大人になっても、恋は止まらない。──独占と余裕のあいだで

氷月

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Lesson15 甘やかな招待状

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休日のリビング。


午後の陽が差し込み、湯気の立つカップを前に「ふぅ……ダージリンはやっぱり最高」

カップを置いたハルが満足げに言うと、キッチンからユウヤの声が飛んできた。

「お前は紅茶派か? 俺は朝からビール派やな」

「……朝からビールはやめて」

思わず笑って返すと、ユウヤも肩を揺らして笑った。

そんな穏やかな空気の中で、ふとハルが呟いた。

「ねぇ、バーベキューとかしたいな~」

その呟きに、ユウヤが隣で笑う。

「ええやん。ふたりでやるか?」

「……ふたりより、みんなでのほうが楽しいよ!」

ハルは子どもみたいに笑って、カップをテーブルに置いた。

ふと、昨日の出来事が頭をよぎる。

「ねぇユウヤ。レンさん、タクミと別れたみたいだよ。……タクミ、この前もう他の男と歩いてるの、僕見ちゃった」

「……は?マジか」

ユウヤは一瞬だけ驚いた顔をしたが、すぐに肩を竦めて小さく笑った。

「まぁ、あいつならすぐ次見つけるやろ。タクミもタクミやな」

そして、少し間を置いてから思いついたように口を開く。

「なぁ、今度の土曜日。軽井沢の別荘、行かへん? 一泊やけど」

「え! 行く! すごい!楽しそう!」

ハルの顔がぱっと明るくなる。

「まこと姉も誘いたい!」

「なら、俺はレンやな。前助けてもらったし。田中先輩と……奏真も呼ぶか」

指折り数えながら、ユウヤは少し考え込む。

「……そうやな。バーベキューやし、レンにも気分転換させたいやろ。もうひとりぐらいおったほうがええな」

「えっと……ユウヤの会社の後輩とか?」

ハルが首をかしげると、ユウヤの口元にふっと意味深な笑みが浮かんだ。

「……ふふ。同期にちょうどええ奴、おるんや」

ユウヤはその夜、グループLINEを作って招待を送った。

――【今度の土曜、軽井沢の別荘で一泊バーベキューする。みんな来いよ】

メンバーは、レン、田中先輩、奏真、まこと姉、そして同期の楓。

一斉に既読がつき、
次々と「行きます!」「楽しみ!」とメッセージが返ってきた。

その中で、レンだけはすぐに返事をせず、しばらく既読だけをつけたまま。

静かな部屋の中、彼はタブレットを片手にスケジュール帳を見る

「……土曜か」

ぽつりと呟き、ページに目を走らせる。

キャンペーン撮影も海外の打ち合わせも、ちょうど空いている。

「……空いてるな」

短く息をつき、スマホを手に取る。

――【いいよ。参加する】

送信ボタンを押したその瞬間、レンの口元にわずかな笑みが浮かんだ。

「……楽しみができたな」

その頃、マンションのリビング。

ユウヤとハルは、並んでソファに腰掛けていた。

「なぁハル。レン、返事してきたわ。今度の土曜、空いてるって」

「ほんと?!やった!これでみんなでバーベキューできるね」

嬉しそうに瞳を輝かせるハルを見て、ユウヤの胸がじんわり熱くなる。

そっと頭を撫でながら、ふっと笑う。

「……お前が楽しそうやと、俺まで楽しみになってまうな」

ハルは照れくさそうに笑い返し、ユウヤの腕に少しだけ寄り添った。


Lesson 16へー
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