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始まりの夜②
無垢な令嬢は月の輝く夜に甘く乱される~駆け落ちから始まった結婚の結末は私にもわかりませんでした。
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あの逞しい腕に抱きしめられたなら。
サヨンの中をまたしても忌々しい妄想がよぎった。
「お嬢さまが泣いているのは、あの男のせいでしょう」
はきと口には出さずとも、〝あの男〟が誰を指すのかは判っている。
サヨンは、苦労して困惑顔を作った。
「あなたの言うことは意味の判らない言葉ばかり。今日はおかしいわよ、トンジュ」
トンジュが形の良い眉を寄せた。
「おかしいのは、お嬢さまの方ですよ。どうして、泣くほど辛いのに、我慢しようとするんですか? 今のお嬢さまが俺にどんな風に見えるか、お嬢さまはご自分でお判りですか?」
サヨンは息をのんだ。
「あなたが泣いているのは、李家のあのうすのろ息子のせいだ。あのろくでなしに嫁がされるのが厭で、お嬢さまは、まるで今にも海神への捧げ物として海に投げ入れられる娘のように泣いているんです」
トンジュのいつにない烈しい物言いに、サヨンは気圧された。
「無礼な言葉は、幾ら、あなたでも許さないことよ。李トクパルさまは、私の婚約者、未来の良人となる方です」
サヨンが辛うじて平静を装って言い返すのに、トンジュの声が覆い被さった。
「まだ正式に婚約したわけではありません」
サヨンは茫然とトンジュを見返した。
「本心から、そう思われているのですか?」
静かな声音が逆にトンジュの切迫感を強調していた。
「もし、お嬢さまが心から李家の息子との結婚を歓んでいらっしゃるなら、こんな夜更けに奥庭で泣いていたりしませんよ」
〝お嬢さま〟と、もう一度、トンジュが呼んだ。何故か、そのひと言はサヨンの心の奥深くに沈み込み、大きな波紋を巻き起こした。
これまで堪(こら)えに堪えていた感情がそのひと言によって一挙に溢れ、迸った。
「判ってる! いちいちトンジュに言われなくても、私はトクパルさまに嫁ぐのはいや。あの方に嫁ぐのなら、今、あなたが言ったように龍神への生け贄になった方が数倍もマシだと思っているわ」
一度溢れ出した涙は堰を切ったように止まらない。
「厭なら、逃げ出せば良い」
トンジュが事もなげに言い切った。
サヨンには、その落ち着き払った様子がかえって腹立たしかった。
「馬鹿なことを言わないで。私が婚約を控えた身で逃げ出したりしたら、後はどうなるの? お父さまは、このコ商団は?」
そう、逃げ出すことなら、サヨンだって幾度だって考え、夢想した。けれど、夢物語ならばともかく、現実の話として考えた時、自分一人が逃げ出すなど、ありえない―あってはならない話であった。
自分の身勝手なふるまいのために、父を窮地に陥れることはできない。
「そんなに嫌いな男なら、逃げ出せば良いんです」
次の瞬間、敦周(トンジユ)が放ったひと言は、サヨンを更に震撼とさせた。
「な、何ですって?」
「このまま刻が経てば、明日はやってきます。そうなれば、お嬢さまは好むと好まざるに拘わらず、李氏の若さまと婚約させられてしまうでしょう。お嬢さまは、それでも良いのですか?」
淡々とした物言いが逆に迫りくる現実を否応なく突きつけてくる。
明日はまだ良い。とりあえず結納を取り交わすだけなのだから。だが、それから先は、どうなる?
婚礼の日取りこそ決まってはいないけれど、李スンチョンも父ヨンセもこの結婚にはもの凄く乗り気なのだ。結納が済めば、そう間を置かずして祝言の話が出るのは当然だし、日取りが決まってしまえば、最早、逃れるすべはない。
サヨンが唇を噛んでうつむく姿を、トンジュは無表情に見つめている。
重たすぎる沈黙が二人の間を漂った。
「やっぱり、そんなことはできない」
サヨンは自らの切なる願いを振り払うかのように首を振る。
「先刻も言ったように、これは私一人だけの問題ではないわ。それに、たとえ屋敷を出たって、到底うまく逃げおおせるとは思えないもの」
サヨンはきっぱりと告げた。
そんなサヨンをトンジュはしばらくじいっと見つめた。
その瞳は漆黒の闇を集めたように深く、果てがないように見える。ひとかけらの感情をも宿していないようでありながら、逆に、しきりに何かを訴えかけてくるかのようでもある。
―あの、瞳。まるで、今、頭上にひろがる幾千、幾億の星を浮かべた夜空のようだ。
その黒瞳に吸い込まれそうな錯覚に囚われ、サヨンは慌てて視線を逸らした。
トンジュがゆっくりと視線を動かす。
その視線の先を辿っても、ただ無限の闇が続いているだけだ。彼は自分自身の口から洩れ出る白い吐息が夜陰に溶けてゆくのを見るとはなしに見つめていた。
サヨンはトンジュの端正な顔を固唾を呑んで見守る。
やがて、トンジュがゆっくりと向き直った。
「やってみなければ判りません」
「あなたは所詮、他人事(ひとごと)だから、その場限りの気休めが言えるんだわ」
サヨンは力なく首を振った。
「婚約を嫌って家出をした娘なんて、見つかって捕まってしまえば、それでおしまい。後は家の恥さらしとして生きながら世間的にも抹殺されるでしょう。私は一生、この家の厄介者よ。その危険を冒してまでは到底、できるはずがない」
「いや、俺の話を最後まで聞いてくれませんか?」
トンジュが淡く笑んでいる。その笑顔には、どこか余裕さえ感じられて。
サヨンは躊躇いがちに問うた。
「俺がいつ、お嬢さま一人を行かせると言いました?」
「え、それはいったい、どういう―」
サヨンに皆まで言わせず、トンジュは笑みを更に深くした。
「心配しないで下さい。俺がちゃんと一緒に行きますから」
サヨンの大きな瞳が見開かれた。
「トンジュ、あなたは自分が何を言っているか判っているの? あなた、きっと、今夜はどうかしているんだわ」
トンジュは幾度も頷いた。
「正気も正気です、ちゃんと判っていますよ」
長い沈黙の後、サヨンは小鳥のような瞳をくるっと向けて、トンジュを見た。
その時、ほんの一瞬、トンジュがいたたまれないように眼を逸らした。しかし、サヨンは、ほんのひと刹那の男の変化を迂闊にも見逃してしまった。
サヨンは今年、十九歳になった。十八のトンジュよりは一歳年長だが、可憐で愛くるしい顔立ちのせいか、それとも小柄なせいか、大抵、十六、七歳くらいにしか見られなかった。
凄腕の商人を父に持つだけあり、芯の強い、しっかり者の娘だが、所詮は大切に乳母日傘で育てられたお嬢さまだ。他人の善意を疑うということを知らない。
サヨンはえくぼを浮かべてトンジュを見上げる。無防備な様がよりいっそう彼女を幼く見せていた。
月の光を宿して輝くその瞳に、トンジュはいつしか惚(ほう)けたように見蕩(みと)れている。
「そんな無謀な真似をさせられるはずがないでしょ? 私の結婚にあなたは何も関係ないんだもの。もし、二人で一緒に捕まったりしたら、皆に何と言われることか知れたものではない。最悪の場合、あなたが私を連れて屋敷を出た―つまり、私たちが駆け落ちをしたことになってしまう。そうなれば、あなたのの将来も心配だわ。私は世間的に抹殺されるだけで済むでしょうけれど、あなたは」
そこで言い淀み、サヨンは気遣わしげにトンジュを見た。
「―生命の危機に晒される」
家僕が仕える主筋の娘を連れて人知れず屋敷を出るのだ、しかも、その娘は婚約を間近に控えた身であるとすれば、娘を連れて逃げた家僕が重罪であるのは間違いない。
ひと度捕まれば、到底、ただでは済まない。恐らくは鞭で打たれるなどの烈しい処罰を受けるだろう。父がトンジュを役所に差し出せば、良民の娘を誑かしたとして処刑されるのは確実だ。
サヨンが不安げに見つめるのに、トンジュは眼を細めて微笑む。
だが、サヨンは微笑み返さなかった。
「笑っている場合ではないわ」
ふいに、トンジュが表情を引き締めた。
「とにかく今は逃げることが大切です」
先刻までの余裕の笑顔とは打って変わった真剣そのものの顔で言った。
「一生、ここに戻れないわけじゃありません。ほとぼりが冷めた頃、戻ってくれば良いのです。旦那さまにとって、お嬢さまは一人娘です。眼に入れても痛くないほど可愛がっていらっしゃる。きっと、何事もなかったかのように迎えて下さるのでは? そのときのためにも、不在は上手くごまかしてくれるはずですよ」
サヨンの中をまたしても忌々しい妄想がよぎった。
「お嬢さまが泣いているのは、あの男のせいでしょう」
はきと口には出さずとも、〝あの男〟が誰を指すのかは判っている。
サヨンは、苦労して困惑顔を作った。
「あなたの言うことは意味の判らない言葉ばかり。今日はおかしいわよ、トンジュ」
トンジュが形の良い眉を寄せた。
「おかしいのは、お嬢さまの方ですよ。どうして、泣くほど辛いのに、我慢しようとするんですか? 今のお嬢さまが俺にどんな風に見えるか、お嬢さまはご自分でお判りですか?」
サヨンは息をのんだ。
「あなたが泣いているのは、李家のあのうすのろ息子のせいだ。あのろくでなしに嫁がされるのが厭で、お嬢さまは、まるで今にも海神への捧げ物として海に投げ入れられる娘のように泣いているんです」
トンジュのいつにない烈しい物言いに、サヨンは気圧された。
「無礼な言葉は、幾ら、あなたでも許さないことよ。李トクパルさまは、私の婚約者、未来の良人となる方です」
サヨンが辛うじて平静を装って言い返すのに、トンジュの声が覆い被さった。
「まだ正式に婚約したわけではありません」
サヨンは茫然とトンジュを見返した。
「本心から、そう思われているのですか?」
静かな声音が逆にトンジュの切迫感を強調していた。
「もし、お嬢さまが心から李家の息子との結婚を歓んでいらっしゃるなら、こんな夜更けに奥庭で泣いていたりしませんよ」
〝お嬢さま〟と、もう一度、トンジュが呼んだ。何故か、そのひと言はサヨンの心の奥深くに沈み込み、大きな波紋を巻き起こした。
これまで堪(こら)えに堪えていた感情がそのひと言によって一挙に溢れ、迸った。
「判ってる! いちいちトンジュに言われなくても、私はトクパルさまに嫁ぐのはいや。あの方に嫁ぐのなら、今、あなたが言ったように龍神への生け贄になった方が数倍もマシだと思っているわ」
一度溢れ出した涙は堰を切ったように止まらない。
「厭なら、逃げ出せば良い」
トンジュが事もなげに言い切った。
サヨンには、その落ち着き払った様子がかえって腹立たしかった。
「馬鹿なことを言わないで。私が婚約を控えた身で逃げ出したりしたら、後はどうなるの? お父さまは、このコ商団は?」
そう、逃げ出すことなら、サヨンだって幾度だって考え、夢想した。けれど、夢物語ならばともかく、現実の話として考えた時、自分一人が逃げ出すなど、ありえない―あってはならない話であった。
自分の身勝手なふるまいのために、父を窮地に陥れることはできない。
「そんなに嫌いな男なら、逃げ出せば良いんです」
次の瞬間、敦周(トンジユ)が放ったひと言は、サヨンを更に震撼とさせた。
「な、何ですって?」
「このまま刻が経てば、明日はやってきます。そうなれば、お嬢さまは好むと好まざるに拘わらず、李氏の若さまと婚約させられてしまうでしょう。お嬢さまは、それでも良いのですか?」
淡々とした物言いが逆に迫りくる現実を否応なく突きつけてくる。
明日はまだ良い。とりあえず結納を取り交わすだけなのだから。だが、それから先は、どうなる?
婚礼の日取りこそ決まってはいないけれど、李スンチョンも父ヨンセもこの結婚にはもの凄く乗り気なのだ。結納が済めば、そう間を置かずして祝言の話が出るのは当然だし、日取りが決まってしまえば、最早、逃れるすべはない。
サヨンが唇を噛んでうつむく姿を、トンジュは無表情に見つめている。
重たすぎる沈黙が二人の間を漂った。
「やっぱり、そんなことはできない」
サヨンは自らの切なる願いを振り払うかのように首を振る。
「先刻も言ったように、これは私一人だけの問題ではないわ。それに、たとえ屋敷を出たって、到底うまく逃げおおせるとは思えないもの」
サヨンはきっぱりと告げた。
そんなサヨンをトンジュはしばらくじいっと見つめた。
その瞳は漆黒の闇を集めたように深く、果てがないように見える。ひとかけらの感情をも宿していないようでありながら、逆に、しきりに何かを訴えかけてくるかのようでもある。
―あの、瞳。まるで、今、頭上にひろがる幾千、幾億の星を浮かべた夜空のようだ。
その黒瞳に吸い込まれそうな錯覚に囚われ、サヨンは慌てて視線を逸らした。
トンジュがゆっくりと視線を動かす。
その視線の先を辿っても、ただ無限の闇が続いているだけだ。彼は自分自身の口から洩れ出る白い吐息が夜陰に溶けてゆくのを見るとはなしに見つめていた。
サヨンはトンジュの端正な顔を固唾を呑んで見守る。
やがて、トンジュがゆっくりと向き直った。
「やってみなければ判りません」
「あなたは所詮、他人事(ひとごと)だから、その場限りの気休めが言えるんだわ」
サヨンは力なく首を振った。
「婚約を嫌って家出をした娘なんて、見つかって捕まってしまえば、それでおしまい。後は家の恥さらしとして生きながら世間的にも抹殺されるでしょう。私は一生、この家の厄介者よ。その危険を冒してまでは到底、できるはずがない」
「いや、俺の話を最後まで聞いてくれませんか?」
トンジュが淡く笑んでいる。その笑顔には、どこか余裕さえ感じられて。
サヨンは躊躇いがちに問うた。
「俺がいつ、お嬢さま一人を行かせると言いました?」
「え、それはいったい、どういう―」
サヨンに皆まで言わせず、トンジュは笑みを更に深くした。
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サヨンの大きな瞳が見開かれた。
「トンジュ、あなたは自分が何を言っているか判っているの? あなた、きっと、今夜はどうかしているんだわ」
トンジュは幾度も頷いた。
「正気も正気です、ちゃんと判っていますよ」
長い沈黙の後、サヨンは小鳥のような瞳をくるっと向けて、トンジュを見た。
その時、ほんの一瞬、トンジュがいたたまれないように眼を逸らした。しかし、サヨンは、ほんのひと刹那の男の変化を迂闊にも見逃してしまった。
サヨンは今年、十九歳になった。十八のトンジュよりは一歳年長だが、可憐で愛くるしい顔立ちのせいか、それとも小柄なせいか、大抵、十六、七歳くらいにしか見られなかった。
凄腕の商人を父に持つだけあり、芯の強い、しっかり者の娘だが、所詮は大切に乳母日傘で育てられたお嬢さまだ。他人の善意を疑うということを知らない。
サヨンはえくぼを浮かべてトンジュを見上げる。無防備な様がよりいっそう彼女を幼く見せていた。
月の光を宿して輝くその瞳に、トンジュはいつしか惚(ほう)けたように見蕩(みと)れている。
「そんな無謀な真似をさせられるはずがないでしょ? 私の結婚にあなたは何も関係ないんだもの。もし、二人で一緒に捕まったりしたら、皆に何と言われることか知れたものではない。最悪の場合、あなたが私を連れて屋敷を出た―つまり、私たちが駆け落ちをしたことになってしまう。そうなれば、あなたのの将来も心配だわ。私は世間的に抹殺されるだけで済むでしょうけれど、あなたは」
そこで言い淀み、サヨンは気遣わしげにトンジュを見た。
「―生命の危機に晒される」
家僕が仕える主筋の娘を連れて人知れず屋敷を出るのだ、しかも、その娘は婚約を間近に控えた身であるとすれば、娘を連れて逃げた家僕が重罪であるのは間違いない。
ひと度捕まれば、到底、ただでは済まない。恐らくは鞭で打たれるなどの烈しい処罰を受けるだろう。父がトンジュを役所に差し出せば、良民の娘を誑かしたとして処刑されるのは確実だ。
サヨンが不安げに見つめるのに、トンジュは眼を細めて微笑む。
だが、サヨンは微笑み返さなかった。
「笑っている場合ではないわ」
ふいに、トンジュが表情を引き締めた。
「とにかく今は逃げることが大切です」
先刻までの余裕の笑顔とは打って変わった真剣そのものの顔で言った。
「一生、ここに戻れないわけじゃありません。ほとぼりが冷めた頃、戻ってくれば良いのです。旦那さまにとって、お嬢さまは一人娘です。眼に入れても痛くないほど可愛がっていらっしゃる。きっと、何事もなかったかのように迎えて下さるのでは? そのときのためにも、不在は上手くごまかしてくれるはずですよ」
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