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ナーオ・ロウ国編Ⅱ
白花のお見合い2 帰国する馬車内での会話
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白花は、王や宰相、王太子などの少数が知るだけの極秘帰国で、産まれた国、ナーオ・ロウへ戻って来たのだ。
だが、その内情とは、悲惨であった。
自分の父である王弟が、伯父であるリンクス王の王位と言う地位の簒奪を計画して、失敗し、それが発覚。
未遂と言えど、罪人となったのだ。その結果、生涯幽閉される事になったというのを魔馬車内で聞いて、悲しいし、情けなくなった…。
王族の血をひく者ならば、王の仕事を手伝い、補佐すべき立場であったのに、単純な気性と貴族の甘言に乗って、王になって自分の思うようにしたいというだけで、王となるその実力もなかったのに…。
自己満足のためだけに、その地位を狙ったのだから、我が親ながら情けないと呆れてしまった上に、己の権力志向のためだけに、娘の白花を窮屈で退屈で危険で、そして、貞操の危機にさらしていた張本人。幼少時から最近までの長年に渡り渡り、人質生活に追いやった原因の者なのだ。あんな奴なんて、当の昔に見捨ててやりたい、罵ってやりたいと常々、思っていたのだった。
お父様は、常日頃から、チヤホヤしてくれる貴族共に踊らされて、いい駒だと貴族共に使いやすいなどと言われ、適当に扱われていたのに!どうしてそれに気付かなかったの!と。
なんで、王になれますと言われただけで、王位簒奪を狙ったのでしょう!馬鹿なの?!救いようがない馬鹿なの?!王になれる器でもないでしょうに!娘まで使っても、結局、幽閉されているじゃないのっ!と。
魔馬車内では、王弟の娘である白花の話し相手兼、白花に謀反を起こす気があるのかどうかを探る相手として、経験は海千山千である経験豊富なカッツェ宰相が馬車に同乗していた。
その宰相殿も何かと白花に話しかけ、白花の真意を探っているのにも気付いていたが、他国にいた私が何も出来る訳はないのだと国の方でも解っているし、その確認をここでしているのだと理解していた。
この機会に、あの父親と名乗る人への愚痴を聞いてもらえるのだ、ここで目一杯、心の中を吐き出してしまおうと思ってもいたので、助かったとも思っていた。
その白花の様子をカッツェは冷静に、話をしながら観察していた。
ふむ。この娘は、幼いころから獅子国へ人質として送られていたが、獅子国では客人として扱われていたのか。それでも、危険や窮屈さを我慢し、親にも会えずに堪えていたのかと、カッツェは思った。
その上、獅子国皇太子のワガママに振り回されていたので、白星皇太子には嫌悪感を持っておったのか。そのせいで、いや、そのおかげで、白星皇太子には手を付けられていなかったのだと。
これなら、ナーオ・ロウとしても、リンクス王には王妃が産んだ王女がいなかったので、今までは出来なかった国と国を結びつける政略結婚に、この娘が使えるのではないだろうかと考えていた。
「私は国の威信をかけて、ここにいます。ですから、女官を通じて言葉を伝えた事はございますが、軽々しく男性とは話もしていませんし、皇太子様以外の男性とは2人きりになるような接触もしていませんの。
結婚するまでは、私、国の代表としてここにいるので、清らかに穏やかに過ごしたいのです。」と、白星皇太子からの閨の誘いをずっと断り続けていたのだと、言っていたな。
「ただ、私が成人を迎えたら、断る口実が無くなる所でしたので、あと数ヵ月後に迫った私の成人前に、祖国であるナーオ・ロウへ戻れることになって助かりました。あのままでは、色々と…危なかったのです。」と言うのだ。
「白花姫、先程の話ですが、具体的には何が危なかったのでしょうか?」
「白星皇太子の番だからと、今まではその言葉で私は守られて来ましたが、白星皇太子が私を人質という婚約者の立場から解放してしまわれたので、「ナーオ・ロウ国の王の血をひく姫」だと言う価値だけが浮上してしまったのです。
そのせいで、私に求婚や婚約を申し込んでくる獅子国の貴族共が五月蠅くて、煩わしくて、端からお断りしていたのですが、白星皇太子が選んだ見合い相手達と何回か見合いまでさせられてしまい、その見合い相手達から夜這いされそうでしたのよ!失礼しちゃうわ!
元婚約者である白星皇太子の顔を立てて、他国だからと嫌々ながら我慢して見合いまでしたのに、そのせいで、私が軽んじられてしまったのです!」
「それは、それは、大変でございました。して、国に帰れば、あなた様は姫としての価値を有しております故、見合いからは逃げられないと思いますが、いかがなさいますか。」
「国に帰って私が見合いをしても、伯父様や、いとこの王太子様には、私が嫌なら嫌だと遠慮せずに言えますわ。気に入らない見合い相手にはイヤと言える立場ですので、安心です。獅子国では言い難かったですもの。
ですから、獅子国の様な無理強いが無ければ、お父様の犯した馬鹿な罪よりも、国に役立てますし、国の意向に沿った見合い相手の中から結婚相手を選べるだけ、私にとっては好待遇ですの。
ふふっ。カッツェ宰相様、私、国から出る時に、伯父様の養子になっているので、厳密に言えば、お父様の子ではないのです。叔父様の子供で、公式にも唯一の姫なのですわ。
この身を国の為に役立てれますし、その地位に見合う相手との結婚なら、歓迎致しますわ。」
「姫様はその事を知っていらしたんですね。」
「ええ。伯父様が優秀な講師や教師陣を私に付けて下さったので。獅子国に有利な教育で私が傀儡にされないようにと、私の立場が不利にならない様にと、色々と便宜を図って下さったのでしょう?」
「ええ。そうです。
リンクス王も再々婚を望まれ、次々と見合いをしていますし、ショウ王太子様も無事に番と婚約されましたので、次は姫様の順番かと思われます。」
「それで、私の見合い相手にはどなたが決まっていらっしゃるのかしら?」
「盗聴されているかもしれませんので、帰国次第、そのお相手達の姿絵や詳細を姫様にお届け致します。」
「…白星皇太子でなければ、誰でもいいわ。あんな浮気者でなければいいわ。」
「さようでございますか。」
白花様がここまで言うとは、白星皇太子は何をしたんだか。
…もしかして、白花様の誕生日に七色カエルを毎年、箱一杯にプレゼントされたからか?それとも、虹色毛虫を両手一杯、手渡しされた件だろうか?
どちらも獅子国にしかいない貴重な生き物で、学者であれば泣いて喜ぶプレゼントなのだが、女性である白花様には過酷なモノであったか…。
わが妻は、虹色毛虫を1匹渡したら、虫好きだから、泣いて喜んでくれたし、未だにその子孫を可愛がって、庭師の他に専属で虹色毛虫を温室で育てていると聞いているからなぁ。よく分からん。
息子のイッチェンの嫁であるカーナは、その温室へ行くのも近寄るのも遠慮すると言っていたのを聞いて、妻が可愛いのに…と、溜め息を吐いていたのだが、嫁が嫌う理由を聞いても教えてもらえなかったと言っていたな。
「白花姫様。白星皇太子様から頂いたモノはどういたしますか?」
「返すと言ったら、断られたわ。だから、アレらは学者達に渡したいの。特に、七色やら虹色は、ね!私、苦手なの!いつまでも私の荷物用の馬車に、アレらを乗せて帰りたくなかったのに!返却出来なかったんですもの!
…私の立場的にも売り払う事も出来ないでしょう。けれど、前の婚約者から貰ったモノを大事に持っていられるほど、男の人は寛容ではないでしょうし、全て、何らかの処分をして片付けて、私、身軽になりたいわ。」
「国に帰ったら、その一覧表を作って頂ければ、私共がお手伝いして、姫様のご希望に添える様、尽力致します。」
白花姫が、獅子国のモノを持っていて、密偵扱いをされても困るからな。迅速に処理しよう。
「頼みますわ。宰相様。」
「任せて下さい。」
だが、その内情とは、悲惨であった。
自分の父である王弟が、伯父であるリンクス王の王位と言う地位の簒奪を計画して、失敗し、それが発覚。
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なんで、王になれますと言われただけで、王位簒奪を狙ったのでしょう!馬鹿なの?!救いようがない馬鹿なの?!王になれる器でもないでしょうに!娘まで使っても、結局、幽閉されているじゃないのっ!と。
魔馬車内では、王弟の娘である白花の話し相手兼、白花に謀反を起こす気があるのかどうかを探る相手として、経験は海千山千である経験豊富なカッツェ宰相が馬車に同乗していた。
その宰相殿も何かと白花に話しかけ、白花の真意を探っているのにも気付いていたが、他国にいた私が何も出来る訳はないのだと国の方でも解っているし、その確認をここでしているのだと理解していた。
この機会に、あの父親と名乗る人への愚痴を聞いてもらえるのだ、ここで目一杯、心の中を吐き出してしまおうと思ってもいたので、助かったとも思っていた。
その白花の様子をカッツェは冷静に、話をしながら観察していた。
ふむ。この娘は、幼いころから獅子国へ人質として送られていたが、獅子国では客人として扱われていたのか。それでも、危険や窮屈さを我慢し、親にも会えずに堪えていたのかと、カッツェは思った。
その上、獅子国皇太子のワガママに振り回されていたので、白星皇太子には嫌悪感を持っておったのか。そのせいで、いや、そのおかげで、白星皇太子には手を付けられていなかったのだと。
これなら、ナーオ・ロウとしても、リンクス王には王妃が産んだ王女がいなかったので、今までは出来なかった国と国を結びつける政略結婚に、この娘が使えるのではないだろうかと考えていた。
「私は国の威信をかけて、ここにいます。ですから、女官を通じて言葉を伝えた事はございますが、軽々しく男性とは話もしていませんし、皇太子様以外の男性とは2人きりになるような接触もしていませんの。
結婚するまでは、私、国の代表としてここにいるので、清らかに穏やかに過ごしたいのです。」と、白星皇太子からの閨の誘いをずっと断り続けていたのだと、言っていたな。
「ただ、私が成人を迎えたら、断る口実が無くなる所でしたので、あと数ヵ月後に迫った私の成人前に、祖国であるナーオ・ロウへ戻れることになって助かりました。あのままでは、色々と…危なかったのです。」と言うのだ。
「白花姫、先程の話ですが、具体的には何が危なかったのでしょうか?」
「白星皇太子の番だからと、今まではその言葉で私は守られて来ましたが、白星皇太子が私を人質という婚約者の立場から解放してしまわれたので、「ナーオ・ロウ国の王の血をひく姫」だと言う価値だけが浮上してしまったのです。
そのせいで、私に求婚や婚約を申し込んでくる獅子国の貴族共が五月蠅くて、煩わしくて、端からお断りしていたのですが、白星皇太子が選んだ見合い相手達と何回か見合いまでさせられてしまい、その見合い相手達から夜這いされそうでしたのよ!失礼しちゃうわ!
元婚約者である白星皇太子の顔を立てて、他国だからと嫌々ながら我慢して見合いまでしたのに、そのせいで、私が軽んじられてしまったのです!」
「それは、それは、大変でございました。して、国に帰れば、あなた様は姫としての価値を有しております故、見合いからは逃げられないと思いますが、いかがなさいますか。」
「国に帰って私が見合いをしても、伯父様や、いとこの王太子様には、私が嫌なら嫌だと遠慮せずに言えますわ。気に入らない見合い相手にはイヤと言える立場ですので、安心です。獅子国では言い難かったですもの。
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ふふっ。カッツェ宰相様、私、国から出る時に、伯父様の養子になっているので、厳密に言えば、お父様の子ではないのです。叔父様の子供で、公式にも唯一の姫なのですわ。
この身を国の為に役立てれますし、その地位に見合う相手との結婚なら、歓迎致しますわ。」
「姫様はその事を知っていらしたんですね。」
「ええ。伯父様が優秀な講師や教師陣を私に付けて下さったので。獅子国に有利な教育で私が傀儡にされないようにと、私の立場が不利にならない様にと、色々と便宜を図って下さったのでしょう?」
「ええ。そうです。
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「それで、私の見合い相手にはどなたが決まっていらっしゃるのかしら?」
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白花様がここまで言うとは、白星皇太子は何をしたんだか。
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どちらも獅子国にしかいない貴重な生き物で、学者であれば泣いて喜ぶプレゼントなのだが、女性である白花様には過酷なモノであったか…。
わが妻は、虹色毛虫を1匹渡したら、虫好きだから、泣いて喜んでくれたし、未だにその子孫を可愛がって、庭師の他に専属で虹色毛虫を温室で育てていると聞いているからなぁ。よく分からん。
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「返すと言ったら、断られたわ。だから、アレらは学者達に渡したいの。特に、七色やら虹色は、ね!私、苦手なの!いつまでも私の荷物用の馬車に、アレらを乗せて帰りたくなかったのに!返却出来なかったんですもの!
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「国に帰ったら、その一覧表を作って頂ければ、私共がお手伝いして、姫様のご希望に添える様、尽力致します。」
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