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五章 新し世界の始まり
再びの、偶然
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完全に夜が明け、そろそろ昼に差し掛かろうとした頃。
「やっぱり、誰も知らないですね」
賑わう街。行き交う人も多い。
そんな中、ロアは少し肩を落として歩いていた。
「街の顔役なんて、有名人のはずなんだがなぁ」
隣を歩いているのは、クリストフ。
前後を双子の魔狼が、まるで護衛の様に固めている。……と言っても、足取りは軽く、ロアとのお出かけにかなり浮かれているのだが。
この街の人たちも従魔は見慣れているのか、二匹の姿を気にする様子は無い。もっとも、これは従魔の中でも数の多い魔狼だからだろう。グリフォンならまた状況は違っていたはずだ。
当のグリおじさんは、注目を浴びるのを嫌って留守番をしている。
ロクワット湖周辺の街……共同統治地区は、カリクス国を中心とした街のため、湖に沿う様に作られている。
街の形も細長い。
湖に沿うような形で大通りが走り、その左右に商店や宿屋などが並んで賑わっていた。住宅街は、その裏手から外壁まで広がっている。
成り立ちは特殊な街だが、特別なところはほとんどない。ごくごく普通の街だ。
違いと言えば、教会の数が多く、住人に信心深い人がい多いところくらいだろうか。教会本部に出向するために色々な国から人が集まっているはずだが、違和感や問題が起こっている様子もない。
外国人が多いことが原因の特徴を強いて上げるなら、食生活の多様性だろうか。
屋台、飲食店に関わらず、色々な国の食べ物が並んでいた。それに加えて、湖の街ならではの物もあり、普通の街ではありえないほど種類が豊富だ。
「あ、あの塩焼きは美味そうだな」
「鱒ですね。脂がのってそう。あれは何でしょう?」
探し物をしていても、ついつい気になってしまうほど、美味しそうな物や変わった物が並んでいるのだった。
二人は今、謎の男を探していた。
ロアと出会った、自称『顔役』で、染物職人だと推測される人物だ。
ロアたちは、役職持ちで、あれだけ派手な上着の目立つ身なりをしている人間なら、すぐに見つかると思っていた。
しかし、誰に尋ねてみても、知らないという答えしか返ってこない。
「……これは、街ぐるみで隠してるのかもな」
「街ぐるみ?」
クリストフの呟きに、ロアが首を傾げる。そんなことがあるのだろうか?
「ギルドがレシピを隠してる染物を作ってるんだろ?街の人たちも、職人や工房について話さないように口止めされてるのかもしれないな」
「ああ……」
「それだと、あの男が有名人なほど、街の人の口は固くなりそうなんだよな」
それは、まあ、そうかもしれないと、ロアは納得した。
その様子を見て、クリストフは笑みを漏らす。
「ということで、職人探しはここまでにして、観光を楽しもう!なに、狭い町だ。その内に会えるだろ。とりあえず、何か食うか!」
「……そうですね」
ロアは渋々と言った風に、人探しを諦めた。
実のところ、クリストフはこうなることを予測していた。探し始めた時点で、街の人たちが男のことを隠しているのを察していた。
情報収集はクリストフの本業。人探しも、専門分野と言っていい。気が付かないはずがない。
それなのに今まで付き合って探していたのは、諦めの悪いロアが納得できるだけの時間が必要だと思ったのと、見極めの為だ。
まだ少年に見えるロアが人を探しているなら、怪しまれ難い。クリストフが聞き回っても、少年の我が儘に付き合っていると思われれば、疑われない。
それを利用して、言葉巧みに、街の住人の口の堅さや情報に対しての認識、弱みや、指示系統などなどを探っていたのである。
ロアを利用する形になってしまったが、人探し自体は手を抜いていないので負い目は無い。
むしろ、クリストフは、ロアにちょうどいい引き際を与えられたと思っていた。
「じゃあ、オレはさっきの屋台の焼き魚が食べたいんだが、ロアはどうだ?」
「白いペーストの中に魚が埋まってたのとか、茶色いペーストの中に魚が埋まってたのとか……」
ロアは変わった物が気になるらしい。クリストフは眉を寄せた。
「あれ、腐ってなかったか?」
「この地方独自の保存食だと思うんですよね。見たことない物なので、気になります」
「なんか凄い臭いがしてたし、そもそも食べ物かどうかも怪しそうだけど……。まあ、ネレウスでも魚を腐らせて作った食べ物もあったし、チーズでもあえて腐らせて凄い臭いの奴があるけどな。ああいうのは、だいたい通好みで、慣れてないと食えたもんじゃないぞ。塩漬け鰊の腐らせた奴なんて、咳き込むぐらい臭くて、強い酒で流し込むようにして食うんだよ。ジジイたちはそれが美味いって言うんだけど、若い連中の口には合わなくて、船乗りが度胸試しに使ったり……」
クリストフは歩きながら、身振り手振りを交えて腐らせた食品がいかに臭いかを語って見せる。子供を脅すような口ぶりだ。
どこか嬉しそうなのは、昔を思い出してるのか、冗談半分だからだろうか。
ロアは横に並んで、その話を興味深く聞いていた。滅多に聞けない、珍しい食べ物や風習の話だったからだろう。次第に話に熱中して、周囲への注意が散漫になっていった。
「あっ」
ロアが自分の不注意に気付いたのは、誰かが短く声を上げてからだ。
直後に人が倒れる音が聞こえて、自分が誰かに当たったのだと気が付いた。
「ヴァル、やりすぎ」
小声で魔道石像を責めたのは、衝撃が伝わってこなかったから。軽い接触なのに、ヴァルが反射魔法を使っていた。おかげで、相手には突き飛ばしたくらいの衝撃が襲ったはずだ。
ヴァルは常にロアを守ってくれているが、やり過ぎだ。自分の従魔が過保護すぎると、ロアは口元を歪めた。
「大丈夫ですか?」
「大丈夫か!?」
そんなことよりも、優先すべきは倒れた人だ。
慌てて声を掛けると、同時に隣でクリストフも声を上げる。彼もまた、話すのに気を取られて油断していたのだろう。驚いた顔をしている。
先に動いたクリストフが倒れた人に手を伸ばし……そして、固まった。
「……ロアに譲る!」
「え?」
急に伸ばした手を引っ込め、ロアを振り返るクリストフ。
その顔は、満面の笑みだ。眩しいくらいの笑顔で、逆に気持ちが悪い。
ロアは戸惑いながらも、クリストフに促されるままに、倒れた人を助けるべく手を伸ばした。
「あ……」
ロアを見上げているのは、翠眼。鮮やかな緑色。
今朝見たばかりの印象的な瞳に、ロアは声を上げた。
「あなたは!」
倒れている側も、驚いている。大きな目がさらに見開かれて、零れ落ちないか心配になるほどだ。
目の前にいるのは、早朝に出会った少女だった。緑色の瞳、艶のある美しい黒髪。肩にかかる暖かそうな毛皮の短衣も朝のままだ。
「あ、ルーとフィー。ちょっと、若い二人に時間をあげようか。なんか目付きが悪いけど、抑えてな」
背後でやけに嬉しそうなクリストフの声が聞こえて、ロアはさらに混乱した。
クリストフの目的が何なのかよく分からない。双子が近付いたのを、邪魔したみたいだが。
「手を、どうぞ」
とにかく、このまま倒れたままにしておけないと、ロアは目の前の少女に声を掛けた。
「ありがとうございます」
少女はロアの手を取り、身体を起こす。彼女の不織布の手袋が、やけに暖かく感じた。
「ケガはないですか?」
「はい。痛むところはありません」
「あ、汚れが……」
立ち上がった少女にケガが無いかとロアが確かめると、彼女のスカートに泥が付いていた。転んで地面に座り込んでしまったせいだ。
生成りの布地のせいで、汚れが目立つ。
「弁償しますね」
「大丈夫です。汚れてもいい服なので」
「え?」
ロアは一瞬だけ驚くと、少し考えこむ。
「いや、弁償します。オレの所為だし、泥汚れは洗っても染みが残りそうだし」
「そんな、私の不注意なのに、申し訳ないです。水場で洗えば大丈夫ですから」
「オレが話に夢中で、前を見てなかったのが悪いので、弁償しますよ」
「店の商品に気を取られてて、私も前を見てなかったので……」
どちらも、自分の所為だと言って譲らない。互いに謝り合っている。
クリストフは、しばらくはニヤニヤと笑みを浮かべながらその様子を眺めていたが、このままでは埒が明かないと口を挟むことにした。
「じゃあ、お嬢さん。今ちょっと時間はあるかな?」
「え、あ、はい」
今まで彼女の視界に入っていなかったのだろう。突然割り込んで来たクリストフに、警戒した態度を見せた。
「オレとロアは、この街が初めてなんだ。こうやって知り合ったのも何かの縁だ。時間があるなら、案内してくれると嬉しいんだけど、どうかな?ロアはそのお礼も兼ねて、汚したスカートの代わりを買ってあげればいい」
そう提案して、クリストフはロアに向かって目くばせをする。
「スカートを買っていただくのは辞退したいのですが……。街を案内するのは大丈夫です」
躊躇いながらも、少女は了承した。
「じゃあ、よろしく!オレはクリストフだ!」
「その、よろしくお願いします。ロアです。こっちは、ルーとフィー」
クリストフの突然の提案に、ロアも状況が把握できない。挨拶は何とかしたものの、困惑していた。
「私は……リディ……です」
こうして、クリストフが半強制的にデートを仕組んだのだが、当の二人はまったく気が付いていないのだった。
「やっぱり、誰も知らないですね」
賑わう街。行き交う人も多い。
そんな中、ロアは少し肩を落として歩いていた。
「街の顔役なんて、有名人のはずなんだがなぁ」
隣を歩いているのは、クリストフ。
前後を双子の魔狼が、まるで護衛の様に固めている。……と言っても、足取りは軽く、ロアとのお出かけにかなり浮かれているのだが。
この街の人たちも従魔は見慣れているのか、二匹の姿を気にする様子は無い。もっとも、これは従魔の中でも数の多い魔狼だからだろう。グリフォンならまた状況は違っていたはずだ。
当のグリおじさんは、注目を浴びるのを嫌って留守番をしている。
ロクワット湖周辺の街……共同統治地区は、カリクス国を中心とした街のため、湖に沿う様に作られている。
街の形も細長い。
湖に沿うような形で大通りが走り、その左右に商店や宿屋などが並んで賑わっていた。住宅街は、その裏手から外壁まで広がっている。
成り立ちは特殊な街だが、特別なところはほとんどない。ごくごく普通の街だ。
違いと言えば、教会の数が多く、住人に信心深い人がい多いところくらいだろうか。教会本部に出向するために色々な国から人が集まっているはずだが、違和感や問題が起こっている様子もない。
外国人が多いことが原因の特徴を強いて上げるなら、食生活の多様性だろうか。
屋台、飲食店に関わらず、色々な国の食べ物が並んでいた。それに加えて、湖の街ならではの物もあり、普通の街ではありえないほど種類が豊富だ。
「あ、あの塩焼きは美味そうだな」
「鱒ですね。脂がのってそう。あれは何でしょう?」
探し物をしていても、ついつい気になってしまうほど、美味しそうな物や変わった物が並んでいるのだった。
二人は今、謎の男を探していた。
ロアと出会った、自称『顔役』で、染物職人だと推測される人物だ。
ロアたちは、役職持ちで、あれだけ派手な上着の目立つ身なりをしている人間なら、すぐに見つかると思っていた。
しかし、誰に尋ねてみても、知らないという答えしか返ってこない。
「……これは、街ぐるみで隠してるのかもな」
「街ぐるみ?」
クリストフの呟きに、ロアが首を傾げる。そんなことがあるのだろうか?
「ギルドがレシピを隠してる染物を作ってるんだろ?街の人たちも、職人や工房について話さないように口止めされてるのかもしれないな」
「ああ……」
「それだと、あの男が有名人なほど、街の人の口は固くなりそうなんだよな」
それは、まあ、そうかもしれないと、ロアは納得した。
その様子を見て、クリストフは笑みを漏らす。
「ということで、職人探しはここまでにして、観光を楽しもう!なに、狭い町だ。その内に会えるだろ。とりあえず、何か食うか!」
「……そうですね」
ロアは渋々と言った風に、人探しを諦めた。
実のところ、クリストフはこうなることを予測していた。探し始めた時点で、街の人たちが男のことを隠しているのを察していた。
情報収集はクリストフの本業。人探しも、専門分野と言っていい。気が付かないはずがない。
それなのに今まで付き合って探していたのは、諦めの悪いロアが納得できるだけの時間が必要だと思ったのと、見極めの為だ。
まだ少年に見えるロアが人を探しているなら、怪しまれ難い。クリストフが聞き回っても、少年の我が儘に付き合っていると思われれば、疑われない。
それを利用して、言葉巧みに、街の住人の口の堅さや情報に対しての認識、弱みや、指示系統などなどを探っていたのである。
ロアを利用する形になってしまったが、人探し自体は手を抜いていないので負い目は無い。
むしろ、クリストフは、ロアにちょうどいい引き際を与えられたと思っていた。
「じゃあ、オレはさっきの屋台の焼き魚が食べたいんだが、ロアはどうだ?」
「白いペーストの中に魚が埋まってたのとか、茶色いペーストの中に魚が埋まってたのとか……」
ロアは変わった物が気になるらしい。クリストフは眉を寄せた。
「あれ、腐ってなかったか?」
「この地方独自の保存食だと思うんですよね。見たことない物なので、気になります」
「なんか凄い臭いがしてたし、そもそも食べ物かどうかも怪しそうだけど……。まあ、ネレウスでも魚を腐らせて作った食べ物もあったし、チーズでもあえて腐らせて凄い臭いの奴があるけどな。ああいうのは、だいたい通好みで、慣れてないと食えたもんじゃないぞ。塩漬け鰊の腐らせた奴なんて、咳き込むぐらい臭くて、強い酒で流し込むようにして食うんだよ。ジジイたちはそれが美味いって言うんだけど、若い連中の口には合わなくて、船乗りが度胸試しに使ったり……」
クリストフは歩きながら、身振り手振りを交えて腐らせた食品がいかに臭いかを語って見せる。子供を脅すような口ぶりだ。
どこか嬉しそうなのは、昔を思い出してるのか、冗談半分だからだろうか。
ロアは横に並んで、その話を興味深く聞いていた。滅多に聞けない、珍しい食べ物や風習の話だったからだろう。次第に話に熱中して、周囲への注意が散漫になっていった。
「あっ」
ロアが自分の不注意に気付いたのは、誰かが短く声を上げてからだ。
直後に人が倒れる音が聞こえて、自分が誰かに当たったのだと気が付いた。
「ヴァル、やりすぎ」
小声で魔道石像を責めたのは、衝撃が伝わってこなかったから。軽い接触なのに、ヴァルが反射魔法を使っていた。おかげで、相手には突き飛ばしたくらいの衝撃が襲ったはずだ。
ヴァルは常にロアを守ってくれているが、やり過ぎだ。自分の従魔が過保護すぎると、ロアは口元を歪めた。
「大丈夫ですか?」
「大丈夫か!?」
そんなことよりも、優先すべきは倒れた人だ。
慌てて声を掛けると、同時に隣でクリストフも声を上げる。彼もまた、話すのに気を取られて油断していたのだろう。驚いた顔をしている。
先に動いたクリストフが倒れた人に手を伸ばし……そして、固まった。
「……ロアに譲る!」
「え?」
急に伸ばした手を引っ込め、ロアを振り返るクリストフ。
その顔は、満面の笑みだ。眩しいくらいの笑顔で、逆に気持ちが悪い。
ロアは戸惑いながらも、クリストフに促されるままに、倒れた人を助けるべく手を伸ばした。
「あ……」
ロアを見上げているのは、翠眼。鮮やかな緑色。
今朝見たばかりの印象的な瞳に、ロアは声を上げた。
「あなたは!」
倒れている側も、驚いている。大きな目がさらに見開かれて、零れ落ちないか心配になるほどだ。
目の前にいるのは、早朝に出会った少女だった。緑色の瞳、艶のある美しい黒髪。肩にかかる暖かそうな毛皮の短衣も朝のままだ。
「あ、ルーとフィー。ちょっと、若い二人に時間をあげようか。なんか目付きが悪いけど、抑えてな」
背後でやけに嬉しそうなクリストフの声が聞こえて、ロアはさらに混乱した。
クリストフの目的が何なのかよく分からない。双子が近付いたのを、邪魔したみたいだが。
「手を、どうぞ」
とにかく、このまま倒れたままにしておけないと、ロアは目の前の少女に声を掛けた。
「ありがとうございます」
少女はロアの手を取り、身体を起こす。彼女の不織布の手袋が、やけに暖かく感じた。
「ケガはないですか?」
「はい。痛むところはありません」
「あ、汚れが……」
立ち上がった少女にケガが無いかとロアが確かめると、彼女のスカートに泥が付いていた。転んで地面に座り込んでしまったせいだ。
生成りの布地のせいで、汚れが目立つ。
「弁償しますね」
「大丈夫です。汚れてもいい服なので」
「え?」
ロアは一瞬だけ驚くと、少し考えこむ。
「いや、弁償します。オレの所為だし、泥汚れは洗っても染みが残りそうだし」
「そんな、私の不注意なのに、申し訳ないです。水場で洗えば大丈夫ですから」
「オレが話に夢中で、前を見てなかったのが悪いので、弁償しますよ」
「店の商品に気を取られてて、私も前を見てなかったので……」
どちらも、自分の所為だと言って譲らない。互いに謝り合っている。
クリストフは、しばらくはニヤニヤと笑みを浮かべながらその様子を眺めていたが、このままでは埒が明かないと口を挟むことにした。
「じゃあ、お嬢さん。今ちょっと時間はあるかな?」
「え、あ、はい」
今まで彼女の視界に入っていなかったのだろう。突然割り込んで来たクリストフに、警戒した態度を見せた。
「オレとロアは、この街が初めてなんだ。こうやって知り合ったのも何かの縁だ。時間があるなら、案内してくれると嬉しいんだけど、どうかな?ロアはそのお礼も兼ねて、汚したスカートの代わりを買ってあげればいい」
そう提案して、クリストフはロアに向かって目くばせをする。
「スカートを買っていただくのは辞退したいのですが……。街を案内するのは大丈夫です」
躊躇いながらも、少女は了承した。
「じゃあ、よろしく!オレはクリストフだ!」
「その、よろしくお願いします。ロアです。こっちは、ルーとフィー」
クリストフの突然の提案に、ロアも状況が把握できない。挨拶は何とかしたものの、困惑していた。
「私は……リディ……です」
こうして、クリストフが半強制的にデートを仕組んだのだが、当の二人はまったく気が付いていないのだった。
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