ある日、私の頭に耳が生えました

巻乃

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虎の国、小国群編

あんさん、これからどうするつもりなん?1

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 ショウ王太子はんの焦りや怒りがつのって苦悩している姿は、側にいるわいらかて見てるのがツラくて単語堪たまらんぐらいやった。

 目の下に黒いクマを作り、目は血走ったまま、食事も少量しか食べへん。それでも、鬼気迫る程のユーイ様奪還準備を進めているん。

 ショウ王太子はんいわく、寝ると、ユ-イお嬢はんの助けて欲しいと泣き暮れている姿や、手籠めにされてしまい、目の光を失って、ただ生きているだけになった姿や、手籠めにされるなら死ぬのだと舌を噛んで自害する姿のどれかを夢に見るので、眠るに眠れないのだと苦い顔で告げるんで、誰もショウ王太子はんを止められるもんがいなかったんや。

 案の定、無理して動いていたショウ王太子はんが倒れはった。それも、会議最中に。

 わいらは慌ててしまい、右往左往してしまったわ。

 その場に同席していた王太后様が、わいらを諫めてくれはったんで、冷静になれたんやわ。

 その代わり、王太后様がわいらの代わりに心配を臣下にかけるなと怒鳴って、ショウ王太子はんには生活を改めるように叱ったそうや。

 それからは多少、王太子はんの悪夢についての対処に聖獣様の力も借りられたそうで、な、王太子はんの目の下のクマも薄うなって、食事も少量よりかは食べるようになったんやで。

 そんなこんなで、な、国や魔馬車の停めてある周辺国や、虎の国にも根回ししたんやで。

 ん、何で準備にこない日付がかかったのかというとな、聖獣様と同等の力がある他神の遣いがこの騒ぎを起こすのに手を貸しているからと魔馬車にいる皆が聖獣のクー様に説明されたんで、わいらの方でも根回しと準備に走り回ったわ。

 聖獣様が言うには、女神の愛し子を攫った者達を許さないとめがみさまも大層お怒りになられているそうで、女神さまの方でも対抗する準備と、その使徒を捕まえるのに用意するモノがあるんやと言うて、その準備と用意に10日ばかしの日が必要やったんやと。

 聖獣のクー様の方でも、この周辺各国担当の聖獣様との話し合いと準備があるそうで、忙しそうやった。

 そして、ユーイお嬢はんが攫われてから14日経った今日、奪還作戦が始まったん。

 そうや。他神の遣いの使徒を女神さまが生け捕りしたとの伝令があったから、皆、その号令で動き出したんやで。

 まぁ、どうやってその遣いである使徒を捕まえたのかは後でも一切、どうやってだったかを教えてもらえんかったと聖獣のクー様も愚痴っていたわ。

 あ、周辺各国をまとめていた聖獣の黒虎様、虎の国の聖獣の白虎様も、この作戦に参加してはりますとわいらは聞いてますわ。

 クー様が語るに、黒虎様は真っ直ぐな気性で、女性に無体をするアノ自称王子を嫌悪していたんで、この機会に滅そうと思っているのだとか。

 白虎様の方も、虎の国の王太子妃の白花様が、義姉妹であるユーイ様が攫われた事を悲しく思い、王太子殿へ嘆いておられるのを見ていたのだと語ったんだとか。白虎様は懐妊した王太子妃様の事を殊更、心配してはりましたそうや。

 なんせ、次世代の王族をその身に宿しておられるので、王太子妃への心配の種は尽きないそうで。

 なお且つ、女神さまの愛し子を攫った遣いと、踊らされたとはいえ、その思惑に乗った自称王子を名乗る王族共の悪評をかの地から払拭したいのだと熱く語ってもおられたとかで、聖獣様方もやる気十分だと聞いておりますわ。

 わいも作戦前に、密かに聖獣様方にお会いした時、言葉をかけてもらえて、震えて涙を溢しましたわ。

『ロートや、要らぬ苦労を掛けて、済まない。わしらは庇護する王族を殺せない聖獣の誓いのせいで、ろくでもないあの王弟共を始末出来なかったのだ。』と、詫びてくださったんやで!

 自分の故郷には戻れへんけどな、王族を守る聖獣様に国を出たわいを覚えていてもらえたんや。その上、詫びてくださって、わいはもう胸がいっぱいで何も言えんかった…。

 さぁ、わいはお嬢はんの専属護衛や!ちゃきちゃきと動かにゃならんわ!お嬢はん!無事でいてくれや!
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