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秘花㊶
秘花~王太子の秘密と宿命の皇女~
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ジュチの熱を帯びた視線が平らな腹部から引き締まった腰へと這ってゆく。慎ましく閉じられた両脚のあわいまで来た時、視線が止まった。
「少し開いて」
耳許で囁かれ、賢は素直にすんなりとした両脚をわずかに開いた。流石に、これは恥ずかしい。
ジュチはしばらく下腹部を見つめていたかと思うと、静かな声音で言った。
「賢華さまは、やはりもう、完全な女性の身体になっておられるようですね」
ジュチがわずかに開いただけの両脚を更に大きく開かせた。愕いて身を起こそうとする賢をおしとどめ、優しい笑みを見せた。
「私は今ほど自分が宦官となったことを悔やんだことはありませんよ」
すべてをジュチに任せておけば良いと思っていたけれど、自分でも触れたことのない場所に彼が触れたときは厭だと訴えた。
「ジュチ、そこはいや―」
ジュチが笑いを含んだ声音で幼子をあやすように言う。
「大丈夫、怖いことはしません」
「でも」
不安に瞳を揺らす賢の額に宥めるように口付けを落とし、ジュチは行為を続けていった。
「―っ」
初めて蜜壺に指を挿入された違和感で、華奢な身体が跳ねる。指は二本、三本にまで増やされ、賢は狭い隘路がぎちぎちにひろげられる苦痛に涙を流した。
「痛い」
涙混じりの声に、ジュチが不安そうに真上から覗き込んだ。
「そんなに痛い?」
賢は涙の堪った瞳をジュチに向けた。
「痛いよ、ジュチ」
ジュチは溜息をついた。
「完全な女性体になったといっても、まだまだ、男を受け容れるだけの成熟はしていないのでしょう。それでなくても、女性は初めて契るときはかなりの苦痛を伴うものだと言いますし」
ではと、ジュチが屈み込んだ。
賢は涙に曇った眼でぼんやりと天井を眺めていた。祝言の夜、女というのは皆、こんな痛い想いをしなければならないのだろうか。ジュチのことは大好きだけれど、この痛みは正直辛い。
後どれくらい痛い想いに耐えなければならないのだろうか。そう思った矢先、突如として、ぬめりとしたものが蜜壺に入った。
―なに?
愕いて身を起こそうするも、ジュチの手がしっかりと両脚を固定しているため、動かせない。それでも懸命に身を起こして、賢は悲鳴を上げた。
ジュチの黒い頭が自分の両脚の狭間に埋まっている!
「ジュチ、何をしているんだ。そんなところ、汚いから止めて」
だが、今度はジュチを止めることはできなかった。ふいに奥をつつかれ、賢はあまりの衝撃にのけぞった。
「あ? ああっ」
「ここがあなたの感じるところなんですね」
ジュチが嬉しげに言い、何度も同じところを責めたててくる。
「あっ、あっ」
感じやすいところを幾度も舌で擦られ、賢の身体は呆気なく後ろに倒れ込んだ。打ちつけた背の痛みなど問題ではない。
「ジュチ、やだ。そこは止めて」
舌はとどまるところを知らず、更に最奥めがけて侵入する。ついに最奥の最も敏感な内壁を責められた賢は身体を波打たせて喘いだ。
「ぁ、あう―ああっ」
瞼で白い閃光が幾度も弾け飛ぶ。そんなことが何度か続き、意識がスウーと遠のいた。
しばらくは茫然自失で、賢はぼんやりと横たわっていた。身体が熱く、けだるい。まるで自分の身体なのに自分のものではないようだ。
「可愛い声が出ましたね」
ジュチの声もどこかいつもとは違い、欲情に濡れていた。
賢は涙ぐみジュチに訴えた。
「僕はどうしたんだろう?」
ジュチが笑った。男の色香が滴るような、普段、彼を見慣れているはずの賢ですらドキリとするような笑顔だ。
―ジュチは、こんな表情もするんだ。
何か新しい発見をしたようで、少し気持ちが上向きになる。
「安心しました。どうやら私でも賢華さまを悦ばせて差し上げることができるようです」
「悦ぶ?」
きょとんとした賢をジュチは可愛くてならないというように強く抱きしめた。
「少し開いて」
耳許で囁かれ、賢は素直にすんなりとした両脚をわずかに開いた。流石に、これは恥ずかしい。
ジュチはしばらく下腹部を見つめていたかと思うと、静かな声音で言った。
「賢華さまは、やはりもう、完全な女性の身体になっておられるようですね」
ジュチがわずかに開いただけの両脚を更に大きく開かせた。愕いて身を起こそうとする賢をおしとどめ、優しい笑みを見せた。
「私は今ほど自分が宦官となったことを悔やんだことはありませんよ」
すべてをジュチに任せておけば良いと思っていたけれど、自分でも触れたことのない場所に彼が触れたときは厭だと訴えた。
「ジュチ、そこはいや―」
ジュチが笑いを含んだ声音で幼子をあやすように言う。
「大丈夫、怖いことはしません」
「でも」
不安に瞳を揺らす賢の額に宥めるように口付けを落とし、ジュチは行為を続けていった。
「―っ」
初めて蜜壺に指を挿入された違和感で、華奢な身体が跳ねる。指は二本、三本にまで増やされ、賢は狭い隘路がぎちぎちにひろげられる苦痛に涙を流した。
「痛い」
涙混じりの声に、ジュチが不安そうに真上から覗き込んだ。
「そんなに痛い?」
賢は涙の堪った瞳をジュチに向けた。
「痛いよ、ジュチ」
ジュチは溜息をついた。
「完全な女性体になったといっても、まだまだ、男を受け容れるだけの成熟はしていないのでしょう。それでなくても、女性は初めて契るときはかなりの苦痛を伴うものだと言いますし」
ではと、ジュチが屈み込んだ。
賢は涙に曇った眼でぼんやりと天井を眺めていた。祝言の夜、女というのは皆、こんな痛い想いをしなければならないのだろうか。ジュチのことは大好きだけれど、この痛みは正直辛い。
後どれくらい痛い想いに耐えなければならないのだろうか。そう思った矢先、突如として、ぬめりとしたものが蜜壺に入った。
―なに?
愕いて身を起こそうするも、ジュチの手がしっかりと両脚を固定しているため、動かせない。それでも懸命に身を起こして、賢は悲鳴を上げた。
ジュチの黒い頭が自分の両脚の狭間に埋まっている!
「ジュチ、何をしているんだ。そんなところ、汚いから止めて」
だが、今度はジュチを止めることはできなかった。ふいに奥をつつかれ、賢はあまりの衝撃にのけぞった。
「あ? ああっ」
「ここがあなたの感じるところなんですね」
ジュチが嬉しげに言い、何度も同じところを責めたててくる。
「あっ、あっ」
感じやすいところを幾度も舌で擦られ、賢の身体は呆気なく後ろに倒れ込んだ。打ちつけた背の痛みなど問題ではない。
「ジュチ、やだ。そこは止めて」
舌はとどまるところを知らず、更に最奥めがけて侵入する。ついに最奥の最も敏感な内壁を責められた賢は身体を波打たせて喘いだ。
「ぁ、あう―ああっ」
瞼で白い閃光が幾度も弾け飛ぶ。そんなことが何度か続き、意識がスウーと遠のいた。
しばらくは茫然自失で、賢はぼんやりと横たわっていた。身体が熱く、けだるい。まるで自分の身体なのに自分のものではないようだ。
「可愛い声が出ましたね」
ジュチの声もどこかいつもとは違い、欲情に濡れていた。
賢は涙ぐみジュチに訴えた。
「僕はどうしたんだろう?」
ジュチが笑った。男の色香が滴るような、普段、彼を見慣れているはずの賢ですらドキリとするような笑顔だ。
―ジュチは、こんな表情もするんだ。
何か新しい発見をしたようで、少し気持ちが上向きになる。
「安心しました。どうやら私でも賢華さまを悦ばせて差し上げることができるようです」
「悦ぶ?」
きょとんとした賢をジュチは可愛くてならないというように強く抱きしめた。
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