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オーギュスト王国編
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「⋯⋯ワーグナー先生」
このタイミングで出てくるなんて狙っていたのかしら?
「リリーシアさんにも言い分はあると思うわ。でもね、先日も言ったように貴女の言動によってべティーさんが孤立したり虐めに繋がったら責任を取れるの?」
自業自得では?
でもこの場では言わない方がいいわね。
ここぞとばかりに現れたワーグナー先生は出来の悪い子を諭していい先生のつもりかもしれない。が、それすらワザとらしく感じる。
「⋯⋯」
『あんな言い方をしたらミラドール公爵令嬢の方が悪く聞こえないか?』
『先生としてどうなのかしら?』
『でも、先生の言っていることも分かるわ』
『ええ、権力には勝てないもの』
あちらこちらからそんな声が聞こえてくる。
賛否が別れているわね。
⋯⋯よかった。前回のようにすべての人が敵じゃなくて。
「おい先生、リリーシアが責任を取る必要がどこにあるんだ?」
「わ、わたしもそう思います」
今まで黙って聞いていたレイとマリエルも我慢ができなくなったようだ。
「おお流石です!先生もミラドール公爵令嬢が、ここでべティーに謝罪をするのが当然だと!そう思われますか!」
「おいドドラー伯爵だったか?いい加減にしろよ」
ああ~レイ!言葉使いだけは気をつけて!
「ドドラー伯爵令嬢の学院での態度を知っていてリリーシアに謝罪を求めるのか?男と見れば声をかけ、すぐに体に触れようとし、以前は何人もの男を侍らしていたんだぞ。俺にも色目を使ってきた。⋯⋯気持ち悪い」
『まあ!』
『まるで娼婦のようではなくて?』
「それに、ドドラー伯爵令嬢から絡まれない限りリリーシアから声を掛けたことは一度もありませんよ」
レイだけじゃなくマリエルまで⋯⋯
「言いがかりだわ!貴方、べティーはそんなふしだらな娘ではありませんわ!この子たちはべティーを貶めようとしているのだわ!」
ビアンカがドドラー伯爵の腕に撓垂れ掛かれば、反対の腕にべティーも撓垂れ掛かる。
この親にしてこの子ありね。
ああ、面倒臭い。
そろそろ王族の入場の時間だし、話をまとめようか⋯⋯そう思って一歩を踏み出そうとした時、私の腰に手が回された。
誰!っと思うより先に覚えのある、揶揄うような声が耳元で囁かれた。
振り向かなくても分かる。クロイツ殿下だ。
「お前はここでも問題児なのか?」
面白がっている。そういう人だよアンタは!
クロイツ殿下の登場に、令嬢方の黄色い悲鳴が上がった。⋯⋯ご夫人の中にも頬を染める人がいる。
まあ、見た目は最高だからね。
『あの方は誰?』
この国でクロイツ殿下の顔を知っている人は少ないだろうね。
『ミラドール公爵令嬢とどんな関係が?』
何もありませんが?
『あの距離はもしかして⋯⋯』
違うから!変な勘ぐりしないで!
会場の視線を一気に掻っ攫った⋯⋯ある意味これでよかったのか?
私の腰に腕を回したクロイツ殿下の前にべティーが立った。
頬を染めながら胸の前で祈るようなポーズ。目には涙を浮かべて上目遣い。
ああ、これ前回にも何度も見たわね。
「あ、あの⋯⋯あ、あたしべティーと言います。いつも学院で⋯⋯リ、リリーシアさんに⋯⋯クスンッ」
最後まで言わないのは、相手に悟って欲しい時のべティースタイル。
そんなべティーを見てクロイツ殿下が微笑んだ。
片方の口角が上がっている。
ご愁傷さま。べティー。
このタイミングで出てくるなんて狙っていたのかしら?
「リリーシアさんにも言い分はあると思うわ。でもね、先日も言ったように貴女の言動によってべティーさんが孤立したり虐めに繋がったら責任を取れるの?」
自業自得では?
でもこの場では言わない方がいいわね。
ここぞとばかりに現れたワーグナー先生は出来の悪い子を諭していい先生のつもりかもしれない。が、それすらワザとらしく感じる。
「⋯⋯」
『あんな言い方をしたらミラドール公爵令嬢の方が悪く聞こえないか?』
『先生としてどうなのかしら?』
『でも、先生の言っていることも分かるわ』
『ええ、権力には勝てないもの』
あちらこちらからそんな声が聞こえてくる。
賛否が別れているわね。
⋯⋯よかった。前回のようにすべての人が敵じゃなくて。
「おい先生、リリーシアが責任を取る必要がどこにあるんだ?」
「わ、わたしもそう思います」
今まで黙って聞いていたレイとマリエルも我慢ができなくなったようだ。
「おお流石です!先生もミラドール公爵令嬢が、ここでべティーに謝罪をするのが当然だと!そう思われますか!」
「おいドドラー伯爵だったか?いい加減にしろよ」
ああ~レイ!言葉使いだけは気をつけて!
「ドドラー伯爵令嬢の学院での態度を知っていてリリーシアに謝罪を求めるのか?男と見れば声をかけ、すぐに体に触れようとし、以前は何人もの男を侍らしていたんだぞ。俺にも色目を使ってきた。⋯⋯気持ち悪い」
『まあ!』
『まるで娼婦のようではなくて?』
「それに、ドドラー伯爵令嬢から絡まれない限りリリーシアから声を掛けたことは一度もありませんよ」
レイだけじゃなくマリエルまで⋯⋯
「言いがかりだわ!貴方、べティーはそんなふしだらな娘ではありませんわ!この子たちはべティーを貶めようとしているのだわ!」
ビアンカがドドラー伯爵の腕に撓垂れ掛かれば、反対の腕にべティーも撓垂れ掛かる。
この親にしてこの子ありね。
ああ、面倒臭い。
そろそろ王族の入場の時間だし、話をまとめようか⋯⋯そう思って一歩を踏み出そうとした時、私の腰に手が回された。
誰!っと思うより先に覚えのある、揶揄うような声が耳元で囁かれた。
振り向かなくても分かる。クロイツ殿下だ。
「お前はここでも問題児なのか?」
面白がっている。そういう人だよアンタは!
クロイツ殿下の登場に、令嬢方の黄色い悲鳴が上がった。⋯⋯ご夫人の中にも頬を染める人がいる。
まあ、見た目は最高だからね。
『あの方は誰?』
この国でクロイツ殿下の顔を知っている人は少ないだろうね。
『ミラドール公爵令嬢とどんな関係が?』
何もありませんが?
『あの距離はもしかして⋯⋯』
違うから!変な勘ぐりしないで!
会場の視線を一気に掻っ攫った⋯⋯ある意味これでよかったのか?
私の腰に腕を回したクロイツ殿下の前にべティーが立った。
頬を染めながら胸の前で祈るようなポーズ。目には涙を浮かべて上目遣い。
ああ、これ前回にも何度も見たわね。
「あ、あの⋯⋯あ、あたしべティーと言います。いつも学院で⋯⋯リ、リリーシアさんに⋯⋯クスンッ」
最後まで言わないのは、相手に悟って欲しい時のべティースタイル。
そんなべティーを見てクロイツ殿下が微笑んだ。
片方の口角が上がっている。
ご愁傷さま。べティー。
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