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ガオン・ロード国編
他国の王城の中でも、側近達の思惑は尽きない
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王城の一角では、情報の有難みを噛みしめていたアルクトス王太子とブリュンヌ王太子妃だったが、他にもこの王城では色々な思惑が渦巻いていた。
「リヨウはん、あきまへんわ。」
「やっぱり外の情報を手に入れていた一派が存在していたとほうこくがあった。財務大臣あたりか。」
「外務担当のもですわ。」
「んで、我が国の足下を、その使いである若い王太子だから容易いわと甘く見ているって寸法か。」
「ま、それも先王ご夫妻がお越しになるまでの短い間だけですぅわ。」
「先王伯爵様が着いたら、逆転なんざするのは簡単だろうけどな。」
「2人共、滅多なことを言うんじゃない。足下をすくう事を楽しみにしているのだと、先王様ご夫妻から聞いているだろうが…!
馬鹿な者どもには気取られるなよ。娯楽を取り上げると、そのお怒りは凄まじいんだから。はぁ。」
「はい、はい。分かってますよ。」「イッチェンはん、堪忍でっせ。これ以上はわいも黙っておきますわ。」
「良い返事が聞けたので、聞かなかった事にしましょうか。…く・れ・ぐ・れ・も注意して下さいね。
私はこれからショウ様とユーイ様との話し合いをする時間がもうすぐ来ますので。
警護の方で、警備の穴があっては困りますよ!いいですね?」
「宰相補佐殿の言う通りであります故、警備に戻ります。」
すささささーっと、リヨウはんが逃げていったわ。逃げ足が早いわ。んで、わいは逃げ損なったっちゅう訳やね。
「ユーイ様の警備にはわいの代わりに2人程、付いておりますので、ご安心を。
ちょっと、休憩時間内で王城散歩に行ってきましょうかと思っていたんですわ。」
「御託はどうでもいいので、仕事をして下さいね。
…そうそう、ロートは部下と一緒に厨房へ散歩に行って下さい。面白いものがみられると思いますよ。
部下の顔をフルに活かして仲良くなったと言っていた、ここに勤めているメイドを案内に活用するのがいいでしょう。」
「イッチェンはんは抜け目がないお人なんやな。怖いわ~。そして、部下がナンパしてたちゅうんわ、わいは知らんかったわ。」
「んー、火遊びまではしないと言ってたかな?熊の女性を怒らせるのは凄く恐いからだって。
精々、良い思い出止まりにしておくからとも言っていたね。多分、この先の情報源にするつもりでもあるみたいのような…。」
「わいも充分に気ぃ付けときますわ。愛想良くして話しとるんと、どこで女性の恨みを買うんか分からへん仕事なんで。ま、嫉妬に狂った男ちゅうんも、ありえますわ、な。」
「この外交の旅程でさ、ロートの番を見つけられればいいと思うよ。どの国を訪問しても、我らの王太子ご夫妻であるお二方と一緒に、私達も王城まで入る事になるから。」
「そやね。今まではそんな機会も無かったんで、市井の中や夜会で給仕をして忍び込むまでしか出来んかったんですわ。
わいが自分の番に出会う確率だけは今回の事で上がったんと思うていますわ。イッチェンはんの考えと違いますかねぇ。」
「そうだよ。番が見つかれば、ロートもナーオ・ロウという国での仕事に腰を据えそうだからっていう理由かな。
そうすれば、ゆくゆくはロートの奥さんを城でも外でもユーイ様付きの仕事に任命するんだけどね。
一緒なら、ロートもロートの番も仕事に身が入ると思うんだよ。」
「そないなとこまで考えていてはるんですか。それも、つもりでなく、決定事項のように話すんでっか。おっそろしいわぁ。それに、この先はその通りになりぃそうで、怖いわぁ…。」
「仕事の内容の保証も後ろ盾も充分でしょ?どんな身分の番でもロートの将来はバッチリオーケー!安泰でしょ。」
「うわわぁ~。」
「私の妻のカーナもね、子供を4,5人産んで幼少時だけの子育てをしてから、王城の医師として迎える予定を立ててあるんだ。」
「それはまた…。リヨウはんの奥さんもでっか?」
「あー、あれはリヨウを賛成させるのが難しいから、ユーイ様の文通相手兼、茶飲み友達辺りで落ち着くのだと思うよ。
茶飲み友達にするのは、リヨウの番をユーイ様の権力、曳いては、ショウ様の権力を使って、リヨウが番の地位と身辺を守る為に活用するだろうから、その辺りで落ち着くって意味だし、ね。」
「リヨウはんも、どんだけ自分の良い様に権力を活用する気なんですか…。」
「んー、リヨウは野生の勘とその場の空気から。私は人生計画のうちの一つかな?」
「もういいですわ。休憩を兼ねた仕事に行ってきますわ。はぁ。皆、過激やわ。」
「いってらー!」
ロートがその場から去っていく背中を眺めながら、イッチェンが呟く。
「ショウの方が、私よりもよっぽど質が悪いぞ。なんせ、二重三重にも策を弄しているんだから。」
私の方は、一番良い方法だけに絞って、実行しているだけなのだから。比べないで欲しいよ、と。
「リヨウはん、あきまへんわ。」
「やっぱり外の情報を手に入れていた一派が存在していたとほうこくがあった。財務大臣あたりか。」
「外務担当のもですわ。」
「んで、我が国の足下を、その使いである若い王太子だから容易いわと甘く見ているって寸法か。」
「ま、それも先王ご夫妻がお越しになるまでの短い間だけですぅわ。」
「先王伯爵様が着いたら、逆転なんざするのは簡単だろうけどな。」
「2人共、滅多なことを言うんじゃない。足下をすくう事を楽しみにしているのだと、先王様ご夫妻から聞いているだろうが…!
馬鹿な者どもには気取られるなよ。娯楽を取り上げると、そのお怒りは凄まじいんだから。はぁ。」
「はい、はい。分かってますよ。」「イッチェンはん、堪忍でっせ。これ以上はわいも黙っておきますわ。」
「良い返事が聞けたので、聞かなかった事にしましょうか。…く・れ・ぐ・れ・も注意して下さいね。
私はこれからショウ様とユーイ様との話し合いをする時間がもうすぐ来ますので。
警護の方で、警備の穴があっては困りますよ!いいですね?」
「宰相補佐殿の言う通りであります故、警備に戻ります。」
すささささーっと、リヨウはんが逃げていったわ。逃げ足が早いわ。んで、わいは逃げ損なったっちゅう訳やね。
「ユーイ様の警備にはわいの代わりに2人程、付いておりますので、ご安心を。
ちょっと、休憩時間内で王城散歩に行ってきましょうかと思っていたんですわ。」
「御託はどうでもいいので、仕事をして下さいね。
…そうそう、ロートは部下と一緒に厨房へ散歩に行って下さい。面白いものがみられると思いますよ。
部下の顔をフルに活かして仲良くなったと言っていた、ここに勤めているメイドを案内に活用するのがいいでしょう。」
「イッチェンはんは抜け目がないお人なんやな。怖いわ~。そして、部下がナンパしてたちゅうんわ、わいは知らんかったわ。」
「んー、火遊びまではしないと言ってたかな?熊の女性を怒らせるのは凄く恐いからだって。
精々、良い思い出止まりにしておくからとも言っていたね。多分、この先の情報源にするつもりでもあるみたいのような…。」
「わいも充分に気ぃ付けときますわ。愛想良くして話しとるんと、どこで女性の恨みを買うんか分からへん仕事なんで。ま、嫉妬に狂った男ちゅうんも、ありえますわ、な。」
「この外交の旅程でさ、ロートの番を見つけられればいいと思うよ。どの国を訪問しても、我らの王太子ご夫妻であるお二方と一緒に、私達も王城まで入る事になるから。」
「そやね。今まではそんな機会も無かったんで、市井の中や夜会で給仕をして忍び込むまでしか出来んかったんですわ。
わいが自分の番に出会う確率だけは今回の事で上がったんと思うていますわ。イッチェンはんの考えと違いますかねぇ。」
「そうだよ。番が見つかれば、ロートもナーオ・ロウという国での仕事に腰を据えそうだからっていう理由かな。
そうすれば、ゆくゆくはロートの奥さんを城でも外でもユーイ様付きの仕事に任命するんだけどね。
一緒なら、ロートもロートの番も仕事に身が入ると思うんだよ。」
「そないなとこまで考えていてはるんですか。それも、つもりでなく、決定事項のように話すんでっか。おっそろしいわぁ。それに、この先はその通りになりぃそうで、怖いわぁ…。」
「仕事の内容の保証も後ろ盾も充分でしょ?どんな身分の番でもロートの将来はバッチリオーケー!安泰でしょ。」
「うわわぁ~。」
「私の妻のカーナもね、子供を4,5人産んで幼少時だけの子育てをしてから、王城の医師として迎える予定を立ててあるんだ。」
「それはまた…。リヨウはんの奥さんもでっか?」
「あー、あれはリヨウを賛成させるのが難しいから、ユーイ様の文通相手兼、茶飲み友達辺りで落ち着くのだと思うよ。
茶飲み友達にするのは、リヨウの番をユーイ様の権力、曳いては、ショウ様の権力を使って、リヨウが番の地位と身辺を守る為に活用するだろうから、その辺りで落ち着くって意味だし、ね。」
「リヨウはんも、どんだけ自分の良い様に権力を活用する気なんですか…。」
「んー、リヨウは野生の勘とその場の空気から。私は人生計画のうちの一つかな?」
「もういいですわ。休憩を兼ねた仕事に行ってきますわ。はぁ。皆、過激やわ。」
「いってらー!」
ロートがその場から去っていく背中を眺めながら、イッチェンが呟く。
「ショウの方が、私よりもよっぽど質が悪いぞ。なんせ、二重三重にも策を弄しているんだから。」
私の方は、一番良い方法だけに絞って、実行しているだけなのだから。比べないで欲しいよ、と。
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