私を返せ！〜親友に裏切られ、人生を奪われた私のどん底からの復讐物語〜

第一部 Side 永宮 真紀

時間を重ねて

あれから数時間後。

剛志のお母さんーーいや、お母さんとだけではなく剛志とも話し合った私。

結果、私は正式に高校には行かなくても良いことになった。

剛志も、私の「人生を取り戻すこと」への熱意を理解してくれたのだ。

「けど、今は学校に行かなくても……金が貯まって、心にも余裕ができたらさ？夜学とかもちゃんと考えてみるんだぞ？」

私が働くことにまだやや難色を示しつつ、そう告げてくる剛志。

私はそんな彼に微笑んで頷きながら、お礼を言った。

「うん、ちゃんとわかってるよ。でも……本当にありがとうね？私が働くこと……認めてくれて。正直、私……剛志は反対すると思ってたんだ。だから、驚いたよ」

すると、剛志はやや憮然とした表情をしながら口を開いた。

「なに？俺ってそんなに信用ねぇの？俺だって、真紀が人生を取り戻すことにかける気持ちはわかってるつもりなんだぜ？」

「ありがとう、剛志」

ーーでも、そんな剛志だからこそ、反対すると思ったんだ。

思わず口から出かかったその言葉を私は飲み込んだ。

（剛志は優しいから……。きっと、私の気持ちを汲んで、自分の意見を押し殺してくれたんだ）

そうでなければ、きっと剛志は私に学校に行くべきだと言って来ただろう。

この幼馴染は意外と真面目で良識派なのだからーー。