレイル様、私、ジャコウネコの番がいるって言われた事があるんです。何か心当たりはありますか?」
「んー、母がジャコウネコの王の娘だよ。正確に言えば、私が虎とジャコウネコの間に産まれた子供って事だ。
母の方の伯父には、王太子になる予定の王子、ええと、息子がいるけれど、まだ5才だから。そうすると、ね、ジャコウネコの王家の血をひいていて、成人した結婚適齢期の王子は、私だけって事になるのだから。ええと。」
グレイル様の声が上からも、抱きしめられている胸の辺りからも伝わって、白花はその声を聞いていただけだった。
白花とグレイルを乗せた魔馬車は、国民の歓声を背に受けて、王都へ向かって走って行ったのであった。勿論、護衛もお付きの女官もいるが、違う魔馬車である。
この世界の人々は、種族が何になるかは親のどちらか一方の種族になるだけで、ハーフや、ダブルとか言われる様な人は皆無であった。
グレイル王太子は虎とジャコウネコの両親から産まれたが、半虎半ジャコウネコにはならず、虎かジャコウネコかのどちらかの種族の子供として産まれて来るのであるのがここの世界での常識であった。
但し、王家の子は、父の方の種族で産まれる事が王族の存続に必要だとされていて、この世界の女神さまの采配で決められている決まり事である。
これは、女神が地球の神である夫君から、色々な話を聞いていたので出来た決まり事であり、揉め事を減らす為の女神が作った措置であった。
それでも、髪や目の色など種族以外の部分で遺伝する部分は、両親どちらかの色や性格を引き継ぐのである。
あくまで種族の部分だけがどちらか一方になるだけで、後は、日本でも、どこでも見られるように、両親や先祖の遺伝が現れるのであった。
白花の産む予定の子供達は、虎の子である。
だから、白銀大兎が産んだ子供達もラーン・ビット国のランビット王家の子だから、王家の色の白銀を纏っただけの兎である。聖獣の白銀大兎ではない。
ただ、母である今代が引退する時に残りの神力を譲渡されれば、娘のシルビアは、聖獣である白銀大兎になるのである。今はまだ、子ウサギだが。
私はグレイル様の帰国と共に、虎の国へとお嫁入りの準備をして同行しました。
虎の国の王家の紋の入った6頭立ての魔馬車が虎の国へ入国した途端、沿道から歓声が聞こえました。まだ入国したばかりなのにと思ったけれど、「王太子様、ご婚約とご結婚おめでとうございます!」とか「王太子妃様、ありがとうございます!」って、聞こえて来たのです。
「え?え?」と内心で焦っている事を顔に出さないようにする淑女の皮を被ってはいますが、驚いた私の内心を表すように、背中には冷汗をかいています…。
私が驚いているのに、私の向かいに座っているグレイル様が何にも驚いていないので、あれ?っと思いました。これは、グレイル様が何か知ってらっしゃるのでは?と、(王太子様を追い詰めるのに良い手段だとユーイ様から聞いていた)上目遣いをして、太ももをツネって痛くして、痛さを我慢した涙目で見つめてみました。
涙目の私を見て慌てているグレイル様に、ダメ押しを(これもユーイ様直伝ですの。)する為に、甘えた声で聞いてみました。あくまで、男性をたてながら、こちらの聞きたい事、言いたい事を柔らかい表現で言うのですわ。
「グレイル様?私、グレイル様と婚約出来た事だけで幸せなのに、結婚していると言われてしまいまして、ビックリしましたの。どうしてでしょう?グレイル様なら、私の分からない事を分かっていらっしゃるのですよね。教えて下さいますか?」
ここで、涙を1粒、2粒ほど零すんでしたわね。
私がグレイル様を見ながら、涙をポロリと零すと、グレイル様から「うわああっ!」とか言う声が聞こえてきました。
「泣かないで!今、話すから!」
「はい。」
私の涙をグレイル様のハンカチで拭かれながら、説明を待ちました。
「ええと、父である陛下には、白花が私の番だと見合いをする前に連絡をしたんだ。
白花と婚約した翌日にすぐ、父には婚約をした事を話したんだけど、ね、その場に、母もいて、子が出来ていたらどうするんだって言われてしまって…。
あ!私の口からは何も言ってないよ!親族を紹介された事と婚約した事だけしか言ってないっ!」
「どうして、王妃様には判ったんでしょうか?」
「私もどうしてそんな事を言うのかと聞いたら、「母親の勘!」と言い切られてしまってね。父にも、「ニヤけ過ぎだ。締まりのない顔をしている。」と言われたんで、婚約して幸せなんです。と言ったんだけどなぁ。」
「そこからどうして結婚なんですか?」
「私達虎の国では、ね、王族の婚姻の手続きを王自らが代行出来るんだよ。
王妃でも王太子でも出来ないんだけど。
何代か前の王族の王子がね、経緯は省くけれど、命の危険を伴う怪我を負ったんだ。そこで、その王子の婚約者がその看護をしたいと言った事もあって、その王子の婚約者が王城で暮らしながら、王子の看護をする為にと、王が代理で王子とその婚約者の婚姻の手続きを代行したんだ。
多分だけど、その権限を使って、私の婚約届と婚姻届を父が手続きしたんだろうと思う。長年、私の婚姻に頭を悩ませていたのだろうから。
それに、私が帰国をする際に白花を一緒に連れ帰る。嫁入り支度も終わっていると言ったので、沿道の声を聞いてから、婚姻の手続きを私達が帰国する前にしたんだろうって。
婚約と結婚した事を国内で先に発表したんだろうと予想していた部分もあるんだ。だからかな、沿道からの声を聞いて、焦ったって思うよりも、嬉しいと思ったんだ。
白花と結婚したんだって、ね。」
「!」
「だから、私の膝の上に白花を乗せて、抱き合いたいんだけどな。いいかな?」
「はい。私もビックリしましたけど、嬉しかったです。私、この先ずっとグレイルと一緒なんですね。」
「嫌だって言っても、放してやらないけどね。私の愛は重いからね。凄い重量があるから、覚悟して。」
グレイル様の膝の上に乗せられて、グレイル様に抱き締められていますが、私は幸せを感じながら、違う事も考えていました。
ユーイ様、必殺技伝授、ありがとうございました!また今度、何かないか、聞かなくちゃ!って。
そう言えば、ジャコウネコの番って言われていたような気がする…。グレイル様に聞いてみよう。
「グレイル様、私、ジャコウネコの番がいるって言われた事があるんです。何か心当たりはありますか?」
「んー、母がジャコウネコの王の娘だよ。正確に言えば、私が虎とジャコウネコの間に産まれた子供って事だ。
母の方の伯父には、王太子になる予定の王子、ええと、息子がいるけれど、まだ5才だから。そうすると、ね、ジャコウネコの王家の血をひいていて、成人した結婚適齢期の王子は、私だけって事になるのだから。ええと。」
グレイル様の声が上からも、抱きしめられている胸の辺りからも伝わって、白花はその声を聞いていただけだった。
白花とグレイルを乗せた魔馬車は、国民の歓声を背に受けて、王都へ向かって走って行ったのであった。勿論、護衛もお付きの女官もいるが、違う魔馬車である。
この世界の人々は、種族が何になるかは親のどちらか一方の種族になるだけで、ハーフや、ダブルとか言われる様な人は皆無であった。
グレイル王太子は虎とジャコウネコの両親から産まれたが、半虎半ジャコウネコにはならず、虎かジャコウネコかのどちらかの種族の子供として産まれて来るのであるのがここの世界での常識であった。
但し、王家の子は、父の方の種族で産まれる事が王族の存続に必要だとされていて、この世界の女神さまの采配で決められている決まり事である。
これは、女神が地球の神である夫君から、色々な話を聞いていたので出来た決まり事であり、揉め事を減らす為の女神が作った措置であった。
それでも、髪や目の色など種族以外の部分で遺伝する部分は、両親どちらかの色や性格を引き継ぐのである。
あくまで種族の部分だけがどちらか一方になるだけで、後は、日本でも、どこでも見られるように、両親や先祖の遺伝が現れるのであった。
白花の産む予定の子供達は、虎の子である。
だから、白銀大兎が産んだ子供達もラーン・ビット国のランビット王家の子だから、王家の色の白銀を纏っただけの兎である。聖獣の白銀大兎ではない。
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