私を返せ！〜親友に裏切られ、人生を奪われた私のどん底からの復讐物語〜

第一部 Side 永宮 真紀

留学を目指して③

剛志が指差しているページ、そこにはボストンという都市のことが大きく掲載されていた。

歴史のある大都市でありながら治安も良く、留学生も多くいるらしい。

「治安が良くて静かって言うのは、確かにいいかも」

ボストンについて書かれた記事を読みながら、そう口に出す私。

と、隣の剛志も私の言葉に大きく頷いてみせた。

「だろ？それにさ、日本食のレストランや日本のものが買える店……紀伊國屋まであるみたいなんだぜ」

「え、凄い。海外に留学してると日本の味が恋しくなるって色々なエージェントのページにも書いてあるし……日本食が食べられる環境なのも、治安と同じくらいポイントが高いね」

剛志の方にくっつく様にしながら身を寄せ、彼が読んでいる冊子に目を通す私。

するとそこには、沢山のボストンの街の写真と一緒に、現在留学生が通っているのであろう大学の写真が複数掲載されていた。

（わぁ、どれもかっこいい……）

学校を見た目で選ぶのは良くないかもしれないが……それでも、どの学校の建物も本当に素敵で、海外ドラマでよく見る様なお洒落な建物ばかりだった。

（こんな学校で勉強できたら、自分もドラマの登場人物みたいな気分になれるのかも……）

ほんの少しだけ、そんな浮ついたことを考える私。

と、同じページを見ていた剛志が、不意にまた声を上げる。