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前編
8 ※R18
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俺は、蒼井の体をうつ伏せにして、覆いかぶさる。
むき出しにされた下半身に手を伸ばし、その晒された後穴に人差し指を突っ込んだ。
その行為に団長は異議を申し立てた。
「おい、慣らす必要なんてないだろ」
「ローションもないんだから、ちょっとは慣らさなきゃ入んねえでしょ」
右手は先ほど、俺自身の唾液で濡らしておいた。
団員たちは気がついていない。
内壁は激しく蠕動しきつかったが、ないよりはマシだろう。
俺は雑に動かすふりをして、早急になるべく中をほぐしていく。
あまり長い時間をかければ、怪しまれる。
「ぅ”……ぐっ……」
蒼井は、不快感と圧迫感で呻き声を上げていた。
じっとりと脂汗が滲んでいるのが触れた肌から伝わってくる。
周りからは、よくやるよ、だの、ケツに指突っ込んでるぜ、だの、下品なざわめきが聞こえてくる。
なおも団長はイライラした様子で急かしてくる。
「早くしろ」
限界か。
まだ慣らしきれてはいないが、そのまま突っ込むよりは幾分マシだろう。
俺はズボンから自身のものを露わにし、緩く扱き上げた後、素早い手つきでゴムをつける。
そして、先ほどまで指を突っ込んでいたそこにあてがった。
「ひっ」
悲鳴を上げる蒼井に覆い被さり、背後からその耳元に口を寄せて、紙袋越しに聞こえるか聞こえないかの小さな声で囁いた。
「痛がれ」
「…ぇ」
困惑する蒼井を気にもせず、俺は腰をグググっと進めた。
「う”ぁあ”っ、あ”っ。」
腹の中が激しく痙攣する。
ぎゅうぎゅうに締め付けてくる内壁を剥がし、こじ開けるように、侵入。
快感などほとんどない。
きつく締め上げられ、痛みすら感じる。
蒼井だって、同じだろう。
何やっているんだ、俺は。
助けようとして、傷つけてたら世話ねえな。
俺みたいな汚い手で触れることだって、本当は許されないのに。
蒼井は大げさに悲鳴をあげていた。
本当に痛いのか、痛がるふりをしているのか。
わからない。
撤収準備をして、気だるい足取りで団員たちが部屋を出た後、俺は死にたくなった。
しかし、死にたくなっている場合ではない。
「後処理」をしなければ。
「大丈夫か、切れては……ないな」
前戯とも呼べない拙い前戯だったが、幸い後穴を大きく傷つけずには済んだらしい。
俺はホッとした。
はー、はー、と胸を大きく上下させ、呼吸を整える蒼井の頭から、紙袋を外した。
その顔は、真っ赤に紅潮し、瞳は潤んでいた。
俺の心臓がドクン、と高鳴った。
「……俺は君に一目惚れしているんだ……忘れてないよな……」
「だから、運命の番は、勘違いだって!」
「そうじゃない、そうじゃないんだ」
わからない。
この男は、別に俺に惚れているわけではないだろう。
馬鹿なことに洗剤の匂いを、フェロモンと勘違いしてついてきただけで、俺は運命の番なんかじゃない。
「あー、俺は男だし、αだから『こちら側』を想像したことはなかったが……君の優しい手で触れられるのは嫌じゃなかった」
なんで。
許さないって言えよ。
殺してやるって言えばいいのに。
「確かに痛かったし……性的快感は得られなかった。だけど、君が俺の中にいるって、考えただけで……おかしくなりそうだった」
熱っぽい吐息を混じらせながら、そう言って照れ臭そうに笑った。
俺は、そのまま、蒼井の体を抱きしめてしまっていた。
蒼井の顔は見えながったが、さぞ面食らった顔をしていたに違いない。
「……君もう俺のこと好きだろ」
「自惚れてんじゃねえ」
強がっているのはわかっていた。
きっともう、俺は蒼井のことが大事になってしまっているんだ。
それは、俺の終わりを示していた。
こいつを外に出したら、俺は粛清される。
こいつが通報したら、俺は捕まる。
こいつが死んだら、俺は、耐えられない。
どう転んでも破滅しかない行く先に、俺は絶望した。
それでも、蒼井を大事だと、好きだという気持ちを抑えることがどうしてもできないのだ。
俺は蒼井を抱きしめたまま、震えて泣いた。
これからどうなるのか、どうしたらいいのか、怖くて仕方がなかった。
蒼井は俺の腕の中で、一回深呼吸をして、言い聞かせるように優しい口調で言った。
「大丈夫。……君は俺が守るから」
縛られ、乱暴され、ボロボロになった蒼井がそう呟いた。
違う、守るのは俺の方だ。
俺みたいな空っぽな人間、どうなったっていいんだ。
守るべきは、生きるべきは、蒼井の方だ。
俺は、口に手を突っ込んで、たっぷりと唾液をつけた。
足を広げて床に座り込んで、縛られた蒼井の体を抱えて、対面の姿勢に座らせる。
そのまま、蒼井の後穴に指を突っ込んだ。
「うわっ!ちょっ、何をして…!」
「この後も、何度か『これ』がある。毎回俺が相手をできるかもわからない。……ここ、広げとけば、痛い思いせずに済むだろ」
「ちょっ、みなせ、くんっ…!」
これでもかというほど優しく、薄いガラスに触れるみたいに、ぐちゅぐちゅと水音のするそこを念入りに広げていく。
縛られていて、しがみつけない蒼井に変わって、俺が蒼井の体を強く抱きしめる。
「うぁ、あ、水無瀬っ……く……」
「……イっていいよ」
俺も頬が紅潮しているのを感じていた。
俺の腕の中で体をわずかによじらせて、快感に悶える蒼井を見ていると、俺も興奮を抑えられなくなってくる。
あぁっは……、と小さな悲鳴を漏らして、蒼井は全身をぶるっと震わせた。
蒼井が吐精した体液を、素早く持っていたティッシュで拭い取り、その痕跡を残さないようにする。
事務的に片付けを始める俺を、蒼井は倒れたまま、ぼーっとした目で見つめ続けていた。
「……いつか、君と、ちゃんと繋がりたいなあ」
蒼井は呟く。
いつか?
いつかなんていつ来るんだ。
むき出しにされた下半身に手を伸ばし、その晒された後穴に人差し指を突っ込んだ。
その行為に団長は異議を申し立てた。
「おい、慣らす必要なんてないだろ」
「ローションもないんだから、ちょっとは慣らさなきゃ入んねえでしょ」
右手は先ほど、俺自身の唾液で濡らしておいた。
団員たちは気がついていない。
内壁は激しく蠕動しきつかったが、ないよりはマシだろう。
俺は雑に動かすふりをして、早急になるべく中をほぐしていく。
あまり長い時間をかければ、怪しまれる。
「ぅ”……ぐっ……」
蒼井は、不快感と圧迫感で呻き声を上げていた。
じっとりと脂汗が滲んでいるのが触れた肌から伝わってくる。
周りからは、よくやるよ、だの、ケツに指突っ込んでるぜ、だの、下品なざわめきが聞こえてくる。
なおも団長はイライラした様子で急かしてくる。
「早くしろ」
限界か。
まだ慣らしきれてはいないが、そのまま突っ込むよりは幾分マシだろう。
俺はズボンから自身のものを露わにし、緩く扱き上げた後、素早い手つきでゴムをつける。
そして、先ほどまで指を突っ込んでいたそこにあてがった。
「ひっ」
悲鳴を上げる蒼井に覆い被さり、背後からその耳元に口を寄せて、紙袋越しに聞こえるか聞こえないかの小さな声で囁いた。
「痛がれ」
「…ぇ」
困惑する蒼井を気にもせず、俺は腰をグググっと進めた。
「う”ぁあ”っ、あ”っ。」
腹の中が激しく痙攣する。
ぎゅうぎゅうに締め付けてくる内壁を剥がし、こじ開けるように、侵入。
快感などほとんどない。
きつく締め上げられ、痛みすら感じる。
蒼井だって、同じだろう。
何やっているんだ、俺は。
助けようとして、傷つけてたら世話ねえな。
俺みたいな汚い手で触れることだって、本当は許されないのに。
蒼井は大げさに悲鳴をあげていた。
本当に痛いのか、痛がるふりをしているのか。
わからない。
撤収準備をして、気だるい足取りで団員たちが部屋を出た後、俺は死にたくなった。
しかし、死にたくなっている場合ではない。
「後処理」をしなければ。
「大丈夫か、切れては……ないな」
前戯とも呼べない拙い前戯だったが、幸い後穴を大きく傷つけずには済んだらしい。
俺はホッとした。
はー、はー、と胸を大きく上下させ、呼吸を整える蒼井の頭から、紙袋を外した。
その顔は、真っ赤に紅潮し、瞳は潤んでいた。
俺の心臓がドクン、と高鳴った。
「……俺は君に一目惚れしているんだ……忘れてないよな……」
「だから、運命の番は、勘違いだって!」
「そうじゃない、そうじゃないんだ」
わからない。
この男は、別に俺に惚れているわけではないだろう。
馬鹿なことに洗剤の匂いを、フェロモンと勘違いしてついてきただけで、俺は運命の番なんかじゃない。
「あー、俺は男だし、αだから『こちら側』を想像したことはなかったが……君の優しい手で触れられるのは嫌じゃなかった」
なんで。
許さないって言えよ。
殺してやるって言えばいいのに。
「確かに痛かったし……性的快感は得られなかった。だけど、君が俺の中にいるって、考えただけで……おかしくなりそうだった」
熱っぽい吐息を混じらせながら、そう言って照れ臭そうに笑った。
俺は、そのまま、蒼井の体を抱きしめてしまっていた。
蒼井の顔は見えながったが、さぞ面食らった顔をしていたに違いない。
「……君もう俺のこと好きだろ」
「自惚れてんじゃねえ」
強がっているのはわかっていた。
きっともう、俺は蒼井のことが大事になってしまっているんだ。
それは、俺の終わりを示していた。
こいつを外に出したら、俺は粛清される。
こいつが通報したら、俺は捕まる。
こいつが死んだら、俺は、耐えられない。
どう転んでも破滅しかない行く先に、俺は絶望した。
それでも、蒼井を大事だと、好きだという気持ちを抑えることがどうしてもできないのだ。
俺は蒼井を抱きしめたまま、震えて泣いた。
これからどうなるのか、どうしたらいいのか、怖くて仕方がなかった。
蒼井は俺の腕の中で、一回深呼吸をして、言い聞かせるように優しい口調で言った。
「大丈夫。……君は俺が守るから」
縛られ、乱暴され、ボロボロになった蒼井がそう呟いた。
違う、守るのは俺の方だ。
俺みたいな空っぽな人間、どうなったっていいんだ。
守るべきは、生きるべきは、蒼井の方だ。
俺は、口に手を突っ込んで、たっぷりと唾液をつけた。
足を広げて床に座り込んで、縛られた蒼井の体を抱えて、対面の姿勢に座らせる。
そのまま、蒼井の後穴に指を突っ込んだ。
「うわっ!ちょっ、何をして…!」
「この後も、何度か『これ』がある。毎回俺が相手をできるかもわからない。……ここ、広げとけば、痛い思いせずに済むだろ」
「ちょっ、みなせ、くんっ…!」
これでもかというほど優しく、薄いガラスに触れるみたいに、ぐちゅぐちゅと水音のするそこを念入りに広げていく。
縛られていて、しがみつけない蒼井に変わって、俺が蒼井の体を強く抱きしめる。
「うぁ、あ、水無瀬っ……く……」
「……イっていいよ」
俺も頬が紅潮しているのを感じていた。
俺の腕の中で体をわずかによじらせて、快感に悶える蒼井を見ていると、俺も興奮を抑えられなくなってくる。
あぁっは……、と小さな悲鳴を漏らして、蒼井は全身をぶるっと震わせた。
蒼井が吐精した体液を、素早く持っていたティッシュで拭い取り、その痕跡を残さないようにする。
事務的に片付けを始める俺を、蒼井は倒れたまま、ぼーっとした目で見つめ続けていた。
「……いつか、君と、ちゃんと繋がりたいなあ」
蒼井は呟く。
いつか?
いつかなんていつ来るんだ。
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