ファンタジーな世界に転生したのに魔法が使えません

botansaku

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第1章<異世界に転生>

1、はじまり

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「おはよう!  すみれ。今日の実験楽しみだね」

友人の佳菜子が勢いよく話しかけてきた。

「おはよう。うん。とても楽しみだね」

私もウキウキしながら答えた。

  私と佳菜子は東京工理大学 理学部 化学科に通う友人でオンラインゲーム仲間の喪女だ。
なので、20歳なのに恋愛経験ゼロ。
もちろん男性に興味があるが、ゲームオタクのガリ勉でなおかつ高校まで女子一貫校に通っていたせいで、男性に免疫がない。
大学で恋愛を頑張ろうとオシャレしたが、私が入学した大学は偏差値トップクラスの理系大学。
そうなると周りの男子も私のように喪男が多い。
それか変人。
  
  あぁ、今日も私の目の前の変人が早々に化学反応の実験をし始めた。
この変人はいつも不気味な笑みを浮かべていて私達をチラ見している。
ほんと不気味。
でも実験の準備してくれるから有難いんだよね。

  その変人がいつものように、溶液を煮沸している。
でも、なんか違和感がある。なにかがおかしい。
私の第六感が警報けいほうを鳴らしている。
と、その時、助教授が教室に入ってきた。
教室のみんなが助教授に注目した一瞬、私の目の前の変人は煮沸してある液体に何かの薬品を入れた。

「ドォーン!」

  大きな爆発が起き、恐ろしい強烈な光が、私を飲み込んだ。
私は自分の身体が粉々に舞うのを見てしまった。
しかし、不思議と痛みは感じない。
私は、漫画で見るような死んだ人が幽体離脱ゆうたいりだつし、自分自身を自分で冷静にみている状態だった。
他の生徒は同じく血を流し倒れ込んでいるか、泣き叫んでいる。
あの変人は私と同じく粉々に砕け散っている。
まさに地獄絵図。

「うそ⋯⋯私、死んじゃったの?」

嫌だ。
死にたくない。
こ、怖い⋯⋯。
私が恐怖にとらわれていると、突然背後から話しかけられた。

「なんと、可哀想なことじゃ。あわれじゃのう。うら若き乙女がこんな死に方じゃ。憐れじゃ、憐れじゃ」

変な仙人みたいな爺さんが私に話しかけてきた。

「あなた誰?」

「わしゃぁ、神じゃ」

「神⋯⋯。本当に?  じゃあ、神さま、私を今すぐ生き返らせて」

「それは無理じゃ」

「なんでっ?  神さまなら、なんでもできるんじゃないの?」

「わしゃぁ、そもそもここの神じゃないからのぉ。今は宇宙旅行中じゃし」

「神さまなら、こんな状況をみたら何かしてあげたいって普通思うもんじゃないの!」

「確かに、憐れじゃとは思うが出来ないものはできないんじゃ。でもお前さんと出会ったのも何かの縁じゃ。次の転生では良い人生を送れるように、わしの加護をつけてやろうかのぉ。まぁ、何度も言うがここの神じゃないので効果があるか知らんがのぉ」

「何、その無責任な発言。じゃあ、加護なんていらないから次の転生先は、カッコイイ王子様や、可愛い妖精がいるようなファンタジックな世界にして!」

と私は神様に無理難題を言ってみた。
すると、神はサンタクロースのうように笑った。

「ふぉっふぉっふぉ」

「そうじゃのぉ。それなら出来そうじゃ。若き乙女よ、では私と一緒に参れ」

神がそう言うと、私は一瞬にして神々こうごうしい光に包まれ、ロケットのうよに空高く舞った。
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