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Lesson6 無防備な色香
しおりを挟む最近、なぜかタクミから連絡がない。
……いや、オレもあれから、あいつを考えないようにしてる。胸に溜まるモヤモヤを、忙しさで押し込めるしかない。
SNSの更新、インフルエンサー案件、企業コラボ、スポンサーとの契約打ち合わせ。
毎日が慌ただしく、眩しいほど華やかで——けれど、俺の心の中は空っぽだった。
「……あぁ、やっと終わった」
高級ホテルのラウンジを出た瞬間、身体が鉛みたいに重くて、家に帰るなりソファに崩れ落ちた。
そのまま気絶するように眠り込む。
——翌朝。
「ん……? 体が……重い……」
頭がズキズキして、視界がぼやける。額に手を当てると、妙に熱い。
体温計をはかって見てみれば——「……38.5℃、マジかよ」
言われてみれば、ここ2週間、休みもろくに取ってなかった。
いつもならきっちり整えてあるリビングは服で散乱して、完璧なレンの姿なんてどこにもない。
「……タクミ……なにしてんだろな」
ぼんやりとスマホを手にした瞬間、LINEの通知が鳴った。
【ユウヤ】
ようレン、今日の夜久しぶりにごはん行かん?ハルとタクミも呼ぶから4人で遊ばへん?
【タクミ】
ごめん、俺、熱あるからいけない。
【ユウヤ】
そっか。わかった。
……ユウヤが、すぐタクミに電話ー。
「もしもーし、タクミか?」
「はい、ユウヤさん。どうしました?」
「今日さ、ハルとレンで4人ごはん行こう思てたんやけどな。レンのやつ、熱出して寝込んどる。ひとりで寂しがっとるやろし、様子見に行ったってくれへんか?」
「……え? マジっすか! はい!俺、すぐ行きます!」
……「おぅ、レンを頼んだ」
⸻
タクミはドラッグストアに駆け込み、袋いっぱいの荷物を抱えてレンのマンションへ向かう。
解熱剤、冷えピタ、ヨーグルト、卵、スポーツドリンク、栄養ドリンク。
「……やりすぎだろ」って思うほどの量だ。
そして到着したタクミが見上げたのは、
高級感漂うガラス張りのタワーマンション。
「……ここか。すげぇな、ユウヤさんが教えてくれた住所で間違いないよな…」
ドキドキ
半信半疑でインターホンを押す指。
何故か何度も押していた。ピンポーン……ピンポーン……ピンポーン。
「……なんだよ、誰だよ、ユウヤか?しつこい……」
弱々しい声で出た俺は、ドア越しに聞こえる名前に息をのんだ。
「レンさん?大丈夫ですか?タクミです。……入ってもいいですか?」
「……タクミ?なんで?」
ドアを開けた先にいたのは、袋を両手に提げたタクミ。
俺の姿を見た途端ー
「……レンさん……」
近づいてきたタクミの手が、そっと俺の額へ伸びる。
冷たい指先が熱で火照った肌に触れた瞬間、ゾクリと背筋が震えた。
「うわ……熱、すごいじゃないですか」
真剣な声でそう言いながら、彼は額に触れた手を離さない。
目を細めて俺を見つめ、息を呑んで——
「寝ててください。俺が看病しますから」
その声は、体温計よりも正確に俺の高熱を測り取っていた。
汗で前髪の張りついた俺は、Tシャツにハーフパンツという無防備な姿。
いつもの完璧な“完璧なモデルのレン”なんかじゃない。
熱に頬を赤らめ、弱り切った俺を真正面から見据えるタクミの目が、やけに熱を帯びていた——。
Lesson7へ続くー♡♡♡
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