323 / 860
9章 金色の朝
7-1 いさかい
しおりを挟む
7-1 いさかい
窓から入ってくる日差しが茜色になったころ、侍女が再び俺たちの部屋にやってきた。
「どうですか?そろそろ日没ですので、作業は終わりに、します……が……」
侍女は部屋に入ってくるなり、口をぽかんと開けて固まってしまった。
「こ、これだけの量……一日で、作り上げたのですか?」
侍女は、部屋の隅に立てかけられた袋からパンパンにあふれ出すポプリの山を、震える指先でさした。
「うん。入れ物がなかったからこの袋に入れちゃったけど、よかったかな?」
「え、ええ……まさか、初日にこれだけの量を作れるとは思っていなかったので。明日は、ちゃんとした容器を持ってきます……あの、まさか適当に作ってはいませんよね?」
侍女が疑わしげな視線をポプリの山に向ける。まあ、実際は俺とウィルの二人でやっているから、作業効率がおかしいのも当然だ。疑うのも無理はない。ていうか、ウィルがうますぎる。
「いちおう、丁寧に作ったつもりだけど。なんだったら、そっちでチェックしてみてください。初めて作ったから、荒いところがあるといけないし」
「わかりました。念のため確認させていただきます。とりあえず、本日は以上です。お疲れ様でした。これはこちらで運んでおきます」
「あ、手伝いますよ」
完成したポプリの山を、侍女と手分けして運ぶ。万が一床に落としでもしたら、文字通り泡となって弾けるからな。
慎重に袋を倉庫に運び終えると、ちょうどそのタイミングで、営舎の玄関がギイィと開いた。兵士たちが帰ってきたのかな?とそちらに目を向けると、戸口に立っていたのは、いやにくたびれた様子のエドガーだった。単に労働終わりだからか?いや、目はうつろで、口元はうめくように半開きになっている。
エドガーは震える足で近くのテーブルににじり寄ると、椅子にどっかりと腰かけた。さすがに、様子が変だよな。ちょっと行ってみるか。
「エドガー隊長。どうしちまったんだ?」
「……?ああ、おぬしか……」
生気のない目だけを動かして、エドガーが俺を見上げる。なにか、よっぽどくたびれることがあったみたいだが。
「今日の作業って、そんなにしんどい所だったのか?」
「は、は、は……しんどい、か……」
エドガーは、しゃっくりでもするかのように肩で笑うと、がっくりとうなだれた。なんだなんだ?
「……しんどいにきまっとるわ!!!」
「うおっ」
ガシ!いきなりエドガーが立ち上がると、俺の肩をつかんで、ガクガク揺さぶり始めた。
「な、んな、んだ、いきなり!」
「どれっだけ大変だったか!主であるお前に、とくと聞かせてやりたいわ!」
え?主である、俺に?騒ぎを聞きつけたのか、数人の侍女と一緒に、ウィルも下におりてきた。
「わ、桜下さん?何があったんですか?」
「そ、れが、俺にも……えぇい、とりあえず放せ!」
俺はエドガーの手を振り払うと、素早く距離を取った。う、まだ視界が揺れているようだ……
エドガーは俺に逃げられると、再び火が消えたように、どすんと椅子に沈んだ。さっきこいつは、俺を、主であると呼んだ。ってことはつまり、俺の仲間たちのせいでこうなったってこと……?
まさにその時、再び玄関の扉が開き、フランたちがそれぞれの持ち場から返ってきた。ベストタイミングだ、俺は事情を訊こうと、みんなに駆け寄った……んだけど……
「……なにが、あったんだ?」
ぽかんと口を開けて、俺はなんとかそれだけ捻りだした。
エラゼムの鎧は、一戦かましてきたかのように、土埃とすり傷にまみれている。
ライラはなぜか半べそをかいていて、その手には、いつも腰に巻かれているショールが握られている。
アルルカは……火事にでも遭ったのか?体中にススをくっつけていて、髪がちりちりになっている。
フランだけが、唯一いつも通りの恰好だった。
「まぁ、皆さん……」
ウィルもこの惨状を見て、口に手を当てている。
「まぁ、色々あったんだよ」
フランが手短に告げた。そうだろうな、色々なきゃ、こうはなるまい……
「ぅ……うえぇぇぇぇん。おうかぁ、おねーちゃぁん」
ああ、半べそだったライラの堤防が、ついに決壊した。ぽろぽろと大粒の涙をこぼしながら、ライラは俺とウィルの間に飛び込んできた。俺たち二人が目を白黒させながら受け止めると、ライラは双方の腰に手を回して、わんわんと泣き出してしまった。
「ら、ライラさん……泣かないでください」
ウィルが困惑しながらも、もさもさの赤毛を優しくなでる。
「どうしちゃったんですか?なにか、辛い事でも……?」
「うわーーん」
ライラは泣くばかりだ。俺は困り顔で、残った仲間たちを見る。
「……何があったんだ?なにか、トラブルでも?」
「……トラブルどころじゃない。まるで暴動だ」
疲れた顔のエドガーが、苦々しげに言う。
「大変だったんだぞ。そこの鎧の騎士は大ゲンカするし、魔術師に至っては大戦争レベルだ」
まさか。俺とウィルはあんぐり口を開けて、そろってエラゼムを見た。当のエラゼムは、穴があったら入りたいとばかりに、肩を限界まで縮めている。
「申し訳ございません。もはや、なんの申し開きもできませぬ。隊長殿の言う通りでして……」
「違うでしょ」
と遮ったのは、フランだった。
「暴れたのは事実だけど、吹っ掛けてきたのはあっちが先だ」
「し、しかし。フラン嬢……」
「言いづらいなら、わたしから説明する」
フランはもぞもぞするエラゼムを無視して、俺たちに振り向いた。
「まず、結論から話すけど。この人は、現場のやつらを三十人くらいぶっ飛ばす大ゲンカをした」
「それは、また……」
到底信じられないが……エラゼムが深くうなだれたまま、何も言わないのが、肯定を表しているのだろう。
「それで、理由は?なんか事情があるみたいだけど」
「うん。まぁ、すっごいくだらない理由なんだけど……現場にいた、土方の一人がね」
ごくり。エラゼムがキレ散らかす理由とは、いったい何なのか……
「わたしのお尻を、触ったの」
なるほど!……はぁ?
「ど……どういうこと?」
「そのまんまだよ。すれ違いざまに、私のお尻を叩いて行った。それが原因」
な、なんじゃそら。フランが終始真顔なもんだから、一瞬冗談かと思ってしまったが……エラゼムは今や、床に膝をついて、正座に近い姿勢になっている。ってことは、本当なんだな。
「それは、災難だったな。怒るのもわかるけど……けど、喧嘩したのは、エラゼムなんだよな?フランじゃなくて」
「うん。わたしは、犬に嚙まれたようなもんだと思ってたから」
「お、おお……ずいぶん達観してるな」
「そうでもない。わたし、あの男たちは全員サルだと思ってるし」
人間ですらないのか……
しかし、なるほど納得だ。真面目なエラゼムなら、セクハラを見逃すはずもない。
「でも……フランには悪いけど。その理由だけで、うん十人と喧嘩したのか?って、思っちゃうんだけど」
フランは特に気を悪くした様子もなく、「うん」とだけうなずいた。すると、だんまりだったエラゼムが、しおれた声で口を開く。
「……今更、言い訳のしようもないのですが。その輩は、フラン嬢に不埒な行為を働いただけに飽き足らず、さらに暴言まで吐いていきおったのです……」
「暴言……?」
エラゼムは、それについては黙って首を横に振るばかりだ。とても口にできないらしい。見かねたフランが、ため息を一つついて、説明を代わった。
「わたしがお尻を触られたとき、この人も近くにいたの。それで、そいつに謝るように言った。『女性に対してなにをするか、うんぬんかんぬん』。そしたら、周りにいた連中が大笑いして、触った奴は、『こんな煮干しみたいな貧相なガキ、女と思わなかったぜ』って」
「なっ。なんだそれ!自分から手ぇ出しといて!」「信じられません!言い訳ならともかく、フランさんを馬鹿にするなんて!」
俺とウィルは、そろって息を巻く。
「うん。それで、この人がキレちゃって。周りも巻き込んで大乱闘」
「そうだったのか。よくやってくれたぜ、エラゼム!」
「そうですよ!……いや、そうじゃないですよ、桜下さん」
あ、そうだった。どんな理由があれ、暴力はよくない……けどなぁ。
「そんなの、誰だってキレると思うけど」
「まぁ……わたしも腹は立ったけど。でも……」
「でも?」
フランは、赤い瞳で俺のことをじっと見つめた。俺が首をかしげると、フランはふいっとそっぽを向いて、「なんでもない」とつぶやいた。何だったんだろう?
つづく
====================
読了ありがとうございました。
続きは【翌日0時】に更新予定です(日曜日はお休み)。
====================
Twitterでは、次話の投稿のお知らせや、
作中に登場するキャラ、モンスターなどのイラストを公開しています。
よければ見てみてください。
↓ ↓ ↓
https://twitter.com/ragoradonma
窓から入ってくる日差しが茜色になったころ、侍女が再び俺たちの部屋にやってきた。
「どうですか?そろそろ日没ですので、作業は終わりに、します……が……」
侍女は部屋に入ってくるなり、口をぽかんと開けて固まってしまった。
「こ、これだけの量……一日で、作り上げたのですか?」
侍女は、部屋の隅に立てかけられた袋からパンパンにあふれ出すポプリの山を、震える指先でさした。
「うん。入れ物がなかったからこの袋に入れちゃったけど、よかったかな?」
「え、ええ……まさか、初日にこれだけの量を作れるとは思っていなかったので。明日は、ちゃんとした容器を持ってきます……あの、まさか適当に作ってはいませんよね?」
侍女が疑わしげな視線をポプリの山に向ける。まあ、実際は俺とウィルの二人でやっているから、作業効率がおかしいのも当然だ。疑うのも無理はない。ていうか、ウィルがうますぎる。
「いちおう、丁寧に作ったつもりだけど。なんだったら、そっちでチェックしてみてください。初めて作ったから、荒いところがあるといけないし」
「わかりました。念のため確認させていただきます。とりあえず、本日は以上です。お疲れ様でした。これはこちらで運んでおきます」
「あ、手伝いますよ」
完成したポプリの山を、侍女と手分けして運ぶ。万が一床に落としでもしたら、文字通り泡となって弾けるからな。
慎重に袋を倉庫に運び終えると、ちょうどそのタイミングで、営舎の玄関がギイィと開いた。兵士たちが帰ってきたのかな?とそちらに目を向けると、戸口に立っていたのは、いやにくたびれた様子のエドガーだった。単に労働終わりだからか?いや、目はうつろで、口元はうめくように半開きになっている。
エドガーは震える足で近くのテーブルににじり寄ると、椅子にどっかりと腰かけた。さすがに、様子が変だよな。ちょっと行ってみるか。
「エドガー隊長。どうしちまったんだ?」
「……?ああ、おぬしか……」
生気のない目だけを動かして、エドガーが俺を見上げる。なにか、よっぽどくたびれることがあったみたいだが。
「今日の作業って、そんなにしんどい所だったのか?」
「は、は、は……しんどい、か……」
エドガーは、しゃっくりでもするかのように肩で笑うと、がっくりとうなだれた。なんだなんだ?
「……しんどいにきまっとるわ!!!」
「うおっ」
ガシ!いきなりエドガーが立ち上がると、俺の肩をつかんで、ガクガク揺さぶり始めた。
「な、んな、んだ、いきなり!」
「どれっだけ大変だったか!主であるお前に、とくと聞かせてやりたいわ!」
え?主である、俺に?騒ぎを聞きつけたのか、数人の侍女と一緒に、ウィルも下におりてきた。
「わ、桜下さん?何があったんですか?」
「そ、れが、俺にも……えぇい、とりあえず放せ!」
俺はエドガーの手を振り払うと、素早く距離を取った。う、まだ視界が揺れているようだ……
エドガーは俺に逃げられると、再び火が消えたように、どすんと椅子に沈んだ。さっきこいつは、俺を、主であると呼んだ。ってことはつまり、俺の仲間たちのせいでこうなったってこと……?
まさにその時、再び玄関の扉が開き、フランたちがそれぞれの持ち場から返ってきた。ベストタイミングだ、俺は事情を訊こうと、みんなに駆け寄った……んだけど……
「……なにが、あったんだ?」
ぽかんと口を開けて、俺はなんとかそれだけ捻りだした。
エラゼムの鎧は、一戦かましてきたかのように、土埃とすり傷にまみれている。
ライラはなぜか半べそをかいていて、その手には、いつも腰に巻かれているショールが握られている。
アルルカは……火事にでも遭ったのか?体中にススをくっつけていて、髪がちりちりになっている。
フランだけが、唯一いつも通りの恰好だった。
「まぁ、皆さん……」
ウィルもこの惨状を見て、口に手を当てている。
「まぁ、色々あったんだよ」
フランが手短に告げた。そうだろうな、色々なきゃ、こうはなるまい……
「ぅ……うえぇぇぇぇん。おうかぁ、おねーちゃぁん」
ああ、半べそだったライラの堤防が、ついに決壊した。ぽろぽろと大粒の涙をこぼしながら、ライラは俺とウィルの間に飛び込んできた。俺たち二人が目を白黒させながら受け止めると、ライラは双方の腰に手を回して、わんわんと泣き出してしまった。
「ら、ライラさん……泣かないでください」
ウィルが困惑しながらも、もさもさの赤毛を優しくなでる。
「どうしちゃったんですか?なにか、辛い事でも……?」
「うわーーん」
ライラは泣くばかりだ。俺は困り顔で、残った仲間たちを見る。
「……何があったんだ?なにか、トラブルでも?」
「……トラブルどころじゃない。まるで暴動だ」
疲れた顔のエドガーが、苦々しげに言う。
「大変だったんだぞ。そこの鎧の騎士は大ゲンカするし、魔術師に至っては大戦争レベルだ」
まさか。俺とウィルはあんぐり口を開けて、そろってエラゼムを見た。当のエラゼムは、穴があったら入りたいとばかりに、肩を限界まで縮めている。
「申し訳ございません。もはや、なんの申し開きもできませぬ。隊長殿の言う通りでして……」
「違うでしょ」
と遮ったのは、フランだった。
「暴れたのは事実だけど、吹っ掛けてきたのはあっちが先だ」
「し、しかし。フラン嬢……」
「言いづらいなら、わたしから説明する」
フランはもぞもぞするエラゼムを無視して、俺たちに振り向いた。
「まず、結論から話すけど。この人は、現場のやつらを三十人くらいぶっ飛ばす大ゲンカをした」
「それは、また……」
到底信じられないが……エラゼムが深くうなだれたまま、何も言わないのが、肯定を表しているのだろう。
「それで、理由は?なんか事情があるみたいだけど」
「うん。まぁ、すっごいくだらない理由なんだけど……現場にいた、土方の一人がね」
ごくり。エラゼムがキレ散らかす理由とは、いったい何なのか……
「わたしのお尻を、触ったの」
なるほど!……はぁ?
「ど……どういうこと?」
「そのまんまだよ。すれ違いざまに、私のお尻を叩いて行った。それが原因」
な、なんじゃそら。フランが終始真顔なもんだから、一瞬冗談かと思ってしまったが……エラゼムは今や、床に膝をついて、正座に近い姿勢になっている。ってことは、本当なんだな。
「それは、災難だったな。怒るのもわかるけど……けど、喧嘩したのは、エラゼムなんだよな?フランじゃなくて」
「うん。わたしは、犬に嚙まれたようなもんだと思ってたから」
「お、おお……ずいぶん達観してるな」
「そうでもない。わたし、あの男たちは全員サルだと思ってるし」
人間ですらないのか……
しかし、なるほど納得だ。真面目なエラゼムなら、セクハラを見逃すはずもない。
「でも……フランには悪いけど。その理由だけで、うん十人と喧嘩したのか?って、思っちゃうんだけど」
フランは特に気を悪くした様子もなく、「うん」とだけうなずいた。すると、だんまりだったエラゼムが、しおれた声で口を開く。
「……今更、言い訳のしようもないのですが。その輩は、フラン嬢に不埒な行為を働いただけに飽き足らず、さらに暴言まで吐いていきおったのです……」
「暴言……?」
エラゼムは、それについては黙って首を横に振るばかりだ。とても口にできないらしい。見かねたフランが、ため息を一つついて、説明を代わった。
「わたしがお尻を触られたとき、この人も近くにいたの。それで、そいつに謝るように言った。『女性に対してなにをするか、うんぬんかんぬん』。そしたら、周りにいた連中が大笑いして、触った奴は、『こんな煮干しみたいな貧相なガキ、女と思わなかったぜ』って」
「なっ。なんだそれ!自分から手ぇ出しといて!」「信じられません!言い訳ならともかく、フランさんを馬鹿にするなんて!」
俺とウィルは、そろって息を巻く。
「うん。それで、この人がキレちゃって。周りも巻き込んで大乱闘」
「そうだったのか。よくやってくれたぜ、エラゼム!」
「そうですよ!……いや、そうじゃないですよ、桜下さん」
あ、そうだった。どんな理由があれ、暴力はよくない……けどなぁ。
「そんなの、誰だってキレると思うけど」
「まぁ……わたしも腹は立ったけど。でも……」
「でも?」
フランは、赤い瞳で俺のことをじっと見つめた。俺が首をかしげると、フランはふいっとそっぽを向いて、「なんでもない」とつぶやいた。何だったんだろう?
つづく
====================
読了ありがとうございました。
続きは【翌日0時】に更新予定です(日曜日はお休み)。
====================
Twitterでは、次話の投稿のお知らせや、
作中に登場するキャラ、モンスターなどのイラストを公開しています。
よければ見てみてください。
↓ ↓ ↓
https://twitter.com/ragoradonma
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
辺境貴族ののんびり三男は魔道具作って自由に暮らします
雪月夜狐
ファンタジー
書籍化決定しました!
(書籍化にあわせて、タイトルが変更になりました。旧題は『辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~』です)
壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。
辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。
しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。
没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます
六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。
彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。
優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。
それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。
その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。
しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。
※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。
詳細は近況ボードをご覧ください。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
MP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
