私を返せ！〜親友に裏切られ、人生を奪われた私のどん底からの復讐物語〜

第一部 Side 永宮 真紀

そして、親友へ

その後。

早速翌日から、放課後になると毎日の様に私の家を訪れる様になった風香。

彼女はいつも、ポケットに外国のお菓子を忍ばせてやって来ては、

「おばさん、真希ちゃん。これ、良かったら。お土産です」

はにかんだ様な笑顔で、私達にそのお菓子を差し出していた。

今思うと、あれはきっと、毎日遊びに来させてくれる私達への彼女なりの気遣いの様なものだったのだろう。

ただ、あの時の私はそう言うことを察するにはあまりに幼くて――ただただ、珍しい外国製のお菓子に日々大喜びしていた。

来る日も来る日も、私の家や――ときには、私と一緒に児童館などで遊んでいた風香。

風香は一人で児童館や図書館に行くことは嫌がったが、私がいると平気だったのか……。

私達は、二人で様々な場所に行ったのをよく覚えている。

「ねぇ、真希？風香ちゃん？今日は夕方から、隣町の児童館に劇団さんが来て人形劇を見せてくれるみたいよ」

私の母がそう教えてくれれば、二人で自転車を飛ばして隣町の児童館に行き。

「明日は、学校の隣にある図書館でお話会があるそうですよ」

と、担任の先生が話していれば、二人で手を繋いで図書館に駆け込んだり。

気づけば、何をするにも――何処へ行くにも、私と風香はいつも一緒に過ごす様になっていた。