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番外編・すいーと・ぱにっく
第四話
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レッドビーの視線が一斉にあっくんへ向けられる。そして、ついでにネモも発見された。
「あっくぅぅぅぅぅん!?」
なんばしよっと⁉ と悲鳴を上げるネモを尻目に、あっくんはギラギラした目を巣に向ける。彼の頭の中にはアレは何日分の蜂蜜だろうか、と算盤がはじかれている。なんという捕らぬ狸皮算用。
ブンブンとただ飛んでいたレッドビーの羽音が、ヴィーンと甲高い音に変わる。これは、レッドビーの警戒音だ。
巣から次々にレッドビーが飛び出してくる。その数は数え切れぬほどで、えげつない数のそれは、最早一つの生物のような質量を持っていた。
耳が痛くなるような羽音させ、レッドビーがこちらを見下ろす。
「ウソウソウソ⁉ ヤバイ、ヤバすぎる⁉」
「きゅっきゃ~い!」
悲しいことに、現状に焦るのはネモだけだ。元凶のあっくんは、きゃっほーい、と言わんばかりにウキウキしている。
レッドビーの隊長蜂が羽音を変える。ブン……ブン……、と断続的なそれは、攻撃指示の合図だ。
その合図に、一斉に働き蜂が向かってくる。
ネモは素早くポーチから薄く水色の光が宿る宝石を取り出し、二つ纏めて投げつける。
「《破裂》!」
宝石は粉々になり、辺りにキラキラと破片が舞う。
そして、ネモは再び魔力を籠めて紡ぐ。
「《氷結》!」
舞う破片を核として、一気に周囲の気温が下がり、辺りのレッドビーを巻き込んで氷結する。
かなりの数のレッドビーが氷の中に閉じ込められたが、それでも全体から見れば一割にも満たない数だ。
ネモは身体強化魔法を使い、レッドビーから目を離さないように後退する。ちなみにあっくんは置き去りである。レッドビー如きにあっくんがやられるとは毛ほども思えないからだ。
「あっくん、後で絶対オハナシするからねぇぇぇぇぇぇ‼」
怒りの咆哮を残し、ネモは撤退していった。
さて、そうやって残されたあっくんだが、ぶっちゃけネモの咆哮は聞いてなかった。
あっくんは向かってくるレッドビーをひょいひょいと軽く避けていき、額の宝珠から細々と魔力弾を撃ち込んで、レッドビーを仕留めていく。
「きゅっきゃ、きゅっきゅい!」
半ば鼻歌交じりと言っていいご機嫌さだ。
「きゅっきゃ! きゅっきゅーい!」
そして攻撃がほんの少し途切れた時、今だ! とばかりに魔力砲を発射し、それでレッドビーの群れを横薙ぎにする。
――ちゅどーん‼
派手な音と共にレッドビーの群れが爆散する。
しかし、それを超えてレッドビーの群れが再びあっくんに殺到する。
それを、避けて、避けて、魔力弾を撃って、また避けて……
ずっとそれを繰り返す。普通であれば嫌になるし、疲れて動きが鈍くなるものだ。しかし、あっ君の場合は動きが鈍くなるどころか、段々と鋭さが増し、動きが良くなって行っている。
そして、再び魔力弾を撃つ。撃つ。撃つ――繰り返し、最早ガントリングの如き魔力弾の雨を降らす。
「きゅきゃきゃきゃきゃきゃきゃ!」
ヤバイ嗤い声があっくん口から洩れていた。その姿、白い悪魔のごとし。
最高にハイってやつだぜー! とばかりにご機嫌にレッドビーを薙ぎ払う。
それでもレッドビーは攻撃をやめない。レッドビーの知能は高くなく、隊長蜂や女王蜂が多少知能が高いだけだ。
これが知能の高い魔物であれば、とっくに撤退しているのだが、隊長蜂が撤退の指示を出すのは群れの数が三割以下になってからだ。それまではずっと攻撃をやめることはない。
現在、レッドビーの数は八万匹。元は十万匹以上は居たのだから、かなり減った方だ。
普通であれば、あっくんはとっくにレッドビーに刺されて身動きが取れなくなっていただろう。レッドビーは数が多ければ多い程厄介だ。
あっくん達がレッドビーと接敵してから、既に三十分は過ぎている。それだけの時間を立ち回り、絶え間なく魔力を使っていればとっくに魔力切れを起こし、疲れ果てて動けなくなっている筈なのだ。
しかし、恐ろしいことに、それが無いのがカーバンクルという種族だ。
そもそも、カーバンクルは保有魔力量はエルフの五倍、人間の五十倍程度で、中位幻獣種の平均的な保有魔力量だ。これは、千年竜の三分の一以下の保有魔力量になる。では、何故カーバンクルは千年竜すら恐れる種と言われているのか。
それは、魔力の回復速度が異常に早いからである。
例えば魔力を半分使ったとして、普通であればそれが完全に回復するには半日から一日程度の時間がかかる。しかし、カーバンクルは違う。恐ろしいことに、彼等は五分で完全回復して見せるのだ。
持久戦になれば絶対に勝てない種族が、カーバンクルだ。
そして、更にそこに追い打ちをかけるように、一度の放出できる魔力量が一番多いのもカーバンクルである。
代表例として、千年竜は一度に放出できる魔力の最大量は、その身に保有する魔力の十分の一までだ。それ以上は体の崩壊を招く。
そして、カーバンクルだが、彼等はその身に保有する魔力の八割を一度に放出できる。単純計算をして、千年竜が推し負けるのだ。
そこに合わせて尋常ならざる回復量。何故カーバンクルが触るな危険と言われているのか分かるというものだろう。
「あっくぅぅぅぅぅん!?」
なんばしよっと⁉ と悲鳴を上げるネモを尻目に、あっくんはギラギラした目を巣に向ける。彼の頭の中にはアレは何日分の蜂蜜だろうか、と算盤がはじかれている。なんという捕らぬ狸皮算用。
ブンブンとただ飛んでいたレッドビーの羽音が、ヴィーンと甲高い音に変わる。これは、レッドビーの警戒音だ。
巣から次々にレッドビーが飛び出してくる。その数は数え切れぬほどで、えげつない数のそれは、最早一つの生物のような質量を持っていた。
耳が痛くなるような羽音させ、レッドビーがこちらを見下ろす。
「ウソウソウソ⁉ ヤバイ、ヤバすぎる⁉」
「きゅっきゃ~い!」
悲しいことに、現状に焦るのはネモだけだ。元凶のあっくんは、きゃっほーい、と言わんばかりにウキウキしている。
レッドビーの隊長蜂が羽音を変える。ブン……ブン……、と断続的なそれは、攻撃指示の合図だ。
その合図に、一斉に働き蜂が向かってくる。
ネモは素早くポーチから薄く水色の光が宿る宝石を取り出し、二つ纏めて投げつける。
「《破裂》!」
宝石は粉々になり、辺りにキラキラと破片が舞う。
そして、ネモは再び魔力を籠めて紡ぐ。
「《氷結》!」
舞う破片を核として、一気に周囲の気温が下がり、辺りのレッドビーを巻き込んで氷結する。
かなりの数のレッドビーが氷の中に閉じ込められたが、それでも全体から見れば一割にも満たない数だ。
ネモは身体強化魔法を使い、レッドビーから目を離さないように後退する。ちなみにあっくんは置き去りである。レッドビー如きにあっくんがやられるとは毛ほども思えないからだ。
「あっくん、後で絶対オハナシするからねぇぇぇぇぇぇ‼」
怒りの咆哮を残し、ネモは撤退していった。
さて、そうやって残されたあっくんだが、ぶっちゃけネモの咆哮は聞いてなかった。
あっくんは向かってくるレッドビーをひょいひょいと軽く避けていき、額の宝珠から細々と魔力弾を撃ち込んで、レッドビーを仕留めていく。
「きゅっきゃ、きゅっきゅい!」
半ば鼻歌交じりと言っていいご機嫌さだ。
「きゅっきゃ! きゅっきゅーい!」
そして攻撃がほんの少し途切れた時、今だ! とばかりに魔力砲を発射し、それでレッドビーの群れを横薙ぎにする。
――ちゅどーん‼
派手な音と共にレッドビーの群れが爆散する。
しかし、それを超えてレッドビーの群れが再びあっくんに殺到する。
それを、避けて、避けて、魔力弾を撃って、また避けて……
ずっとそれを繰り返す。普通であれば嫌になるし、疲れて動きが鈍くなるものだ。しかし、あっ君の場合は動きが鈍くなるどころか、段々と鋭さが増し、動きが良くなって行っている。
そして、再び魔力弾を撃つ。撃つ。撃つ――繰り返し、最早ガントリングの如き魔力弾の雨を降らす。
「きゅきゃきゃきゃきゃきゃきゃ!」
ヤバイ嗤い声があっくん口から洩れていた。その姿、白い悪魔のごとし。
最高にハイってやつだぜー! とばかりにご機嫌にレッドビーを薙ぎ払う。
それでもレッドビーは攻撃をやめない。レッドビーの知能は高くなく、隊長蜂や女王蜂が多少知能が高いだけだ。
これが知能の高い魔物であれば、とっくに撤退しているのだが、隊長蜂が撤退の指示を出すのは群れの数が三割以下になってからだ。それまではずっと攻撃をやめることはない。
現在、レッドビーの数は八万匹。元は十万匹以上は居たのだから、かなり減った方だ。
普通であれば、あっくんはとっくにレッドビーに刺されて身動きが取れなくなっていただろう。レッドビーは数が多ければ多い程厄介だ。
あっくん達がレッドビーと接敵してから、既に三十分は過ぎている。それだけの時間を立ち回り、絶え間なく魔力を使っていればとっくに魔力切れを起こし、疲れ果てて動けなくなっている筈なのだ。
しかし、恐ろしいことに、それが無いのがカーバンクルという種族だ。
そもそも、カーバンクルは保有魔力量はエルフの五倍、人間の五十倍程度で、中位幻獣種の平均的な保有魔力量だ。これは、千年竜の三分の一以下の保有魔力量になる。では、何故カーバンクルは千年竜すら恐れる種と言われているのか。
それは、魔力の回復速度が異常に早いからである。
例えば魔力を半分使ったとして、普通であればそれが完全に回復するには半日から一日程度の時間がかかる。しかし、カーバンクルは違う。恐ろしいことに、彼等は五分で完全回復して見せるのだ。
持久戦になれば絶対に勝てない種族が、カーバンクルだ。
そして、更にそこに追い打ちをかけるように、一度の放出できる魔力量が一番多いのもカーバンクルである。
代表例として、千年竜は一度に放出できる魔力の最大量は、その身に保有する魔力の十分の一までだ。それ以上は体の崩壊を招く。
そして、カーバンクルだが、彼等はその身に保有する魔力の八割を一度に放出できる。単純計算をして、千年竜が推し負けるのだ。
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