【完結】インテリヤクザと不良牧師はエロ変態どもに屈しない。

とあるインテリヤクザの受難

第４話 とあるインテリヤクザの境遇 ２

「反応薄いなお前は！？喋ってきたんだ。25年ぶりだぞ！！あちらの方から話しかけてくださって。まだ覚えていてくださったんだ。お前の顔も是非見たいって！」

「へーへー、馬谷さんキャラ変わってますよ。」

「明日の正午、ある教会で待ち合わせだ。いいな、必ず来いよ、」

「いや、あの。明日は仕事が。」

「休め！虎居だったか？お前のよくできた部下がいただろう。そいつに任せておけ。」

「もー、馬谷さん。」

「迎えにいくからな。」

「わかりましたよ。何で教会なんですか？」

「わからんが由実さんがそこがいいらしい。」

それだけ言うや否や、スキップでもしそうな勢いで事務所を出ていった。

「たく、なんなんだあの人は。」

同じ場所で仕事をしていた会員の一人が喋りかけてくる。

「いいじゃねーですか頭。あのー、アットハウス？みたいな感じで！」

「アットホームな。」

「意味一緒じゃないすか。」

「こいつの言う通りですよ、竜崎さん。」

「あっ、虎居さん。」

「どっかの家庭教師みたいに呼ぶんじゃねぇ。」

「ラスト20日からでも逆転できますか！？」

「無理だ。」

虎居にドゴォとぶん殴られどっかにふっ飛ぶ会員。

「あの、俺も、竜崎さんの母親とか……見てみたいし…。」

「連れていかないぞ。」

「えぇ！？」

虎居がガーンとした顔をする。

自分自信も25年ぶりでどのような反応をしたらいいかわからないのに、全く関係のない虎居が一緒にいては尚更どうしたらいいかわからなくなる。

結局明日は竜崎と馬谷、二人で教会を訪れることとなった。

そして次の日教会についたのは正午五分過ぎごろ。馬谷の運転する車から降り、生まれてはじめて教会というものに足を踏み入れた。


こじんまりしているが中は歴史ある美しい教会といった感じだった。そこにいたのは黙々と本を読む牧師一人だった。物音に気づいて牧師が振り向く。

背の高い牧師だった。なかなか奇抜な見た目をしている。年は竜崎と同じくらいか、下かもしれない。明らかな嫌悪感を顔に浮かべ近づいてきた。