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秘花83
秘花~王太子の秘密と宿命の皇女~
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「大丈夫だ。一度だけであの媚薬の効果は消えない。どれだけの量を飲まされたかにもよるが、数度極めれば楽になるはずだ」
「まだ続けなければ駄目なの?」
絶望が声に出たのだろう、王が笑って賢の乱れ髪を直した。
「そなたも満更ではなかっただろう? 何も考えずに、俺に身を委ねていれば良い」
言葉が終わらない中、再び指が秘所に侵入してきた。そこから先の記憶は曖昧だ。
何度感じやすい媚壁を摺られ、あられもない声を上げたか知れない。少なくとも何度かは絶頂を極めた後、最後に迎えた絶頂はそれはもう凄まじいものだった。
「うぅ、うっ、ああー」
秘所だけではなく、胸も弄られ吸われれば、感じさせられる快楽はそれこそ無限のものとなる。揉まれ吸われ続けた乳房は薄物の上からでもはっきりと紅く染まり、尖った乳首は熟れたすぎた果実のように真っ赤になっている。殊に唾液で濡れた薄物から透けて見える紅い乳首はこの上なく淫らに見えた。
「賢、何て美しいんだ。そなたの乳首の色を見せてやりたいよ。まるでこの寝台の上に撒かれている薔薇の花びらのようだ。もっとも、俺にはそなたの胸の花びらの方が一等美しく見えるが」
いきなり胸に顔を伏せられ貪るように乳首を吸われた。それと連動するように、秘所の奥深くに差し挿れられた数本の指が烈しくうごめく。
「あ? ぁあっ」
あまりの快感に、賢の目尻から涙の粒がころがり落ちた。
「苦し―、もう止めて、許して」
果てのない快楽はまた際限のない苦痛でもある。
「あぁん、あん」
啼かされ過ぎた声は嗄れ果て、既に獣の咆哮のようにしか聞こえない。ひときわ烈しい波が賢を襲った。その大きな波は賢を攫い、どこか見知らぬ場所へ連れてゆく。
そこは初めて見る場所だった。広々とした蒼穹の高みから、賢は地上を見下ろしていた。
堕ちて、ゆく。賢の身体は天から地上へと落下していく。その瞬間、最初に迎えた絶頂で見た光よりも何倍も大きなまばゆい光に包まれた。
あまりの苦悶に、賢は涙を流しながら手を差しのべた。心細さのあまり、誰かに手をしっかりと掴んでいて欲しい。
その願いが通じたのか、逞しい手がしっかりと手を握り返してくれる。わずかな空気を求めて喘げば、それさえも劣情を煽られたかのように、烈しく唇を奪われ、喘ぎ声は濃厚な接吻(キス)にことごとく飲み込まれていった。
薄れゆく意識の底で、何か熱くて大きな棒を握らされたのまでは憶えている。木のようではなく、しっとりとやわらかな愕くほど熱い肉の塊のように思えた。握った賢の手を包み込むように大きな手が重なった。次の瞬間には、熱い飛沫が飛び散るのを手のひらに感じ、賢はそのまま深い眠りの底に堕ちていった。
「いっそのこと、そなたをこのまま本当の妃にできたら、どんなに良いだろう。好きなんだ。頼むから俺を見てくれ」
切なげな声がどこかで聞こえたような気がした。
「まだ続けなければ駄目なの?」
絶望が声に出たのだろう、王が笑って賢の乱れ髪を直した。
「そなたも満更ではなかっただろう? 何も考えずに、俺に身を委ねていれば良い」
言葉が終わらない中、再び指が秘所に侵入してきた。そこから先の記憶は曖昧だ。
何度感じやすい媚壁を摺られ、あられもない声を上げたか知れない。少なくとも何度かは絶頂を極めた後、最後に迎えた絶頂はそれはもう凄まじいものだった。
「うぅ、うっ、ああー」
秘所だけではなく、胸も弄られ吸われれば、感じさせられる快楽はそれこそ無限のものとなる。揉まれ吸われ続けた乳房は薄物の上からでもはっきりと紅く染まり、尖った乳首は熟れたすぎた果実のように真っ赤になっている。殊に唾液で濡れた薄物から透けて見える紅い乳首はこの上なく淫らに見えた。
「賢、何て美しいんだ。そなたの乳首の色を見せてやりたいよ。まるでこの寝台の上に撒かれている薔薇の花びらのようだ。もっとも、俺にはそなたの胸の花びらの方が一等美しく見えるが」
いきなり胸に顔を伏せられ貪るように乳首を吸われた。それと連動するように、秘所の奥深くに差し挿れられた数本の指が烈しくうごめく。
「あ? ぁあっ」
あまりの快感に、賢の目尻から涙の粒がころがり落ちた。
「苦し―、もう止めて、許して」
果てのない快楽はまた際限のない苦痛でもある。
「あぁん、あん」
啼かされ過ぎた声は嗄れ果て、既に獣の咆哮のようにしか聞こえない。ひときわ烈しい波が賢を襲った。その大きな波は賢を攫い、どこか見知らぬ場所へ連れてゆく。
そこは初めて見る場所だった。広々とした蒼穹の高みから、賢は地上を見下ろしていた。
堕ちて、ゆく。賢の身体は天から地上へと落下していく。その瞬間、最初に迎えた絶頂で見た光よりも何倍も大きなまばゆい光に包まれた。
あまりの苦悶に、賢は涙を流しながら手を差しのべた。心細さのあまり、誰かに手をしっかりと掴んでいて欲しい。
その願いが通じたのか、逞しい手がしっかりと手を握り返してくれる。わずかな空気を求めて喘げば、それさえも劣情を煽られたかのように、烈しく唇を奪われ、喘ぎ声は濃厚な接吻(キス)にことごとく飲み込まれていった。
薄れゆく意識の底で、何か熱くて大きな棒を握らされたのまでは憶えている。木のようではなく、しっとりとやわらかな愕くほど熱い肉の塊のように思えた。握った賢の手を包み込むように大きな手が重なった。次の瞬間には、熱い飛沫が飛び散るのを手のひらに感じ、賢はそのまま深い眠りの底に堕ちていった。
「いっそのこと、そなたをこのまま本当の妃にできたら、どんなに良いだろう。好きなんだ。頼むから俺を見てくれ」
切なげな声がどこかで聞こえたような気がした。
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