転生悪役令嬢は双子執事を護りたい～フィギュア原型師は推しの為なら異世界生活も苦じゃありません！～

まさか？！

（えぇぇぇぇ？！！わ、私がサシャ？？！）

母マルガレーテの腕の中で驚きの声をあげる私。

そんな私をあやしながら、マルガレーテは幸せそうに微笑んだ。

「よしよし。サシャは本当に可愛いわね」

このマルガレーテの様子をみるに、どうやら「サシャ」＝「私」で確定らしい。

と、いうことはーー。

（まさか、私……「愛と死の舞踏会」の世界に転生しちゃったの？！）

しかも、悪役令嬢のサシャとしてーー。

私は動揺しつつ、きょろきょろと辺りを見回す。

すると、視界に入る館の家具や使用人達の顔は全て、アプリの中で見たものばかりだったのだ。

（彼女は何れサシャ付きの使用人になるベルで、あっちはちょっと口うるさいサシャの屋敷のメイド長ルネよね。どうしよう……本当に、アプリで見たキャラクターばかりだわ）

どうやら、私は本当に「愛と死の舞踏会」の世界に転生してしまったらしい。

鏡に映った赤ちゃんである自分の姿をよく見た私は、そう確信する。

ふわふわとした母親譲りの藤色の髪に、新緑色の瞳。

鏡に映った私は、紛れもなくサシャだったのだ。

ならばーー。

私は、「あること」に思い至る。

（私がサシャなら……リューノとライノの結末を変えることが出来るんじゃ……？！）