限りなく白に近い黒

はるまき

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例のあの人

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突然のメールに
『会いたい』というメッセージと滞在先のホテルが添付されていた。

僕には場違いな高級ホテルに赴くのはこれで何度目になるだろうか。

指定されたスイートルームの呼び鈴を鳴らすと、見慣れた姿が顔を出した。
「やぁ、待ちくたびれたよ」

高級スーツがすっかりヨレヨレの品に見えるほど、誠さんは疲れ切った表情だった。

誠さんは、ベッド横に備え付けてある椅子に移動すると腰掛け、優雅にブランデーを味わっていた。

その向かい側に僕も腰を下ろした。

「君に、会いたくて堪らなかった」

誠さんがブランデーを口に運びながら、気難しい顔をふにゃふにゃに崩して僕を見た。
そんな風に言われたら僕だって恥ずかしくて赤面してしまう。

「どうだい?君も1杯、甘いお酒も用意してあるし、好きなだけルームサービスでも頼むといい」
カチリと氷の溶ける音が響いた。

「では、ご一緒しますよ」
空になったグラスに、僕は慣れた手つきでお酒を注いだ。
「君のお酒も作ってあげるよ」
誠さんは照れながら、嬉しそうにしている。そのお礼にと、彼は僕にカクテルを作ってくれた。
「では、頂きます」

甘くて、何処か懐かしいような、安心するそんな味だった。
僕は何故だか、ホッと安心してしまって、よく分からないけれど涙が溢れてきた。

「あぁ、君は…苦労人だからねぇ…おいで、僕が守ってあげるよ」

誠さんはベットに腰かけると、自分の膝をポンポンと叩き、こっちにおいでと僕を誘導する。

「まこと…さ…」
後ろからギュッと抱えられると、誠さんの温もりが直に伝わってきた。
久しぶりに感じる人肌に、より一層涙腺が崩壊しそうになる。

「あぁ、よしよし、君は偉い子だから…こうやって甘やかしてあげないとね」

大きな掌が僕の頭を行ったり来たりする度に何とも言えない快感がじんわりと伝わってくる。
「ーーーーーんっ!?」
誠さんが、突然イジワルする様に僕の膝をゆっくりと撫でた。

「ごめん、しおらしい君が本当に可愛らしくて、ほら、もっと気持ち良くしてあげる」
誠さんの手が僕の全身をフェザータッチで撫でる。ゾワゾワした感覚と気持ち良さが僕を襲った。

「あぁ、もう、触っても無いのに、コリコリしてるね」
「んんん!!んぁっ…」
乳首をねとりと嫌らしく撫でられて、思わず声が漏れてしまった。
「声、我慢しなくていいから。可愛い鳴き声をいっぱい聞かせてくれる?」
僕はただ頷くだけで精一杯だった。
「瑞樹くん。ごめんね…僕はもう…我慢できそうに無いんだ」
誠さんの荒く切なそうな息遣い。僕に欲情して興奮してくれているのが、一目で分かった。
誠さんのズボンが、はち切れんばかりに膨らんでいる。
「あっ…ごめんなさい。僕ばっかり気持ちよく…してもらっちゃって…苦しかったでしょう?」
僕は誠さんのズボンのチャックを下ろし、苦しそうに締め付けられていた男性器を開放した。
どくどくと脈打つそれを掌で包み込み、しごく。
誠さんのピクピクと反応して、少しずつ膨らんで行った。

誰にも見せられないような、恥ずかしい表情で快楽に身悶える誠さんを見ているとふつふつと独占欲が湧いてくる。

僕は体勢を変えると、誠さんのイチモツを口内に引き入れた。
雄臭い匂いが僕の中に充満してきて、思わず僕の息子も反応してしまう。

こんな時に、自分はどうしようもないくらいのなのだと実感する。

堪らなそうにしている、誠さんを上目遣いぎみに見上げながら、僕は彼のイチモツを奥までグッポリ咥え、入念なフェラチオをした。

舌先で亀頭の割れ目を撫でてやると、堪らんといった風に、誠さんがビクビク震える。

「さぁ、今度は君の番だよ」
ベットに横たわるように誘導され、今度は誠さんが僕のズボンとパンツを下ろした。

「や//恥ずかしい…です」

誠さんが僕の息子をまじまじと見つめている。
「ふふ、愛おしい」
誠さんが、僕の息子に口付け、丹念に舐めくれる。
「誠さん、そこより…こっち、弄って?」
誠さんに開発されてから僕は、息子よりも尻を弄られる方が気持ちいい。

それにーーー早く貴方に犯されたいという気持ちがふつふつと芽生えていた。

「本当だ…もうトロトロじゃないか…」
誠さんが慎重に指を入れ、たっぷり時間をかけて、僕の尻を解してくれる。

「うぁ…気持ちよすぎる………」
(はやく…誠さんのが欲しい…)
「もう…大丈夫だから…早くっ…」

「あまり…焦らさないでおくれ…」
誠さんのぴっしりと固められたロマンスグレーの髪が揺れた。
硬く、熱く滾った肉棒が、僕の中にゆっくりと侵入してくる。

「根元まで…挿…ったぁ…」
誠さんのサイズ感にもうすっかり慣らされた僕の中は、彼のイチモツを容易く飲み込んだ。
「まだ…動いちゃダメだよ?」

誠さんは、挿入したままで動こうとしない。いつもの事だが、僕のアナルが誠さんのソレにぴったりフイットするのを待ってくれているらしい。

「ん…もう大丈夫かな?」
誠さんは、息を荒げて、額に汗を滲ませていた。肉棒がズプリと根元まで入って来ては僕の中を貫いていく。

「うぁ…ぁ…気持ちいい……」
ビリビリと痺れるような快感が脳天まで貫いた。
「激しく…するよ?」
タンタンと一定のリズムだったが、徐々に加速していく。

「は…げし…」
僕は何だかよく分からなくなって、考える事をすっかり放棄してしまっていた。

「ほら、もうすっかり尻穴コッチだけでイけるんだろ?」

僕がトコロテン…男性器への刺激が無くても射精出来ることを知って、誠さんは僕を煽ってくる。
「そんな…こんな身体にしたのは…まことさ……んぁ//…やぁ…」

奥の気持ちいいところばかりをグリグリと刺激されるものだから堪らず意識が飛びそうになる。

「そうだなぁ、コレとかどう?」

誠さんが年甲斐もなく、少年のような悪い顔で笑った。僕の肉棒を左手で扱いてくれている。
「うぁ…それ………やばい…です」
「僕もそろそろイキそうだよ…」
「ああああ!!!」

直後、ベットの上に2人分の白い液体が飛び散った。

「あーあ、シーツ取り替えてもらわなきゃだねぇ?」
誠さんは、不敵な笑みでこちらを見つめてくる。
「でも、まだ変えてもらうのは早いかな?」
そう言って、僕に自身の脈打つ肉棒を見せつけてくる。

僕は堪らずに、口内に溢れ出た生唾をぐっと飲み込んでから答えた。
「望むところです!」


2人の甘くて濃厚な夜はまだまだ続くのであった。
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