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第一部 Side 永宮 真紀
さよなら、私
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そうして、彼の手により整形手術を施された私達。
麻酔により意識が沈んでいく中で、私は自分の顔が風香の顔からーー風香の呪縛から解放されることに、心から安堵していた。
(これで、兎に角私は風香じゃなくなる。風香のお父さんに追い回されることも無くなるのね……)
本当は、自分の顔が全くの他人に変わるなんてことは、道徳的には良くないことの筈なのにーー。
風香と風香の父親から解放されると理解した私の心は、今にも歌い出さんばかりに浮き足立っていたのだ。
それから数時間後。
顔に包帯を巻いたまま、女医の家へと帰宅する私。
そこでは、同じ様に顔に包帯を巻いた剛志達が待っていた。
彼らもまた、あの心中した家族に成り代わるため、自らの顔にメスを入れたのだ。
「今はまだ手術が終わったばかりの養生期間だからね。無理をしちゃダメよ。勿論、包帯はまだ取っちゃダメ。ちょうど良い機会だから、暫くうちでゆっくりしていきなさい」
包帯をしたまま、出ていく準備を始める私達に、微笑みながらそう告げる女医。
(確かに……無理に包帯を取れば折角して貰った整形に悪い影響が出るかもしれない)
何より、顔に包帯を巻いた人間が4人も団体行動をしていたら周囲の人達からはかなり怪しまれてしまうだろう。
麻酔により意識が沈んでいく中で、私は自分の顔が風香の顔からーー風香の呪縛から解放されることに、心から安堵していた。
(これで、兎に角私は風香じゃなくなる。風香のお父さんに追い回されることも無くなるのね……)
本当は、自分の顔が全くの他人に変わるなんてことは、道徳的には良くないことの筈なのにーー。
風香と風香の父親から解放されると理解した私の心は、今にも歌い出さんばかりに浮き足立っていたのだ。
それから数時間後。
顔に包帯を巻いたまま、女医の家へと帰宅する私。
そこでは、同じ様に顔に包帯を巻いた剛志達が待っていた。
彼らもまた、あの心中した家族に成り代わるため、自らの顔にメスを入れたのだ。
「今はまだ手術が終わったばかりの養生期間だからね。無理をしちゃダメよ。勿論、包帯はまだ取っちゃダメ。ちょうど良い機会だから、暫くうちでゆっくりしていきなさい」
包帯をしたまま、出ていく準備を始める私達に、微笑みながらそう告げる女医。
(確かに……無理に包帯を取れば折角して貰った整形に悪い影響が出るかもしれない)
何より、顔に包帯を巻いた人間が4人も団体行動をしていたら周囲の人達からはかなり怪しまれてしまうだろう。
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