野良錬金術師ネモの異世界転生放浪録(旧題:野良錬金術師は頭のネジを投げ捨てた!)

悠十

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番外編・すいーと・ぱにっく

エピローグ

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「ううっ……、本当に酷い目に遭って……」
「災難でしたねぇ……」

 その後、ネモとあっくんは砕けはしたが、使えそうなレッドビーの巣は多くあったため、それを全て拾い集めて町に帰った。
 そして、ボロボロのまま冒険者ギルドへ行き、最初に取った巣と、砕けた巣を納品した。その際、愚痴を溢すていで巨大なレッドビーの巣に関する情報を報告した。
 
「レッドビーの蜂蜜採取に行って、群れと出くわして、気付けばレッドビーと他の幻獣だか魔物だかとの戦闘に巻き込まれて……。ホント、ツイてなかった……」
「そうですかぁ……。しかし、十メートル級とは……。貴重な情報をありがとうございました」

 報告は、ほぼ真実を話した。森の一部をボロボロにしたのはあっくんであることを言わず、ただ巻き込まれたと報告したのだ。もし森をボロボロにしたのがあっくんだとバレれば、面倒なことが起きるかもしれないからだ。ネモの演技力が光った瞬間である。
 冒険者ギルドの職員も、まさかネモの肩でどんよりとへたれている小動物が派手な破壊活動をしたとは夢にも思わず、ただ情報提供に感謝しただけだった。
 ネモは納品分以外の蜂蜜と蜜蠟の引き渡し手続きをして宿へ帰った。
 宿には風呂があったため、早々に入り、着替えてスッキリする。
 よく温まってほこほこになったネモは部屋へ戻り、どんよりと落ち込んでいるあっくんに苦笑する。

「今回はあっくんが悪いのよ?」
「きゅーい……」

 あっくんとしても、ボロボロになったネモを見て、ヤッチマッタナー、と思ったのだ。ちゃんと申し訳ないと思っているのだが、それでも頑張って採ろうとした蜂蜜は粉々になったぶんの量が減ったし、罰として一週間も蜂蜜をお預けにされてしまった。どうしようもなく気分が落ち込む。

「まあ、レッドビーの蜂蜜はかなりの量が貰えるし、長期間楽しめるわよ」

 あっくんがどれだけ落ち込もうと、ネモは罰の期間を短くしようとはしなかった。これは躾であり、相棒である自分を蔑ろにさせないために必要なことだ。
 そうして怒涛の一日は終わり、翌朝――

「きゅ、きゅあっ!」

 あっくんはトーストに塗られた桃のジャムに目を輝かせていた。

「わぁ、これ、美味しいですね」
「ありがとうございます。この町の特産品なんですよ」

 宿屋の娘さんとネモの会話を聞きながら、あっくんはうっとりと桃ジャムのトーストを食べる。
 新たなブームの到来であった。

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