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私の幸せな生活が終わりを告げたのはサミュエルと結婚して2年半が過ぎた秋の終わりのことだった。
社交シーズンが終わる頃、サミュエルが大陸出張に行った。その際に一人の女性を伴って帰国したのだ。
その女性に向けるサミュエルの優しくも情熱的な視線から私は全てを察した。
それと同時に昔、自分に向けられていたあの視線を受ける女性が出来たことが許せず嫉妬で狂いそうだった。
サミュエルはあろうことか女性を王都の屋敷に住まわせる事にしたのだ。
そして、何よりもショックだったのはサミュエルが未だにサマンサを想っていたという事実だった。
というのもその女性は昔、私がサマンサと呼ばれていた時代と同じような髪の色で、そばかすのある健康的な肌の色のサマンサという名前の女性だった。
サミュエルは私を、サマンサだった頃の私も含めて嫌っているのではなかったか。サミュエルはサマンサをずっと思っていたというのか。それとも昔のサマンサとは別に新たな愛人のサマンサを好きなのか。
こころがぐちゃぐちゃになりそうだった。
私はサマンサが家に来て以来、家の中でサマンサと鉢合わせる事が嫌で一日部屋から出ることもなく過ごし、サミュエルの出迎えもしなくなった。
それでもミスターゲーブルや商会の社員との面会は続いた。乗り掛かっているプロジェクトがあるし、他のことをしていないと気が狂いそうだったからだ。
私はサマンサやサミュエルが心の底から憎くてたまらなかったが、元々サミュエルとは白い結婚という契約での結婚なわけだし、サマンサはそんなサミュエルを好きなだけである。自分が二人に対して悪感情を抱くのは筋違いだということは充分承知していた。
それでもメイド長のマーサやミスターゲーブルががスーザンの気持ちを慮ってサマンサやサミュエルへの恨み言を言ってくれると心が晴れる気がした。
「サミュエル様はスーザン様をなんだと思っていらっしゃるんでしょう?スーザン様はいつもサミュエル様のことを思ってらしたのに。あんな女を屋敷に連れ込んで」
マーサがベッドメイクをしながら悪態をつく。
「でももともとそういう約束での結婚だったのだし、彼に惚れていたのは私の勝手ですから」
そう言いながらも悲しみで手元の刺繍が歪んで見えた。
「わたしにはあんな女より奥様の方がよほど素敵だと思いますけどね。奥様がお優しいからお二人ともつけ上がるんですわ」
「そんなことないわマーサ」
そう言いながらも、もうサミュエルの隣で仲良し夫婦ごっこなどできないと思った。
次の仲良し夫婦ごっこは11月末の感謝祭だ。
感謝祭にはシープシャーの屋敷に夫婦で行き、義父母も含めた家族みんなで過ごす事になっていた。
感謝祭まであと2週間である。
私はサミュエルと2人で話したいと思った。そこで、サミュエルに2人で話したいので一人で部屋を訪ねてくれるようマーサに言付けた。
その日の夜サミュエルはサマンサを伴って部屋を訪ねてきた。
サマンサは部屋に入ると挨拶もなしに開口一番に
「派手な方だと伺ってましたのに案外質素な部屋ですのね」
と言った。嫌味だったのかもしれない。
実際、私の部屋は本棚にたくさんの本と執務机、そして質素なソファがあるだけの機能的な部屋だ。
「ようこそいらっしゃいました。サミュエル様と二人でお話ししたいと言付けたはずですが?それに、この部屋は質素ではなく機能的と言って頂きたいですわ」
するとサミュエルが口を開いた。
「私とサマンサは一心同体なのだ。なのでサマンサも同席させて欲しい」
何というか、サミュエルはかなり恋に盲目になっているようだ。
「わかりましたわ」
そう言って2人をソファに促した。
「何の話かもうわかっていらっしゃるかとは思います。女性から言い出すことではないとはわかっているのですが、離縁をしたく…」
「それは出来ない」
サミュエルはキッパリと明言した。
「何故ですか?私と離縁なさってそちらの女性と結婚なさればよろしいではございませんか?」
「離縁は醜聞になる。醜聞は売り上げに関わる。君とは元々白い結婚だという条件で結婚している。愛人が居ようが居まいが何も変わらないだろう?」
目眩がした。白い結婚だとは言え私がサミュエルの事を慕っていることくらいはサミュエルに伝わっていると思っていた。
しかし、それすら伝わっていなかったのだろうか。それとも私の思いなど蔑ろにして良いと考えているのだろうか。
私がこれまで女主人として采配を奮ってきたのもミスターゲーブルや彼の部下の相談に応じていたのも社交を頑張っていたのも全てサミュエルの事が好きだからだ。
少しでもサミュエルの為になるならという思いがあったから頑張れたのだ。
「白い結婚を望んだのは貴方です。そして、私がそれを受け入れたのは私が貴方をお慕いしていたからですわ」
サミュエルは初めて聞く話だというような顔をした。
「でも貴方は2年半一緒に居てその事にすら気付いてくださらなかったんですね。わたくし、貴方には白い結婚とは言え愛人の存在を正妻に隠すくらいの分別はお有りかと思っておりましたわ。それなのに家に連れて帰ってこられたんですもの。私を追い出してその女を正妻にしようということかと思いましてよ?」
私はこの議論の着地点を何処に向かわせたいのかもうわからなくなっていた。とにかく感情のまま思いの丈を喋っていた。
「サム、なんだか聞いていた話とは違うみたいだけど」
サマンサが呟いた。私の迫力に怖気付いたらしく、顔色が悪い。
「俺も今初めて知ったことだ。スーザンは気が多くて俺もその中の一人に過ぎないと思っていた。だから俺の愛人一人くらい気にしないかと」
サミュエルが苦悶の表情で答えた。
「サミュエル様は私が浮気していると思ってらしたのですか?」
「浮気していないのか?」
サミュエルもサマンサも驚いた顔をしている。
「私の生活のいつ浮気する隙があると?あぁ、貴方は私の生活なんかには興味ありませんものね。貴方が仕事で屋敷に居ない間、男を屋敷に連れ込んでいるとでも?」
「日中に男性が訪ねてこられたのを拝見しましたわ。頻繁に」
サマンサが言った。
「あれは、ハロー商会の方々です。聞いてもらえればそういう関係では無かったとわかるはずですわ」
「何故ハロー商会の者が君を頻繁に訪ねるんだ?」
「それは、訪ねていらしたご本人かミスターゲーブルに聞いてくださればわかりますわ。あの方々を取り次いでいたのは、ミスターゲーブルですから」
「本当か?ジェレミーも昔、君がいろんな男と合っていると悩んでいたし」
「それで私のことをずっと嫌ってらしたんですか?初めてお会いした時にはもう嫌われていると思いましたけれど」
「そうだ。ジェレミーから色々話を聞いていてジェレミーを蔑ろにする君を許せなかった」
「ジェレミーから何を聞いていたのかはわかりませんがたくさんの男性に会っていたのはただの見合いです。貴方だってお見合いでたくさんの女性に会われたんではなくて?でも確かに私はずっとジェレミーを蔑ろにして裏切っていました。私が好きなのは当時から貴方だけでしたもの。でもジェレミーはその事を知った上で許してくださいました。それでも良いからと言われて結婚したのです」
サミュエルはこの二年半私のことを視界にすら入れていなかったのだろう。
「私、正直サミュエル様が私を嫌うのはもっと別の理由があるのかと思ってました。それとも他にも理由がおありになるのかしら?」
そう、例えば私がサマンサだとわかった上でサマンサとサンダースの関係を疑って喧嘩別れをしたあの日のまま誤解が解けていないとか。
「でもまさかその発端が勘違いだったなんて」
「何故、弁解しなかった?」
「弁解?ずっとどうして嫌われているのだろうとは思っていましたけれど理由がわからなければ弁解も出来ませんわ。それに、いつ弁解する時間がありまして?こうやってきちんとお話ししたのはいつ以来でしたかしら?あぁ、たしかあれは結婚の初夜じゃないかしら?」
「でもそれはお前が食事を別に取りたいと申し出たからだろう?」
「その時にはサミュエル様が私を嫌ってらしたからですわ。食事を一緒に食べたからと言って私と話をされましたか?」
「いやしかしお前が俺を好きなら離婚しなくて、いいではないか?」
「サミュエル様ってバカでしたのね?それとも残酷なのかしら?好きな人に両思いの相手がいて、思いあっている2人の隣にいたいと思う人ってどのくらいいると思って?少なくとも私には無理です。貴方の隣で上手く微笑む自信が有りませんわ。2週間後の感謝祭も私はシープシャーには参りません。貴方お一人で行かれるか、そちらの女性と2人でいらしてくださいませ」
「それは困る」
「サミュエル様が困ったところで私には関係ありませんわ」
二人はしばし睨みあった。
根負けして先に口を開いたのはサミュエルだった。
「考えさせてくれ」
と言った。
「では考えている間、私はキースの別荘に参ります。結論が出ましたらお越し下さい。感謝祭はサミュエル様の方で良いようになさってください。お義父さまやお義母さまに私を悪いように言われるようでしたらもう今後一切、ハロー家との家族行事には出ません。サミュエル様が上手くやってくださいませ」
そう言うとサミュエルとサマンサは部屋を出て行った。
キースは王都の南にある温泉地で最近ハロー商会が開発して観光地にしようとしているところだ。
このところ社員からの相談はキースに関するものが多かった。
開発は順調に進んでいるが集客が思うように行っていないらしい。実際に足を運んで原因を探求しても良い。
サミュエルの為になるのは癪だ。しかし結局、スーザンは事業の事を考えることが好きなのだ。
それに離縁するにしてもしないにしても今後は一人で生きて行くつもりである。どうやって収入を得るかなど考えないといけない。
キースの地で温泉につかりながらゆっくり今後のことについて考えよう、そう思った。
社交シーズンが終わる頃、サミュエルが大陸出張に行った。その際に一人の女性を伴って帰国したのだ。
その女性に向けるサミュエルの優しくも情熱的な視線から私は全てを察した。
それと同時に昔、自分に向けられていたあの視線を受ける女性が出来たことが許せず嫉妬で狂いそうだった。
サミュエルはあろうことか女性を王都の屋敷に住まわせる事にしたのだ。
そして、何よりもショックだったのはサミュエルが未だにサマンサを想っていたという事実だった。
というのもその女性は昔、私がサマンサと呼ばれていた時代と同じような髪の色で、そばかすのある健康的な肌の色のサマンサという名前の女性だった。
サミュエルは私を、サマンサだった頃の私も含めて嫌っているのではなかったか。サミュエルはサマンサをずっと思っていたというのか。それとも昔のサマンサとは別に新たな愛人のサマンサを好きなのか。
こころがぐちゃぐちゃになりそうだった。
私はサマンサが家に来て以来、家の中でサマンサと鉢合わせる事が嫌で一日部屋から出ることもなく過ごし、サミュエルの出迎えもしなくなった。
それでもミスターゲーブルや商会の社員との面会は続いた。乗り掛かっているプロジェクトがあるし、他のことをしていないと気が狂いそうだったからだ。
私はサマンサやサミュエルが心の底から憎くてたまらなかったが、元々サミュエルとは白い結婚という契約での結婚なわけだし、サマンサはそんなサミュエルを好きなだけである。自分が二人に対して悪感情を抱くのは筋違いだということは充分承知していた。
それでもメイド長のマーサやミスターゲーブルががスーザンの気持ちを慮ってサマンサやサミュエルへの恨み言を言ってくれると心が晴れる気がした。
「サミュエル様はスーザン様をなんだと思っていらっしゃるんでしょう?スーザン様はいつもサミュエル様のことを思ってらしたのに。あんな女を屋敷に連れ込んで」
マーサがベッドメイクをしながら悪態をつく。
「でももともとそういう約束での結婚だったのだし、彼に惚れていたのは私の勝手ですから」
そう言いながらも悲しみで手元の刺繍が歪んで見えた。
「わたしにはあんな女より奥様の方がよほど素敵だと思いますけどね。奥様がお優しいからお二人ともつけ上がるんですわ」
「そんなことないわマーサ」
そう言いながらも、もうサミュエルの隣で仲良し夫婦ごっこなどできないと思った。
次の仲良し夫婦ごっこは11月末の感謝祭だ。
感謝祭にはシープシャーの屋敷に夫婦で行き、義父母も含めた家族みんなで過ごす事になっていた。
感謝祭まであと2週間である。
私はサミュエルと2人で話したいと思った。そこで、サミュエルに2人で話したいので一人で部屋を訪ねてくれるようマーサに言付けた。
その日の夜サミュエルはサマンサを伴って部屋を訪ねてきた。
サマンサは部屋に入ると挨拶もなしに開口一番に
「派手な方だと伺ってましたのに案外質素な部屋ですのね」
と言った。嫌味だったのかもしれない。
実際、私の部屋は本棚にたくさんの本と執務机、そして質素なソファがあるだけの機能的な部屋だ。
「ようこそいらっしゃいました。サミュエル様と二人でお話ししたいと言付けたはずですが?それに、この部屋は質素ではなく機能的と言って頂きたいですわ」
するとサミュエルが口を開いた。
「私とサマンサは一心同体なのだ。なのでサマンサも同席させて欲しい」
何というか、サミュエルはかなり恋に盲目になっているようだ。
「わかりましたわ」
そう言って2人をソファに促した。
「何の話かもうわかっていらっしゃるかとは思います。女性から言い出すことではないとはわかっているのですが、離縁をしたく…」
「それは出来ない」
サミュエルはキッパリと明言した。
「何故ですか?私と離縁なさってそちらの女性と結婚なさればよろしいではございませんか?」
「離縁は醜聞になる。醜聞は売り上げに関わる。君とは元々白い結婚だという条件で結婚している。愛人が居ようが居まいが何も変わらないだろう?」
目眩がした。白い結婚だとは言え私がサミュエルの事を慕っていることくらいはサミュエルに伝わっていると思っていた。
しかし、それすら伝わっていなかったのだろうか。それとも私の思いなど蔑ろにして良いと考えているのだろうか。
私がこれまで女主人として采配を奮ってきたのもミスターゲーブルや彼の部下の相談に応じていたのも社交を頑張っていたのも全てサミュエルの事が好きだからだ。
少しでもサミュエルの為になるならという思いがあったから頑張れたのだ。
「白い結婚を望んだのは貴方です。そして、私がそれを受け入れたのは私が貴方をお慕いしていたからですわ」
サミュエルは初めて聞く話だというような顔をした。
「でも貴方は2年半一緒に居てその事にすら気付いてくださらなかったんですね。わたくし、貴方には白い結婚とは言え愛人の存在を正妻に隠すくらいの分別はお有りかと思っておりましたわ。それなのに家に連れて帰ってこられたんですもの。私を追い出してその女を正妻にしようということかと思いましてよ?」
私はこの議論の着地点を何処に向かわせたいのかもうわからなくなっていた。とにかく感情のまま思いの丈を喋っていた。
「サム、なんだか聞いていた話とは違うみたいだけど」
サマンサが呟いた。私の迫力に怖気付いたらしく、顔色が悪い。
「俺も今初めて知ったことだ。スーザンは気が多くて俺もその中の一人に過ぎないと思っていた。だから俺の愛人一人くらい気にしないかと」
サミュエルが苦悶の表情で答えた。
「サミュエル様は私が浮気していると思ってらしたのですか?」
「浮気していないのか?」
サミュエルもサマンサも驚いた顔をしている。
「私の生活のいつ浮気する隙があると?あぁ、貴方は私の生活なんかには興味ありませんものね。貴方が仕事で屋敷に居ない間、男を屋敷に連れ込んでいるとでも?」
「日中に男性が訪ねてこられたのを拝見しましたわ。頻繁に」
サマンサが言った。
「あれは、ハロー商会の方々です。聞いてもらえればそういう関係では無かったとわかるはずですわ」
「何故ハロー商会の者が君を頻繁に訪ねるんだ?」
「それは、訪ねていらしたご本人かミスターゲーブルに聞いてくださればわかりますわ。あの方々を取り次いでいたのは、ミスターゲーブルですから」
「本当か?ジェレミーも昔、君がいろんな男と合っていると悩んでいたし」
「それで私のことをずっと嫌ってらしたんですか?初めてお会いした時にはもう嫌われていると思いましたけれど」
「そうだ。ジェレミーから色々話を聞いていてジェレミーを蔑ろにする君を許せなかった」
「ジェレミーから何を聞いていたのかはわかりませんがたくさんの男性に会っていたのはただの見合いです。貴方だってお見合いでたくさんの女性に会われたんではなくて?でも確かに私はずっとジェレミーを蔑ろにして裏切っていました。私が好きなのは当時から貴方だけでしたもの。でもジェレミーはその事を知った上で許してくださいました。それでも良いからと言われて結婚したのです」
サミュエルはこの二年半私のことを視界にすら入れていなかったのだろう。
「私、正直サミュエル様が私を嫌うのはもっと別の理由があるのかと思ってました。それとも他にも理由がおありになるのかしら?」
そう、例えば私がサマンサだとわかった上でサマンサとサンダースの関係を疑って喧嘩別れをしたあの日のまま誤解が解けていないとか。
「でもまさかその発端が勘違いだったなんて」
「何故、弁解しなかった?」
「弁解?ずっとどうして嫌われているのだろうとは思っていましたけれど理由がわからなければ弁解も出来ませんわ。それに、いつ弁解する時間がありまして?こうやってきちんとお話ししたのはいつ以来でしたかしら?あぁ、たしかあれは結婚の初夜じゃないかしら?」
「でもそれはお前が食事を別に取りたいと申し出たからだろう?」
「その時にはサミュエル様が私を嫌ってらしたからですわ。食事を一緒に食べたからと言って私と話をされましたか?」
「いやしかしお前が俺を好きなら離婚しなくて、いいではないか?」
「サミュエル様ってバカでしたのね?それとも残酷なのかしら?好きな人に両思いの相手がいて、思いあっている2人の隣にいたいと思う人ってどのくらいいると思って?少なくとも私には無理です。貴方の隣で上手く微笑む自信が有りませんわ。2週間後の感謝祭も私はシープシャーには参りません。貴方お一人で行かれるか、そちらの女性と2人でいらしてくださいませ」
「それは困る」
「サミュエル様が困ったところで私には関係ありませんわ」
二人はしばし睨みあった。
根負けして先に口を開いたのはサミュエルだった。
「考えさせてくれ」
と言った。
「では考えている間、私はキースの別荘に参ります。結論が出ましたらお越し下さい。感謝祭はサミュエル様の方で良いようになさってください。お義父さまやお義母さまに私を悪いように言われるようでしたらもう今後一切、ハロー家との家族行事には出ません。サミュエル様が上手くやってくださいませ」
そう言うとサミュエルとサマンサは部屋を出て行った。
キースは王都の南にある温泉地で最近ハロー商会が開発して観光地にしようとしているところだ。
このところ社員からの相談はキースに関するものが多かった。
開発は順調に進んでいるが集客が思うように行っていないらしい。実際に足を運んで原因を探求しても良い。
サミュエルの為になるのは癪だ。しかし結局、スーザンは事業の事を考えることが好きなのだ。
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