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1巻
1-1
婚約破棄騒動編
プロローグ
「最早、お前の所業には我慢ならん! レーヌ・ブルクネイラ! お前との婚約を破棄する!」
それは、ウィンウッド王国の貴族の子息や令嬢が通う学園のパーティーで起こった。
ウィンウッド王国の王太子、アラン・ウィンウッドが、パーティーの最中突如、取り巻きを引き連れ、自らの婚約者に婚約破棄を突きつけたのである。
多くの貴族の子息、令嬢が参加し、終盤には国王と王妃が臨席する盛大なパーティー。そこで王太子はこのようなことを言い出したのだ。
王太子の婚約者、レーヌ・ブルクネイラ公爵令嬢は問い返した。
「アラン様、どういうおつもりですの?」
「どうもこうもない。お前は身分を笠に着て、リサを虐げたではないか!」
「虐げるとは、一体どういう……? いえ、それは今は良いですわ。私達の婚約は王家とブルクネイラ公爵家との間に結ばれたもの。殿下は陛下の許可をおとりになって、このようなことをなさっておられるのですわよね?」
その言葉に王太子は一瞬詰まるも、すぐに話を続ける。
「レーヌ、お前はいつもそうだ。そうやって、いつも話を逸らす」
「逸らしておりませんわ。大切なことです」
王太子を見つめるレーヌの目は冷たい。
それも仕方がないのかもしれない。半年以上、王太子は一人の男爵令嬢――リサ・ルジアに入れ込み、レーヌを蔑ろにし続けたのだ。元々仲が良いとは言えない関係は、ここ半年でさらに冷え込み、王妃がそれとなく間を取り持とうと行動したほどだった。
来るべきものがついに来たか、という感想を抱く周囲だったが、それがこのような形で訪れるとは夢にも思っていなかった。
しかし、王太子は止まらない。
彼が懇意にしている男爵令嬢を、レーヌが虐げた。それを謝罪しろ、と言うのだ。
しかし、レーヌも負けてはいない。
つらつらと己の身の潔白を証明する証拠や証言を出し、王太子の言い分を全て退けたのである。
追い詰められた王太子は、遂に言ってはならぬことを口にした。
「しかし、リサを見下し、虐げたのは事実! お前を国外追放とする!」
なんの証拠もない状態でのそれは、レーヌが嫌いだからこの国から出ていけ、というようなものだ。ここまで来ると、リサの件は口実でしかない。
それでも、それは王太子の言葉だ。
故に、レーヌは粛々と頭を下げる。
「承知いたしました」
そして、呆然とする人々の前から去ろうとした。
ところが、そんな彼女に駆け寄る男がいたのだ。
「レーヌ様、私をどうかお連れください」
「ルイス様……!」
その男は、王太子の護衛騎士の一人で、侯爵家の次男坊であるルイス・ノルトラートである。
彼を見たレーヌは目を潤ませ、差し出された手を取った。ルイスはそんな彼女に寄り添う。
そして二人で会場を出ようとした時、呼びとめられる。
「待ちなさい」
振り返ると、貴賓席に国王と王妃の姿があった。
国王は眉間に皺を寄せ、王妃は冷たい視線を我が子に向けている。
「そのような命に従う必要はない」
「陛下!」
非難の声を上げた王太子を、国王が睨みつけた。
「アラン、そなたへは追って沙汰する。さしあたっては、謹慎を申し渡す。衛兵、周囲の馬鹿どもも全員連れていけ」
「陛下、そんな!」
かくして、王太子と彼をとりまいていた一行は衛兵に連れ出され、レーヌがその場に残された。
「レーヌ、息子が申し訳ないことをした……」
「陛下! そんな、おやめください!」
国王が頭を下げ、レーヌが慌ててそれを止める。
国王は頭を上げたものの、申し訳なさそうに彼女を見つめた。そして、レーヌに寄り添うルイスに、ちらりと複雑そうな視線を向け、すぐに戻す。
「そなたが王太子との婚約解消を望むのなら、そのようにしよう。そなたに非はないのだから」
「……ありがとうございます」
そう言ってレーヌは一礼し、傍らに立つ男に笑顔を向けたのだった。
さて。ここまでの騒動は、とある世界でよくある『悪役令嬢によるザマァ系物語』である。だが、今回の騒動は、ここでは終わらなかった。
最初に事に気づいたのは、王妃だ。
彼女はレーヌに寄り添うルイスを見て、何か引っかかるものを感じた。そして一瞬後、思い出したのである。
ルイスが、とある子爵令嬢の婚約者であったことを!
「アレッタ!」
「しっかりして、アレッタ!」
会場の一角で、騒ぎが起きた。
令嬢が一人、倒れたのである。
何事かと国王もそちらを見る。そしてハッとした顔をすると、続いて、信じられないものを見るかのような目つきでレーヌの隣に立つルイスに視線を向けた。
アレッタと呼ばれた少女を使用人が運び、それに付き添って数人の少女達も会場を出ていく。
その少女の中の一人、マデリーン・アルベロッソ公爵令嬢は、レーヌとルイスに軽蔑の視線を向けて、言った。
「浮気者同士、お似合いですこと」
そう。ルイスは倒れた少女、アレッタの婚約者であったのだ。
――この物語は、『悪役令嬢によるザマァ系物語』が勝利判定Bにて幕を閉じた、その後の騒動のお話である。
第一章
事の始まりは、学園での生徒会主催パーティーである。
「最早、お前の所業には我慢ならん! レーヌ・ブルクネイラ! お前との婚約を破棄する!」
どこかで見たことのある光景だぞ、と唖然としながら目を瞬かせたのは、アレッタ・ベルクハイツという名の子爵令嬢であった。
彼女は、とある辺境を治める子爵家の末っ子長女であり、ここ、ウィンウッド王国の国立学園に通う一年生だ。
亜麻色の髪に緑の瞳の、和み系の顔立ちをした、ごく平凡な容姿の少女である。
この時の彼女は、凹凸の少ない体をコルセットで締め上げてくびれを作り、顔をどうにか上の下まで化けさせて、パーティーのご馳走をコルセットのせいで食べられないのを内心で嘆きつつ友人とのお喋りを楽しんでいた。
その友人というのは、マーガレット・オブライエンという同い年の子爵令嬢である。
そのマーガレットが金の巻き毛を揺らし、グレーの瞳を輝かせて興奮気味に言う。
「ねえ、アレッタ。今日のマデリーン様のドレスを見た? とっても素敵だったのよ!」
「え、まだ見てないわ。貴女、いつ見たの?」
ずるい、という意味を込めてアレッタがマーガレットを見つめると、彼女はニコニコ笑って答えた。
「ふふ。実は偶然、こちらに来る前にお会いしたの。楽しみにしてると良いわ」
二人の話に出てきたマデリーンとは、アルベロッソ公爵家の令嬢である。二人より一つ学年が上の、素敵なお姉様だ。
彼女は銀髪碧眼の美少女で、気位が高いので冷たいと思われているが、実際は社交的で面倒見の良い少女である。
一年生が会場に入り二年生が入ってくる時、マデリーンを見つけたアレッタは、小さく歓声を上げた。
「マデリーン様、凄く綺麗! どうして、この世界にはスマホがないのかしら……」
「すまほ?」
アレッタの呟きを聞いて、マーガレットが首を傾げる。それをなんでもないと誤魔化し、アレッタは再び会場に入ってくる二年生に視線を戻した。
彼女には、秘密がある。それは、前世の記憶があることだ。
アレッタはこの世界に生まれてくる前、日本という国で生きていた。
もっとも、前世の記憶があるからといって、この世界で活用できることなど何もない。
なんといっても、アレッタが前世で死んでしまったのは高校一年生になったばかりの頃だった。体を動かすのが好きで勉強なんて全然できなかった彼女が今世でできることなど、早いうちから頑張って学習するくらいだ。
しかし、そうしていても落ちこぼれ気味なので、最早自分には勉強の才能はないのではないか、とアレッタは思っている。
そんなふうに落ち込む彼女に声をかけてくれたのが、マデリーンだった。
家の事情もあるのだから仕方ない、教えてあげるわ、と少しツンデレ気味に話しかけてくれた時には、あまりの美少女っぷりにアレッタは目が潰れるかと感じたものだ。
そんな感想を後に本人に伝えたところ、彼女は真っ赤になって照れ、すごく可愛かった。
それほど素敵な美少女マデリーンが会場入りし、友人である二人の先輩と話している。そこに、アレッタ達は合流した。
「あら、アレッタ。素敵なドレスね」
「ありがとうございます、エレーナ様」
最初にアレッタに声をかけてくれたのは、茶髪に緑の瞳のエレーナ・マスディス伯爵令嬢だ。
「マーガレットもよく似合っているわ」
「ありがとうございます、フローラ様」
マーガレットを褒めたのは、フローラ・ルベルシス子爵令嬢。金髪碧眼のお人形みたいな容姿で、優しげに目を細めて微笑んでいる。
「アレッタ、ちゃんと綺麗に歩けていたわ。合格よ」
そう言って微笑んだのは、マデリーンだ。
学園に入学したばかりの頃、アレッタはコルセットを締め高いヒールの靴を履いて歩くことができなかった。
それを知って特訓に付き合ってくれたのが、マデリーンだったのである。
「ありがとうございます、マデリーン様。今の私があるのはマデリーン様のお陰です!」
彼女は少し頬を染めてそっぽを向く。
「別に、貴女の特訓に付き合うくらい、私にはなんでもないことよ。貴女にやる気があるから、付き合ってあげただけですもの」
その可愛らしい態度に、アレッタ達は目を合わせて、こっそり微笑んだ。
そんな言動が一致しないマデリーンはふと何かを見つけたようで、不意に扇で口元を隠して呟く。
「あの子、また囲まれてるわ」
彼女の視線の先には、黒髪に青い瞳の可愛らしい少女がいた。
その少女は今、学園で悪い意味で有名な男爵令嬢で、名前をリサ・ルジアという。
マデリーンとは同級生だが、元平民で、母親を亡くしたため実父の男爵に引き取られたそうだ。それが学園入学直前だったため、貴族令嬢としてのマナーがなっていないらしい。
婚約者のいる男性に気軽に声をかけて仲良くなり、とうとう学園で地位も人気もある五人の令息を落としてしまったのだとか。
そんな彼女の不幸は、その五人を落とした後になってようやく自分の立場を理解したことだ。その時には既に、婚約者のいる男に手を出すはしたない女というレッテルを貼られていた。
自分が世間からどういう目で見られているのか知ったリサは、五人とどうにか正しい距離を置こうとしたのだが、これを件の令息達が嫌がった。
そして現在の、困ったように笑うリサと、その取り巻き令息五人、という構図が出来上がったのだ。
アレッタはそんな面倒くさそうな人達とは極力関わりたくないが、そうも言っていられない。なぜなら、その取り巻き令息の中に、この国の王太子と、憧れの先輩であるマデリーンの婚約者がいるからだった。
マデリーンの婚約者は侯爵子息で、名をシルヴァン・サニエリクという。未来の宰相と目されている俊英だ。
しかし、最近は恋の熱に浮かされて目も当てられないほど馬鹿になっている。そう、マデリーンが溜息交じりにアレッタ達に愚痴っていた。
気のりしないものの婚約者として一言言わなくてはならないと、マデリーンがシルヴァンのもとへ足を向けた、その時だ。
「最早、お前の所業には我慢ならん! レーヌ・ブルクネイラ! お前との婚約を破棄する!」
王太子の怒鳴り声が聞こえ、あの騒ぎが起こったのである。
皆が困惑する中、アレッタは既視感を覚えていた。
どこかでこの光景を見たことがある、と思ったのだ。
しかし、思い出そうとしても該当する場面の見当がつかず、では、前世でのことかと考えて気づいた。
「乙女ゲーム……」
彼女の小さな呟きは、誰にも聞こえなかったようで、皆、騒ぎが起きているほうへ視線を向けている。
そんな中、アレッタには分かった。この騒ぎは前世でプレイした乙女ゲーム、『七色の恋を抱いて』のイベントだ。
もしや、ここは乙女ゲームの世界だったのか、と戦慄していると、騒動は乙女ゲームの筋書きから逸れ、いつの間にか『悪役令嬢によるザマァ系物語』へ移行していく。
この時、アレッタは体力と気力を消耗していた。
乙女ゲームの世界に転生していた事実による衝撃、混乱、そして、物語から逸れてゆく現実に脳がついていけなかったのだ。
そして、更なる衝撃により、止めを刺される。
王太子がレーヌに国外追放を言い渡したところで駆け寄っていったのが、なんと自分の婚約者だったのだ。
生真面目すぎるところはあるが良い人だと思っていたのに、本当はレーヌといちゃつく浮気者だったのである。
いくら図太い神経を持つアレッタといえども、ショックだった。
ゆっくりと血の気が引く。友人が心配そうに見つめる中、国王による事態の収拾を見届けた後、アレッタは倒れたのであった。
***
アレッタが目覚めたのは、パーティーの翌日の午後だった。
倒れた後、医務室に運ばれ、そのまま眠っていたようである。
医師の診察を受けた彼女は、問題なしということで寮へ帰ることになった。
いつの間にか着ていた寝間着を返し、届けられていた制服を着て、医務室を後にする。
パーティーがあの後どうなったのかも気になるが、取りあえずお腹がすいたなぁ、と図太い神経で考えていた。
食堂に寄って行こうか悩みながらゆっくり歩いていると、廊下の向こうからマーガレットが歩いてくる。
「マーガレット!」
「えっ、アレッタ! 貴女、もう大丈夫なの?」
どうやらマーガレットはアレッタの様子を見に医務室へ向かっている途中だったらしく、心配そうな顔をしていた。
「ええ。もう、大丈夫よ」
「そう。良かった……。いえ、良くはないのかしら? 貴女が元気になったのは良いのだけれど、今、学園中で昨日のことが噂になっていて、大変なのよ」
人が多い場所に行ったら疲れるかもしれない、とマーガレットは教えてくれる。
しかし、昨日から何も食べていないので食堂に行きたい。アレッタがそう訴えたところ、サンドイッチで良ければ部屋に持って来てくれると言う。
アレッタはありがたくお願いすることにした。
「けど貴女、あんなことがあったのに、お腹がすいた、だなんて……」
「生きている証拠よ!」
苦笑するマーガレットに、無駄に胸を張って見せると、さらに笑われる。
「なんにせよ、元気になって良かったわ。それじゃあ、部屋で待っててちょうだい」
「ありがとう、マーガレット」
そう言って、アレッタは寮の自室へ向かった。
彼女にあてがわれている部屋は、前世で言うところの1DKの一人部屋だ。
王家や公爵家、侯爵家辺りの子女のものなら、どこぞのホテルのスイートルームばりの豪華さになり、それ以下の爵位でもお金持ちの家の子は、実家から連れて来た使用人が使うための部屋の付いた、豪華な部屋を与えられる。そうでないなら簡単な自炊ができる程度のミニキッチンが付いた一人部屋か、二人部屋だ。
ちなみに、アレッタの部屋は下から二番目のランクの一人部屋だった。実家は貧しくはないものの、余計なお金を使う余裕はない。
アレッタはお茶を淹れながらマーガレットを待ち、ついでに手紙を書く準備もした。
書く内容は、もちろん昨日の事件についてである。
実家に、婚約者の不貞を知らせなければならない。
実のところ、アレッタは婚約者であるルイスに恋心は抱いていなかった。そもそも、学園に通うまで、あまり顔を合わせたことがなかったのだ。
婚約は二年前に決まったが、実家のある子爵領にいる間は手紙を何度か遣り取りしただけ。学園に入学してから本格的に交流を持とうと考えていた。
しかし、あちらは騎士の仕事、こちらは学園での生活が忙しく、一度食事に行けたのみ。手紙での遣り取りも二、三回のありさま。
それでもまあ、この人と結婚するんだとは思っていた。
だからアレッタは、ルイスの行動に酷くがっかりしている。
彼女は一つ溜息をつき、ちょうどお湯が沸いたのでコンロの火を止めた。
ポットにお湯を入れて温めているところに、マーガレットが部屋を訪れる。
「アレッタ、サンドイッチを持ってきたわよ」
「あ、マーガレット、ありがとう。お茶の準備ができてるんだけど、一緒にどうかしら?」
「いただくわ」
彼女はにっこり笑い、アレッタにサンドイッチを渡した。
アレッタは自分にはサンドイッチを、マーガレットには用意していたマドレーヌを、小さな卓に並べる。そして、それを食べながら話す。
「ねぇ、私が倒れた後はどうなったのかしら?」
「私も貴女に付き添っていたから、直接見たわけじゃないんだけど……」
マーガレットが聞いた話によると、あの後パーティーは結局グダグダになり、早めに終わったそうだ。
軽率な行動を取った王太子と彼の仲間は実家に送還されたらしく、しばらく謹慎措置が取られるという。
一方、男爵令嬢のリサなのだが……
「あの方、殿下達の企みを全く知らなかったらしいの」
「え? ああ、そう言えば、殿下達の後ろで青褪めて首を横に振ってたような……?」
なんでも、今はすっかり怯えて修道院に行かせてくれと泣いているらしい。
「まあ、ちょっと可哀そうね。平民から貴族になって、学園に入ったらハンサムな王子様達が自分を構ってくれるのよ? そりゃぁ、夢見ちゃうわよね」
「そうねぇ……。けど、いくらなんでも殿下達、簡単に落ちすぎじゃない?」
「それは、確かに……」
リサがよほど好みに合った振る舞いをしたのだろう。もしかしたら彼女もアレッタと同じく転生者だったのかもしれない。だとしたらゲームをやっている時の気分で殿下達を攻略していって、ふと我に返ったら遅かったのだろう。
しかし、アレッタに何ができるわけでもない。
もう終わってしまったことだ。恐らくこれからもあまり関わり合いにならないに違いない。そっとしておこうと決める。
それよりも、アレッタは自分のことで忙しくなりそうなのだ。
「ルイス様とレーヌ様はどうなったか知ってる?」
「それがね……」
マーガレットは困った顔をして言った。
「レーヌ様は一応、今回の騒ぎの被害者でしょ? だから、まあ、落ち着くまで実家で静養、ってことになったらしいわ。ただ、レーヌ様に駆け寄ったのが貴女という婚約者がいるルイス様、っていうのが問題になっててね」
「そうでしょうね」
レーヌは結局、王太子よりは随分マシではあるが、評判を落としたそうだ。
もっとも彼女は、国内最大派閥であるブルクネイラ公爵家の令嬢である。本来なら、秘めた想い人かつ自分の窮地に寄り添ってくれた男が婚約者持ちである程度、権力で吹き飛ばせるし、情報を操作して美談に仕立て上げることも可能だ。
けれど、今回は相手が悪かった。
「うちは子爵家だけど、立ち位置が特殊だから……」
「そうね!」
遠い目をするアレッタに、マーガレットが大変良い笑顔を返す。
どうやら、アレッタの婚約者の不貞を怒ってくれているらしい。ザマァ、と言わんばかりのその笑顔は輝いていた。
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