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今日あった事を帰ってから兄とジークに伝えた。

ナタリー様には階段から突き飛ばされたことも伝えていたから兄とジークの表情は思っていた以上に険しい。


「シア絶対に、1人で行動しないでくれ。
大丈夫だと思った時ほど油断出来ないんだぞ」

「そうだよアリー、アリーになにかあるなんて想像もしたくないが、何かあってからでは遅いからね」

ジークがわたくしの両手を包み込んで言い聞かせるように言ってくる。

心配させたい訳ではない、安心してもらえるように素直に頷く。


今日は両親が留守のためジークも入れて3人での夕食だった。

いつもの楽しい会話に戻った事で安心した。

ジークが帰る時は見送りにでる。
おやすみの額へのキスまでがルーティンだ。


両親には兄から伝えてくれるそうなので、わたくしは早めの就寝にした。



____________________
アルフレッド視点

シアに気づかれないように、アズール侯爵家に向かう。

この邸はいつ来ても冷たい雰囲気だ。

出迎えた執事も、案内するメイドも間違った対応をする訳ではない。
ただ、自分の仕事だけをしているだけだ。

だからといってシアを嫁がせることを心配する訳ではない。

ジークが学園を卒業すると同時に現侯爵は爵位をジークに譲ることは随分前から決まっている。

ジークが当主になれば使用人も入れ替えるだろう。
当然だ。
侯爵家の幼い子息に寄り添うこともせず、決められた仕事しか出来ない使用人なんて必要ない。

侯爵夫妻はお互いの愛人と余生を暮らせばいい。

シアに必要ないものは排除してやる。
ジークも同じ気持ちだろう。

ジークの部屋に通され向かい合わせにソファに座る。
ジークが入れてくれたお茶を一口飲んだところで本題に入る。

「ハウゼン嬢だがシアに対する態度が異常だ。今日だって殿下が入らなかったら何をしてきたことか」

「ああ、街でカイトを連れているのに僕に媚びた目で近寄ろうとしてきた女だ」

「はあ?ハウゼン嬢はジークが目当てなのか?」

「それは知らない。僕は昔からアリー以外の女性は眼中に無いからね。アリーに何かする奴には容赦しないだけだよ」

「お前はそうだろうな」

安心してシアをジークに任せれるのはこんな所だ。

「アリーから目を離すことは出来ないが、ハウゼン嬢の行動にも気をつけないとな」

「殿下にもこれまでのハウゼン嬢の行動を伝えとくか」

「ああ、殿下はアリーを妹のように可愛がってたからね」

いやいや、殿下にとってシアはペットか玩具扱いだったが、それはジークには教えない方がいいな。


後は父上と母上にも相談だな。
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