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幻の村⑦
無垢な令嬢は月の輝く夜に甘く乱される~駆け落ちから始まった結婚の結末は私にもわかりませんでした。
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「一つだけ訊いて良い?」
「何ですか?」
トンジュは早くも食べ終えたようだ。雑炊の入っていた器と木匙を重ねて立ち上がろうとしている。
「トンジュは今日、どこに行くの?」
「俺のことが気になります?」
トンジュがどこか嬉しげに言う。
サヨンは狼狽して、つい声がうわずった。
「な、何を言うのかと思ったら。トンジュは少し自意識過剰なのよ。私はただ、遠くって聞いたから、どこまで行くんだろうと思って」
トンジュが笑った。
「麓の町ですよ。だから、今から出れば夜には戻れます。良い子で留守番していて下さいね」
まるで駄々をこねる妹を宥める兄の口調そのものである。
「山を下りるの?」
サヨンは眼を丸くした。
「はい、そろそろ一度町に出て、纏まった食糧やら衣糧やらを買い足しておかないとなりませんから。まだやっと二月の終わりです。寒さはこれからも長い間、続きますよ」
トンジュが話している間に、サヨンも食べ終えた。慌てて自分の器と木匙を持ち、立ち上がる。
「あ、今朝くらいは私が洗うから、トンジュは出かけるなら、出かけてちょうだい」
「良いですよ。町に行って帰るくらい、別にたいしたことではないんです。俺がやりますから、サヨンさまは休んでいて下さいね」
「大丈夫だってば。器も匙も鍋も割れ物じゃないから、落としたって平気よ」
実のところ、食事の支度だけでなく、後片付けまでトンジュが手際よくこなしてしまうのだ。
「おや、俺がさんざん苦労して作った木彫りの器を二度、真っ二つにしたのは、どこの誰でしたったけ。普通、木なんてものは割れないはずなのに、よほど強く落としたんでしょうね」
悪戯っぽく言われ、サヨンはむうと頬を膨らませた。
「トンジュの意地悪」
フンとそっぽを向くサヨンの頬をトンジュが人差し指でつついた。
「そんなにほっぺたを膨らませていては、元に戻らなくなりますよ。そういえば、サヨンさまの可愛らしい頬がいつもより随分と膨れているような」
真面目に首を傾げて見せるのに、サヨンは蒼白になった。
「ほ、本当? 本当に頬がいつもより膨れている?」
サヨンは蒼くなって自分の両頬を手のひらでさすっている。トンジュの表情が必死に笑いをかみ殺しているのにも気付かない。
とうとう彼が堪えきれず笑い転げ出した時、漸く騙されているのだと悟った。
「酷い。トンジュは本当に本当に意地悪ね。ううん、そんな言葉じゃ足りないわ。そうね、トンジュみたいなのをイケズというのよ」
トンジュの眼が愉快そうにきらめく。
「イケズ?」
「そう、透かしてる癖に、実は物凄ーく性格が悪かったりする人のことをイケズというのよ」
トンジュがわざとらしい溜息をついた。
「仮にもコ商団の大行首コ・ヨンセさまのご息女が使うような言葉ではありませんね。良いですか、良家の令嬢は下品な言葉は使わないものですよ。一体、どこでそんないけない台詞を憶えたのですか?」
半ば本気半ば真剣に滔々と述べる彼を見ていると、どうも自分より一歳年下だとは思えないサヨンである。
サヨンがお嬢さま育ちの世間知らずだからということもあるだろうが、世慣れたトンジュの方がよほど年上のように思えた。
「あら、トンジュが私に教えてくれたじゃない?」
サヨンはうつむき、わざと小さな声で言ってやる。
「え、俺がお嬢さまにそんなことを言いましたか!?」
「ええ、言いましたとも。あなた、自分で言っておきながら、憶えてないの? 都にいるときに、色町の妓房へ上がって、妓生から直接教わったとか何とか。見世の名前は、そうね、確か―」
いつも冷静で落ち着き払っているトンジュらしくもなく、慌てている。サヨンは内心、ほくそ笑んだ。
そっとトンジュの様子を窺ってみる。
と、トンジュが見事に罠に填った。
「翠(チェイ)月(ウォル)楼(ヌ)ですか?」
途端にサヨンはむくれる。
「なに、トンジュはその若さで妓房に行ったことがあるっていうの!? 大体、あなたは屋敷中でも評判の堅物だったはずよ。その真面目なあなたがどうして妓房の名前なんて知ってるのよ」
ムキになって言い募るサヨンに、トンジュがニヤリと笑った。
「ああ、そういうことですね」
「何がそういうことなのよ? 勝手に一人で納得しないで」
「つまり、サヨンさまは妬いてるんだ」
「なっ、何を言うの? 馬鹿なことを言わないでちょうだい。あなたが妓生とどれだけ仲好くしようが、私には関係ないことだわ。失礼しちゃうわね。トンジュが妓房に上がったくらいで、どうして私がいちいち嫉妬しなければ駄目なの」
サヨンは思い切り膨れっ面をして、プイとそっぽを向いた。トンジュをまんまと填めとやろうと目論んだものの、逆に彼に仕返しされる羽目に陥っている。
からかわれているのだとは判らないのだ。
トンジュがサヨンに近寄った―かと思うと、いきなり、ふわりと抱き上げられた。
「ト、トンジュ?」
狼狽え、もがくサヨンを抱きかかえ、トンジュは極上の笑みを刻む。
―この男(ひと)は、何て素敵な笑顔で笑うの―。
刹那、サヨンの胸の鼓動が速くなった。
「サヨンさま、よく聞いて下さい。屋敷内でどういわれていたかは知りませんが、俺は確かに妓房に上がったことは何度かあります。あなたには隠し事をしたくないから正直に言います。でも、俺が恋い慕っているのはサヨンさま、あなただけだ。ましてや、あなたとこうして一緒に暮らすようになったのだから、これからは二度と他の女は抱きません」
あまりにも直截な告白に、サヨンは返す言葉が見つからなかった。
「ね、もう降ろして」
消え入りそうな声で頼むと、サヨンの身体は静かに降ろされた。
「洗い物はやっぱり、私がしておくから。町までは遠いわ。早く出た方が良いと思う」
トンジュの方を見ないで、もぞもぞと口の中で呟く。
「そんなに俺を早く追い出して、一人になりたいですか?」
トンジュが眉をつり上げた。
「―早く行って、早く帰ってきて。家を早く出れば、それだけ早く戻ってこられるでしょう」
トンジュの顔を見ながらは到底口にできない台詞だ。
現金なもので、途端にトンジュの顔がパッと明るくなった。
「俺がいないのが淋しいんですね」
「そんなのじゃないわ」
サヨンはあらぬ方を向いたまま、わざと素っ気なく応えた。
次の瞬間、サヨンはトンジュにきつく抱きしめられていた。
「トンジュ!」
サヨンは取り乱し、懸命に小さな手で男の厚い胸板を押し返そうとする。
トンジュがサヨンの背を撫でた。
「これ以上は何もしませんから、少しだけ、このままでいさせて下さい」
そうまで言われて、抵抗はできない。
実際、ここひと月の間、彼はサヨンの嫌がることは一切しようとしなかったし、不必要に身体に触れたりもしなかった。ひと部屋しかない部屋で眠る夜には、布団はむろん別々に敷いている。
「町で必要なものを仕入れたら、できるだけ早く帰ってきます」
トンジュの声が耳朶をくすぐると、何やら得体の知れない妖しい震えが一瞬、サヨンの身体を駆け抜けていった。
―これは何なのだろう。
馴染みのない感覚にサヨンは戸惑い、怯えた。
慌てて身をよじって逃れようとするサヨンに、トンジュの端正な面がさっと翳った。
しかし、すぐ思い直したらしく、サヨンの髪をいつものように優しい手つきで撫で、ついでに額に唇を落としていった。
「では、行ってきます」
「気をつけてね」
トンジュが出てゆき、家の両開きの扉が閉まった。
サヨンは思わず振り返り、たった今、トンジュが出ていったばかりの扉を見つめた。
知らずトンジュの唇がかすめた額を手で触れてみる。その部分だけが何故か不自然に微熱を帯びているようだ。サヨンはその熱を冷ますかのように、勢いよく首を振った。
急に思い立ち、扉を開けて外に飛び出してみても、既にトンジュの姿はどこにもなかった。
家の外は、ぽっかりと拓けた平地と、その周囲を取り囲む鬱蒼とした森だけだ。
サヨンは気が抜けたように、その場に立ち尽くした。風が吹き、緑の葉が一斉に揺れ、ざわめく。その音がサヨンには、あたかも我が身の心の声のように聞こえた。
自分は一体、これからどうすれば良いのだろう。本当の想いは、どこにあるのだろう。
耳を澄ましても、樹々からの応えは聞こえなかった。
「何ですか?」
トンジュは早くも食べ終えたようだ。雑炊の入っていた器と木匙を重ねて立ち上がろうとしている。
「トンジュは今日、どこに行くの?」
「俺のことが気になります?」
トンジュがどこか嬉しげに言う。
サヨンは狼狽して、つい声がうわずった。
「な、何を言うのかと思ったら。トンジュは少し自意識過剰なのよ。私はただ、遠くって聞いたから、どこまで行くんだろうと思って」
トンジュが笑った。
「麓の町ですよ。だから、今から出れば夜には戻れます。良い子で留守番していて下さいね」
まるで駄々をこねる妹を宥める兄の口調そのものである。
「山を下りるの?」
サヨンは眼を丸くした。
「はい、そろそろ一度町に出て、纏まった食糧やら衣糧やらを買い足しておかないとなりませんから。まだやっと二月の終わりです。寒さはこれからも長い間、続きますよ」
トンジュが話している間に、サヨンも食べ終えた。慌てて自分の器と木匙を持ち、立ち上がる。
「あ、今朝くらいは私が洗うから、トンジュは出かけるなら、出かけてちょうだい」
「良いですよ。町に行って帰るくらい、別にたいしたことではないんです。俺がやりますから、サヨンさまは休んでいて下さいね」
「大丈夫だってば。器も匙も鍋も割れ物じゃないから、落としたって平気よ」
実のところ、食事の支度だけでなく、後片付けまでトンジュが手際よくこなしてしまうのだ。
「おや、俺がさんざん苦労して作った木彫りの器を二度、真っ二つにしたのは、どこの誰でしたったけ。普通、木なんてものは割れないはずなのに、よほど強く落としたんでしょうね」
悪戯っぽく言われ、サヨンはむうと頬を膨らませた。
「トンジュの意地悪」
フンとそっぽを向くサヨンの頬をトンジュが人差し指でつついた。
「そんなにほっぺたを膨らませていては、元に戻らなくなりますよ。そういえば、サヨンさまの可愛らしい頬がいつもより随分と膨れているような」
真面目に首を傾げて見せるのに、サヨンは蒼白になった。
「ほ、本当? 本当に頬がいつもより膨れている?」
サヨンは蒼くなって自分の両頬を手のひらでさすっている。トンジュの表情が必死に笑いをかみ殺しているのにも気付かない。
とうとう彼が堪えきれず笑い転げ出した時、漸く騙されているのだと悟った。
「酷い。トンジュは本当に本当に意地悪ね。ううん、そんな言葉じゃ足りないわ。そうね、トンジュみたいなのをイケズというのよ」
トンジュの眼が愉快そうにきらめく。
「イケズ?」
「そう、透かしてる癖に、実は物凄ーく性格が悪かったりする人のことをイケズというのよ」
トンジュがわざとらしい溜息をついた。
「仮にもコ商団の大行首コ・ヨンセさまのご息女が使うような言葉ではありませんね。良いですか、良家の令嬢は下品な言葉は使わないものですよ。一体、どこでそんないけない台詞を憶えたのですか?」
半ば本気半ば真剣に滔々と述べる彼を見ていると、どうも自分より一歳年下だとは思えないサヨンである。
サヨンがお嬢さま育ちの世間知らずだからということもあるだろうが、世慣れたトンジュの方がよほど年上のように思えた。
「あら、トンジュが私に教えてくれたじゃない?」
サヨンはうつむき、わざと小さな声で言ってやる。
「え、俺がお嬢さまにそんなことを言いましたか!?」
「ええ、言いましたとも。あなた、自分で言っておきながら、憶えてないの? 都にいるときに、色町の妓房へ上がって、妓生から直接教わったとか何とか。見世の名前は、そうね、確か―」
いつも冷静で落ち着き払っているトンジュらしくもなく、慌てている。サヨンは内心、ほくそ笑んだ。
そっとトンジュの様子を窺ってみる。
と、トンジュが見事に罠に填った。
「翠(チェイ)月(ウォル)楼(ヌ)ですか?」
途端にサヨンはむくれる。
「なに、トンジュはその若さで妓房に行ったことがあるっていうの!? 大体、あなたは屋敷中でも評判の堅物だったはずよ。その真面目なあなたがどうして妓房の名前なんて知ってるのよ」
ムキになって言い募るサヨンに、トンジュがニヤリと笑った。
「ああ、そういうことですね」
「何がそういうことなのよ? 勝手に一人で納得しないで」
「つまり、サヨンさまは妬いてるんだ」
「なっ、何を言うの? 馬鹿なことを言わないでちょうだい。あなたが妓生とどれだけ仲好くしようが、私には関係ないことだわ。失礼しちゃうわね。トンジュが妓房に上がったくらいで、どうして私がいちいち嫉妬しなければ駄目なの」
サヨンは思い切り膨れっ面をして、プイとそっぽを向いた。トンジュをまんまと填めとやろうと目論んだものの、逆に彼に仕返しされる羽目に陥っている。
からかわれているのだとは判らないのだ。
トンジュがサヨンに近寄った―かと思うと、いきなり、ふわりと抱き上げられた。
「ト、トンジュ?」
狼狽え、もがくサヨンを抱きかかえ、トンジュは極上の笑みを刻む。
―この男(ひと)は、何て素敵な笑顔で笑うの―。
刹那、サヨンの胸の鼓動が速くなった。
「サヨンさま、よく聞いて下さい。屋敷内でどういわれていたかは知りませんが、俺は確かに妓房に上がったことは何度かあります。あなたには隠し事をしたくないから正直に言います。でも、俺が恋い慕っているのはサヨンさま、あなただけだ。ましてや、あなたとこうして一緒に暮らすようになったのだから、これからは二度と他の女は抱きません」
あまりにも直截な告白に、サヨンは返す言葉が見つからなかった。
「ね、もう降ろして」
消え入りそうな声で頼むと、サヨンの身体は静かに降ろされた。
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「そんなに俺を早く追い出して、一人になりたいですか?」
トンジュが眉をつり上げた。
「―早く行って、早く帰ってきて。家を早く出れば、それだけ早く戻ってこられるでしょう」
トンジュの顔を見ながらは到底口にできない台詞だ。
現金なもので、途端にトンジュの顔がパッと明るくなった。
「俺がいないのが淋しいんですね」
「そんなのじゃないわ」
サヨンはあらぬ方を向いたまま、わざと素っ気なく応えた。
次の瞬間、サヨンはトンジュにきつく抱きしめられていた。
「トンジュ!」
サヨンは取り乱し、懸命に小さな手で男の厚い胸板を押し返そうとする。
トンジュがサヨンの背を撫でた。
「これ以上は何もしませんから、少しだけ、このままでいさせて下さい」
そうまで言われて、抵抗はできない。
実際、ここひと月の間、彼はサヨンの嫌がることは一切しようとしなかったし、不必要に身体に触れたりもしなかった。ひと部屋しかない部屋で眠る夜には、布団はむろん別々に敷いている。
「町で必要なものを仕入れたら、できるだけ早く帰ってきます」
トンジュの声が耳朶をくすぐると、何やら得体の知れない妖しい震えが一瞬、サヨンの身体を駆け抜けていった。
―これは何なのだろう。
馴染みのない感覚にサヨンは戸惑い、怯えた。
慌てて身をよじって逃れようとするサヨンに、トンジュの端正な面がさっと翳った。
しかし、すぐ思い直したらしく、サヨンの髪をいつものように優しい手つきで撫で、ついでに額に唇を落としていった。
「では、行ってきます」
「気をつけてね」
トンジュが出てゆき、家の両開きの扉が閉まった。
サヨンは思わず振り返り、たった今、トンジュが出ていったばかりの扉を見つめた。
知らずトンジュの唇がかすめた額を手で触れてみる。その部分だけが何故か不自然に微熱を帯びているようだ。サヨンはその熱を冷ますかのように、勢いよく首を振った。
急に思い立ち、扉を開けて外に飛び出してみても、既にトンジュの姿はどこにもなかった。
家の外は、ぽっかりと拓けた平地と、その周囲を取り囲む鬱蒼とした森だけだ。
サヨンは気が抜けたように、その場に立ち尽くした。風が吹き、緑の葉が一斉に揺れ、ざわめく。その音がサヨンには、あたかも我が身の心の声のように聞こえた。
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