ある日、私の頭に耳が生えました

巻乃

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ガオン・ロード国編

馬車の中で

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 ラーン・ビット国の王城のあった王都をを出てから、6日後、何事もなく、過ごしていました。

 もうすぐしたらガオン・ロード国の王城のある都市へ入るという寸前、私達の乗っている魔馬車の中にある応接間で、皆で色々と話していました。

「ラーン・ビット国の王城を出て王都を抜けるまで、見送りの人達があんなに一杯居るとは思いませんでしたー。本当にビックリしちゃいました。あのような事がガオン・ロード国の首都へ入るとまたあるのでしょうか?」と私が言うと、

「基本、あのうさぎの国の人達は暢気だからね。今回の訪問での事が予定外だっただけだ。だけど、歓迎の仕方は国によって違うから、不明だ。

 ガオン・ロード国は色々と情報が外に出ない国だったから、これからどうなるかも分からないんだ。」と、ショウ様が答えてくれました。

「そうなんですか。秘密主義だったんですね。」

「そうです。私とリヨウとロートまで、ラーン・ビット国でき使われるとは思いませんでしたし。
 次の国でもそういう意味でも気が抜けません。」

「イッチェン様は~、嬉々として仕事をしていたように見えましたが~?」

「リ・ヨ・ウ、何だって?(ああん?)」

「ロ、ロートっ!助けて~!」

「リヨウはん、交代の時間でっせ。そない揶揄からかうんやったら、逃げ道を用意しておかんと。」

 リヨウさんがロートを指さしてました。

「わいが逃げ道でっか?しょうもない事を…。」

「では、ロートと交代の時間ですので~!」と、リヨウさんが外の警備に行きました。

「リヨウの野性の勘は凄いからなぁ。リヨウの奥方の出産の様子を聞いた時も驚いたけれど、あの勘は本当に凄いよ。私もユーイの時の参考にしようと思ったのだから。」

「ええ。私も、次のカーナの出産の時には名誉挽回するぞ!と思いましたからっ!」

「わいは、知識として覚えておきますわ。いつかどこかで役に立つように、と。」

「男性も色々と考えているんだなぁと思えたので、リヨウさんの話は、私も参考になりました。

 イッチェンさん、カーナさんが城に来る時は教えて下さいね。私、出産とか子育てをする身近な方がいなかったので、色々と話を聞いたり、教えて欲しくって。」

「はい、カーナにはそう伝えておきます。
 ユーイ様だって、いつ妊娠なさるか分かりませんもんね。ねぇ、ショウ様。」

「あー、はいはい。ユーイと私の仲は良いですから。」

「では、私は文官との次の国についての話し合いがありますので。これで失礼致します。」

「わいも、間馬車内の不審者がいないかどうかを見ながら、1時間ほど見回って来ますんで、それまでは戻りまへん。」

 イッチェンさんとロートが応接間から出て行ってから、従僕やメイドや女官達にも休憩する様にとショウ様が言い付けたので、皆さんも出て行ってしまいました。

 それからすぐに魔馬車が停まり、休憩になった方々が後ろを走るもう一台の魔馬車へ移動した頃、私達の乗っている魔馬車が走り出しました。

 ショウ様と夜以外に2人きりは久々です。いつも居る筈の、聖獣のクーちゃんもいません。

 2人きりだと意識をすると、何だかドキドキしますね。アレコレする程の仲なのに。

「あー、えーと、バルバドスに、私が頼んでおいた物を城下の店まで取りに行って貰ったんだ…。」

 ショウ様がそう言って手渡して来たケースを受け取り、中を見ました。
 ケースの中は日本にあるクローバーの葉をデザインしたようなネックレスでした。クロ-バーのような金細工が絡むデザインの緑色の小さな輝石のネックレスです。

「可愛い!」

「こっちでもこっちでも似たような植物はあるんだけれど、「幸せを運ぶ」と言う意味のものではなくって。
 だからか、細工物が有名なラーン・ビット国の腕の良い細工師にデザインを生かす様にと注文していたんだ。

 それが出来たのも、出立する前日の午前中で、ね、バルバドスの奥方へプレゼントする貴金属のデザイン画をバルバドスから前もって預かっていたので、ユーイの物と一緒に注文していたんだよ。

 それも一緒に出来上がったと聞いていたから、バルバドスに一緒に受け取ってもらったんだ。」

「ありがとうございます!可愛いです!」

「つけてあげるね。
 似合うのは当然だって思っていたから、良く似合ってる。」

 ショウ様がネックレスをつけてくれました。嬉しい!

「次の国の王城へ着くまで、寝室で私へのご褒美をちょうだい。」

「へ?大丈夫なのですか?」

「ああ。次の国はアノ先代の聖獣のせいで、女性は男性の紹介後にひっそりと紹介するものなんだよ。
 だから、時間が掛かっても大丈夫。男の支度なんて、すぐだからさ。
 ねぇ、ご褒美をちょうだい?素肌にネックレスだけのユーイを私だけに見せて。」

 熱く情熱が見え隠れする瞳で私を翻弄するショウ様。「はい。」としか答えられない。

「はい。」

「じゃあ、寝室まで、エスコートしましょう。」

 ショウ様が舌なめずりをしながら、私を寝室へと連れて行く。

 寝室へ入ると、キスの嵐が降ってきた。

 キスに答えていると、身体中の力が入らなくなってきた。その頃には、私は下着とネックレスだけを身に着けているだけに。

 ベッドへ運ばれ横にされ、キスの続きをしていると、いつの間にか全裸でネックレスだけをしている姿になっていて、その後、美味しく頂かれてしまいました…。

 ショウ様が寝室から出て行ったのが分かったけれど、余韻で、ぼーっとしていると、女官さんとメイドさん達が入って来て、寝室の片付けと私の着替えと化粧などの準備を済まされました。

「さすがショウ様ですわ!」とか、「これなら、ユーイ様がただの妃ではないと判りますわ!」とか、何だか言っていたけど、右から左の耳へ抜けていくだけでした。

 ぼへらーと、腑抜けてイスに座っているだけだった私も、ショウ様がエスコートに来たので、一緒に魔馬車の外へ出たのでした。

 魔馬車から出る寸前、「王城での挨拶だよ。王太子妃ユーイ様。」と、ショウ様に言われたので、気合を入れました。

 さて!私の順番なんですね!王太后様からは王太子妃として頑張るようにと、釘を刺されていますのでっ!
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