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11. 悪役令嬢と新しい日々
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ティターニアが目覚めると周りには誰もおらず窓からは月明かりが差し込んでいた。
街の中心である時計台の見える角度から察するにホテルではなく王宮のようだ。
どうしてここにいるのかしら・・・
ティターニアは世界が終わると思っていたから無茶が出来たのだ。この先どうなるか考えると恐ろしかった。
私が原因で戦争なんて起こらなければいいのだけれど。
そう思っていると枕元にそっと人が立ったのに気付いた。
「やっと目覚めたのね、娘の娘よ。」
ティターニアが飛び起きるとそこには銀髪の美しい女性が立っていた。
「あなたは・・・勇者さま?」
「その名は嫌いなの。イブと呼んで。」
「イブさま・・・」
「ティターニア、あなた、自分が勇者の孫だと気付いてなかったのね。どうしてあんなおかしな行動を取るのだろう・・・ってずっと思ってたの。でも、この生ではサマエルを助けてくれてありがとう。」
微笑んだイブはとても美しかった。
「あの、私は死ななかったのですか?」
「そうね、あなた助かったわ。」
「じゃあ、世界は助かったのですね?」
「ふふ、世界は元々助かっているわよ。」
「どういうことですか?」
「魔王が求めていたのはもともと勇者だけだもの。でも復活したてで力のコントロールがうまく出来なくて周りを傷つけたり、あなたを殺してしまっただけ。あなたの人生をやり直しさせていたのも魔王よ。」
「え!?そうなんですか?私はてっきり世界が滅亡して神様がチャンスを下さっていたのだと思ってました。」
「そうね、それは貴方が勝手に勘違いしただけよ。」
まぁ、死んじゃってたあなたにはわからなかっただろうけど。
とイブは付け加える。
「あの、アドバイスをくださってたのはイブ様ですか?この結果になるには別に剣も魔法も必要なかったと思うんですけど・・・」
ティターニアがそう言うとイブは少し笑って言った。
「何言ってるの?魔王の好みのタイプは剣と魔法の出来る子なのよ?だから、剣も魔法も頑張ってない人生の時は、ヴォルフガングと出会いもしなかったでしょう?」
「えぇぇ・・・まぁ、そうですね、確かに。じゃああのアドバイスは世界を救うためのアドバイスじゃなくて、恋のアドバイスだったの?」
ティターニアは急に肩の力が抜けた。
「えぇそうよ♪」
「でも、どうして、キスをしたら元のヴォルフガングに戻ったんですか?」
「それは私にもわからないわ。昔からそうだったんだもの。サマエルは普段は真面目なんだけど定期的に暴走するのよね」
「あの、私がキスしなければヴォルフガングはまた暴走しちゃうってことですか?」
「そうね。」
「でも、私、彼と結婚できるかわからなくて・・・」
ティターニアが、しょんぼりとそう言うと
「大丈夫だと思うわよ」
と言って笑った。
「あの、ヴォルフガングはサマエルなんですか?」
「そうとも言えるしそうじゃないとも言えるわね。私があなたであってあなたじゃやいように。」
「イブ様は私なの?」
「そうかもしれないし、そうじゃないかもしれない。」
「あら、あなたの魔力の動きに気付いたようね。」
イブがそう言った時、ドアが開いてヴォルフガングが入ってきた。
「ティターニア、起きたのか?誰と話していた?」
月明かりに照らされたヴォルフガングはまだところどころに魔王だった頃の面影が残っていた、
「ヴォルフガング!・・・イブ様と話しておりました。」
「そうか・・・イブ様と。」
ヴォルフガングは納得したような顔をした。
ヴォルフガングもサマエル様と話をしたのかもしれない。
それよりも気になっていたことを聞いた。
「あの、わたくし、どうしてここにいるのでしょう?」
「ああ、まぁ、色々とあってな。」
「色々と・・・私はこの後どうなるのでしょうか?」
ティターニアがそう言うと、ヴォルフガングはベッドの近くに跪いた。そして、ティターニアの手を取った。、
「ティターニア、俺はあなたのことを愛しています。俺と結婚してくれないでしょうか?」
「・・・はい。もちろん、喜んで。」
そう言ったティターニアはこれまでで一番美しかった。
街の中心である時計台の見える角度から察するにホテルではなく王宮のようだ。
どうしてここにいるのかしら・・・
ティターニアは世界が終わると思っていたから無茶が出来たのだ。この先どうなるか考えると恐ろしかった。
私が原因で戦争なんて起こらなければいいのだけれど。
そう思っていると枕元にそっと人が立ったのに気付いた。
「やっと目覚めたのね、娘の娘よ。」
ティターニアが飛び起きるとそこには銀髪の美しい女性が立っていた。
「あなたは・・・勇者さま?」
「その名は嫌いなの。イブと呼んで。」
「イブさま・・・」
「ティターニア、あなた、自分が勇者の孫だと気付いてなかったのね。どうしてあんなおかしな行動を取るのだろう・・・ってずっと思ってたの。でも、この生ではサマエルを助けてくれてありがとう。」
微笑んだイブはとても美しかった。
「あの、私は死ななかったのですか?」
「そうね、あなた助かったわ。」
「じゃあ、世界は助かったのですね?」
「ふふ、世界は元々助かっているわよ。」
「どういうことですか?」
「魔王が求めていたのはもともと勇者だけだもの。でも復活したてで力のコントロールがうまく出来なくて周りを傷つけたり、あなたを殺してしまっただけ。あなたの人生をやり直しさせていたのも魔王よ。」
「え!?そうなんですか?私はてっきり世界が滅亡して神様がチャンスを下さっていたのだと思ってました。」
「そうね、それは貴方が勝手に勘違いしただけよ。」
まぁ、死んじゃってたあなたにはわからなかっただろうけど。
とイブは付け加える。
「あの、アドバイスをくださってたのはイブ様ですか?この結果になるには別に剣も魔法も必要なかったと思うんですけど・・・」
ティターニアがそう言うとイブは少し笑って言った。
「何言ってるの?魔王の好みのタイプは剣と魔法の出来る子なのよ?だから、剣も魔法も頑張ってない人生の時は、ヴォルフガングと出会いもしなかったでしょう?」
「えぇぇ・・・まぁ、そうですね、確かに。じゃああのアドバイスは世界を救うためのアドバイスじゃなくて、恋のアドバイスだったの?」
ティターニアは急に肩の力が抜けた。
「えぇそうよ♪」
「でも、どうして、キスをしたら元のヴォルフガングに戻ったんですか?」
「それは私にもわからないわ。昔からそうだったんだもの。サマエルは普段は真面目なんだけど定期的に暴走するのよね」
「あの、私がキスしなければヴォルフガングはまた暴走しちゃうってことですか?」
「そうね。」
「でも、私、彼と結婚できるかわからなくて・・・」
ティターニアが、しょんぼりとそう言うと
「大丈夫だと思うわよ」
と言って笑った。
「あの、ヴォルフガングはサマエルなんですか?」
「そうとも言えるしそうじゃないとも言えるわね。私があなたであってあなたじゃやいように。」
「イブ様は私なの?」
「そうかもしれないし、そうじゃないかもしれない。」
「あら、あなたの魔力の動きに気付いたようね。」
イブがそう言った時、ドアが開いてヴォルフガングが入ってきた。
「ティターニア、起きたのか?誰と話していた?」
月明かりに照らされたヴォルフガングはまだところどころに魔王だった頃の面影が残っていた、
「ヴォルフガング!・・・イブ様と話しておりました。」
「そうか・・・イブ様と。」
ヴォルフガングは納得したような顔をした。
ヴォルフガングもサマエル様と話をしたのかもしれない。
それよりも気になっていたことを聞いた。
「あの、わたくし、どうしてここにいるのでしょう?」
「ああ、まぁ、色々とあってな。」
「色々と・・・私はこの後どうなるのでしょうか?」
ティターニアがそう言うと、ヴォルフガングはベッドの近くに跪いた。そして、ティターニアの手を取った。、
「ティターニア、俺はあなたのことを愛しています。俺と結婚してくれないでしょうか?」
「・・・はい。もちろん、喜んで。」
そう言ったティターニアはこれまでで一番美しかった。
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