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どうも今回の件でエルザの人気が急降下したらしい。
次いでにリュート殿下の評価もさらに落ちたとか⋯⋯
まあ、あの場には何人もの生徒たちがいたし、カイザックや無実だと証言してくれた人もいたからね。
もう、ヒロインが誰を選んでもどうでもいいや。
私の人生には関係ないもの。
だ・か・ら!
何でまた私の前に現れるのよ!
「メイジェーン!」
もう声も聞きたくなかったのに。
「⋯⋯」
「返事くらいしろ!」
こんな横暴な言い方もしなかったし、馬鹿な人でもなかったのにな。
「⋯⋯何でしょうか?」
「昨日の件でエリザが謝りたいそうだ」
「⋯⋯結構です」
お前もだよ!お前も謝るんだよ!
つい言葉が悪くなってしまうが、もちろん声に出したりはしない。
それに、謝るって⋯⋯殿下の後ろに隠れているつもりなんだろうけれど、身体半分は見えている。これ見よがしにブルブルと震えて怯えた顔に涙まで浮かんでいる。これでは私が虐めているみたいだ。
ねえ?何で?何で昨日怒鳴られたのは私よ?何でエルザが被害者面しているの?
「メイジェーン!」
⋯⋯婚約解消するまでは、ずっと私を無視し続けていたくせに。
目を合わすことすらしなかったくせに。
優しい言葉なんて一度もかけてくれたこともなかったくせに。
分かっていたわよ。知っていたわよ。
最初から⋯⋯初対面の時からリュート殿下が私を嫌っていたことに気付いていたわよ。
でも、こんな公衆の面前で二度も怒鳴られるほど酷いことなんて一度もしたことはないと断言出来る。
「だったら早く謝れよ」
え?背中が温かくなったと思ったらカイザックの声が聞こえた。彼の手が背に添えられたんだ。
温かい優しい手だな。
「なにお前の方が被害者面してんだよ」
「カイザックくん」
「⋯⋯何度言わせれば分かるんだ?俺の名をお前が呼ぶな」
「お、お前!カイザック!」
「そうそう、早く私の妹に謝ってよ」
お兄様まで出てきちゃった。
まあ、お兄様が登場する前に黄色い悲鳴が上がったから先に気付いちゃったんだけどね。
「レオ⋯クリフくん」
その顔!頬を染めてうっとりとお兄様を見つめるのはやめて!リュート殿下の隣でよくそんな顔ができるよね!
ほら!周りにいる令嬢たちの視線が冷たいものになったことに気付いている?
「⋯⋯君、気持ち悪いね」
確かにそうなんだけれど!
お兄様ハッキリ言っちゃうんだ。
すっごい傷ついた顔をしたエルザだけど同情はしないよ。
「「ぷっ」」
「「「ぶふっ」」」
周りも笑いを耐えられなかったみたい。
「私も君に名を呼ぶのを許していないよ」
こ、これは⋯⋯妹の私でもビビってしまうお兄様の必殺冷笑だ。コレを向けられた者は漏れなく怯えるんだよ。
「で、でも⋯⋯」
だから!上目遣いはやめろって!
「謝らないんだ⋯⋯殿下、男爵令嬢は謝る気がなさそうなので、もう失礼してよろしいですね?」
お兄様が言い切る前にカイザックにまたもや背を押されて誘導されてしまった。
「ほら、あとはレオクリフに任せたらいい。メイジェーン嬢は昼食はまだなんだろ?」
「は、はい」
「またアイツらに捕まると面倒だから俺と一緒に食べよう」
そうなのかな?
お兄様がギッチリシメてくれると思うんだけど、また来るのかな?
ああ!結局エルザに謝ってもらってないもんね!
また謝るとか言い出したら確かに面倒だわ。
「昨日に続き今日も助けていただきありがとうございます」
「気にするな」
と、ポンポンと頭を撫でられた⋯⋯
もしかしなくても、カイザックに子供扱いされている?
助けてくれたのも、子供が責められて可哀想と同情されたから?でも、私背は小さくないよ?平均身長より高いよ。
「あの~カイザック様と私は1つしか歳は離れていませんが⋯⋯」
「ん?ああ、悪い。木陰で泣いていたメイジェーン嬢と被っていたわ。⋯⋯君はもう泣いていないんだな」
待て待て待て!
王太子妃教育のあまりの辛さに確かに木陰でよく泣いていたさ!
でも、あの時慰めてくれたのは、10歳ぐらいの年上のお兄さんだと思っていたけれど⋯⋯あれがカイザックたったの?⋯⋯だとしたら?
⋯⋯⋯⋯老けすぎだろ!
「な、泣いていません!わ、私は強くなったんです」
ふっ、と少し笑ったかと思うと、カイザックにまた頭を撫でられた⋯⋯やっぱり子供扱いされている気がする。
次いでにリュート殿下の評価もさらに落ちたとか⋯⋯
まあ、あの場には何人もの生徒たちがいたし、カイザックや無実だと証言してくれた人もいたからね。
もう、ヒロインが誰を選んでもどうでもいいや。
私の人生には関係ないもの。
だ・か・ら!
何でまた私の前に現れるのよ!
「メイジェーン!」
もう声も聞きたくなかったのに。
「⋯⋯」
「返事くらいしろ!」
こんな横暴な言い方もしなかったし、馬鹿な人でもなかったのにな。
「⋯⋯何でしょうか?」
「昨日の件でエリザが謝りたいそうだ」
「⋯⋯結構です」
お前もだよ!お前も謝るんだよ!
つい言葉が悪くなってしまうが、もちろん声に出したりはしない。
それに、謝るって⋯⋯殿下の後ろに隠れているつもりなんだろうけれど、身体半分は見えている。これ見よがしにブルブルと震えて怯えた顔に涙まで浮かんでいる。これでは私が虐めているみたいだ。
ねえ?何で?何で昨日怒鳴られたのは私よ?何でエルザが被害者面しているの?
「メイジェーン!」
⋯⋯婚約解消するまでは、ずっと私を無視し続けていたくせに。
目を合わすことすらしなかったくせに。
優しい言葉なんて一度もかけてくれたこともなかったくせに。
分かっていたわよ。知っていたわよ。
最初から⋯⋯初対面の時からリュート殿下が私を嫌っていたことに気付いていたわよ。
でも、こんな公衆の面前で二度も怒鳴られるほど酷いことなんて一度もしたことはないと断言出来る。
「だったら早く謝れよ」
え?背中が温かくなったと思ったらカイザックの声が聞こえた。彼の手が背に添えられたんだ。
温かい優しい手だな。
「なにお前の方が被害者面してんだよ」
「カイザックくん」
「⋯⋯何度言わせれば分かるんだ?俺の名をお前が呼ぶな」
「お、お前!カイザック!」
「そうそう、早く私の妹に謝ってよ」
お兄様まで出てきちゃった。
まあ、お兄様が登場する前に黄色い悲鳴が上がったから先に気付いちゃったんだけどね。
「レオ⋯クリフくん」
その顔!頬を染めてうっとりとお兄様を見つめるのはやめて!リュート殿下の隣でよくそんな顔ができるよね!
ほら!周りにいる令嬢たちの視線が冷たいものになったことに気付いている?
「⋯⋯君、気持ち悪いね」
確かにそうなんだけれど!
お兄様ハッキリ言っちゃうんだ。
すっごい傷ついた顔をしたエルザだけど同情はしないよ。
「「ぷっ」」
「「「ぶふっ」」」
周りも笑いを耐えられなかったみたい。
「私も君に名を呼ぶのを許していないよ」
こ、これは⋯⋯妹の私でもビビってしまうお兄様の必殺冷笑だ。コレを向けられた者は漏れなく怯えるんだよ。
「で、でも⋯⋯」
だから!上目遣いはやめろって!
「謝らないんだ⋯⋯殿下、男爵令嬢は謝る気がなさそうなので、もう失礼してよろしいですね?」
お兄様が言い切る前にカイザックにまたもや背を押されて誘導されてしまった。
「ほら、あとはレオクリフに任せたらいい。メイジェーン嬢は昼食はまだなんだろ?」
「は、はい」
「またアイツらに捕まると面倒だから俺と一緒に食べよう」
そうなのかな?
お兄様がギッチリシメてくれると思うんだけど、また来るのかな?
ああ!結局エルザに謝ってもらってないもんね!
また謝るとか言い出したら確かに面倒だわ。
「昨日に続き今日も助けていただきありがとうございます」
「気にするな」
と、ポンポンと頭を撫でられた⋯⋯
もしかしなくても、カイザックに子供扱いされている?
助けてくれたのも、子供が責められて可哀想と同情されたから?でも、私背は小さくないよ?平均身長より高いよ。
「あの~カイザック様と私は1つしか歳は離れていませんが⋯⋯」
「ん?ああ、悪い。木陰で泣いていたメイジェーン嬢と被っていたわ。⋯⋯君はもう泣いていないんだな」
待て待て待て!
王太子妃教育のあまりの辛さに確かに木陰でよく泣いていたさ!
でも、あの時慰めてくれたのは、10歳ぐらいの年上のお兄さんだと思っていたけれど⋯⋯あれがカイザックたったの?⋯⋯だとしたら?
⋯⋯⋯⋯老けすぎだろ!
「な、泣いていません!わ、私は強くなったんです」
ふっ、と少し笑ったかと思うと、カイザックにまた頭を撫でられた⋯⋯やっぱり子供扱いされている気がする。
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