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第一部 Side 永宮 真紀
留学を目指して②
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「俺は個人的には犯罪が少ない地域がいいな。で、留学生が多い大学がいい。だって、留学生が多けりゃ、その分先生や他の生徒たちも留学生に慣れてるだろ?なら、人種差別とかも少ないと思うんだよな」
剛志の言葉に、なるほどと感心する私。
私は、自分が勉強に集中するために留学生が少ない大学や地域が良いのではないかと考えていたがーー確かに、留学生に慣れていない地域では人種差別や、文化的な壁も大きく存在していそうだ。
ならば、留学生に慣れた地域を選ぶ方が良いかもしれない。
(いじめや嫌がらせとか、自分の力が及ばない――自分の努力とは全く関係ない理由で留学を断念するのは……一番嫌だもの)
謂わば、この留学は私が私に戻るための第一歩なのだ。
私が全てを取り戻すためには、こんなところで躓いている場合ではないのである。
「そうだね。よし……留学生……特にアジア系の学生が多い街を探して、そこの大学とご縁があるエージェントに絞ってみよう」
私は剛志の言葉に頷きながらそう返す。
と、剛志も私の言葉に大きく頷いてみせた。
「留学生が多くて、治安も良い街……」
そう呟きながら、インターネットの海を泳ぎ始める剛志。
私も、彼の隣に座りながら、買い込んだ留学雑誌に目を通し始めた。
と、不意に隣の剛志が大きな声を上げる。
「なぁ、見てみろよ、真紀!これ!」
剛志の言葉に、なるほどと感心する私。
私は、自分が勉強に集中するために留学生が少ない大学や地域が良いのではないかと考えていたがーー確かに、留学生に慣れていない地域では人種差別や、文化的な壁も大きく存在していそうだ。
ならば、留学生に慣れた地域を選ぶ方が良いかもしれない。
(いじめや嫌がらせとか、自分の力が及ばない――自分の努力とは全く関係ない理由で留学を断念するのは……一番嫌だもの)
謂わば、この留学は私が私に戻るための第一歩なのだ。
私が全てを取り戻すためには、こんなところで躓いている場合ではないのである。
「そうだね。よし……留学生……特にアジア系の学生が多い街を探して、そこの大学とご縁があるエージェントに絞ってみよう」
私は剛志の言葉に頷きながらそう返す。
と、剛志も私の言葉に大きく頷いてみせた。
「留学生が多くて、治安も良い街……」
そう呟きながら、インターネットの海を泳ぎ始める剛志。
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と、不意に隣の剛志が大きな声を上げる。
「なぁ、見てみろよ、真紀!これ!」
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