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17章 再開の約束
6-4
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エドガーは、これまでの話し合いで分かったことを忘れないように、口の中でもごもごと繰り返していた。彼が黙ってしまったので、ほっとかされた隣のキサカは気まずそうにもじもじしている。あれ?そう言えば、彼女はどうして俺たちを訪ねてきたんだろう。エドガーとの話に夢中になるあまり、すっかり忘れていた。
「うむ、うぅむ。話をまとめると、この状況は、必ずしも悪くはないという事なのか」
うん?エドガーが低い声で呟いたので、俺は彼に視線を戻す。
「今、この状況がか?退路は断たれて背水の陣、目の前には魔王なのに」
「しかし、魔王軍も揺れていることは間違いない。お前と話した通りだとしたら、魔王軍には今、自由に動かせる兵がほとんど残っていないことになるだろう」
「お、それは確かに」
「とはいえ、そこまで楽観視もできんがな。何といっても、敵には城がある。城は兵士の三倍の働きをすると言われているのだ」
あの奇妙にくねくねした城を攻めるのは、なるほど確かに苦労しそうだ。
「それでも、避けて通れはしないんだろ。で、いつ玄関扉をノックしに行くんだ?」
「おおそうだ、そのことで、この方にお出でいただいたのだった」
するとエドガーは、ようやくキサカに手番を譲った。これまでずうっと待たされたにもかかわらず、キサカは少しも嫌な顔をしていない。相変わらず、腰の低い聖女様だ。
「実は、無理を言って私も連れてきてもらったの」
「へ?キサカが?おい、冗談よせよな。それとも、このおっさんにそう言えって言われたのか?」
エドガーが「誰がするか!」と怒鳴る。キサカは困り顔で笑った。
「あはは、えっと、冗談は言ってないわ。本当に、私が隊長さんに頼んで、桜下くんの所まで案内してもらったの。だから、隊長さんを悪く思わないであげて」
「いや、悪いと思ってるわけじゃないが……むしろ、こっちが申し訳ないよ。光の聖女様を、ただのお見舞いなんかに駆り出させちゃって」
するとキサカは、左右で色の違う瞳を、ぱちぱちとしばたいた。
「うーんとね、桜下くん。私、ただのお見舞いで来たつもりじゃないわ」
「ん?じゃあ、なんで?」
「もちろん、桜下くんを治療するために、よ」
治療、だと?俺はゆっくりまばたきした後、問い返す。
「……繰り返すようで悪いけど、本当に冗談は言ってないんだな?」
「ええ、もちろんよ」
キサカは本気のようだ。ちっ、何考えているんだ、この聖女様は?
「キサカ、ありがとな。その気持ちだけもらっとくよ」
「いいえ、だめよ。どうか私に、桜下くんの体を癒させてちょうだい」
「キサカ、あのなぁ。別に俺、死にかけちゃないってば。お前に治してもらうまでもないよ」
キサカには、光の魔力が宿っている。その御業は奇跡にも例えられ、あらゆる病魔や怪我を取り払うことが可能な、強力な魔法だ。
ただし、代償もそれなりに大きい。彼女が治した傷は、そのまま彼女に降りかかることとなる。俺はそれを知っている。それを、俺が知っているのを知った上で、キサカは俺を治すというのか?
「でも桜下くん、辛いでしょう?」
「ハハハ、聖女様のお力を借りるほどじゃないさ。平気だって」
「……」
うおっ?あのキサカが、半目で俺を睨んでいる。めったなことでは怒らない、と言うか怒ったところを見たことがないキサカに睨まれると、結構ドギマギする。
「……桜下くん。桜下くんは、私がピクニックに来たつもりだと思ってるの?」
「は?そんなわけないよ」
「それなら、私はどうしてここにいるの?私にできるたった一つのこと。それは、人を癒すことよ」
「あのなぁ、キサカ……」
ちっ、なんだって今日に限って、こんなに強情なんだ?一体誰のために、俺が断っていると思ってるんだ。俺は疲れた頭に苛立ちの波が起こるのを感じたが、すぐにそれは吹き飛んでしまった。キサカが、背筋を伸ばして、頭を下げたからだ。
「お願い、桜下くん。あなたを治させて」
「えっ。な、なんであんたが……」
「言ったでしょう。無理を言って、連れてきてもらったって」
キサカは顔を上げると、エドガーの方を向く。エドガーは渋り切った顔で、わずかにうなずいた。
「聖女様に治療された身だ。私だって、この方の事情はよく分かっている」
「そう、か。そうだったな……でも、ならなんで?」
「なに、単純だ。押し切られたんだよ、聖女様の熱意にな」
なんだって?エドガーはため息をついた。キサカは、大真面目な顔でうなずく。
「エドガーさんは分かってくださったわ。私の役割を。そもそも、今回の戦争に私が同行させてもらえたのも、私が希望したからなのよ」
「え?ノロ女帝の命令じゃないのか?」
「ええ。女帝様は、むしろ私に留まるようにおっしゃられたわ。でもそれを押し切って、馬車に乗り込んだの。だって……もう、自分だけ逃げ隠れするのは、嫌だったのよ」
逃げ隠れ……俺は、キサカが本当は、もう何十年とこっちの世界で過ごしているのを思い出した。そしてその間、多くの哀れな勇者を見送ってきたことも……
「私ね、桜下くん。あなたに出会えて、自分がどれだけ愚かだったのか、思い知ったのよ」
「は……?」
「私、勇者はみんな、自分の運命から逃れられないんだと思ってた。でも、あなたは違った。運命に抗って、そして自分だけの道を切り拓いた。勇者にそんな生き方があるなんて、思いもしなかったわ」
そう言えば、前にそんなことを言われた気もするが……
「だからね、あなたを見て、思ったの。もう過去を嘆くだけなのは止めよう。罪は消せないけれど、せめてこれからを生きるあなたたちのために、少しでも力を尽くそうって」
過去の罪……キサカのやつ、そんなことを考えていたのか。
「……それで、この人や、みんなを治すことにしたの」
フランが口を開いた。キサカが微笑をうかべて、彼女を見る。
「ええ。傲慢かもしれないけれどね。あなたの主を治すことで、過去の贖罪をしようというのだから……」
ふるふると、フランが首を振る。
「いいよ。それくらいなら、貸してあげる」
「なっ、おい!俺はまだ、よしと決めたわけじゃないぞ」
するとフランは、俺の目をじっとのぞき込んだ。
「じゃあ、もしまたあの骨男が襲ってきたら、どうするの」
「え、それは。また、俺の能力で……」
「それなら、あなたは万全でないといけないでしょ。たぶん、そういう理由もあるんじゃない」
ちらりとフランが横目で見ると、キサカはゆっくりとうなずいた。エドガーも口を添える。
「その娘の言う通りだ。ここから先の戦いは、今までの比ではない激しさとなるだろう。いざという時にお前たちが動けないのでは、戦略的にも困るのだ」
「ぐっ……わかった、わかったよ」
とうとう俺が折れると、キサカはぱぁっと顔を輝かせた。本当に分かっているのか?俺が回復する代わりに、キサカの命が削られるんだぞ?
「はぁー……キサカ。あんたの決意は、よく分かったよ。すっごく悩んでその結論に至ったんだろうし、そこに俺がゴチャゴチャ口出しする権利もないしな。ただ、頼むから、自分を大事にしてくれよ。じゃないと、俺が辛いよ」
「桜下くん……ええ、わかったわ。肝に銘じます。それに、ありがとう」
「礼を言うのはこっちだって……すまない、それじゃあ頼む」
キサカはすぐに、静かな声で呪文を唱え始めた。
(キサカはこの戦争で、みんなを救おうとしてる。だけど本当は、自分を救おうとしてるんだ)
キサカは俺のおかげで、目が覚めたと言った。けど、気が付かないのか?勇者のさだめから逃れようとしたのは、俺が初めてじゃない。キサカ本人こそが、その一人じゃないか。
戦火から離れ、生き延びてきたことを、彼女は臆病で卑怯なだけだと言う。けど、それの何が悪いんだ?勇者の使命なんて、くそくらえだ。誰かに命をかけることを強要できるはずがない。本当は、キサカはここに来る必要なんて、これっぽっちもなかったんだ。
(キサカはこの戦争に、救いを求めてる。だから覚悟を決めて、ここまで来た。だけどそれって、本当は出発地点にあったんじゃないかな……)
俺には、キサカが求めているものは、救いなんかじゃなくて、終焉に思えてならないのだ。今となっては、何を言っても手遅れに過ぎないが。もし言うとしたら、あの夜、一の国の庭園で彼女を見かけた時しか……
やがて、彼女の手から、虹色の光が放たれる。俺は複雑な気持ちで、その癒しの光に包まれた。
つづく
====================
読了ありがとうございました。
続きは【翌日0時】に更新予定です(日曜日はお休み)。
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エドガーは、これまでの話し合いで分かったことを忘れないように、口の中でもごもごと繰り返していた。彼が黙ってしまったので、ほっとかされた隣のキサカは気まずそうにもじもじしている。あれ?そう言えば、彼女はどうして俺たちを訪ねてきたんだろう。エドガーとの話に夢中になるあまり、すっかり忘れていた。
「うむ、うぅむ。話をまとめると、この状況は、必ずしも悪くはないという事なのか」
うん?エドガーが低い声で呟いたので、俺は彼に視線を戻す。
「今、この状況がか?退路は断たれて背水の陣、目の前には魔王なのに」
「しかし、魔王軍も揺れていることは間違いない。お前と話した通りだとしたら、魔王軍には今、自由に動かせる兵がほとんど残っていないことになるだろう」
「お、それは確かに」
「とはいえ、そこまで楽観視もできんがな。何といっても、敵には城がある。城は兵士の三倍の働きをすると言われているのだ」
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「おおそうだ、そのことで、この方にお出でいただいたのだった」
するとエドガーは、ようやくキサカに手番を譲った。これまでずうっと待たされたにもかかわらず、キサカは少しも嫌な顔をしていない。相変わらず、腰の低い聖女様だ。
「実は、無理を言って私も連れてきてもらったの」
「へ?キサカが?おい、冗談よせよな。それとも、このおっさんにそう言えって言われたのか?」
エドガーが「誰がするか!」と怒鳴る。キサカは困り顔で笑った。
「あはは、えっと、冗談は言ってないわ。本当に、私が隊長さんに頼んで、桜下くんの所まで案内してもらったの。だから、隊長さんを悪く思わないであげて」
「いや、悪いと思ってるわけじゃないが……むしろ、こっちが申し訳ないよ。光の聖女様を、ただのお見舞いなんかに駆り出させちゃって」
するとキサカは、左右で色の違う瞳を、ぱちぱちとしばたいた。
「うーんとね、桜下くん。私、ただのお見舞いで来たつもりじゃないわ」
「ん?じゃあ、なんで?」
「もちろん、桜下くんを治療するために、よ」
治療、だと?俺はゆっくりまばたきした後、問い返す。
「……繰り返すようで悪いけど、本当に冗談は言ってないんだな?」
「ええ、もちろんよ」
キサカは本気のようだ。ちっ、何考えているんだ、この聖女様は?
「キサカ、ありがとな。その気持ちだけもらっとくよ」
「いいえ、だめよ。どうか私に、桜下くんの体を癒させてちょうだい」
「キサカ、あのなぁ。別に俺、死にかけちゃないってば。お前に治してもらうまでもないよ」
キサカには、光の魔力が宿っている。その御業は奇跡にも例えられ、あらゆる病魔や怪我を取り払うことが可能な、強力な魔法だ。
ただし、代償もそれなりに大きい。彼女が治した傷は、そのまま彼女に降りかかることとなる。俺はそれを知っている。それを、俺が知っているのを知った上で、キサカは俺を治すというのか?
「でも桜下くん、辛いでしょう?」
「ハハハ、聖女様のお力を借りるほどじゃないさ。平気だって」
「……」
うおっ?あのキサカが、半目で俺を睨んでいる。めったなことでは怒らない、と言うか怒ったところを見たことがないキサカに睨まれると、結構ドギマギする。
「……桜下くん。桜下くんは、私がピクニックに来たつもりだと思ってるの?」
「は?そんなわけないよ」
「それなら、私はどうしてここにいるの?私にできるたった一つのこと。それは、人を癒すことよ」
「あのなぁ、キサカ……」
ちっ、なんだって今日に限って、こんなに強情なんだ?一体誰のために、俺が断っていると思ってるんだ。俺は疲れた頭に苛立ちの波が起こるのを感じたが、すぐにそれは吹き飛んでしまった。キサカが、背筋を伸ばして、頭を下げたからだ。
「お願い、桜下くん。あなたを治させて」
「えっ。な、なんであんたが……」
「言ったでしょう。無理を言って、連れてきてもらったって」
キサカは顔を上げると、エドガーの方を向く。エドガーは渋り切った顔で、わずかにうなずいた。
「聖女様に治療された身だ。私だって、この方の事情はよく分かっている」
「そう、か。そうだったな……でも、ならなんで?」
「なに、単純だ。押し切られたんだよ、聖女様の熱意にな」
なんだって?エドガーはため息をついた。キサカは、大真面目な顔でうなずく。
「エドガーさんは分かってくださったわ。私の役割を。そもそも、今回の戦争に私が同行させてもらえたのも、私が希望したからなのよ」
「え?ノロ女帝の命令じゃないのか?」
「ええ。女帝様は、むしろ私に留まるようにおっしゃられたわ。でもそれを押し切って、馬車に乗り込んだの。だって……もう、自分だけ逃げ隠れするのは、嫌だったのよ」
逃げ隠れ……俺は、キサカが本当は、もう何十年とこっちの世界で過ごしているのを思い出した。そしてその間、多くの哀れな勇者を見送ってきたことも……
「私ね、桜下くん。あなたに出会えて、自分がどれだけ愚かだったのか、思い知ったのよ」
「は……?」
「私、勇者はみんな、自分の運命から逃れられないんだと思ってた。でも、あなたは違った。運命に抗って、そして自分だけの道を切り拓いた。勇者にそんな生き方があるなんて、思いもしなかったわ」
そう言えば、前にそんなことを言われた気もするが……
「だからね、あなたを見て、思ったの。もう過去を嘆くだけなのは止めよう。罪は消せないけれど、せめてこれからを生きるあなたたちのために、少しでも力を尽くそうって」
過去の罪……キサカのやつ、そんなことを考えていたのか。
「……それで、この人や、みんなを治すことにしたの」
フランが口を開いた。キサカが微笑をうかべて、彼女を見る。
「ええ。傲慢かもしれないけれどね。あなたの主を治すことで、過去の贖罪をしようというのだから……」
ふるふると、フランが首を振る。
「いいよ。それくらいなら、貸してあげる」
「なっ、おい!俺はまだ、よしと決めたわけじゃないぞ」
するとフランは、俺の目をじっとのぞき込んだ。
「じゃあ、もしまたあの骨男が襲ってきたら、どうするの」
「え、それは。また、俺の能力で……」
「それなら、あなたは万全でないといけないでしょ。たぶん、そういう理由もあるんじゃない」
ちらりとフランが横目で見ると、キサカはゆっくりとうなずいた。エドガーも口を添える。
「その娘の言う通りだ。ここから先の戦いは、今までの比ではない激しさとなるだろう。いざという時にお前たちが動けないのでは、戦略的にも困るのだ」
「ぐっ……わかった、わかったよ」
とうとう俺が折れると、キサカはぱぁっと顔を輝かせた。本当に分かっているのか?俺が回復する代わりに、キサカの命が削られるんだぞ?
「はぁー……キサカ。あんたの決意は、よく分かったよ。すっごく悩んでその結論に至ったんだろうし、そこに俺がゴチャゴチャ口出しする権利もないしな。ただ、頼むから、自分を大事にしてくれよ。じゃないと、俺が辛いよ」
「桜下くん……ええ、わかったわ。肝に銘じます。それに、ありがとう」
「礼を言うのはこっちだって……すまない、それじゃあ頼む」
キサカはすぐに、静かな声で呪文を唱え始めた。
(キサカはこの戦争で、みんなを救おうとしてる。だけど本当は、自分を救おうとしてるんだ)
キサカは俺のおかげで、目が覚めたと言った。けど、気が付かないのか?勇者のさだめから逃れようとしたのは、俺が初めてじゃない。キサカ本人こそが、その一人じゃないか。
戦火から離れ、生き延びてきたことを、彼女は臆病で卑怯なだけだと言う。けど、それの何が悪いんだ?勇者の使命なんて、くそくらえだ。誰かに命をかけることを強要できるはずがない。本当は、キサカはここに来る必要なんて、これっぽっちもなかったんだ。
(キサカはこの戦争に、救いを求めてる。だから覚悟を決めて、ここまで来た。だけどそれって、本当は出発地点にあったんじゃないかな……)
俺には、キサカが求めているものは、救いなんかじゃなくて、終焉に思えてならないのだ。今となっては、何を言っても手遅れに過ぎないが。もし言うとしたら、あの夜、一の国の庭園で彼女を見かけた時しか……
やがて、彼女の手から、虹色の光が放たれる。俺は複雑な気持ちで、その癒しの光に包まれた。
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