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14章 痛みの意味
7-1 拷問
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7-1 拷問
ピシーン!パシーン!
「うあぁっ。あああぁ!」
乾いた、そして冷酷な破裂音が地下牢に響く。松明の炎が、牢の壁に小柄な少女と、少女を鞭うつ無慈悲な男の姿を投影していた。
「いたい、いたぁぁぁぃ……」
ライラは絞り出すような声で泣いていた。
度重なる拷問によって、悲鳴を上げる気力すら奪われつつあった。その背中には、惨たらしい傷跡が無数に刻まれている。腰まであった赤毛は千切れて、足もとにばらばらと散らばっていた。
細い手首は一括りに縛られて、天井から伸びるフックに吊るされている。フックが高い位置にあるせいで、ライラの足は浮いてしまっていた。全ての体重が荒縄で縛られた手首に掛かり、腕が引っこ抜けそうだ。
苦痛の重奏の中で朦朧とするライラに、いやに優しい声が掛けられる。
「どうだ?やめてほしいかね、ライラ」
牢屋の外から、年老いた魔導士が、憔悴した少女を見つめている。
「お前はもう、どうしたらこの苦しみが終わるのか、理解しているはずじゃ。そうであろう?もう楽になりたいと思わぬかね?」
ライラは弱弱しくうなずいた。
「なら、どうしたらいいかわかるの。さあ、言いなさい。儂に忠誠を誓うと。そうすれば、あらゆる苦痛から解放されるのじゃ」
ライラの首が動いた。実にわずかな動作だったが、一挙手一投足に注目していた老魔導士には、首がどの向きに振られたのかは明白だった。老魔導士は歯を剥いて笑った。
「塩を塗りつけろ」
命じられた男はただこくりとだけうなずくと、腰から下げた袋から粗塩を掴み出した。男は機械的に、ライラの背中の傷へと、それを押し付ける。
ライラの絶叫が地下牢にこだまし、そこで彼女は意識を手放した。
次にライラが目を覚ました時、彼女は地下牢の床に転がっていた。あれからどれくらいの時間が経ったのだろう……だがすぐに手首と背中から、ジクジクとした鈍い痛みが昇ってきて、ほとんど時が過ぎていないことが分かった。おそらく拷問の後、その場に打ち捨てられていたのだろう。
「うぅ……」
「目を覚ましたか」
ライラはびくっと震えたが、すぐに痛みで顔をしかめた。声はすぐ近く、牢屋の中から聞こえてきた。
「だ、れ……?」
「目が覚めたのなら、そこに座るんだ。傷をこちらに見せろ」
ライラにはその声の意図するところが分からなかったし、痛みのせいで体を動かす気にもなれなかった。だが声の主はそんなことはお構いなしに、ライラの肩を掴むと、ぐいと引き起こして座らせた。
「な、何するの……やめて……」
「うるさい。大人しくしていればすぐに済む」
ライラは背中を押されて、うつむいた姿勢にさせられる。次の瞬間、背中に焼けるような激痛が走った。
「あうううぅぅ!?」
「動くな」
跳ねる肩を力強い手で押さえられては、小柄なライラではどうすることもできなかった。ただぎゅっと手を握り締め、ひたすら痛みに耐える。するとじきに、刺すような激しい痛みは引いて行った。それどころか、さっきまでのジクジクとした痛みすらも消えているようだ。
「手の傷も見せるんだ」
声の主がライラの正面にまわってきた。そこではじめて、ライラはその人物が、さっき自分を鞭打った寡黙な赤髪の男だということに気が付いた。あまりに寡黙で、拷問中もまともに声を聞いたことがなかったのだ。
男はライラが握っていた手をぐいと引っ張ると、持っていた小瓶のふたを開けた。そこから、血の滲んだ両手首に、銀色の粉末をふりかける。銀の粉は傷口に触れると、ジュウウと煙を放った。また焼け付くような痛みがライラを襲う。
「ううううぅぅ……」
「耐えろ。じきに良くなる」
男の言った通り、しばらくすれば痛みは引き、傷も塞がった。ライラはきれいになった自分の手首を、驚くように見つめる。
「どうして……」
「ハザール様のご命令だ。これからも拷問の後は傷を治療して、元気になってもらう。弱っては鞭の効果も落ちるからだ。そしてお前は元気な体で、毎回新鮮な痛みを受けるのだ」
そういうことか、とライラは男を睨みつけた。男はまったく気にしていない。
「ハザール様は、お前の死を望まない。が、諦めるつもりもない。ハザール様への忠誠を誓うまで、お前はいつまでも地獄の苦しみを味わい続けることになるだろう」
「ライラは、絶対に……お前たちに屈したりなんか、しない!」
「無駄な足掻きだ。早く諦めれば、その分早く楽になれるというのに。それとも、あの少年たちがお前を救いに来るとでも思っているのか」
「当たり前だよ!桜下たちは、絶対に助けに来てくれる!そしたらお前たちなんかイチコロだ!」
「愚かな。彼らが地上に現れることは、もう二度とないのだ」
「そんなことない!ライラは、信じてるんだから!」
ライラは目に涙をにじませながら、男を睨み上げた。仲間たちのことを思い出すたびに、胸がざっくりと張り裂けそうになる。だがその痛みが、ライラを諦めさせはしなかった。その痛みの方が、鞭の痛みよりも何百倍、何千倍も痛かった。
「……そもそも、あの少年たちが、お前を助けようとしているという保証もないのだがな」
「え?」
「あの少年たちは、とっくに諦めているのかもしれないと言ったのだ。果たして彼らは、命を賭してまで、お前を助けようとするだろうか」
「そ、そんなの、当たりま」
「では訊くが、彼らがダンジョンに落とされた理由はなんだ」
ライラの声を遮るように、男が重ねる。
「お前がいなければ、彼らは苦しまずにすんだ。お前のせいで、彼らは奈落の底へと誘われてしまったのだ。お前の、その力のせいで」
「……!」
ライラは身じろいだ。確かに、あの老魔道士の狙いはライラ一人だった。それに、ライラが調子に乗って魔法をひけらかさなければ、目をつけられることもなかったかもしれない……
「……それでも」
ライラは尻込みしたが、それでも睨むことはやめなかった。
「それでもライラは、信じてるんだから……!」
男は無感情な目でライラを見下ろすと、くるりと踵を返す。男が鉄格子に近づくと、格子はひとりでに歪み、男が通るすき間を開けた。
「……後で食事を持ってくる。しばらく一人で、これからのことを考えるといい。お前にとって、どうすることが最善なのか。どのような選択をすれば、一番苦痛が少なくて済むのかを、な」
男は背を向けたまま、最後にぼそりと付け加えた。
「無駄な意地など張れば、要らぬ苦痛が増えるばかりだぞ。希望など早々に捨て去った方がいい……私のように」
最後の言葉の意味を、ライラは理解ができなかった。
「手ぬるい!」
老魔導師が投げつけた本を顔面で受け止め、それでもなお男は一声も上げず、ただ黙って頭を下げた。
「時間が……儂には時間がないのじゃ。一刻も早く、あの小娘の魔力を我が物にしなければならない……」
そこまで言い終えると、老魔導師はゼィゼィと喉で息をした。男が、水差しからコップに注いだ水を渡すと、老魔導師は震える手でそれを飲んだ。唇の端から水がこぼれ、骨と皮ばかりの喉を伝う。
「ハァ、ハァ……ダンジョンに落とした連中はどうだ?もう死んだか」
「いいえ」
男は短く答えた。
「罠の作動は確認しました。回避したものと思われます」
「くっ、悪運の強い奴らよ。しかしいくら運があろうと、所詮は時間の問題じゃろうて。あの怪物にぶつかればのぉ……お前、監視を怠るなよ。奴らが死んだ暁には、速やかに死体をあの小娘の眼前に突き付けるのだ」
男は黙ってうなずいた。老魔導師にはそれが見えていたのか、いないのか、熱に浮かされたような目でしきりにぶつぶつ呟いている。色の異なる双眸は、せわしなく震えていた。
「ライラを再び発見できたのは、実に幸運なことじゃった……あの奴隷女が儂の被検体二体を盗んで姿をくらませた時には、すでに儂の体は満足に動かなくなっておった。追跡は絶望的だと思っていたが……このような巡り合わせがあるとはの。おい、前に来た“あやつら”はちゃんと閉じ込めているな?」
「問題ありません」と男が答える。
「そうか、それならよい……ここまでは、全て計画通りじゃ……そしてこれからも、失敗は許されん……」
老魔導師の口ぶりは、自分に言い聞かせているかのようだった。手はしきりに、胸元の鱗の首飾りをいじっている。男はそんな魔導師を、無感情な瞳で見つめていた。
「儂の計画に、ライラの存在は欠かせん。必ずや、あやつを我が物にして見せる。そのためには手段は選ばぬぞ。分かっているな、お前」
「はい」
「ひ、ひっひっひ。なに、あの小娘の虚勢も最初だけよ。幾ばくも持ちはすまい……お前ならば、それがよく分かっているだろう?」
老魔導師の粘つく様な視線に、男は石仮面をつけているかのような無表情でうなずいた。老魔導師は唇をめくり上げると、腕を振って怒鳴る。
「ならば、とっとと行け!あの小娘に痛みを教え込むのじゃ!骨を砕き肉を削ぎ落せば、多少は従順にもなるじゃろう……ひ、ひひヒヒヒ!」
男はうなずくと、再び地下牢へと向かって行った。後には年老いた魔導師だけが、しわだらけの顔に狂ったような笑みを浮かべて、一人残された。
つづく
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読了ありがとうございました。
続きは【翌日0時】に更新予定です(日曜日はお休み)。
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乾いた、そして冷酷な破裂音が地下牢に響く。松明の炎が、牢の壁に小柄な少女と、少女を鞭うつ無慈悲な男の姿を投影していた。
「いたい、いたぁぁぁぃ……」
ライラは絞り出すような声で泣いていた。
度重なる拷問によって、悲鳴を上げる気力すら奪われつつあった。その背中には、惨たらしい傷跡が無数に刻まれている。腰まであった赤毛は千切れて、足もとにばらばらと散らばっていた。
細い手首は一括りに縛られて、天井から伸びるフックに吊るされている。フックが高い位置にあるせいで、ライラの足は浮いてしまっていた。全ての体重が荒縄で縛られた手首に掛かり、腕が引っこ抜けそうだ。
苦痛の重奏の中で朦朧とするライラに、いやに優しい声が掛けられる。
「どうだ?やめてほしいかね、ライラ」
牢屋の外から、年老いた魔導士が、憔悴した少女を見つめている。
「お前はもう、どうしたらこの苦しみが終わるのか、理解しているはずじゃ。そうであろう?もう楽になりたいと思わぬかね?」
ライラは弱弱しくうなずいた。
「なら、どうしたらいいかわかるの。さあ、言いなさい。儂に忠誠を誓うと。そうすれば、あらゆる苦痛から解放されるのじゃ」
ライラの首が動いた。実にわずかな動作だったが、一挙手一投足に注目していた老魔導士には、首がどの向きに振られたのかは明白だった。老魔導士は歯を剥いて笑った。
「塩を塗りつけろ」
命じられた男はただこくりとだけうなずくと、腰から下げた袋から粗塩を掴み出した。男は機械的に、ライラの背中の傷へと、それを押し付ける。
ライラの絶叫が地下牢にこだまし、そこで彼女は意識を手放した。
次にライラが目を覚ました時、彼女は地下牢の床に転がっていた。あれからどれくらいの時間が経ったのだろう……だがすぐに手首と背中から、ジクジクとした鈍い痛みが昇ってきて、ほとんど時が過ぎていないことが分かった。おそらく拷問の後、その場に打ち捨てられていたのだろう。
「うぅ……」
「目を覚ましたか」
ライラはびくっと震えたが、すぐに痛みで顔をしかめた。声はすぐ近く、牢屋の中から聞こえてきた。
「だ、れ……?」
「目が覚めたのなら、そこに座るんだ。傷をこちらに見せろ」
ライラにはその声の意図するところが分からなかったし、痛みのせいで体を動かす気にもなれなかった。だが声の主はそんなことはお構いなしに、ライラの肩を掴むと、ぐいと引き起こして座らせた。
「な、何するの……やめて……」
「うるさい。大人しくしていればすぐに済む」
ライラは背中を押されて、うつむいた姿勢にさせられる。次の瞬間、背中に焼けるような激痛が走った。
「あうううぅぅ!?」
「動くな」
跳ねる肩を力強い手で押さえられては、小柄なライラではどうすることもできなかった。ただぎゅっと手を握り締め、ひたすら痛みに耐える。するとじきに、刺すような激しい痛みは引いて行った。それどころか、さっきまでのジクジクとした痛みすらも消えているようだ。
「手の傷も見せるんだ」
声の主がライラの正面にまわってきた。そこではじめて、ライラはその人物が、さっき自分を鞭打った寡黙な赤髪の男だということに気が付いた。あまりに寡黙で、拷問中もまともに声を聞いたことがなかったのだ。
男はライラが握っていた手をぐいと引っ張ると、持っていた小瓶のふたを開けた。そこから、血の滲んだ両手首に、銀色の粉末をふりかける。銀の粉は傷口に触れると、ジュウウと煙を放った。また焼け付くような痛みがライラを襲う。
「ううううぅぅ……」
「耐えろ。じきに良くなる」
男の言った通り、しばらくすれば痛みは引き、傷も塞がった。ライラはきれいになった自分の手首を、驚くように見つめる。
「どうして……」
「ハザール様のご命令だ。これからも拷問の後は傷を治療して、元気になってもらう。弱っては鞭の効果も落ちるからだ。そしてお前は元気な体で、毎回新鮮な痛みを受けるのだ」
そういうことか、とライラは男を睨みつけた。男はまったく気にしていない。
「ハザール様は、お前の死を望まない。が、諦めるつもりもない。ハザール様への忠誠を誓うまで、お前はいつまでも地獄の苦しみを味わい続けることになるだろう」
「ライラは、絶対に……お前たちに屈したりなんか、しない!」
「無駄な足掻きだ。早く諦めれば、その分早く楽になれるというのに。それとも、あの少年たちがお前を救いに来るとでも思っているのか」
「当たり前だよ!桜下たちは、絶対に助けに来てくれる!そしたらお前たちなんかイチコロだ!」
「愚かな。彼らが地上に現れることは、もう二度とないのだ」
「そんなことない!ライラは、信じてるんだから!」
ライラは目に涙をにじませながら、男を睨み上げた。仲間たちのことを思い出すたびに、胸がざっくりと張り裂けそうになる。だがその痛みが、ライラを諦めさせはしなかった。その痛みの方が、鞭の痛みよりも何百倍、何千倍も痛かった。
「……そもそも、あの少年たちが、お前を助けようとしているという保証もないのだがな」
「え?」
「あの少年たちは、とっくに諦めているのかもしれないと言ったのだ。果たして彼らは、命を賭してまで、お前を助けようとするだろうか」
「そ、そんなの、当たりま」
「では訊くが、彼らがダンジョンに落とされた理由はなんだ」
ライラの声を遮るように、男が重ねる。
「お前がいなければ、彼らは苦しまずにすんだ。お前のせいで、彼らは奈落の底へと誘われてしまったのだ。お前の、その力のせいで」
「……!」
ライラは身じろいだ。確かに、あの老魔道士の狙いはライラ一人だった。それに、ライラが調子に乗って魔法をひけらかさなければ、目をつけられることもなかったかもしれない……
「……それでも」
ライラは尻込みしたが、それでも睨むことはやめなかった。
「それでもライラは、信じてるんだから……!」
男は無感情な目でライラを見下ろすと、くるりと踵を返す。男が鉄格子に近づくと、格子はひとりでに歪み、男が通るすき間を開けた。
「……後で食事を持ってくる。しばらく一人で、これからのことを考えるといい。お前にとって、どうすることが最善なのか。どのような選択をすれば、一番苦痛が少なくて済むのかを、な」
男は背を向けたまま、最後にぼそりと付け加えた。
「無駄な意地など張れば、要らぬ苦痛が増えるばかりだぞ。希望など早々に捨て去った方がいい……私のように」
最後の言葉の意味を、ライラは理解ができなかった。
「手ぬるい!」
老魔導師が投げつけた本を顔面で受け止め、それでもなお男は一声も上げず、ただ黙って頭を下げた。
「時間が……儂には時間がないのじゃ。一刻も早く、あの小娘の魔力を我が物にしなければならない……」
そこまで言い終えると、老魔導師はゼィゼィと喉で息をした。男が、水差しからコップに注いだ水を渡すと、老魔導師は震える手でそれを飲んだ。唇の端から水がこぼれ、骨と皮ばかりの喉を伝う。
「ハァ、ハァ……ダンジョンに落とした連中はどうだ?もう死んだか」
「いいえ」
男は短く答えた。
「罠の作動は確認しました。回避したものと思われます」
「くっ、悪運の強い奴らよ。しかしいくら運があろうと、所詮は時間の問題じゃろうて。あの怪物にぶつかればのぉ……お前、監視を怠るなよ。奴らが死んだ暁には、速やかに死体をあの小娘の眼前に突き付けるのだ」
男は黙ってうなずいた。老魔導師にはそれが見えていたのか、いないのか、熱に浮かされたような目でしきりにぶつぶつ呟いている。色の異なる双眸は、せわしなく震えていた。
「ライラを再び発見できたのは、実に幸運なことじゃった……あの奴隷女が儂の被検体二体を盗んで姿をくらませた時には、すでに儂の体は満足に動かなくなっておった。追跡は絶望的だと思っていたが……このような巡り合わせがあるとはの。おい、前に来た“あやつら”はちゃんと閉じ込めているな?」
「問題ありません」と男が答える。
「そうか、それならよい……ここまでは、全て計画通りじゃ……そしてこれからも、失敗は許されん……」
老魔導師の口ぶりは、自分に言い聞かせているかのようだった。手はしきりに、胸元の鱗の首飾りをいじっている。男はそんな魔導師を、無感情な瞳で見つめていた。
「儂の計画に、ライラの存在は欠かせん。必ずや、あやつを我が物にして見せる。そのためには手段は選ばぬぞ。分かっているな、お前」
「はい」
「ひ、ひっひっひ。なに、あの小娘の虚勢も最初だけよ。幾ばくも持ちはすまい……お前ならば、それがよく分かっているだろう?」
老魔導師の粘つく様な視線に、男は石仮面をつけているかのような無表情でうなずいた。老魔導師は唇をめくり上げると、腕を振って怒鳴る。
「ならば、とっとと行け!あの小娘に痛みを教え込むのじゃ!骨を砕き肉を削ぎ落せば、多少は従順にもなるじゃろう……ひ、ひひヒヒヒ!」
男はうなずくと、再び地下牢へと向かって行った。後には年老いた魔導師だけが、しわだらけの顔に狂ったような笑みを浮かべて、一人残された。
つづく
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