私を返せ！〜親友に裏切られ、人生を奪われた私のどん底からの復讐物語〜

第一部 Side 永宮 真紀

願いの口付け②

「例え、お前の顔や名前がどんなに変わっても……俺はお前を愛してる。小さい頃から大好きだったよ」

優しく微笑みながらそう告げると、柔らかくあたたかなものが瞳を閉じたままの私の唇に重なって来る。

きっと、剛志の唇だ。

（……ああ……私、今、本当に剛志とキスしてるんだ……）

私はとても幸せな気持ちのまま、そっと剛志の背中に腕を回した。

そうして、彼の身体をぎゅっと抱き締める。

（昔は、背丈も身体つきも私と同じ位だったのに……）

いつのまに、こんなに逞しく――男性らしい身体になっていたのだろう。

毎日会っていた筈の幼馴染の肉体に、突然「男らしさ」を感じてしまった私は……何となく、胸の鼓動がはやくなるのを感じていた。

と、私の唇に触れていた剛志の唇が一瞬離れ――角度を変え、再度私の唇に触れて来る。

角度を変え、何度も何度も唇を重ね合う私達。

永遠とも思える様な長くて……幸せな時間の中、私達は何度も互いの唇を求め合った。

まるで、お互いの孤独を――今まで素直になれなかった時間を埋めるかの様に。