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人間×人間

天使と悪魔の誓い※(優榴side)

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「すぐる!?どこに手突っ込んでんの!?汚いよッッ」

解そうと指を入れるとそれを制止する声が聞こえた。
慌てて起きあがろうとした細い身体をもう一方の手で抑える。

「痛くない?」

痛くないけど...
と不満そうな顔で返事が返ってきた。

暫くキスをしながら解していると、
なぎさは諦めたのかされるがままになった。

大きくて少し垂れている目がじっとこちらを見ていて、吸い込まれるように何度もキスをしてしまう。

「キスしすぎ」

「ダメだった?」

「ダメじゃないけど...」

困ったように眉を顰めているなぎさ。

2年待ってやっとハグもキスもできるようになったので興奮してしまうのはしょうがない。
大目に見てほしい。

身体の緊張が解けているようだったので指の数を増やしてみた。
ナカはまだキツくて今日中に僕のを受け入れることはできないだろう。

2本の指でナカを堪能しているとぷっくりと腫れている部分に当たった。

前立腺かな

トントン叩くとそのリズムに合わせてなぎさの腰もビクビク震えている。

「可愛いね、ここ気持ちいい?」 

「ん、んんっそこ、やだぁッ」

嫌だという割には瞳が輝いているけれど。

さっきまでは全然声を出していなかったのに今は手で抑えられている口からも漏れる濡れた声。
快感に耐えるように目をギュッと瞑ってよがっている。

「んぁ!!」

一段と大きく喘いで身体が大きく反った。

「上手にイけたね」

ハジメテなのに刺激的すぎたかもしれないと思って後ろ髪を引かれながらもゆっくりと指を抜く。

「嫌だった?」

深呼吸して息を整えているなぎさに問いかけると首を横に振られた。

良かった。

そう安堵したのも束の間、
目の前で呼吸しているなぎさを見ていると、段々なぎさが人間になった実感が湧いて焦りが出てきた。

「ねぇ、なぎさは僕のこと好き?
 一生僕といたいくらい好き?」

「急にどうしたの??」

そんな僕の様子になぎさは驚いたように目を丸くしている。

「優榴のこと好きだよ。
優しいし色んなこと教えてくれるしかっこいいからね!
一生一緒にいられたら嬉しいよ。
喧嘩したら別だけど」

なんてことないようにスラスラ言い切ってくれるなぎさ。

そんなところが僕をいつも救ってくれるんだ。

「じゃあここに名前書いてくれる?」

そうして前に出した紙には既に僕の名前が書いてあった。
断られても絶対書かせると計画していたくせに、いざ断られたら...と思うと紙を持つ手が震えてしまう。

「こんいんとどけ...?」

「お互い好き合ってるでしょ?
 一生なぎさと僕が一緒になる為にはこの書類を書かなきゃいけないんだ」

「僕知ってる。小説で読んだよ!
 人間同士の誓いの時に出てきたやつだ。
 憧れだったから嬉しい...」

ふにゃっと笑ったなぎさの言っている事とこちらの認識はきっと少しズレているだろう。


でも良いんだ。


人間になった天使がいつか世界の広さに魅了されて僕の前からいなくなってしまうのが怖い。


だから快感で頭の回っていない彼を嵌めたような形で鎖を付けるしかなかった。





ごめんね。

でも君を逃してあげられそうにないんだ。





「なぎさ、僕と結婚してください」


「はい、喜んで!」




憧れのシーンだ~!と頬を染めて嬉しそうな君がとても眩しかった。















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