【完結】運命の番より俺を愛すると誓え

劣情祝詞

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前編

9 ※R18

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 その後も何度か、蒼井と俺はリンチという名目で体を重ねた。
 俺は乱暴なふりをして優しく抱く。
 蒼井は痛がるふりをして中を締め付ける。
 その繰り返し。
 しかし、蒼井の中の具合が変わってきていることに、俺は気づいていた。

 蒼井は、唇を噛んで声を抑えている。
 俺は余裕もなく腰を振る。
 俺がたまたま、紙袋を被せられた蒼井の顔付近に、自身の頭を近づけた時、蒼井は必死に抑えながらも、俺にしか聞こえないほど、小さな声を漏らした。

「ッ……やめてくれ…、君にされると、何をされても…くっ……感じてしまう…っ……から」

 ぶわぁああと全身の血が茹で上がり、沸騰。
 背筋にゾクゾクゾクと興奮が駆け上がる。
 その衝撃で、俺は射精を迎えた。
 この時には、もうゴムはしていなかった。
 さらに屈辱的に犯せという、団長の指示だった。
 ずるりと中のものを引き抜くと、赤く腫れた肉の縁から、どろりと白濁が流れ出た。
 蒼井ははー、はーと息を整えながらも、ガクッガクッと脚を痙攣させている。

 団員がカメラを切った。
 後処理しておけよ、といつも通り団長が俺に指示をして、そそくさと部屋を出た。
 ぱらぱらと団員たちが部屋を出る。

 早く出ていけよ、早く。
 俺はイライラして貧乏ゆすりをする。
 団員が全員、部屋を去った瞬間、俺はガバッと蒼井に覆いかぶさった。
 
「はぁっ、は…みな、せく……んっ?」

 蒼井の頭に被せられた紙袋を外すことも忘れて、俺が腰を進めると、ずぶぶぶぶ、といとも簡単に肉の塊が蒼井の穴に飲み込まれた。

「うあぁあ”っ!ま、待て、水無瀬くんっ……。」

 甘い悲鳴を漏らしながら、体を震わせる、どうしよう。
 愛おしくて仕方がない、獣になってしまったみたいに、俺の体が止められない。
 ずぱん、ずぱん、と激しい音を立てて腰を打ち付ける。
 迫り上がる射精感。
 腰をぐいっと押し込んで、最奥までねじ込むと、俺は情けなく、吐精した。
 内壁がびくびくと痙攣。
 大きく体が跳ねる。
 蒼井もイったようだったが、その陰茎から精液は出ていなかった。

 俺は蒼井を後ろから抱きしめたまま、絞り出すように叫んだ。

「なんで孕まねえんだよ、あんた。なんでαなんだよ。なんで俺は、βなんだよ……」

 涙が出るのをこらえて、俺は乱暴に、蒼井のうなじに歯を立てた。
 血が出るほど、そこを噛んで、赤く痛々しく、皮膚が抉れた噛み跡が刻まれた。
 それは、痛みしか生まない。
 快楽も、幸福も、何も生まない。
 ただの真似事の行為。

 紙袋で隠れた、蒼井の表情は怒っているのか、悲しんでいるのか、それすらもわからない。
 顔を見るのが怖くて、紙袋が外せない。

「……水無瀬くん。顔を見て、話をさせてくれ」

 こもる声で、蒼井は呟いた。
 俺は震える指で紙袋をとった。
 汗ばんだ蒼井の髪を優しく掴んで、その体を無理やり裏返す。

 蒼井は、泣きながら笑ってた。

 拘束された体を必死に起こそうとするので、俺はその背中を支える。
 背中を支えた俺の指には、うなじから溢れた血が触れた。
 自身の額を俺の額にくっつける。
 ぐりぐりと優しく頭を押し付ける。
 撫でられているような気持ちになって、俺はやけにくすぐったかった。

「君がいるから、俺は耐えられるんだよ」

 苦しくて、苦しくて、仕方がなかった。
 溢れ出す想いが、心臓を破裂させ、皮膚を裂いて、身体中から垂れ流してしまいそうだった。
 後悔ばかりが襲ってくる。
 俺がこんな組織にいたから、こいつは巻き込まれた。
 俺がもっと強ければ、こいつを助けられた。

 ……社会階級制度なんかなければ、こいつは傷つかずに済んだのに。
 「運命の番」なんてなければ、俺なんかに、出会うこともなかったのに。

 二人揃って、ずっと泣いていた。
 泣き止むまで、震える体をずっと抱きしめ続けていた。
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