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その後も2人でイチャイチャしていると兄が帰ってきたの。

何か察した兄の目が冷たい気がするわ。


確かにイチャイチャしている場合ではなかったわね。心の中で反省。



やっぱり兄はカイザー殿下とマックス殿下2人にわたくしの前世を話して警戒を促したようだ。

2人の王子はゲームの事を知っていたそうだ。

何世代か前にも転生者が王子や側近を唆し王国に混乱を招いた事があってから王位継承権を持つ者には伝えられてきたらしい。



カイザー殿下はナタリー様を怪しいと思っていた為、警戒していたらしい。

マックス殿下の方は今日の事でアリサ様の行動に違和感を感じていて、前日には兄にも接触してきた事を聞いてアリサ様を警戒対象に決めたそうだ。


明日からの学園では1人で行動しないことが決まった。

わたくしだけでなくジークと兄も濡れ衣を着せらる事を警戒して1人で行動することはやめると約束してくれた。


夕食を食べたあとはジークの見送り。
いつもは額にするキスも今日は唇へのキスだったわ。
まだ照れくさいけど、昨日よりもっと距離が近づいた事が嬉しい。




暫くは何事もなかったのに、とうとう接触してきた。

お昼のランチをいつもの5人で食べている時、わたくしの横をアリサ様が通り過ぎようとして転んだの。

こんな手もあると伝えていた為、兄とジークは冷静だった。


「まあ!アリサ様大丈夫ですか?」

次のセリフは予想出来たが一応言ってみた。

「アリシア様酷いですわ。足をかけるなんて」
涙を浮かべながら怯えたように言ってくる。

周りもアリサ様に同情しているわね。

予想通り過ぎて笑うのを堪えるのが苦しい。

「なぜわたくしが貴女にそんなことを?」

「謝って下さい。制服もこんなに汚れてしまったんですよ」

「何もしていないのに、なぜわたくしが謝らないといけないの?」

「そんな、皆さん見ていましたよね?」

おー!周りを味方に付けようとしているわ。

ふん!わたくしを舐めてるわね!
上等よ!やってやるわ!気合いを入れたところで「うん、見てたよ。」

マックス殿下が登場した。

「僕はずっとアリシアの綺麗な足を見ていたからね。」

なんですって!

「アリシアが足を出すような下品な令嬢だとでも?」

「ねえハウゼン侯爵令嬢、公爵令嬢のアリシアに濡れ衣を着せようとするなんて大丈夫なの?」

マックス殿下の黒い笑顔いただきました。


「そんな!確かに私は躓いたんです。信じて下さい。」

「君だけが言っていることをそのまま信じることは出来ないよ。それに躓いたとしてなぜ最初からアリシアがやったと思ったの?」


「私は・・・もういいです」

アリサ様は本当に悲しそうな顔をして泣きながら去って行った。

もちろん謝りもせず、片付けもしていかなかった。

あのアリサ様の表情を見た人の中には信じてしまう人もいるだろう。


こうやって冤罪から悪役令嬢にされてしまうのかもね。
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