チキンピラフ

片山春樹

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ときどき途切れる記憶の中で

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 結局、みんなに仕組まれたおかげで、一言も口を聞けないまま、言葉を交わせる距離まで近づける週末は、どこかへ行ってしまった。カレンダーを見ると、週末なんてあと5回しかないし。携帯電話を手にしても、春樹さんから電話なんてかかってくる気配すらないし。知美さんもあの日からまったく音沙汰ない。電話してみようかと思いつくけど、なに話していいかなんて全然わからないし。ぶつぶつとぼやきながら夏休み最初の休日が訪れた。なにしようかと考えてしまう。宿題なんてする気分じゃないし・・友達とどこかに出かけたい気分もしない。そんなお昼前に突然電話がぴろぴろとなり始めて、ドキってしたけど・・なんだ、あゆみか。仕方なく出てみると。
「ねぇ~美樹。プール行かない? プール。水着みんなでお披露目してるの。例の彼氏も連れておいでよ。みんな見たがってるから」
なんて言ってる。なんとなくどうでもいいような気がして、それに、ぶつぶつ考え込んでたせいだろうか・・。また、とりあえず・・。
「うん」
と、うなずいてしまった。約束してしまった。
「彼氏・・呼べるの?」
「・・えっ・・うん・・」
「ほんとにー じゃ 楽しみにしてるからね、みんなアクエリアにいるから」
途切れた電話のツーツーという音に。記憶が戻ってきたような、冷静さが戻ってきたような。
「あっ・・あの・・あの人は彼氏なんかじゃ・・なくて・・その」
と、ようやくの白状をつぶやいたけど、なんだそうだったの・・でも・・いいじゃん。なんて、ほっとさせてくれそうな返事なんて切れた電話がしてくれるはずない。とりあえずな返事で自分自身・・窮地にはまる事がよくある・・。そんな事に気づいてしまった・・。とりあえず・・うなずくのはやめよう。と、決意してみた。でも・・と、思いついた事。今・・プールに誘われた・・・。彼氏呼べる? と、言ってた・・。私は・・うなずいてしまった・・気がする。彼氏・・って・・春樹さんのこと? だけど・・誘えるわけないじゃない・・。でも・・みんなの誘いを無視したら・・仲間外れにされそうだし・・それが恐いし、春樹さんを彼氏と呼ぶなんて・・嘘つき・・だけど・・そう思われたくない・・でも・・私は一度も春樹さんのことを彼氏だなんて言った覚えないけど・・でも、ちゃんと説明してない私のせいかもしれないし・・。ぶつぶつ・・でも・・とりあえず、電話しなきゃならない理由ができてしまったようだし・・。だから。
おそるおそる画面をもじもじ操作して、HARUKIを呼び出して、一瞬悩んでからボタンを押した。すぐに。
「はーい・・」と返事が聞こえて。
「もしもし・・あの・・春樹さんですか?」とオソルオソルたずねてみると。
「えっ・・春樹さんですけど?あれ・・美樹? ちゃん・・だね?」
電話の向こうで少し驚いてる、どぎまぎな返事をした春樹さん。うん・・と、うなずいた後の言葉はまったく用意していなくて。春樹さんも黙り込むから、だから、とりあえず・・。
「今・・なにしてますか?」無難なことを訊ねたら。
「うん・・落ち込んでるけど、かなりへこんでます、どよぉーんって感じです」
とそんな効果音は必要ないと思うけど。それってやっぱり私のせいかなと、責任感じてしまうことを言う春樹さん。だから、返す言葉がもっと思いつかなくて。黙っていると。
「あの・・本当に・・美樹ちゃんなの?・・」
いつも通りな声は少しおどろいているけど。
「怒ってるのかな・・だろうな。やっぱり・・俺・・悪い事したのかな・・」
と言ってるけど。
「知美もあの日以来、口聞いてくれないんだよ・・美樹ちゃんのせいにするのもなんだしね・・。どうしたらいいのか・・全然わからなくなった・・なにか、いいアドバイスはないかな?」
ぶつぶつぼやいてるけど・・。知美さんは本当に冷たくしているようだ・・。
「美樹ちゃん・・だろ」
「・・うん・・」
「電話・・俺からかけた方がよかったかな? ちょっとかけるのが恐くて・・ちゃんと言っておきたいこと・・あるんだけど・・いいかな?・・いま・・言っても」
何を言い出すかは想像できたのに・・また・・うなずいてしまった・・・。
「・・うん・・」と、
「じゃ・・言う。・・俺は、知美が好きだ・・美樹ちゃんのことも好きだけど・・それ以上に」
どうしてそんな話になってしまうのよ? そんなこと誰も聞いてないし、それに・・そこまではっきりいわなくても・・。そう思うのに、さらに続ける春樹さん。
「だから、俺に・・知美がいること、許してほしいし・・認めてほしい・・。美樹ちゃんにはできる限りのことをしてあげたいけど・・どうしてもできないことがあることも、わかってほしい・・。無視されるの・・耐えられないよ・・ほかの娘は・・耐えられるけど・・美樹ちゃんに無視されると・・落ちこんでしまう・・でも、なんだかうれしい・・電話してくれて・・口きいてくれて・・ありがと」
そんなことを聞きたいんじゃなかった・・。ような・・聞きたかったのかもしれない・・。それに・・慰めてあげたい気もする。声が悲しそうだから・・。
「美樹ちゃん・・・」
「・・はい・・」
「電話かけてきて・・黙り込むなんて・・ホントに、どうかしたのか? なにか・・言いたい事があるから電話したんだろ。ズケズケと言ってよ、謝ってほしいなら、謝るし。なにかおごってほしいなら、何でもおごってあげる・・」
謝るのは私の方だと思う。それに、それと言って、おごってほしい気分もないし・・。なにをしようとして電話したんだろうか? ・・そうだ・・友達にプール・・彼氏を呼べる? って・・私は返事して・・。また・・ぶつぶつ考え込んでしまった。その時。
「あっ・・そうだ。美樹ちゃん・・約束したよね」
と、春樹さんはなにかを思いだした。・・えっ?・・と、思った。
「ほら・・期末テスト最終日。なにかおごってあげるって約束してくれたよね。まだ・・賞味期限・・切れてないかな? ひょっとして・・なにかおごってくれるの? そんな電話なのかな? 黙ったままじゃわからないだろ」
そういえば、そんな約束したな・・。それに・・。そういえば、そんな理由があったんだ。電話なんて気軽にすればよかった・・なにかおごってあげる・・って。・・こんなに考え込んでたことが馬鹿みたい。
「春樹さん・・」
「・・はい・・」
でも・・これは、人生最大の決断だと思う。それに・・チャンスだとも。知美さんの声が頭の中でこだましている。
「セイコウできてもできなくても、何もかもがいい思い出になますように」
「何もせずに引き下がったら、残るのは後悔だけでしょ」
私は春樹さんのことが好きだ。だから、知美さんがいようがいまいがそんなことはどうでもいい。だけど・・待つだけじゃ今のままだし・・何もしないまま夏休みが終わってしまうと・・知美さんにも言い訳できない。知美さんの声・・いい思い出が・・本当に作れるのだろうか?・・。それも、待つだけじゃ、絶対作れないと思う。駄目で元々・・それでもいい。と、ひらめいた。自由研究のような気持ちで、 あの子なら、そんなに無茶なまちがいは犯さない。知美さんはそう言ったし、私もそれは信じている。でも・・男の人を私から誘うだなんて、生まれて初めての経験だし。でも、そうしないと、春樹さんを振り向かせるなんて私には絶対できそうにない。とにかく、いい機会だ。とりあえず誘ってみよう。頭の中で言葉を組み立てて、リハーサル。
「友達とプールに行くんですけど、春樹さんも来ませんか?」
と、これなら違和感なさそうだ。よし、そう言おう、と息を吸っていると。
「プール? 友達と? 俺を誘ってくれるわけ?」
そんな、春樹さんの声が聞こえた・・えっ?・・私・・なにか言ったの? えっ?記憶が飛んでる。
「もしかして、美樹ちゃん、水着見せてくれるの?」
本当に・・私・・なにか言ったのだろうか。
「アクエリア・・かな。いいよ。春樹さんの水着姿も見せてあげる。でも・・はずかしいなぁ・・でも・・なんだか楽しみだなぁ・・ビキニ?、ワンピース?何でもいいや。ほとんど裸の美樹ちゃんを見れるなら、わくわく。じゃ・・先に行ってて。アクエリアなら美樹ちゃんちからの方が近いでしょ。ちょっとここを片づけてから行くから」
私・・何を言ってしまったのだろう・・。本当に、全然覚えてない・・。記憶が・・そこだけ、真っ白だ。
「カメラ持って行ってもいいかな・・」
突然・・冷静さが戻ってきた。
「絶対駄目です!!」
と、叫んでしまった。
「はぁぁい」
電話を切って・・わなわなわなわな・・する理由、本当に春樹さんを誘ってしまった・・しかも・・プール? に? プール・・と言えば・・思い出してしまう・・あの水着・・。でも・・学校の水着でもいいや・・と一瞬思うと・・知美さんの声が、あの水着を着ろ・・みたいなニァアンスで・・どんなに汚い手を使ってもいい・・と、頭にこだましている。決断の時だ・・けど。今ごろになって・・自分のしたことが理解でき始めたようだ。今・・なにかとんでもないことをしてしまった気がする。・・私・・本当に、今・・なにかとんでもないことをしてしまったんじゃないだろうか? 冷静に考えてみよう・・さっき・・あゆみから電話があったんだ・・プールに行こうって・・そして・・春樹さんを誘ってしまった・・のだろうか? 春樹さんはなにか・・知美さんのことを話していた・・気がする。なんて言ってたのだろ? なにかを認めてくれ・・と、言ってたけど・・カメラがどうのこうの・・私は、駄目って、叫んだ気がする。全然思い出せない・・私がしたこと・・自信が全然ない・・。だから、もう一度・・電話してみた。
「あの・・春樹さん・・今。私・・春樹さんをプールに誘いましたか?」
「うん・・誘われたけど・・アクエリアでしょ・・場所はしってる。俺もときどき行くから。美樹ちゃんの水着、見せてくれるんでしょ。楽しみ・・かわいいだろうなぁ、じゃまたあとで」
「・う・・うん・・・」
本当に誘ってしまったんだ。それに・・また・・うなずいてしまった・・後戻りできなくなった。とりあえず、な、うなずきはやめようと、決意したばかりなのに・・・。

 人生最大の勇気を振り絞った。というより・・もう・・どうでもよくなった。もしかして、この二つは同じこと? そんなことより、私、あの人を本当に誘ってしまったんだ、とにかく行くしかない・・状態になってしまったようだ。まだ頭の中パニックのまま。ときどき冷静になる記憶の断片。さっきは自転車をこいでいた・・そして、今、私はあの水着に着替えてしまっている。ちゃんとプールの入場料・・払ったのかな? レシートがあるし。着替えた服は・・手にしてる鍵・・206番のロッカー・・開けたら・・中に入ってる。これは間違いなく私の服だ。いつ着替えちゃったんだろう。また、記憶がとんでいる。冷静になった瞬間。・・はぁぁぁ・・と、ため息が出た。鏡がどうしてこんなところにあるのだろうか・・・。ここは更衣室だ・・あっても不思議じゃない。そおっと自分の後ろ姿を見つめると・・はぁぁぁ・・と、また、悩んでしまうため息が出た。通りすがる女の子は、女の子で、ほとんど、ハダカ・・な、ビキニ。だけど・・こんなに背中とお尻を強調してる水着なんて・・結構・・大勢いるんだな・・あの娘も・・あの娘もお尻がむき出し。とりあえず、お尻・・手で掴むような隠し方は・・変だ。後ろ手に手を組んで・・これならさりげない。下を向いて歩こう、誰とも目を合わさないように。そうしたら普通に歩ける。なんだ・・そんなに意識なんてしなくてもいいじゃん。とりあえず・・プールサイドの端を・・歩き始めたら・・・。
「あぁ~・・美樹、美樹。こっちこっち」
また・・記憶がとんでいた・・。そんなに大きな声で呼ばなくても・・。と、意識が戻った瞬間。みんなが私を手招きしていた。そして、一瞬感じた恐怖の予想・・通りにあゆみが。
「あれぇ~・・彼氏は?」
と、聞く。それに・・ぞろぞろと集まる浮き輪でちゃぷちゃぷしてるみんな・・まるっきりの馬鹿丸だしな気がした。けど・・
「彼氏・・連れてこれるって言ってたじゃん」
「一人なのぉ?」
白い目で見るみんな。泣き出したい気分がこみあげてくる。それに・・みんなはみんなで、ほとんどハダカだし・・・。そんな格好本当に恥ずかしくないのだろうか。そんなことを思いながら・・。
「・・後から・・来るよ」
そうつぶやいたら、つぶやいたで。
「ほんとうかなぁ~」
なんて大合唱・・真っ白な目付き。いじめられてる気がしてしまう。でも・・。
「あぁぁ~。ちょっと・・美樹・・後ろ向いてくれない?」
大きな声の弥生。・・えっ?・・と、言われるままに後ろを向いたら・・。
「きゃぁぁぁ。美樹もこんな大胆な格好できるんだ。かわいい・・って言うより、なんかエローい。ねぇ、美樹のお尻ってむちゃくちゃエロくない」
「エロいぃ。美樹って、こんなお尻してたんだ?」エロいだなんて・・どういう意味?
「これって、こないだ買ったやつでしょ? なんかいいよねぇ」
何がどういいのよ? 
「私も今度買うやつこんなのにしよ」
「やっぱり、胸よりお尻だねぇ」
と、みんながわいわいとお尻のことを言ってる理由・・プールサイドからちゃぷちゃぷしてるみんなを見下げて、雑誌のモデルさんみたいな谷間があれば・・という理由かなと思った。お尻にはいつも谷間があるし。でも・・。
「ほんとに彼氏くるの?」
そんな白い目がむちゃくちゃ怖い。あの春樹さんのことだから、絶対来る・・そして・・私のこんな姿を見て・・なんて言うだろうか、そう思った瞬間。
ズンズンズン・・とお腹に響くあの音。そぉぉっと視線をその方向に向けたら・・フェンスの向こうにあの・・いつもの真っ黒ないでたちは・・春樹さん・・本当に来てしまった・・オートバイを止めた春樹さん。ヘルメットを取ると、わき目もくれずに、私を見つけた・・どうしてそんなに早く私と目が合うのよ。私の・・水着姿を・・遠くから、じぃーっと見つめている春樹さんがまだ見つめてる。そして、私に小さく手を振って、一度ためらって・・また振り始めた。視線は私を通り越して・・そぉぉっと振り向いたら、みんなが私の後ろから手を振っている。
「あのオートバイの人・・なんか、かっこよくない?」
「かっこいい・・、泳ぎにきたのかな? 一人?」
そんなことを言っている。あの人がそうだなんて・・言えそうにないし・・春樹さんは私にいつも通りに笑顔を傾けて、そのまま・・入り口に向かってゆく。本当に逃げ出したくなった。こんな・・むき出しのお尻なんて・・。その瞬間、また・・記憶がとんだ・・。
ドシン・・そんな衝撃に尻餅をついた私。かなりの痛さ感じて我に帰ったようだ。
「プールサイドは走らないでください。危ないですよ」
そんなアナウンスが遠くから聞こえた。そしてすぐ。
「大丈夫か? どうしたの? あわてて」
私に手を差し出した人・・春樹さんが目の前にいるような気がする。
・・えっ?・・と、意識を取り戻して・・見上げた人は・・本当に・・ほとんどハダカの春樹さんだった。呼吸が震えてしまう。本当に・・春樹さん・・なの? 本当に来ちゃったの?
「まった?」
なんてことを言う春樹さんが本当にいる。その春樹さんが鼻の下・・上唇を伸ばしてじろぉぉっと見てるものは・・太ももが大胆に・・全開の私・・つけてる水着はほとんど紐だし・・だから、今度は記憶がとばなかった。とにかくあわてた。とにかく必死でしゃがみ込んだ。閉じられるところは力ずくで閉じた。必死で胸とお尻を隠した手。そして、男の人のハダカをこんなに間近で見るのは生まれて初めてのような・・それに・・・見つめてしまう・・じょりじょりしてそうなすね毛、その少し上・・オリンピック選手みたいなパンツ・・目の前の・・膨らみ・・ぎょっとしてしまって、あわてて視線を背けたら・・遠のいてゆく意識の中で、だれかの声がこだました。春樹さんって変わってるよねぇ・・変わってる?・・ヘン? はっと気がつくと。
「よっ・・これがお尻のエクボ。くいっくいっくいってできる」
と、お尻を向けるムキムキなポーズの春樹さん・・・。ぴくぴく上下するお尻のお肉・・体中・・でこぼこ波打ってる。さぁぁぁっと血の気が引いた。
「やめてよ、もぉ」と思うだけで、言えないし。
それに、この人はこんなにヘンだったんだ・・店のみんなはこのことを言ってたんだ。気絶しそうだ。意識がもっとモーローとしてしまう。そして・・。
「お尻ぶつけなかった? 痛くなかった?」
と少しだけ心配してくれる春樹さん。
「大丈夫です」って言ったら。
「ほら・・しゃがんだままじゃ、見えないでしょ。美樹ちゃんの水着、楽しみにしてたのに」
素肌むき出しの脇に手を差し込んで、ぎゅっと力を込めて、私を抱き起こす春樹さん。脇の素肌に全神経が集中してる。暖かいような・・くすぐったいような・・なんて感触が・・鳥肌をぶぶぶっと・・沸かせた。ふるふるふると震える全身には全く力が入らないし。そして。春樹さんは・・むちゃくちゃ爽やかな笑顔で・・私の体をじとぉぉっと、湿った目つきで見つめている。抵抗なんて全然できない。体中ぐにゃぐにゃなのに硬直している。
「かぁわいい・・きれぇーな素肌」
おどけた顔で言いながら。
「はい、まわれ右」
くるっと私を振り向かせる春樹さん。なすがままに後ろを見せる私・・。
「・・いや・・」
そう言ったと思うのに・・。
「・・・美樹ちゃんって・・こんなに綺麗な肌なんだ、それにこんなに大胆だし・・・。近くで見るとホントにきれぇー・・な・・お、し、り、 かぁわいぃ」
私のお尻に延びてくる春樹さんの手を必死で払いのけてしまった。そうしてると、くすくす笑う春樹さん。
「知美には内緒だぞ・・」
と、言った。言葉の意味が素直に理解できない。そして。
「・・。誘ってくれて、本当にうれしい・・。ありがと・・こんなにきれぇーな、お尻、見せてくれて・・触らせてくれて」
まだ・・鼻の下をべろ~んと伸ばして、じろ~とお尻を見つめてる春樹さん。私は。
「触らせてあげる」
なんて一度も言っていないのに、何かそう微生物でも探しているような目つきで私のお尻をぷにぷにと摘む春樹さん。
「へぇぇぇ・・美樹ちゃんって・・」
そうつぶやきながら、しつこくぷにぷに・・。
「これがジョシコーセイのお尻かぁ、ぷりんぷりんですね」
なんてぼやいている。
「すべすべ感といい」と撫でて、
「ぷにぷに・・この弾力感といい」と摘んでる。
この人のこう言うところ・・大嫌いだ。だまって耐えていたけど、これ以上我慢できなくなった私はそのいやらしい手を払いのけて、うつむいて、さりげなく後ろ手を組んで春樹さんを睨みつけるけど。
「美樹ちゃんは泳げるの?」
と私の気持ちなんかお構いなしの、いつもの自然体で、そっと背中を押す春樹さん。今度は背中にすべての神経が集中して。また無抵抗な私に戻ってしまう。それに、歩き出すと私の肩が春樹さんに触れる。一歩・・一歩・・素肌が触れ合う。そのたびに、がたがたしてしまう足どり。記憶がとばない・・。春樹さんのこそばゆい手に背中を押されるまま、私は一緒にプールサイドを歩いてる、左右の手足が同時に動いてる気がする。これは現実なのだろうか? ちらっと見上げると、うれしそうな笑顔の春樹さん。その向こうのベンチに、みんなの顔が鈴なりにアゼンとしてる。その顔を見つめた瞬間、何かが私の心に舞い降りた気がした・・どう参った、これが私のカレシよ! と、そんなこと微塵も思っていないのに、私の心が大きな声で言い放っている錯覚。それに・・どうしてだろ・・突然、震えが止まってる。そして・・鼻とかがおたかくなってしまってる・・。その時。
「あの・・」
と、友達の一人が声をかけて・・無視した春樹さん。そして。
「美樹!・・・」
あゆみのその声には、春樹さんも振り返った。そして、
「さっき言ってた・・美樹ちゃんの友達?」
と、私に聞いた春樹さん。うなずくと・・にこにこ笑って。歩み寄って。
「はじめまして・・片山春樹と言います・・へぇぇぇ。ジョシコーセーってみんなかわいいんだねぇ。ヨロシク。鼻の下がこぉ~んなに伸びちゃうよ」
と、わざとらしくみんなの胸元を覗き込みながら、
「やぁーだぁー」
ってわざとらしく胸元を隠しているみんなに握手しはじめる春樹さん。そして、あゆみの。
「・・あの・・・本当に・・美樹の・・彼氏・・なんですか?」
と、言う質問に・・一瞬うつむいた私に視線を向けた春樹さん。うなずいて、ほほえんで、私を見つめたまま・・・。こう・・言った・・。
「俺じゃ釣り合わないかな? 美樹ちゃんってこんなに可愛いから」
えっ・・なにこのセリフ。今なんて言ったの? 顔が火照るようなセリフだった気がする。意識が遠のいた・・記憶がとんだ。そして、
「信じられない・・・」
とつぶやいたあゆみに向かって。ほんわりと。
「信じてください」
と、言ってから、ハキハキと続けて。
「美樹ちゃんのかわいいお尻に心を奪われてしまった、美樹ちゃんの忠実なる哀れなシモベ、カタヤマハルキ22歳でぇす」
とか何とか言いながら。私のむき出しのお尻に手を添えた春樹さんは、ぺろーんとお尻を撫でて、でも、払いのけたりしたら、みんなに疑われるかもしれないし、だから、そのまま我慢していたら、お尻の割れ目に食い込んだ水着に沿って、指をするーっと忍び込ませて・・だから。
「な、な、なにするんですか・・・」とささやき声で叫んだのに。
春樹さんのいやらしい指先がお尻の割れ目の奥のまた奥に入ってきて、お尻の穴に触れたから、だから、ぎゅっとお尻に力がこもってしまって・・春樹さんの指が挟まれて、抜けなくなったような・・・その時。
「・・・・」と私を見下ろす春樹さんと。
「・・・・」と見上げる私。
息が止まって、ゴクリと何かを飲み込んで。2秒。心臓が一瞬止まって逆回転を始めたかと思う緊張がやってきた。
「あ・・・の」と、抜けない指をもぞもぞする春樹さん。
「あ・・・ん」と、もぞもぞする指に何かを感じた私。
の間に。
「お尻に心奪われるだなんて、私のおっぱいにも心奪われてくださいぃー」
と大きな声で割り込んで春樹さんに抱き着いたのは あゆみ お尻に挟まった春樹さんの指も抜けて。
「え・・・」っと後ずさった春樹さんに、しがみついて、ぐっと胸を押し当てて、顔を上げたまま。
「こんな人が美樹のカレシだなんて信じられない」
あゆみも、どうして、そんなほとんど裸なのに、初対面の男の人に抱き着けるのよ。
「あゆみずるいぃ~、私のくびれにも心奪われてください」
とほかの友達も・・。だけど。春樹さん。
「あの・・ちょっと・・・ごめん・・・」
とみんなを人差し指の指先で引き離して、前屈みで、不自然な歩き方で。
「ごめんね」
と言いながら、プールにそーっと入っていく。
「どうしたの?」とあゆみがつぶやくと。弥生が、慌てて口元を抑えて。
「やだー、あーやだやだやだ」っていう。
「どうしたの」
「春樹さん・・」
えっなによなに? どうしたのとみんなが聞くと。弥生はまだ口を押えて笑うのを堪えている。春樹さんはゆっくりと向こうの方に泳いでいくし。
「あーもぉやだやだ」
「えーなによ、なになに」
「だから、その、おちんちんが・・・」
って弥生はまだ口元を抑えたまま。って・・おちんちんが?って。
「・・・・って」
とつぶやいて、人差し指を立てた弥生・・やっだーってみんなで口元抑えて大笑いしながら。
「美樹のお尻。あゆみのおっぱい・・どっち」
「美樹のお尻じゃない・・タイミング的に」
「くくくくくくく」
とみんなが口元を抑えて笑っているけど。想像したら、それって、なんかこう、無茶苦茶恥ずかしいような・・。
「確かめてこようか」
というあゆみがプールに飛び込んで。
「私も・・」
ともう一人が続いて。
「やめなさいよ、確かめるだなんて」
と言う弥生が私の顔を見てまだ口元を抑えて笑っている。
「・・そんなに笑わなくてもいいでしょ」
と言ってみたけど。
「ちょっと・・やめて・・やめて」
と逃げる春樹さんを見ていると、少しおかしく感じてしまって。
「笑ってもいいのかな?」
そう弥生に聞いたら。
「笑う場面でしょここは。なんか面白そうな人ね」
そう言ってくれるから、とりあえず、小さく笑ってみた。

でも、私にはちょっと想像が・・恥ずかしいような・・。そんなに詳しく知っていることではないし。 でも。
「きゃー、春樹さん、助けて助けて」
「きゃー、春樹さん」
「きゃー、春樹さん」
と、いつの間にか、みんなのおもちゃにされているような春樹さんを遠くから眺めていると、笑いたくても笑えないような。だんだんイライラしてくるような。
「じゃ、みんなでシンクロナイズドスイミングをしよう」
とかなんとか言いながら、本当にさかさまになって足をバタバタさせている春樹さん、壊れてしまったのかと思った。脛毛がもじゃもじゃの足を高く水面から突き出して、くるくると回りながら、本当にシンクロナイズドスイミングをしているし。本当に水中からあの笑顔で飛び出してくるし。そして、皆が顔を見合って、大笑いしてるし。そんな春樹さんを見つめている私は、そんな春樹さんの変貌振りにただ、意識を遠のかせていたようだ。
  そして、また記憶が飛んでいたことを実感しながら、記憶が戻ったのは、いつのまにか、みんなときゃいきゃい遊んでる春樹さんが、ものすごく楽しそうにはしゃいでいるシーン。・・家に来たときもそうだったけど・・この人はどうして、こう初対面の人の中にあっという間に融け込んでしまうのだろう。それに・・みんな、どうしてこんなにはしゃげるのだろう? と、思っていることに気づいた瞬間。はっと我に帰った。それに・・友達達のわざとらしい・・。
「きゃぁぁぁ、今、触ったでしょぉぉ。えっち」
「きゃぁぁぁぁ、春樹さん、おぼれるぅ」
な、叫び声・・。春樹さんのいつもとは全然違うさわやか過ぎる笑顔。水のかけあい。見てる方が恥ずかしい。
「美樹ちゃんもおいでよ・・水の中だとお姫様抱っこもこんなに軽いぞ」
みんなに水をかけられながら私を誘う春樹さん、の顔におっぱいを押し付けてお姫様抱っこされてしがみついてるのはあゆみ。むっかぁぁとしてしまう。そして弥生までもが春樹さんに・・。
「やーん、あゆみだけずぅるぅいぃ」
としがみついて。
「ダブルお姫様抱っこ」
「お姫様おんぶも~」
なんてしながら、言いながら、全員を体中にしがみつかせてにたにたしている春樹さん。本当に恥ずかしくないの? はぁぁぁ。今日はため息、何回くらいはいただろうか。全然楽しくない一日。
ずっと、プールサイドに座ったまま。足をちゃぷちゃぷさせたまま、遠くから見つめてただけだった。

そして、小一時間。はしゃぎ疲れた友達。帰るとき、着替えてる時も私に話しかけてくれないみんな・・。どうして距離をとるわけ? 私を仲間外れにするわけ? それに、その目付き・・。今度は何を疑ってるのよ・・。ったく。そして。
「じゃぁねぇ、春樹さん。美樹に飽きたら私に予約いれて下さい。メールアドレス交換しましょ」
「あぁぁぁズルイ・・私も私も」
って、春樹さんも本当に携帯電話渡しているし・・。知美さんが見たらなんていうか・・。
「早いもの勝ちなの」
「じゃ・・その次、絶対私」
「約束ですからね、春樹さん。絶対メールしますから返事してくださいよ。じゃぁねぇ~」
「はいはい・・」
力なく手を振る春樹さん・・。気軽な友達達に、ものすごい嫉妬を感じてしまう。ぎぃぃっと睨んでしまう。それに・・。
「また・・すねてるのかな?」
それは、ものすごく正確な、すねてますよ、と思う、最悪な気分になる一言だ。
「すねてる顔も・・かわいい」
ちょんとほっぺをつつく指先。もっとむかついてしまう。でも・・。
「知美には・・黙っててくれよ・・。みんなに無視され続けて・・少しブルーな気持ちだったから・・ちょっと・・はしゃいじゃった」
そんな子供みたいに笑う表情に・・ちょっとじゃなかったでしょ、と思いながらちょっとだけ責任感じてしまう私。でも。
「楽しかった・・誘ってくれて・・本当にありがとう」
にこっとしてる春樹さん。私は全然楽しくなかった。そんな、むかついていた気持ちが尾を引いてるせいもあるけど・・自転車で帰ってゆくみんなを追いかける視線。
「みんな・・かわいいなぁ・・」
そのうっとりな一言・・これ以上ライバルを増やしたくない。そんな思いがあふれてくる。だから、イライラする気持ちが。
「あの・・・」
と、一呼吸。そして。
「わたし・・春樹さんのことが好きです」だから・・友達達にそんな視線を向けないでほしい・・。自分の顔が怒っていることは意識している。それに、こんなむかついてる気分だから、言い放てたのだとも思う。・・とうとう言ってしまったようだ。でも・・私は、こんなにどきどきし始めてるのに・・くすくすと笑う春樹さん。
「俺も・・好きだよ。美樹ちゃんのこと」
と、言ってくれたけど・・いつもと全然変わらない表情。もっと・・恥ずかしそうに、照れくさそうに、頭をぽりぽりしながら言ってほしいのに。
「忠実なる哀れなシモベだし。見た? 俺のシンクロナイズドスイミング」
と、また、ヘンな冗談。今だけは、そんな冗談で、はぐらかせてほしくないのに。人生最大の勇気で水着姿を披露したのに・・春樹さんは、私のお尻まで触ったくせに・・2度めはお尻の穴にまで指先を伸ばしたくせに。それなのに、たったそれだけ?
「大っ嫌い!!」どうして、私のこの全然気持ちをわかってくれないのよ!
ぷんっ、と、自転車にまたがったら・・。がちゃんとなった・・。鍵を外すこと忘れていた・・。
「きゃっ・・・」
と、転んでしまった・・。
「ったく・・なに慌ててんだよ。今日の美樹ちゃん・・ヘンだぞ」
起こしてくれる春樹さん。こんなヘンな人にそんなこと言われたくないわよ。でも・・脇に手を入れて、優しく抱き起こされてる時・・。意識したのに、春樹さんを見つめたのに、くすぐったい感触以外は何も感じなかった・・。知美さんは言った・・。「運命を確信した」と。脇に感じる春樹さんの大きな手。本当に、春樹さんの顔を見つめたまま、意識してるのに恥ずかしさ以外、何も感じない。
「けが・・してないか? 擦りむいてないか?」
とひざまずいて膝の泥を払ってくれる春樹さんを上から見下げても。それでも・・まだなにも感じない私。また・・泣きたくなった。無視したまま自転車の鍵を外した。無視したまま自転車にまたがった。無視したまま、逃げ出してしまった。春樹さんは追いかけてくれなかった。途中、3回くらい振り向こうとしたのに。やっぱり・・春樹さんと私にはなんの運命もないのかな・・。だから・・。大っ嫌いだ・・。あんな人なんてもうどうでもいい。それからまた・・記憶がとんだ・・。次に記憶が戻ったのは・・
「美樹ぃ~・・ご飯よ・・降りてきなさい」
お母さんの大きな声が聞こえたとき・・。私はクーラーが効いてる私の部屋のベットで横になっている。はっと起きあがって・・ビニールの鞄・・。濡れた水着・・。いったい・・今日・・何が起こったのだろう・・。春樹さんが私のお尻を触ったことは、思い出すとぞわっと、お尻に力がこもるから現実だったんだと思う・・。たしか・・水着のまま抱きあげられたような・・脇に滑り込んだ春樹さんの大きな手もはっきり思い出せる。無意識に脇に手を差し込むと、物凄く正確に思い出せる、あのぞわっとした生ぬるい感触、あのくすぐったい感触をものすごくリアルに記憶している私の素肌・・ぞくっと震えたのは・・効きすぎたクーラーのせいじゃない・・。生まれてはじめて、私の素肌が記憶した異性の体温。不思議な怖さを感じて、ドナルドを抱きよせてしまう。春樹さんに抱き起こされた瞬間をイメージしてしまう。春樹さんの手が私の素肌を触っていた感触が何度もリアルに回想されて。心の奥で私の無意識が、私の意識につぶやいた。
「そんなにむかむかしてどうしたの? むずむずしてるんでしょ。本当は・・あの人が欲しいくせに・・もっと触られたいくせに」
一瞬・・そんな声が聞こえた気がした。はっ・・と、息を飲み込んだけど・・。こんなにイライラムカムカしている私は・・本当は、あの人が欲しい・・触られたい。そう思い始めてる気がする。本当に、もう一度あの体温に触れてみたい。そう考えると身震いが止まらなくなった。
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