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9章 金色の朝
12-2
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12-2
「ああ、あんたか。久しぶりだな」
「ええ。またお会いするとは、奇遇ですね」
本当に奇遇だ。デュアンと会ったのは、確か半月も前のことだった。まさか、こんなとこで出会うなんて。いやむしろ、ここみたいな人が多い所だから再会できたのか。
「あんた、まだ王都にいたんだな」
「ええ。やはり王都にいたほうが、人の往来も多いですからね。さっきのような、いいものも見れましたし」
「ひえっ。ま、まさか、見ていたのか……?」
「ええ。いいお仲間をお持ちですね。なんだかあなたたちとは、馬が合いそうだ」
デュアンはニコニコと笑っているが、俺はひやひやだった。デュアンは、聖職者のくせに、かなり性に関してあけっぴろげだ。こいつと同族と思われちゃ、たまったもんじゃないぞ……俺はむりくり話題を変えた。
「あー、ところで。あんた、だれか人を探してたんだよな?確か、恋人さんだっけ?」
「ええ。実は、今日もそのために来たのです。こういう場所なら、ひょっとすると彼女も現れるかもしれなくて。彼女、大の酒好きなんです……」
ハハハ、酒好きのシスターなんて、どこぞの幽霊にそっくりだな……
ちょうどその時、おなかを抱えて笑っていたウィルが、ようやく落ち着きを取り戻した。目にたまった涙をふきながら、赤ら顔のウィルがこちらを向く。その瞳にデュアンの顔が映ったとたん、顔色が一瞬で元に戻った。
「あーーー!?」
わっ、びっくりした。ウィルが突然、デュアンを指さして大声を出した。あまりに大きかったので、俺はびくっと小さく飛び跳ねたが、デュアンにはその声も聞こえていない……はずなのに。デュアンもまた、ウィルを指さして、口をあんぐり開けたではないか。
「あ!そ、それは!!」
うそだろ!?まさか、ウィルの姿が見えるのか?
「それは、ウィルさんのロッド!」
へ、ロッド?デュアンの指は、よく見るとウィルの隣に立てかけられた、金色のロッドに向けられていた。
「どっ、どうしてそれを、あなたたちが持ってるんですか!?それはウィルさんが何より大事にしていたもの!あなたたち、ウィルさんについて何か知ってるんですね!!」
デュアンが俺の肩をつかんで、がくがくと揺さぶる。その声の大きいのなんの、ウィルといい勝負だった。酒場の客たちは怪訝そうにこちらを振り返り、ウェイトレスがジロリとこちらを睨む。ま、まずい。俺たちはもうすでに、イエローカードを一枚貰っているんだ。
「でゅ、デュアン!とりあえず、一杯飲もう!ここは酒場だ、飲まなきゃ損だぞ!?」
「え。いえ、それよりも……」
「とりあえず、座れ!な?な?ほらほら」
俺が空いている席を半ば強引に勧めると、デュアンはしぶしぶといった様子で腰を落ち着けた。ふぅ、とりあえずはこれでいい。俺も座ると、デュアンは前のめりに身を乗り出した。
「さあ!話してもらいますよ、そのロッドについて」
「う、うん……とりあえず、一杯飲まないか?」
俺は苦し紛れに、フランが口を付けていなかった酒を勧めた。
「これ、誰も飲んでないんだ。けっこううまい酒らしいぞ。それでよかったら……」
「そんなことで僕がごまかされると思ったら、大間違いですからね」
く、ダメか。見透かされている……しかし、デュアンはそういいつつも、グラスはしっかり受け取った。
「あ~……なにから、話したもんだか」
デュアンは焼けつくような視線をウィルのロッドへ向けているし、ウィルはウィルで、驚愕のまなざしでデュアンの顔を見つめている。ここは……まず、ウィルの話から聞いてみようか。
「……あー、デュアン?話す前にさ、俺たちの仲間には、あんたと初対面のやつもいるんだ。悪いけど、もう一度自己紹介してもらえないかな?」
「むぅ……わかりました。僕は、ゲデン教のブラザー、デュアンと申します」
よし、これで少し時間が稼げるな。俺は、固まっているウィルに、パチパチとアイコンタクトを飛ばした。こっそり、指でデュアンを指す。
(事情を説明してくれ)
ウィルは俺の目を見てはっとすると、おずおずと話し始めた。
「そ、その……この人、ブラザー・デュアンは、私と同じ村の神殿に仕えていたんです。この人も幼いころに両親を亡くしていて、私と同じように神殿で育てられて……」
それじゃあ、つまり……ウィルの幼馴染ってことか?
「それが、なんでこんなところに……まさか、私を追って……?」
ウィルはすっかり気が動転していた。以前、俺がデュアンの話をしたことも、すっかり忘れているらしい。あ、だけど俺も、デュアンの名前は出さなかったっけ?
「……というわけで、僕は恋人を探しているのです。さあ、僕の話は終わりました。今度こそ話してもらいますよ。そのロッドを、どこで手に入れたんです?」
デュアンは、ウィルのロッドを噛みつかんばかりに見つめた。さて、どう答えようか。
「その~……もらったんだ。人から」
「もらった?ウィルさんから?まさか、彼女はそのロッドをとても大事にしていた。手放すとは思えない」
う……さすが幼馴染、よく知っているな。しかし、彼女が幽霊になったんだなどと、説明できるはずもない。
「あー、っと。俺も、その、ウィルさん?からもらったわけじゃないんだ。人づてにもらっただけで」
「馬鹿な。ウィルさんがほかの人に譲った……?では、その人は誰なんです?」
「ええーっと……」
まずいな、言えば言うほどドツボにはまっていく気がする。デュアンは「食いついて放さないぞ」と俺を睨んでいるし……俺が答えに困っていると、フランが会話に割り込んできた。
「待って。その前に、あなたのことを話して」
「なんだって?僕の?」
デュアンは、突然横やりを入れてきた少女に、怪訝そうな顔をした。
「さっき話したじゃないですか。あれ以上何を話せって言うんです?」
「あなたの目的は知ってる。けど、あなたの素性はなにも知らない。もしかしたら、女に付きまとう変態野郎かもしれないのに、個人情報をペラペラしゃべれないから」
うわ。フランの歯に衣着せぬ物言いに、デュアンはあっけにとられていた。怒らないかとひやひやしていたが、意外にもデュアンは、素直にうなずいた。
「……なるほど。うん、お嬢さんの言うことももっともです。わかりました、何でも話しましょう」
フランはうなずいて、質問を開始する。
「それじゃ、改めて聞くけど。あなたとウィルさんは、どういう関係なの?」
「恋人です」
デュアンは即答した。が、ウィルはくわっと目玉をむく。
「なっ、なに言ってんですか!そんなわけありません!こいつとは、なーんにもなかったですよ!」
だよな、それは前にも聞いている。でもそれじゃ、デュアンは嘘をついているのか?そんなの、すぐバレそうなもんなのに……フランが質問を続ける。
「それを、何かで証明できる?あなたが恋人だと思っているだけなんじゃないの?」
「いやいや、それはあり得ないですよ。なんたって、僕は彼女の胸を揉んだことがあるんですから」
「なっ……」
ウィルが絶句した。フランが眉をひそめる。
「彼女の胸の感触は、今でも克明に覚えていますとも。僕の特技でしてね、一度揉んだ女性の胸は、必ず覚えているんです」
手をワキワキさせるデュアンに対して、フランがすっと身を引いたのが分かった。
「そんなことをするのは、恋人以外にありえないでしょう?なんだったら、彼女のカップ数まで言えますよ」
えっ。ウィルは驚きのあまり、ビクンと飛び跳ねた。
「ま、まさか。嘘ですよ、そんなこと知ってるはずありません。ぜったい!」
「ウィルさんは、Eです」
「わああああ!?しかも間違ってるし!EよりのDだし!」
ウィル……言わなくてもいいのに。やっぱり、結構でかいんだな……
「感触はふわふわで、まるでマシュマロのようで……」
「バカじゃないの!?適当言わないでよ!だいたいどれもそんなもんでしょう!」
「それに、ちょっとウエストが太目なことを気にしていましてね。そこも可愛いところなんですけど……」
「あーあーうるさい!うるさいうるさいうるさーーい!」
「ちなみに、ウエストは一キュビットと、二十六ハンキュビットです」
「なんでそこだけ正確なんですかあああぁぁぁ!!!」
うわぁ……ウィルのほうから、ものすごい怒気が放たれているのを感じる。俺とエラゼムの男性陣は、怖くて何も言えなかった。それとは逆に、デュアンの軽口はとどまることを知らない。
「ほかにも、彼女のことなら何でも知ってますよ。次は何をお話ししましょうか?」
「もういいです!黙ってください!黙れ!」
「では、思い出話を一つ。僕が七歳くらいのころ、ウィルさんのおねしょ事件がありました。プリースティス様のお気に入りのガウンを、そりゃぁもうびしゃびしゃにしてしまいましてね。それのおしおきで、叩かれて真っ赤になっていたのが、僕が初めてみた彼女のお尻でしたねぇ」
「黙れー!だまれだまれだまれーーーー!」
「あ、そうそう。お尻と言えば、ついでにヒップサイズも言っておきますとですね……」
「ああああぁぁぁぁぁ!」
あっ!ウィルの堪忍袋の緒がとうとう切れた!
ウィルは近くにあった酒瓶を手に取り、高々と振り上げた。そして俺たちが止める間もなく、恐ろしいスピードで、酒瓶を思いきり振り下ろした。
パリーン!
「あへぇっ」
頭頂部を強打されたデュアンは、意味不明なうわごとだけ残して、キレイにノックアウトされ、テーブルに突っ伏してしまった。あーあ、やっちゃった……だが、この場にいる誰もが、デュアンの自業自得だと思っていた。
つづく
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読了ありがとうございました。
続きは【翌日0時】に更新予定です(日曜日はお休み)。
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「ええ。またお会いするとは、奇遇ですね」
本当に奇遇だ。デュアンと会ったのは、確か半月も前のことだった。まさか、こんなとこで出会うなんて。いやむしろ、ここみたいな人が多い所だから再会できたのか。
「あんた、まだ王都にいたんだな」
「ええ。やはり王都にいたほうが、人の往来も多いですからね。さっきのような、いいものも見れましたし」
「ひえっ。ま、まさか、見ていたのか……?」
「ええ。いいお仲間をお持ちですね。なんだかあなたたちとは、馬が合いそうだ」
デュアンはニコニコと笑っているが、俺はひやひやだった。デュアンは、聖職者のくせに、かなり性に関してあけっぴろげだ。こいつと同族と思われちゃ、たまったもんじゃないぞ……俺はむりくり話題を変えた。
「あー、ところで。あんた、だれか人を探してたんだよな?確か、恋人さんだっけ?」
「ええ。実は、今日もそのために来たのです。こういう場所なら、ひょっとすると彼女も現れるかもしれなくて。彼女、大の酒好きなんです……」
ハハハ、酒好きのシスターなんて、どこぞの幽霊にそっくりだな……
ちょうどその時、おなかを抱えて笑っていたウィルが、ようやく落ち着きを取り戻した。目にたまった涙をふきながら、赤ら顔のウィルがこちらを向く。その瞳にデュアンの顔が映ったとたん、顔色が一瞬で元に戻った。
「あーーー!?」
わっ、びっくりした。ウィルが突然、デュアンを指さして大声を出した。あまりに大きかったので、俺はびくっと小さく飛び跳ねたが、デュアンにはその声も聞こえていない……はずなのに。デュアンもまた、ウィルを指さして、口をあんぐり開けたではないか。
「あ!そ、それは!!」
うそだろ!?まさか、ウィルの姿が見えるのか?
「それは、ウィルさんのロッド!」
へ、ロッド?デュアンの指は、よく見るとウィルの隣に立てかけられた、金色のロッドに向けられていた。
「どっ、どうしてそれを、あなたたちが持ってるんですか!?それはウィルさんが何より大事にしていたもの!あなたたち、ウィルさんについて何か知ってるんですね!!」
デュアンが俺の肩をつかんで、がくがくと揺さぶる。その声の大きいのなんの、ウィルといい勝負だった。酒場の客たちは怪訝そうにこちらを振り返り、ウェイトレスがジロリとこちらを睨む。ま、まずい。俺たちはもうすでに、イエローカードを一枚貰っているんだ。
「でゅ、デュアン!とりあえず、一杯飲もう!ここは酒場だ、飲まなきゃ損だぞ!?」
「え。いえ、それよりも……」
「とりあえず、座れ!な?な?ほらほら」
俺が空いている席を半ば強引に勧めると、デュアンはしぶしぶといった様子で腰を落ち着けた。ふぅ、とりあえずはこれでいい。俺も座ると、デュアンは前のめりに身を乗り出した。
「さあ!話してもらいますよ、そのロッドについて」
「う、うん……とりあえず、一杯飲まないか?」
俺は苦し紛れに、フランが口を付けていなかった酒を勧めた。
「これ、誰も飲んでないんだ。けっこううまい酒らしいぞ。それでよかったら……」
「そんなことで僕がごまかされると思ったら、大間違いですからね」
く、ダメか。見透かされている……しかし、デュアンはそういいつつも、グラスはしっかり受け取った。
「あ~……なにから、話したもんだか」
デュアンは焼けつくような視線をウィルのロッドへ向けているし、ウィルはウィルで、驚愕のまなざしでデュアンの顔を見つめている。ここは……まず、ウィルの話から聞いてみようか。
「……あー、デュアン?話す前にさ、俺たちの仲間には、あんたと初対面のやつもいるんだ。悪いけど、もう一度自己紹介してもらえないかな?」
「むぅ……わかりました。僕は、ゲデン教のブラザー、デュアンと申します」
よし、これで少し時間が稼げるな。俺は、固まっているウィルに、パチパチとアイコンタクトを飛ばした。こっそり、指でデュアンを指す。
(事情を説明してくれ)
ウィルは俺の目を見てはっとすると、おずおずと話し始めた。
「そ、その……この人、ブラザー・デュアンは、私と同じ村の神殿に仕えていたんです。この人も幼いころに両親を亡くしていて、私と同じように神殿で育てられて……」
それじゃあ、つまり……ウィルの幼馴染ってことか?
「それが、なんでこんなところに……まさか、私を追って……?」
ウィルはすっかり気が動転していた。以前、俺がデュアンの話をしたことも、すっかり忘れているらしい。あ、だけど俺も、デュアンの名前は出さなかったっけ?
「……というわけで、僕は恋人を探しているのです。さあ、僕の話は終わりました。今度こそ話してもらいますよ。そのロッドを、どこで手に入れたんです?」
デュアンは、ウィルのロッドを噛みつかんばかりに見つめた。さて、どう答えようか。
「その~……もらったんだ。人から」
「もらった?ウィルさんから?まさか、彼女はそのロッドをとても大事にしていた。手放すとは思えない」
う……さすが幼馴染、よく知っているな。しかし、彼女が幽霊になったんだなどと、説明できるはずもない。
「あー、っと。俺も、その、ウィルさん?からもらったわけじゃないんだ。人づてにもらっただけで」
「馬鹿な。ウィルさんがほかの人に譲った……?では、その人は誰なんです?」
「ええーっと……」
まずいな、言えば言うほどドツボにはまっていく気がする。デュアンは「食いついて放さないぞ」と俺を睨んでいるし……俺が答えに困っていると、フランが会話に割り込んできた。
「待って。その前に、あなたのことを話して」
「なんだって?僕の?」
デュアンは、突然横やりを入れてきた少女に、怪訝そうな顔をした。
「さっき話したじゃないですか。あれ以上何を話せって言うんです?」
「あなたの目的は知ってる。けど、あなたの素性はなにも知らない。もしかしたら、女に付きまとう変態野郎かもしれないのに、個人情報をペラペラしゃべれないから」
うわ。フランの歯に衣着せぬ物言いに、デュアンはあっけにとられていた。怒らないかとひやひやしていたが、意外にもデュアンは、素直にうなずいた。
「……なるほど。うん、お嬢さんの言うことももっともです。わかりました、何でも話しましょう」
フランはうなずいて、質問を開始する。
「それじゃ、改めて聞くけど。あなたとウィルさんは、どういう関係なの?」
「恋人です」
デュアンは即答した。が、ウィルはくわっと目玉をむく。
「なっ、なに言ってんですか!そんなわけありません!こいつとは、なーんにもなかったですよ!」
だよな、それは前にも聞いている。でもそれじゃ、デュアンは嘘をついているのか?そんなの、すぐバレそうなもんなのに……フランが質問を続ける。
「それを、何かで証明できる?あなたが恋人だと思っているだけなんじゃないの?」
「いやいや、それはあり得ないですよ。なんたって、僕は彼女の胸を揉んだことがあるんですから」
「なっ……」
ウィルが絶句した。フランが眉をひそめる。
「彼女の胸の感触は、今でも克明に覚えていますとも。僕の特技でしてね、一度揉んだ女性の胸は、必ず覚えているんです」
手をワキワキさせるデュアンに対して、フランがすっと身を引いたのが分かった。
「そんなことをするのは、恋人以外にありえないでしょう?なんだったら、彼女のカップ数まで言えますよ」
えっ。ウィルは驚きのあまり、ビクンと飛び跳ねた。
「ま、まさか。嘘ですよ、そんなこと知ってるはずありません。ぜったい!」
「ウィルさんは、Eです」
「わああああ!?しかも間違ってるし!EよりのDだし!」
ウィル……言わなくてもいいのに。やっぱり、結構でかいんだな……
「感触はふわふわで、まるでマシュマロのようで……」
「バカじゃないの!?適当言わないでよ!だいたいどれもそんなもんでしょう!」
「それに、ちょっとウエストが太目なことを気にしていましてね。そこも可愛いところなんですけど……」
「あーあーうるさい!うるさいうるさいうるさーーい!」
「ちなみに、ウエストは一キュビットと、二十六ハンキュビットです」
「なんでそこだけ正確なんですかあああぁぁぁ!!!」
うわぁ……ウィルのほうから、ものすごい怒気が放たれているのを感じる。俺とエラゼムの男性陣は、怖くて何も言えなかった。それとは逆に、デュアンの軽口はとどまることを知らない。
「ほかにも、彼女のことなら何でも知ってますよ。次は何をお話ししましょうか?」
「もういいです!黙ってください!黙れ!」
「では、思い出話を一つ。僕が七歳くらいのころ、ウィルさんのおねしょ事件がありました。プリースティス様のお気に入りのガウンを、そりゃぁもうびしゃびしゃにしてしまいましてね。それのおしおきで、叩かれて真っ赤になっていたのが、僕が初めてみた彼女のお尻でしたねぇ」
「黙れー!だまれだまれだまれーーーー!」
「あ、そうそう。お尻と言えば、ついでにヒップサイズも言っておきますとですね……」
「ああああぁぁぁぁぁ!」
あっ!ウィルの堪忍袋の緒がとうとう切れた!
ウィルは近くにあった酒瓶を手に取り、高々と振り上げた。そして俺たちが止める間もなく、恐ろしいスピードで、酒瓶を思いきり振り下ろした。
パリーン!
「あへぇっ」
頭頂部を強打されたデュアンは、意味不明なうわごとだけ残して、キレイにノックアウトされ、テーブルに突っ伏してしまった。あーあ、やっちゃった……だが、この場にいる誰もが、デュアンの自業自得だと思っていた。
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