不思議倶楽部

勝研

文字の大きさ
8 / 12

不思議倶楽部_それぞれ_AZ

しおりを挟む
立花公平は思っていた、確かに変化する・させることは大事かもしれない。だが大事なものを変化させない事は、より重要ではないのか?思い出、大切な時間や好きだという思い。それらが変わらないでいてくれることは幸せではないのか?

とくにゴールデンウィークの状況は悪かった、夢見とキスしてしまった事だ。もしかしたら、、夢見と付き合う事になるかも知れなかった、、想像してみる。

「公平遊んでないで勉強をしよう、将来大変だよ?」

うるさい。俺の勝手だ。

「お弁当残してる、、」

嫌いなピーマンを入れた罰だ。

「モノを出したら片付けて、、」

後で片付ける、今はゲームで忙しいのだ。ブッ。

「それ?本気でいってるのかな、公平君は?ん?」

女の子を紹介しろっていっただけなのに、怖すぎるだろ!!

、、、最悪だ。

自由の翼が折られた俺がいた。今のままが良いな、、うん。

だが立花公平は気が付いていなかった、それは今の生活と全く変わっていないということに。

それに夢見より可愛くて、性格が良くて、俺を愛してくれる女性が現れたら後悔しても仕切れない!!

そんな女性は地球上、銀河系、全宇宙、この世あの世。存在しないことに気付かない公平。これは確定事項であった。

教室で夢見の作った弁当を左手で食べながら頷き続ける公平。不注意で箸を落とす、隣の女子は自分の優しさを周囲にアピールするためにその箸を嫌々拾う。公平はその優しさに感動して思う、これは運命の出会いかもと。

彼は彼女との変化を恐れていた。



不思議倶楽部の部長、篠原夢見は携帯電話の〈友達〉の項目を眺める。〈宮澤遥〉今年三年、受験があるためにあまり顔は見せられないそうだ。だけど何か困ったことがあれば喜んで手を貸してくれるらしい〈友達〉として。

不思議倶楽部の部室を見回す、そこには名簿かある。先輩も入部すると言っていたが丁重に断った。今年で卒業であるし、部室に顔を出す位なら部員でなくても良い。別に公平と二人きりの時間を邪魔されそうだからという理由ではない、ない、ないの、絶対にありません。ホントだよ。

不思議倶楽部は公平の一言から始まった。暇だから何か同好会作らないかと言ったのだ。私は現在存在する部や同好会を調べて、こういうミステリー系の同好会がないということ、公平が昔超常現象に興味があったということで不思議倶楽部を作った。

代表者は公平がやるはずだったのに、面倒だからと私になる。そしてあれやこれやとしているうちに部員が集まり不思議倶楽部が誕生した。最後の部員は公平だった、なんでももう超常現象にはあまり興味がないと、入部を拒否したのだ。お灸を据えるため脅迫(おやつ抜き)それによって公平は仕方なく入部した。全くもう。

そういえば不思議倶楽部の幽霊部員、不思議なのだ、、だって本当に存在しないのだから、、まぁそれは別の機会に。

変化とは突然やって来るものだ。

良い変化も、悪い変化も。変化を完全に止めることは出来ない。私に出来る事は、それを受け入れるか、受け入れないか、流れに任せるか、新たな道を探すのかを選択するだけだ。そう彼女は考える。

彼女は彼の変化を待っていた。



宮澤遥の前に両親がいる。テレビで見る有名人かと思うほどに整った顔立ち、そして優雅な動作。だがその気になれば、象すらも凌駕する力を持った危険な生物。

私は告白をした。自分が好きになったのは〈人間〉しかも〈女性〉だと。両親は特に驚かずに言った『辛いぞ』と。食人鬼には食人衝動がある、それには〈人間〉を食べる衝動も含まれるが、その中でも一番甘美かつ最高のご馳走は〈愛した人間〉を食べることなのだから。

私が夢見を食べる事はあり得ない。しかし保険は掛けておく必要がある。それこそ首輪を、いや盾というべきか。

私は変化を求めていた、あの計画も変化が欲しくてやったことだ。もう待つのは嫌だった。だが以前とは違うことがある、夢見の側にいられるということだ。私と夢見は〈友達〉、いえ同じ特異体質の仲間であり秘密を共有する〈親友〉といっても過言ではない。〈親友〉なら、それ相応のスキンシップも可能ということ。

ウフフッ。

あんなゴリラ男なんて忘れさせてあげる。というか、何故あんなのが好きになったのか理解に苦しむ。質問したところ、好き嫌いの明言は避けたが『普段は普通、、でも時々カッコいいの!』と言っていた。私には《普段はゴリラ、時々変態に見えるけど》ね。

目や耳は治ったので明日から学校に行ってみよう、そして不思議倶楽部の部室に行こう。私はベッドに入り深い眠りについた。

彼女は変化させようと考えた。



これは〈人間〉と〈メデューサ〉と〈食人鬼〉の話である。

物語の結末はまだ誰も知らない。



【レポート】

メデューサ病

口に含まれる細菌が突然変異したものと思われるが詳細は不明。感染率は20%ほど。基本的に血液で大量繁殖したあと体内で生成した毒素を体に循環させ、麻痺などの症状を引き起こす。また末端から皮膚組織を硬化させる。

勿論、胃液や髪・爪を摂取したからといって治るものでもない、逆に民間療法としては最悪の処置である。抗生物質が有効だと言われているが発症した場合。〈人間〉であると死亡率は100%。

増殖には特定の条件が必要だとされているがそれらは不明。




食人鬼

身体能力は人間よりはるかに高い。病気に対しての抵抗力は人間と大差はないが驚異的なのは怪我など治癒能力である。反面、短命であり生殖能力が減退しているため、個体数は非常に少ない。

由来の通り人肉を食べるが、最低で一週間に一度摂取すれば特に何事もなく日常生活を送れる。但し体を必要以上に動かした場合や病気になった場合は食人衝動が増す。

また古来より〈金縛りの術〉が使用できる。これは術というよりも格下の人間の生存本能を刺激し恐怖させ〈動けなく〉させるものであり。身体能力に劣った人間や獣に効果があるという。



筆者:超常現象研究家_立花公平。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

さようなら婚約者

あんど もあ
ファンタジー
アンジュは、五年間虐げられた婚約者から婚約破棄を告げられる。翌日、カバン一つを持って五年住んだ婚約者の家を去るアンジュ。一方、婚約者は…。

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

王子を身籠りました

青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。 王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。 再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。

裏切りの代償

中岡 始
キャラ文芸
かつて夫と共に立ち上げたベンチャー企業「ネクサスラボ」。奏は結婚を機に経営の第一線を退き、専業主婦として家庭を支えてきた。しかし、平穏だった生活は夫・尚紀の裏切りによって一変する。彼の部下であり不倫相手の優美が、会社を混乱に陥れつつあったのだ。 尚紀の冷たい態度と優美の挑発に苦しむ中、奏は再び経営者としての力を取り戻す決意をする。裏切りの証拠を集め、かつての仲間や信頼できる協力者たちと連携しながら、会社を立て直すための計画を進める奏。だが、それは尚紀と優美の野望を徹底的に打ち砕く覚悟でもあった。 取締役会での対決、揺れる社内外の信頼、そして壊れた夫婦の絆の果てに待つのは――。 自分の誇りと未来を取り戻すため、すべてを賭けて挑む奏の闘い。復讐の果てに見える新たな希望と、繊細な人間ドラマが交錯する物語がここに。

処理中です...