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ルディ・リアリース⑩ ルディ視点です。
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SIDE:ルディ
メイド服を纏った女性たちが食器を下げている。彼女らは一言も発することなく、黙々と作業を熟している。
静寂の中、器の音だけが嫌に響く。
別段彼女らと喧嘩しているわけじゃない。一応話し掛ければ短いながらもきちんと返答はあるし、丁寧に接してもらえている。
最もそれは僕がこの屋敷の主人――ワイズアライメントさん――の客人だからなのだろうけど。
ちょうど全てをワゴンに載せ終えた彼女たちが一礼して室内を出る。それを扉が閉まるまで眺めながら、僕はぼそりと呟いた。
「…………寂しいな」
発した声も虚空に溶ける。
そうして手にした紅茶を見下ろす。食後にどうぞと毎回有無を言わせず出されたお高そうな色湯がほんの少し湯気をたてていた。
どうしようか、僕は少しだけ迷う。そしてまたぼそりと呟く。「たぶん今日もまた苦いんだろうなぁ」という一人言に返す者はいない。
濃い赤茶の水面が揺らぎ、そこに映る僕の顔も歪む。そうして数秒ほど間をあけ、意を決して口をつける。
瞬間、味蕾を通じて拡がった渋みに僕は渋面を作る。やはり今日も悪意をもって淹れた味だった。
コースターに戻して席を立つ。
行き先は窓だ。
装飾の施された内鍵を開けて、外の空気を入れる。夜特有のひやりとした冷たい風が頬を撫でて、髪を揺らす。
ふと下の方へ目を向ければ、下働きだろう子供が此方を窺いながら隠れていた。僕は少し笑ってしまう。
子供のそれは隠れるにしてはとてもお粗末なものだったからだ。
だから僕はわざと明るい声を出して「昨日も一昨日もその前もずうっといたね。何か僕に用?」と尋ねる。すると少年は何故分かったというように驚き、失礼しましたと頭を下げてその場を去っていく。
大方メイドさんかあの執事さんの仕業だろう。
この屋敷の人間――ワイズアライメントさんとナウシュヴォーナさんと一部を除いて――僕は嫌われている。
僕自身が何かをしたわけじゃない。
ただ僕があの男、父親の血を引いてるからだ。恐らく彼等の中にあの男の被害を被った者、恨んでいる者がいるのだろう。村の時と同じだ。
直接手が出せないから、ひょっこり現れたあの男の系譜である僕を彼奴に重ねて溜飲を、いや、これは正義の行いだと自己正当化する。
一度発覚して、更にユニさん達の件もあったというのに懲りない人達だ。
不意に脳内に懐かしい声が過る。
『あの村人のような性根の腐った人間はね、例え目上の者に叱責されようが罰を受けようが自らを改める事はないよ。寧ろよくもやったなとお門違いな憎悪を燃やして次は露見しないよう陰湿なものに切り替えてくるんだ。それは死ぬまで変わらないよ』
精霊の言葉はやはり正しかった。
どうせあの下働きの子供もお金欲しさに深く考えず、僕の行動を見張っていたのだろう。もし僕が窓から紅茶を捨てていたら、それを報告して報告を受けたメイドさんたちが悪し様に僕を扱きおろす予定だった筈だ。
生憎その手には乗ってやらないけど。
ひゅうぅと肌寒い風が吹き抜けた刹那、身体がぶるりと揺れる。
中に入ろう。窓枠に手を掛けると、部屋の外から扉が四回叩かれた。
ワイズアライメントさんか、ナウシュヴォーナさんのどちらかだ。
メイドさん達はいつも二回しかしないからよく解る。そして予想通り、扉の外からワイズアライメントさんが顔を出した。
「今いいかな?」
「あ、はい。どうぞ」
入浴を済ませた後なのだろう。
ワイズアライメントさんの服装は午前中に目にしたあのかっちりとしたものではなく、部屋着らしいラフな格好に変わっていた。
彼は目が合うなり、人好きする穏やかな優しい微笑みを浮かべた。
「夕食は済ませたかい?」
「ええ、まぁ一応」
僕は曖昧に笑う。
ユニさんから聞いた技だ。
『こうするとね、大抵の人は突っ込まないまでも違和感は確実に覚える。そうしたらね――』
「いつもご配慮いただいて、ありがとうございます。えっと、伯爵様は」
「外で済ませてきたよ。ルディ君は……食後のティータイムかな」
ワイズアライメントの瞳がテーブルに置かれたカップを一瞥する。
「おや、冷めているね」
「あ。それは……」
「もしかして口に合わなかったかい」
僕はまた同じように笑う。
するとユニさんの指摘通り、眉間に皺を一つ増やしたワイズアライメントが紅茶を手に取って飲んだ。
更に皺が深くなる。
「すみません。僕、あまり紅茶や料理の良し悪しはよく分からなくて。毎日飲んでいるんですが……。貴族の人たちって凄いですね」
「…………毎日? これをかい?」
「? そうですけど」
心底不思議だと首を傾げる。
『疑惑は必ず確信に変わる。だからそのままされた事を前向きに言い換えて伝えてみて。君への扱いがたぶんまた変わると思うよ』
「あ、そうだ。さっき……というかここ最近夕食後に必ず窓の下の方かな、男の子がいたんですが、あの子は伯爵様がつけてくれたんですよね。僕が窓から落ちないように。ありがとうございます!」
「あ、ああ……」
ワイズアライメントの目が一瞬だけ鋭くなったのを僕は見逃さなかった。
「伯爵様?」
「実は最近少し寝つきが悪くてね。寝物語がわりにちょっとだけ話しに付き合ってもらってもいいかな?」
「僕は構いませんが」
「じゃあ新しく飲み物をいれてもらおうか」
そう言うとワイズアライメントは呼び鈴を手に取って鳴らした。
「あ、」
「どうかしたかい?」
「いえ。なんでも」
「ルディ君。君は私の客分だ。先日の非礼もある。言いにくいかもしれないが気になることは都度教えてもらえないかな?」
ワイズアライメントの声は優しい。
これもユニさんの予想通りだ。やっぱりあの人は凄い、と内心で感動しつつ、僕はまたユニさんの指示に従う。
「皆さんとても忙しいみたいで、一回だと、その」
「……なるほどね」
暫くして部屋の扉が二回叩かれる。
「失礼いたし、」
ワイズアライメントの存在に気付いたメイドさんの顔が面白いくらい強張った。反対にワイズアライメントさんは満面の笑みを浮かべ、僕の紅茶を手にして彼女の元に歩いていく。
そうして何かを耳打ちしたのか、メイドさんの顔が青空よりも青く染まる。
まるで肉食獣を前にしたかのよう。
一体何を告げたのか気にはなったが、何となくそれが憚られた所為か訊けなかった。
「さて。届くまで、そうだね。ゲームでもしようか?」
「ゲーム?」
「簡単な手遊びだよ」
「はぁ」
ワイズアライメントは楽しげに口角を上げ、ルールを説明する。
正直これが意外に楽しかった。
新しい飲み物が届くまで僕達は仲良く手遊びに興じたのだった。
メイド服を纏った女性たちが食器を下げている。彼女らは一言も発することなく、黙々と作業を熟している。
静寂の中、器の音だけが嫌に響く。
別段彼女らと喧嘩しているわけじゃない。一応話し掛ければ短いながらもきちんと返答はあるし、丁寧に接してもらえている。
最もそれは僕がこの屋敷の主人――ワイズアライメントさん――の客人だからなのだろうけど。
ちょうど全てをワゴンに載せ終えた彼女たちが一礼して室内を出る。それを扉が閉まるまで眺めながら、僕はぼそりと呟いた。
「…………寂しいな」
発した声も虚空に溶ける。
そうして手にした紅茶を見下ろす。食後にどうぞと毎回有無を言わせず出されたお高そうな色湯がほんの少し湯気をたてていた。
どうしようか、僕は少しだけ迷う。そしてまたぼそりと呟く。「たぶん今日もまた苦いんだろうなぁ」という一人言に返す者はいない。
濃い赤茶の水面が揺らぎ、そこに映る僕の顔も歪む。そうして数秒ほど間をあけ、意を決して口をつける。
瞬間、味蕾を通じて拡がった渋みに僕は渋面を作る。やはり今日も悪意をもって淹れた味だった。
コースターに戻して席を立つ。
行き先は窓だ。
装飾の施された内鍵を開けて、外の空気を入れる。夜特有のひやりとした冷たい風が頬を撫でて、髪を揺らす。
ふと下の方へ目を向ければ、下働きだろう子供が此方を窺いながら隠れていた。僕は少し笑ってしまう。
子供のそれは隠れるにしてはとてもお粗末なものだったからだ。
だから僕はわざと明るい声を出して「昨日も一昨日もその前もずうっといたね。何か僕に用?」と尋ねる。すると少年は何故分かったというように驚き、失礼しましたと頭を下げてその場を去っていく。
大方メイドさんかあの執事さんの仕業だろう。
この屋敷の人間――ワイズアライメントさんとナウシュヴォーナさんと一部を除いて――僕は嫌われている。
僕自身が何かをしたわけじゃない。
ただ僕があの男、父親の血を引いてるからだ。恐らく彼等の中にあの男の被害を被った者、恨んでいる者がいるのだろう。村の時と同じだ。
直接手が出せないから、ひょっこり現れたあの男の系譜である僕を彼奴に重ねて溜飲を、いや、これは正義の行いだと自己正当化する。
一度発覚して、更にユニさん達の件もあったというのに懲りない人達だ。
不意に脳内に懐かしい声が過る。
『あの村人のような性根の腐った人間はね、例え目上の者に叱責されようが罰を受けようが自らを改める事はないよ。寧ろよくもやったなとお門違いな憎悪を燃やして次は露見しないよう陰湿なものに切り替えてくるんだ。それは死ぬまで変わらないよ』
精霊の言葉はやはり正しかった。
どうせあの下働きの子供もお金欲しさに深く考えず、僕の行動を見張っていたのだろう。もし僕が窓から紅茶を捨てていたら、それを報告して報告を受けたメイドさんたちが悪し様に僕を扱きおろす予定だった筈だ。
生憎その手には乗ってやらないけど。
ひゅうぅと肌寒い風が吹き抜けた刹那、身体がぶるりと揺れる。
中に入ろう。窓枠に手を掛けると、部屋の外から扉が四回叩かれた。
ワイズアライメントさんか、ナウシュヴォーナさんのどちらかだ。
メイドさん達はいつも二回しかしないからよく解る。そして予想通り、扉の外からワイズアライメントさんが顔を出した。
「今いいかな?」
「あ、はい。どうぞ」
入浴を済ませた後なのだろう。
ワイズアライメントさんの服装は午前中に目にしたあのかっちりとしたものではなく、部屋着らしいラフな格好に変わっていた。
彼は目が合うなり、人好きする穏やかな優しい微笑みを浮かべた。
「夕食は済ませたかい?」
「ええ、まぁ一応」
僕は曖昧に笑う。
ユニさんから聞いた技だ。
『こうするとね、大抵の人は突っ込まないまでも違和感は確実に覚える。そうしたらね――』
「いつもご配慮いただいて、ありがとうございます。えっと、伯爵様は」
「外で済ませてきたよ。ルディ君は……食後のティータイムかな」
ワイズアライメントの瞳がテーブルに置かれたカップを一瞥する。
「おや、冷めているね」
「あ。それは……」
「もしかして口に合わなかったかい」
僕はまた同じように笑う。
するとユニさんの指摘通り、眉間に皺を一つ増やしたワイズアライメントが紅茶を手に取って飲んだ。
更に皺が深くなる。
「すみません。僕、あまり紅茶や料理の良し悪しはよく分からなくて。毎日飲んでいるんですが……。貴族の人たちって凄いですね」
「…………毎日? これをかい?」
「? そうですけど」
心底不思議だと首を傾げる。
『疑惑は必ず確信に変わる。だからそのままされた事を前向きに言い換えて伝えてみて。君への扱いがたぶんまた変わると思うよ』
「あ、そうだ。さっき……というかここ最近夕食後に必ず窓の下の方かな、男の子がいたんですが、あの子は伯爵様がつけてくれたんですよね。僕が窓から落ちないように。ありがとうございます!」
「あ、ああ……」
ワイズアライメントの目が一瞬だけ鋭くなったのを僕は見逃さなかった。
「伯爵様?」
「実は最近少し寝つきが悪くてね。寝物語がわりにちょっとだけ話しに付き合ってもらってもいいかな?」
「僕は構いませんが」
「じゃあ新しく飲み物をいれてもらおうか」
そう言うとワイズアライメントは呼び鈴を手に取って鳴らした。
「あ、」
「どうかしたかい?」
「いえ。なんでも」
「ルディ君。君は私の客分だ。先日の非礼もある。言いにくいかもしれないが気になることは都度教えてもらえないかな?」
ワイズアライメントの声は優しい。
これもユニさんの予想通りだ。やっぱりあの人は凄い、と内心で感動しつつ、僕はまたユニさんの指示に従う。
「皆さんとても忙しいみたいで、一回だと、その」
「……なるほどね」
暫くして部屋の扉が二回叩かれる。
「失礼いたし、」
ワイズアライメントの存在に気付いたメイドさんの顔が面白いくらい強張った。反対にワイズアライメントさんは満面の笑みを浮かべ、僕の紅茶を手にして彼女の元に歩いていく。
そうして何かを耳打ちしたのか、メイドさんの顔が青空よりも青く染まる。
まるで肉食獣を前にしたかのよう。
一体何を告げたのか気にはなったが、何となくそれが憚られた所為か訊けなかった。
「さて。届くまで、そうだね。ゲームでもしようか?」
「ゲーム?」
「簡単な手遊びだよ」
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